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MCFWit 自由人masaのブログ

四国は香川県にて、
株式会社モーターサイクルファクトリーWit
という会社を設立し、バイクの修理やメンテナンス、カスタムなど
を主に生業としております。

当ブログをお読み頂き、
それが皆様がお乗りのバイクや車を楽しむヒントになれば幸いです。

という事で、
車体、シャーシ周りのメンテナンスが終わったので、エンジン周りを出来る範囲で。


いつもありがとうございます(^-^)
MCFWitmasa です。

冷却水交換もご依頼くださいましたので、
内部洗浄を行いました。


と、その前にサーモスタッドの確認。

動作に問題はないのでそのまま使用。

サーモハウジングのスタッドボルトは錆びていたので、

磨きで対応。
錆び対策として密着性の高いグリスを塗布して組み付けました。


クーリングラインの洗浄はM750を使用。


クーリングラインの洗浄は、
数回、暖めては冷ましてのヒートサイクルがありますので、その間にキャブの同調やオイル交換を平行して行いました。


エンジンオイル(ギアオイル)は、
M259 を使用。
ギアオイルを使おうかと思いましたがクラッチのフィーリングが今一でしたので、今回は二輪用エンジンオイルを使用したという流れ。


といったところで、
小ネタに続く~
車輌のメンテナンスをご依頼くださいました。
 

いつもありがとうございます(^-^)
MCFWitmasa です。

今回のご依頼は、
ちょっとしたリフレッシュ。

と当店の定番メニューを色々と。



ちょっとしたリフレッシュは、
ホイールの再塗装とブレーキキャリパーの塗装。





こちらはお世話になっている塗装屋さんへお願いして仕上げていただきました。

ホイールは赤々しく艶々にしてしまうと違和感が出てしまいますので、
オーナー様のご意見を参考に艶を抑えて当時風に。

ブレーキキャリパーも、良い雰囲気に仕上げてくださいました。


ホイールベアリングは、
STMベアリングをインストール


ベアリングの品質に拘りを持つSTMブランドのベアリング。
それを更に組み付け精度を上げインストールする事でライフもかなり期待できます。

車体周りもしっかりとメンテナンス。









購入出来る純正部品は一通り交換させていただきました。

フロントフォークもメンテナンス。



抜き取ったショックフルードは、
それなりの汚れでした。


各部を分解して確認していくと、
オイルロックピース付近にあるシムが一枚無い事が発覚。


幸いウェーブシムではなくフラットなシムが無い状態でしたので、内径違いのステンレスシムを取り寄せて加工して組み付けました。


フロントフォークも交換出来る部品は全て交換して仕上げはMoty's M381SAF


Moty's さんのオイルやケミカルは一度使うと離れられません。


といったところで、
後半へ続く?


前回の記事で書いた、

「空燃比と点火時期」
そこに今回はスロットル開度を合わせた考え方をまとめたいと思います。

またいつもの様に長くなり
纏まらない可能性もあるかもしれませんが、
よろしくお願いいたします。

いつもありがとうございます(^-^)
MCFWitmasa です。

スロットル開度とは、
クルマであればアクセルペダルの踏み込み具合。モーターサイクルであればスロットルコーンの捻り具合に連動したエンジン側のスロットルバルブの開き具合を言います。

昨今の車(二輪、四輪含む)では、
アクセルワイヤーやスロットルワイヤーでそれぞれを繋ぐ方式から、
アクセルペダルやスロットルコーンの操作信号をエンジン側のスロットルボディーに電気信号として伝える、電子制御スロットルの採用が多くなり、エンジンの出力制御の関係から100%操作がリンクしてるという事ではなくなって来ましたので、そのあたりはまた別のタイミングで説明したいと思います。

エンジンの燃料マップ
キャブであれインジェクションであれ基本的な考えは同じ。
スムーズなエンジン回転を得るにはスロットル開度に応じての燃料を供給する必要があります。

スロットル開度が大きくなると言う事は、
吸い込む空気の量も多くなりますし、
逆にスロットル開度が小さい時には吸い込む空気の量は少なくなります。

まあ、そのまんまですね。
ここで予備知識として持っておきたいのは、
スロットルが開く事により吸入される空気の流れ込むスピード。
吸気流速なんて呼び方をするのですが、
エンジンの回転数を低回転。
そうですね、2000回転付近として。
この運転条件でスロットルを小さく開けている場合は隙間も狭いですから吸気流速は速くなり、スロットルを大きく開けている場合は隙間も大きく吸気流速は遅くなります。

もちろんエンジンの回転数が高い状態。
レッドゾーン付近でスロットル全開となればエンジンが必要としている吸入空気量も多くなりますので、全開のスロットルに流れ込む吸気流速はそれなりに速くはなってきます。

さあ話がややこしくなってきましたが、
文章ですので、ゆっくりのんびり読み返してなんとな~く理解してもらえたらなと思います。

ではここから、
空燃比とスロットル開度の推移を考えて行きましょう。

空燃比は簡単に言えば燃料と空気の割合。
空気の質量を燃料の質量で割った数値ですので、空燃比の数値は燃料が少ない状態ですと数値は大きくなり、逆に燃料が多いと数値は小さくなります。これを踏まえて実際の運転状況に照らしあわせてみましょう。

仮定として、キャブやスロットルボディー(インジェクター)より供給される燃料の質量は一定であるとします。
運転条件としてエンジンの回転数を1000回転。
この時の空燃比を14.0付近。
スロットル開度を5%として、
この運転条件からスロットルを100%まで急に開いたとします。
燃料供給量が変わらない設定ですので、
このスロットル急開により空燃比は一気に大きくなり16.0から19.0付近を表示したとします。
エンジンが無負荷状態(空吹かし状態)であればエンジンはそれなりの回転数まで吹け上がるかと思いますが、
負荷のかかった運転状況。
例えば、上記の条件で時速20km付近の低速走行からスロットルを100%まで急開!
となるとエンジンは弱々しくストールしていくかと思います。

この状況説明としては、
エンジンが必要としている燃料が足らない。
供給される燃料に対して吸入空気量が多い。
エンジンの運転状況に対しての負荷が大きすぎる。
エンジンの負圧不足。
などになるかと思います。

では今度は逆パターンを。
燃料供給量は一定であるとして、
エンジン回転数5000回転で、
スロットル開度100%
空燃比を13.0になるような設定。
ここからスロットル開度を50%までスッと素早く戻したとすると、
燃料の供給量はこの時の状態からの一定としていますから吸入空気量は少なくなり、
それにともない空燃比も小さくなります。
この状態ですとスパークプラグは燃料過多により湿ってしまい失火を招き、
いわゆる「かぶり」の症状になるかと思います。

このように、
燃料の供給量が一定になってしまうと、
どこかは良いのだけれど、
どこかはでは不調が出てしまう。
と、なってしまうのです。

もちろん、エンジンの各回転数ごとでも必要とされる燃料の質量は異なって来ますので、
極一般的な運転状況であってもそれなりに細かい制御が必要ではあるという事なんです。

ではここで、点火時期。
点火時期の制御は主にはスロットル開度に連動して進角、遅角を行っています。
近頃ですと、キャブ車へもスロットルセンサーを取り付けその信号を元に点火時期をリニアに制御出来るモジュールが販売されたりしています。
そしてこの点火時期の変化も空燃比の数値に表れてきます。
進角させれば空燃比は大きく表示されますし、遅角させれば空燃比は小さく表示されます。
この点火時期が運転状況にどのような影響をもたらすかと言うと、

先ずエンジンの始動時。
バッテリーその他諸々の電気関係が正常であるとして、
セルモーターの回転が息継ぎするような場合。
その時に吸気側、スロットル側からクシュンクシュンとくしゃみのような音がする場合は、エンジンの回転数に対して点火時期が早い場合があります。

ほかにも車輌の発進時。
回転数を上げる目的で軽くアクセルをスナップさせるもしくはパンパンと煽った時にエンストしてしまう場合は、そのスロットル操作に対して点火時期が遅いと言う場合もあります。

この後者の場合は、
最近の排気ガス規制車輌でマフラーを抜けの良いモノに交換した場合に発生しやすい傾向にありますし、STDの状態でも同じ症状が出る車輌もあります。

ただ、点火時期の調整はエンジンを壊してしまう可能性を大きく含んでいますので、
迂闊に触らない、進角させないほうが無難ではあります。

それでも触る場合は、
先ずは点火時期を基準に合わせて、燃料を合わせ込む。
その後に物足りなかったら。または、
もっと欲しい場合。に点火時期を合わせ込むとしておきましょう。

ここまでくると、
空燃比と点火時期とスロットル開度
の関係性がなんな~く見えて来たと思います。

ここで一つスロットル開度に対しての点火時期の例をあげますと、だいたいこの様なイメージになります。


横軸はエンジン回転数
縦軸はスロットル開度は上から下へ小さくなります。
右下へ行くほど点火時期が進角しますが、
スロットル開度が大きくなり、
エンジン回転数も上がり燃焼に必要な燃料の質量と空気の質量も大きくなりますので点火時期を進める事で出力アップを狙う事も出来ます。
もちろんエンジンのフィーリングであるとか空燃比の数値的に進角を抑える場合もありますし、乗り方であったり使い方を考慮して余裕を持たせる為に点火時期を進角率を多くしない場合もあります。

ここで今一度吸気流速の話ですが、
エンジン回転数が上がってくると、
ピストンの上下運動のスピードも必然的に上がります。そうすると毎分辺りの吸入空気量も大きくなりますので、スロットル開度が大きくなっていても吸気流速はそれなりに速くなっているという流れになります。


という事で今回はこの辺りで👋
長文にお付きくださいありがとうございました。

なにか気付いたり思い付いたら編集追記など、
新規記事更新などしたいと思います。























#点火時期
#燃調
#エンジンセッティング
#スロットル開度



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香川県のバイク屋
MCFWitのmasaです。
日々の作業内容や、
感じた事、思い付いた事を発信していきます。
よろしくお願いいたします。

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今回は、点火時期での空燃比の変化について少し。

燃料調整はエンジンの回転を整える事が大きな目的として、点火時期の合わせ込みはエンジンパフォーマンスの解放とボクは考えています。



いつもありがとうございます(^-^)
MCFWitmasa です。


点火時期
ガソリンエンジンでいうところのスパークプラグからの放電するタイミング。
一般的なスパークプラグですと見た目が小さく可愛らしい放電をしていますが、実際には雷⚡見たいなモノだとご認識ください。

このスパークプラグの放電は、
文字の通り Spark Dischrge  火花放電と呼ばれています。

この点火時期の調整が、なぜエンジンパフォーマンスの解放につながるかと言うと、

一般的には点火時期を遅らせると、スロットル操作に対してまったりしたフィーリングに。逆に点火時期を早めると、スロットル操作に対してダイレクトなエンジンフィーリングになります。

言って見ればよりレスポンスよく、よりエンジンパワーを引き出したい点火時期にしたいが故に燃料調整を行う。といった見方も出来るかと思います。

そしてここから、
空燃比と点火時期
となるのですが点火時期を調整しても空燃比は変化してくるので、空燃比をベースとしたマップは燃料のマップと点火時期のマップを合わせた二次元で見ていく必要が出てきます。

点火時期での空燃比の推移ですが、基本的には点火時期を進角(早める)させると空燃比の数値は大きく(Lean)方向へ、逆に遅角させると空燃比の数値は小さく(Rich)方向へ変わって行きます。

点火時期の合わせ込みは、セオリーとしては燃料調整が終わってからの作業になります。というのも点火時期の調整、特に進角方向に調整する場合はノッキングなどが発生しエンジンにダメージを与えてしまう可能性があるので、詰めの段階で行うのが無難でしょう。もちろんやり過ぎは厳禁ですが。

ここで一例として、点火時期の調整をしたいパターン。
例えば、マフラーパイプを抜けの良いモノに変更した。その場合、燃料に関しては元々儲けられらマージン内に収まっている。
(といっても最近の車両ですとギリギリですが。)のですが、低速低負荷時のスロットルレスポンスが今一。
症状としては、スロットル全閉から開度15%付近まで急開した時にエンストもしくはエンジンストールする。
この時の空燃比は13.0から12.0と表示され燃料的にはRich気味ですが特に問題なしで、
無負荷に近い状態ですので、スロットルのツキを良くする為にもう少し燃料を絞りたいとなるところですが、実際に燃料を絞ってみるとストール症状は悪化してしまう。
という場面に点火時期を進角して辻褄を合わせるパターンがあります。この進角により空燃比は同条件にて13.5付近で落ち着く事で点火時期調整後に燃焼が理想に近づいたと見る事もできます。

点火時期の調整は、プロチューナーでも用心しながら行うところですので、ご自身で調整される場合はしっかりとマージンを儲けた上で作業を行うようにしましょう。

それでは👋

先日のキャブセッティングのお話の中に少しだけ出た、

スロットル開度とエンジンの負荷による空燃比の合わせ込みというか、空燃比の狙い目を少しだけ。




いつもありがとうございます(^-^)
MCFWitmasa です。

先ずおさらいとして
ガソリンエンジンに置ける理想の空燃比は、
空気の重さ14.7gに対してガソリンの量1g
と言われていて、空燃比メーター上では14.7と表示されます。
この数値は燃えすぎず燃え残らずといった環境にも優しい数値とも言えます。

ではすべての運転状況において、
この割合と数値がベストなのか?と言われると少し視点を変えて見ていく必要があります。


燃費とパワーについて。
空燃比は、空気の重さ14.7g:1gガソリンの重さが理想の燃焼状態ではありますが、
燃費が良いか?といえばそうでもなく、
この数値でパワーが出るのか?といえばこれまたそうでもないのが現実なんです。

例えば燃費を伸ばすのに手っ取り早いのは燃焼に費やすガソリンの使用量を減らせばいいので、
燃費仕様となれば空燃比15.0:1から16.0:1付近まで燃料噴射であるとか燃料供給量を減らす事もあります。
昨今のリーンバーンエンジンのアイドリング領域ですとこの辺りの空燃比に調整されていて、アイドリング時のガソリン使用量を出来るだけ少なくなるように設定されています。

次にパワーを出す場合。
例えば上り坂を登る場合ですと、それなりの負荷がエンジンにかかってくるわけですから、
燃料を多く送り込んで、空燃比的には13.0から12.5付近までを狙うようになります。

ここでエンジンの負荷を考える必要があるのですが、

例えば、
平坦な道路を一定のアクセル開度15%ほどで法定速度で走行していると仮定しましょう。
その時の空燃比メーターの数値は14.7。
平坦な道路の先には長い上り坂があるとして、
その長い上り坂を上りはじめてしばらくの間は一定のアクセル開度で走行していた速度が維持できますが、坂を進むにつれて車両のスピードが落ちてくるかと思います。
この時に空燃比メーターの数値は15.0付近まで上がって来ます。
要は、坂道を上る事によりエンジンの負荷が大きくなりそのままの運転状況では使用する燃料が足らない状態であると言えます。
もちろんこのままでは失速してしまいますので、
アクセルを45%~50%付近まで開けて車両を加速させるかと思います。
このアクセル開度の変化をFI車であれば信号を読み取り燃料噴射量を増やしてエンジンが力を出せるようにするという流れになります。

エンジンの負荷ですが、
坂道を上る時だけではなく平坦な道路での加速時。
高速道路本線への合流であるとか、
追い抜き時の加速であるとかでも負荷というのは掛かります。

例えば、
高速道路本線への合流の際、
導入路が 60km/h 本線が 100km/h として。
導入路から本線までの並走区間 100m ほどですと、スムーズに流れに乗ろうと思えばアクセル開度は70%から90%ほど開ける必要があるかと思います。
ではこの時、エンジンの負荷はそれなりに大きくなりますので空燃比でいくと13.0付近は欲しいところになりますので、燃料を通常運転時よりも多く送り込む必要があります。

短くまとめると、
理論空燃比は14.7:1付近
燃費重視であれば16.0:1付近
パワーを必要とする場合は13.0:1付近
を狙って調整していくという流れになります。

大方の狙い目が定まれば、
季節ごとでのマージンであるとか、
エンジンのツキやアクセル操作とのフィーリングや、標高の高い場所にドライブやツーリングに出かける場面などを考慮して数値を合わせ込んでいき仕上がりとなります。

今回の空燃比ですが、あくまでも自然吸気エンジンの町乗りでの目安で、
ターボやスーパーチャージャーなどにより過給が加わる場合であるとか、サーキット走行やパワー狙いの場合は合わせ込む数値が異なりますのでご留意ください。

この他にも、
各回転数域、スロットル開度、車速、使用するギアや、それぞれでの点火時期などで細かい部分も近頃のモジュールですと合わせ込みが可能になっていますので、
その辺りはまた次回ということで。