声迷線の彷彿線 どこ行き? -154ページ目

遅い朝の跡

膨らむ山吹色
据え置かれている
まやかしの層

襟足を擦りながら
藤の帯を棚引かせる

悠々と深く
下の方へ

強ち間違いでは無い
蜃気楼に触れて

眩しくなる頃に
眼を細める

しゃなり しゃなり

逆巻く髪を飾る
櫛を瞳に照らして

金と銀の鱗粉を
赤銅に垂らし

矢の様に通る
行方を尋ね
報せる

爪に紅を薄く塗って
口元に微笑の気配を
許すように
忍ばせる

花曇り

今にも泣き出して
しまいそうな
顔をした鉛色の空を

見せまいと覆い隠して
あげている様な
白百合が誇っている
様な頭上

ひとひら摘んで
遊んでいたら
朝の香りが
盗って逃げた

抱擁する静と精
ひとつに合わさり
擦る足に砂が舞い
調べの拍子を取って

お座なりな鼻歌
鳴らして
影踏み 囃す

衰えれも無く