声迷線の彷彿線 どこ行き? -153ページ目

後ろの正面だぁれ?

意図して歪ませた
声で漏らす

得てして
理解されがたい
不利益は

如実に表層だけを
反映させて
甘いところだけを
もぎ取る

その行為には
敢えて逆らわずに

裏側で
小馬鹿にしながら
高笑いする自分に
お前も同じだよと

鏡に映る姿に
窘められる
自分を見てる

晶 翠

積木で出来た
高い壁の端から端を

両手で思い切り良く
撥ね除けるぐらいの

勢いで躰から
ちからを疲労が
奪っていく

遊びきって
じゃれるのも
嫌がる仔犬の様に

ただ宙に浮いていたい
けれども

まだまだ星を
掴むには遠く
眼では追えない程に
路は連なっている

仄かでも
輝き出す為に

溜め息を
飲み込んで

刹那にぶら下がる
事も無く

歩みを止めないで

慮 愁

ひと山越え
ふた山越えて
灰色の蛇の背を
乗りこなしながら

南天の緋が
朱色に盗って
変わるのを

見届ける様に
車輪を進ませる

もう少し
あと少しと
欠伸を噛み殺して

やがて月が
顔を出すのを待つ

永い旅路も逗留も
疲れ果て低体温
音無しの所作で
斜めに為れば

慣れた目付きで睡魔が
哀願し出す

悩ましげな
素振りを添えて