合理的議論の無い日本の原子力・利権政治ETV特集「吉岡文書」に悔し涙!
東京からエネルギー政策の転換をあきらめない!

国が巨費を投じて進められてきた原子力政策の舞台裏

原子力の利用が始まって70年
NHK ETV特集【膨張と忘却ー理の人が見た原子力政策】を見て悔し涙が出た。けれども、だからこそ、東京からエネルギー政策を変える事をあきらめてはいけないと強く思う。

「日本の原子力政策は、合理的議論を尽くした末のコンセンサスに基づいて進められてきたのであろうか」
との吉岡先生の問いに、

国民の利益・経済合理性、国民を巻き込んだ合理的議論が尽くされること無く、秘密裏に、利害関係者と自民党政治家が政策をゆがめ、利権政治により進められてきた構造。

原発政策も、神宮外苑も、築地市場跡地開発も、英語スピーキングテストも
蒲蒲線計画も、
全て、根っこは同じ。

政府は昨年9月12日、「GX脱炭素電源法」と云う名で、原子力政策の大転換を図る閣議決定を行った。
原発再稼働の加速、稼働から60年を超えた原発の運転を可能にし、新たな原発の建設に政府は大きく舵を切る閣議決定。

3.11から間もなく13年、未だにふるさとを奪われ、汚染水の問題、課題が山積する中、何事も無かったように再稼働に舵を切ることは許されない。

今年1月1日の能登半島地震においても、志賀原発では外部電源から電力を受ける変圧器などのトラブルがあり、住民の避難計画は穴だらけで、2003年に凍結された石川県珠洲市原発が建設されていたら、と懸念する声も上がっている。
地震大国の日本において、原発との共存は出来ない。

東京都のゼロエミッション東京戦略の作成の際には、会派の環境建設委員会の事務局として「東京都は再生可能エネルギーを基軸とする」と計画に書き込んだ。

一方で、国では もんじゅの破綻、高速増殖炉計画に
すでに7兆円が投じられ、全国民一人6万円という巨額な予算が投じられながら、26回計画延期となり、
政治家は誰も責任を取らず、国民のためではなく、利権をむさぼる政治家と、そこに群がる原子力村の利権構造
その背景についても、今回の番組でよくわかりました。

私は、小学校時代にチェルノブイリ原発事故に衝撃を受け、小学生でも危険性がわかるのに、なぜ大人はやめないのかーと原発に関心を持つようになり、2007年初当選以来、自治体からエネルギー政策の転換を訴えてきた。

2012年5月5日、42年ぶりに全国の原発稼働が止まった日
芝公園のデモで、原発稼働ゼロこそ、最高の子どもの日のプレゼントだと実感した。
3.11から間もなく13年、風化させない為に、私たち一人ひとりが、自分事として国をチェックし続けねばならない。
吉岡斎先生の「吉岡文書」から、改めて、国が間違った方向に進もうとしている今、声を上げ続けねばと思う。


ETV特集【膨張と忘却ー理の人が見た原子力政策】より
(3月9日までNHK E +で視聴できます)



先月、九州大学が公にした「吉岡文書」

部外秘 複写禁止の原子力委員会などの内部文書

1990年代から20年にわたり、国の原子力政策に携わってきた。
合理的に物事を突き詰めてきた”理の人” 吉岡斎元九州大学副学長

政策を決めるプロセスの合理性
「ある主張がどこまで妥当で、合理的なのか 議論を尽くす 熟議する」

「日本の原子力政策が政策合理性に関する真摯かつ有能は判断に基づいて進められてきたとは、どうしても思えない」

重要な意思決定が、たいていの場合「利益政治」の枠組みの中で決められてきたという事である。

日本の原子力政策が、合理的判断のもとで進められてきたのか

年間800億円ほどの巨額なお金を使い続けることの是非について

1997年【結論ありき】
1997年国の高速増殖炉「もんじゅ」の開発を進めるかどうか

「核燃料サイクル構想」
全国の原発から出る核廃棄物を高速増殖炉で再燃料化する夢の構想
6000億円

しかし、翌年1995年 ナトリウム漏れ事故
 事実の隠蔽

1996年12月 政策決定過程の合理化・透明化・民主化

【もんじゅの経済合理性】
開発が始まり、30年たっても実用性のめどが立っていない計画

年間800億円ほどのおかねを使い続ける事について、すでにもう、やめる段階にきている。

一方で、「長期エネルギー確保の観点から続けるべき」「中止すべきでない」という意見が大多数で、実現までの見通しは示されることは無かった。

「継続することの合理的根拠を説いているこれが示されないことが最大の欠陥」

元委員の竹内佐和子氏〉多額の企業と巨額
研究開発自体がブラックボックス化している。

高速増殖炉 製造メーカー、電力会社 ものすごい利権構造
毎年毎年多額のお金が流れていく構造が出来上がっていて切れるものではない。

第8回懇談会で、突然11月28日までにスケジュールありきで結論を求められる。
「3合目から いきなり9合目にヘリコプターで運ばれたようなもの。」

動燃ーまず新法人ありきで幕引きを図った。

吉岡さんは、議論継続をもとめた。
しかし、事務局はスケジュール通りに、もんじゅの研究開発を進めることが決定された。
「もんじゅ推進ありき」で、ほかの選択肢が見えなくなっている。

報告書を取りまとめた 動力炉開発課長
動燃廃止後につくられた新法人
「新法人設立は、高速増殖炉 推進ありき」

もんじゅには、1兆円以上の国費が投入されたが、懇談会から16年後
2016年廃止決定

幼いころから科学を愛し、中学校時代 物理学者を目指した吉岡さん

科学技術を批判的に
「ベトナム戦争、公害問題、科学技術に関わる社会問題の構造的要因を解明するために科学技術史的なアプローチが有効」

日本をよくしよう、科学技術の発展
「利権に捕らわれない」ことの重要さ、合理的議論

経産省の内通者

『19兆円の請求書』




当時の若手官僚が、国策に真っ向から立ち向かう

もんじゅは中止を!
再処理工場はトラブルが相次ぎ
青森県六ケ所村の問題点
欧米諸国では核燃料サイクルが中止となっている。

当時の若手官僚たちが匿名で告発した。

「まったく意味もないことに19億円かけて進められようとしていることに、国民的議論に訴えねばならない」

2004年から長期原子力政策について議論する

山地憲治氏
長期計画会議

核燃料サイクルをやめる 新たな選択肢も示された。
それまで、選択肢の議論がなかった。

費用の比較も示された。直接処分よりも、再処理の方が1.5倍の予算がかかる。

吉岡先生「総合評価というものを8年言い続けて、ようやくやってくださる。命を懸けて考えていきたい」

ところが、第7回会議では
「政策変更により 廃止費用、活用先損失」

近藤駿介氏〉 使用済み核燃料の行き場がなくなること
日本全国の発電所で、おいておく場所を作らねばならない。
直接処分の場所は決まっていない。原発で出た使用済み核燃料が増え続ける

地元との関係、青森県六ケ所村では、再処理処分場になることに対して激しい反対運動。多額の交付金、国は地域振興を旗印に建設を推し進めてきた。
オールジャパンで、地域振興、青森に対して費用も必要。

⇨ 再処理工場継続案

「政策変更コスト」は、恣意的評価を重ねていることの問題点を指摘するも、従来通り使用済み燃料を再処理することが決定された。

「長計会議をつらぬく 無責任の思想」

国と電力会社で、極秘会合が重ねられていた

六ケ所は中止すべきとの世論に対して
「国の政策変更に対して生じる予算は、国が出すべき」との電力会社
国は民間事業
再処理施設については稼働を容認

すでに、長計会議の1か月前に、自民党の会合で、秘密裏に結果は決まっていた。

「ウランの価格が上がるとか、強引に過程を作ればいい」
自民党議員から
「バック(再処理)がとまればフロント(原発)も動かなくなる」

公の会議の裏で、長計会議座長 近藤氏と自民党幹部での勉強会という名の口裏合わせ

山地元委員 「技術科学的には合理的であっても、政治的関係で合理的な行動ができない」

伴「国民を馬鹿にしたようなことをやっている 茶番
専門家としても、茶番劇に付き合わされていたようなもの」

『19兆円の請求書』告発した若手官僚は、部署を外された。
政治家からは、
「君らが言っていることは正しいが、神話」
「嘘は承知で、できるできるって言っていればいい」

「薄く広く電力料金に乗っければ、19兆円なんて調達できる」

⇨ 結局国民よりも、「金」と「ウソ」と「おまんま」がぐちゃぐちゃになって固まっている →自民党政治の本質。

再処理工場は事故が続き、これまで26回延期
7兆円以上 国民一人当たり、6万円以上

「所管省庁、電力業界、政治家、地方自治体の有力者、
すべての構成員が、何らかの利益配分を受けることが出来る限りにおいて、
分裂は回避され、結果として原子力事業の
自立的膨張がもたらされてきた。」

国民の痛みの上に政策は成り立っている、
一人一人では広く薄くても、
トータルは途方もない。

2006年「原子力立国」を掲げ、原子力産業の国際展開

2007年 中越沖地震。
7号機から放射性物質があふれ出した。

「単なる原発事故と、地震による原発事故は異なる性質を持つ
激震によって、施設設備を同時に破壊する
大規模原子力災害が現実的な脅威になっている以上、具体的な指針を作るべきだ。」

本当は、この時に全国の原発の安全性、耐震性をチェックすべきであった。

3.11メルトダウン
「一番起きてはいけないことが起きてしまった」
自らの警告は十分だったのか、思い悩んでいたようだった。

それまで距離を置いていた市民運動

原子力市民に員会 大島教授
3.11を超えて、自らの生き方を変えた

市民と一緒にやる という事までは、3.11までは避けていた。

自らが社会を変える という事に、身を置いて行った。
福島でも16万人が土地を奪われた。
他人事ではなく、自分事として、声を上げること。

2017年9月
原発事故で被災した人々を、最後まで気にかけていた。

理の人、知の人、救えるはずの命が奪われたことに対しての怒り

政府は昨年2023年9月
原発再稼働の加速、新たな原発の建設に政府は大きく舵を切る閣議決定に舵を切った。

原発の廃止を求める声が、震災直後の高まりから、
2021年 すぐにでも廃炉17.4%、脱原発を急ぐべき43.1%
2023年 ウクライナ危機、原油高騰等、原発活用容認が48%まで増えた一方で、
今年1月1日の能登半島地震を経て、23年の値と比較すると、
2024年脱原発は、8.4ポイント増え、原発容認は8.6ポイント減っている現状があります。
今こそ、原発ほど災害に弱く、危険で、コストがかかるエネルギーは無いということ。声を上げねばならない。

今、12基の原発が再稼働をしている。
2024年1月1日 能登半島沖地震

利害を超えて、議論を尽くす

「熟議」明らかな問題を放置して、かえって傷を深める
そんなことに
考えないで進むことの危険性は今も続いている。

「普通の人が考えて、普通に理解されることしか言っていない
なぜ伝わらないんだろう。ほっといたら、すぐに元に戻る」

日本の原子力政策は、合理的議論を尽くした末の
コンセンサスにもとづいて
進められてきたのであろうか。

科学技術という「窓」を通して、
日本社会の抱える問題点を照射し
打開策を考えることである。

#311を忘れない
#原子力政策
#エネルギー政策の転換
#19兆円の請求書
#吉岡文書