声迷線の彷彿線 どこ行き? -164ページ目

INDUSTRIAL

断続的に繰り返す
病的な耳鳴りの様に
脳内を駆け巡る
硬質な音色

麻痺していく
陶酔の最中
針葉樹が刺さる

何事も無く
過去りし今日には
夢見る事も無く

憐れみを含んだ
眼差しにも
素知らぬ振りで
静かに去る

月へ向かい
蝶は翔ぶ

その凍えた羽根を
鈍色に置き換えて

その姿 焼き付け
穏やかに
まどろもう…

窓を閉じて…
金属の夜に…

AQUARIUM

硝子越し喝采を送る
好奇な人らの視線を
尻目に
したり顔で人工の海を
徘徊し続ける戯れ

傍からすれば
観賞してるのは
こちら側なのに
時折合う視線の先
観察される
気がするのは何故?

余りにも背負うべき
贖罪は多過ぎて
全てを偽る事で
覆い隠せると
信じてる

これが
プロバガンダとでも
言う様に

連鎖の循環の下で
偶像が導き出す
結末は

それこそ
自然を憂いた
アンチテーゼ

泡になりか細くなる
光の粒へと
サカナ達は

三日月にも似た
微笑を孕ませる


耳の後ろから
夕暮れを告げる鐘が
時差ぼけ気味の
輪唱で聞こえてくる

仄かに照れ笑いながら
忙しない言葉が
空を埋め尽くした

あの日に
垣間見た景色は
素敵な色を称えていた

脆弱な枯れ枝にも
花が咲き誇る程に

涼風が束ねた
尾ひれの隙間に
そっと櫛を挿れて

還る頃を
見計っている