声迷線の彷彿線 どこ行き? -128ページ目

VOLT

落雷の衝撃を
吸収して
急斜面を転がり下りる

毛並みの逆立った
猫の様に小刻みに
肌を峙てながら

静電気の走る宵を
暗がりを道連れに
路傍の石屑を
撥ね除けながら
地割れの酷い未知を

目を回して
見えた景色は近未来
魚が空を飛んでいる

海と星とが裏返しに
存在して
波飛沫で顔を洗う

辿り着いた そこは
無重力の底

鳴り止まない破壊と
余り無い 愛とを
繰り返し営んでいる

汚れを知らない瞳で
雷音の響く中を
機械仕掛けで

通り雨

薄紫の透き間から

臥せ目がちの
薔薇色の向こうから

青臭い カビ臭い
匂いをそよがせて

朝は尋ねて来る
断りもなく

現実を逃避した
前日の首を鷲掴み

慌ただしくも
丁寧な仕草で

遠い頃合を見計って
蜘蛛の糸で
手繰り寄せる

眠らずに過ごした
縁側に塗料を濃く
塗り直す様に

雨が走去って行く
要らないこもごもを
通り抜けて

これくらい
拾って行けば
良いだろうにと
少し思いながら

閉じ忘れた窓
路地裏の心
朝露の流れた緑を

眺めては
する事の無い
午後を考えて
頬杖をつく

留まる夜

群青色の群衆に
咲き乱れた街は
日々の疎ましさを
首筋に巻き付けて
汗ばむ肌を放熱させる

生温い想いと湿度と
怠さをベッドに携えて
早過ぎる目覚めに
溜め息と愚痴零す

茹る様な夜明け前
ひたすらに独りで
はしゃいでみた所で

散々たる結果で
もう目が痛むから

ただ 黙っていよう
ただ 黙っていよう

静かに涼風が
走り抜けるのを待って