声迷線の彷彿線 どこ行き? -159ページ目

眠り忘れ

疲れた瞼を
降ろして
黒を枕に

桜の雨降り出す夜に
紙で出来た海を
漂って

潜めていく
刻の調べが
背いていく
数え歌に

流れ続ける
目と目の継目を

なだらかに針は
交錯する

声も発てずに

ゆるりと…

灯を掌に燈して
歩みよる夜を
讃える

艶めかしい糸を
紡いで真実を

七色に辺りを消して
透き通る奇麗まで

血色の良い
酔いネコを胸に抱いて

たくさんの花を
摘みに行きましょう

形式ばらずに
想う頃には

電車の軌跡

懐かしい原風景は
いつもと変わらずに

遠回りをしたく
なるほど
見とれてしまう

少し埃臭い
椅子の匂いも

中音域で響く
汽笛の音も

湿り気を含んだ
ホームも

塗料の剥がれた
駅名も

走り出す時の笛も
競り上がって行く
音階も

あの頃のままで

その集合体に
囲まれて

小さなバイクの
後ろに乗って

後 追いかけた
幼い日が

鮮やかに甦る