お盆ツーリング2014

前日までの台風騒ぎも一段落した午前3時。
風と共に素早く動く雲の隙間からは明るい月が顔を覗かせていた。
夕方に上がった雨はもう路面を濡らしている事もなく、その風雨の影響で気温もそれほど高くなく、出発するには申し分ない状況。
直前に交換したプラグのお陰かどうかは不明だが、R1150RSのエンジンは素早く始動し、振動や異音も無く気持ち良く回っている。自身もオートバイもいたって冷静。
関越道は川越ICまで湿気の多い空気を感じながらじっくりとRSに馴染んでいく。国道16号はそれなりの交通量ではあるものの、不快な程ではなく、外気温も手伝って快適ライド。
少しでも高速道路料金を安く上げる為、午前4時直前に川越ICへ滑り込む。
巷はお盆休みもあってか高速道路の流れはやや多く、追越車線を我がモノ顔で走るサンデードライバーが目立つ。しかし家族の為に犠牲になっているサンデードライバーを一概に責める事も出来ないだろう。

久しぶりに通過した関越トンネルを、特に飛ばす事も無く法定速度で走るとなんと長い事か。「出口より先雨…」のお知らせを見て少しテンションが落ちたが、もう雨は降っていなかった。ちょうど出た所のPAでトイレ休憩。
早朝の綺麗な空は三文以上の得。
その後淡々と歩を進め関越道から日本海東北道を経て、村山IC、そして最後の朝日まほろばICにて無事下車。
今回も仲間との集合場所は現地であり、集合日時もこの次の日。つまりソロツーリングを楽しんだ後にマスツーリングが待っているのは昨年同様。
今宵の宿はまだ確保していない状況で、山形県に降り立った。
そのまま国道7号を北上、温海温泉から日本海東北道の無料区間を無駄なく使用して鳥海山まで。

前日の台風のお陰で樹木の枝や葉が散乱しているのと、低い気温故に乾かぬ路面がペースアップを阻むが、メッシュジャケットでは正直寒くてどちらにせよペースを上げるどころではなかった。

頂上付近は14℃程度しかなかったと記憶している。雨上がりというのもあってか、空気が澄んでいて稜線がクッキリ見える。

その逆もまた然り。山からの日本海の眺望がよく、暫く休憩するのにもってこい。だがしかし寒くて早々に下山。寒いと感じる機会が少しでもあるお盆のツーリングはここ暫く味わっていない。
この後、秋田市内にビジネスホテルを確保し、遅い昼食を摂ってからチェックイン。ほぼ徹夜に近い状況だったので到着後すぐに寝入るも、またもや夜適当な時間に目覚めてしまい、近所のコンビニの駄食でやっつけ夕食。

気付けばまたもや朝だった。朝食時間に起床出来ない自信があったので、朝食抜きで早々に出発する。少し曇ってはいるが時折陽も指す。そして混み合う蒸し暑い市内を脱出する。

結局のところ好きなんです、ファストフード。
コンビニコーヒーも売れてますが、マクドのコーヒーも中々イケており好みである。たいして走っていないが汗だくになったので、汗が引くのを待ってから、今回の待ち合わせ場所である、”能代”の入浴施設へ。

北海道っぽい道。
とくに憧れがあるわけではないが、今回不参加の仲間が其方へ行ってるので・・・。
国道7号から国道101号へ移る際に道を間違え、大きく遠回りを強いられたが、それでも秋田市内から能代市内までせいぜい30km~。
待ち合わせ前に仲間から連絡があり、近くで昼食を摂っているという。
分かり易い場所だったので向かってみる。

…いた。
”ボッロくて汚ったない食堂”という前情報からもすぐ発見出来た。
マクドから時間があまり経過していなかった事もあり、注文したやきそばを半分残してしまった。味は可も無く不可もなく。創業50年というこの店は元々喫茶店だったそうで、店主は81歳との事。末永く頑張って貰いたいものだ。(もう少し味を上げると良いかもしれない)

一部を除き集合完了。時間の読めない人は直接お宿へ。
せっかくの入浴施設でしたが、あまり入浴をした方はいなかった模様。

そして出発。
しかし今年の東北は例年と違い涼しい。直射は暑いが日陰はしっかり涼しいのだ。後にも語るが終始うだるような暑さはあまり無かった。

本日のお宿は有名処”黄金崎不老不死温泉”。能代市内から国道101号を走ってくれば程なく到着する距離だったので、途中十二湖へ立寄り。
青池は今回二度目。気温や天気に関係するのか”蒼さ”が強かった様に感じ、魚影もかなりの数確認する事が出来た。

到着しました”黄金崎不老不死温泉”。ここも二度目の来訪。
前回は日没に微妙に間に合わなかったので、今回はPM4時到着。約10年前の出来事なのについ最近に感じるのが不思議だ。

雲が多めですが、間に合いました。
というか早過ぎてかなり時間潰しに苦労した。しかし何事も早め早めが間違いありません。

至極の入浴(といっても混浴無)後はお待ちかねの宴。
見た目良い感じの夕食内容ではありますが、この後温泉宿恒例の”冷やし岩魚”が登場。
左にあるサザエには味が付いており、切り身にもなっていたので食べ易く中々の配慮かと思いきや、やはり冷やし岩魚は・・・。もう少しユーザー目線で考えれば分かりそうなモノですが、名が売れると甘んじてしまうのでしょうか。完璧は無理なのかも知れないが一つ一つの積み重ねは非常に大事。厳しい様ですが”蔑ろ”はいけません。
初日は徹夜に近い者もおり、宴は早々にお開き。
そして明日に備えます。

明けた中日の午前中は岩木スカイラインへ。
地図で見ると完全”内臓”状態の道が興味をそそった。69個ものヘアピンカーブの連続で、登りは走行風があまり期待出来ない事で、油温が通常より上がってしまったのは言うまでもありません。

時間に余裕があれば、是非登ってみたかった岩木山山頂。リフトに揺られる事15分程度でこの位置まで到達。恐らく1時間程でいけると目測。気温が低いのもあって快適登山になる事も間違いなし。

登りより降りが憂鬱。しかしながら意外にも早く降りる事が出来ました。さてこれから本日のお宿のある、大好きな八幡平までひとっ走り。
なんやかんやでこの時点で昼前・・・。
という事で弘前市内をスルー、昼食もスルー、オートバイの昼食だけを確保し大鰐弘前ICから東北道を一気乗り。良いペースカーの存在が松尾八幡平ICまでの道のりを愉しく、同時に時間短縮してくれた。

松尾八幡平ICを下車した時点で午後3時。出口そばのコンビニ(ここもいつも行くコンビニ)にて軽~くお腹を満たして、恒例”樹海ライン”の登りを堪能する。
今年の樹海ラインは交通量が多く、擦れ違い様の速度さで何度がヒヤリとする場面もあった。これほど擦れ違う車両が多かったのは初めてだ。

今年の八幡平山頂は良い天気。寒くない気温とクリアな視界で良い感じ。
ここから本日のお宿”ふけの湯温泉”まであと僅か。少し時間があったので藤七温泉立寄りもアリだったかも。
極上の道路の後は極上の温泉が待っているわけで。それが良くてこのツーリングは継続しているのです。
わざわざ書く事でもありませんが、このお話は続いており、次回講釈へ続きます。
KTM DUKE200とDUKE390、ヤマハWR250R
半年程前にリフレッシュしたTT-R250RAID。某オークションで購入してから10年以上のお付き合い。
こいつで遠くに行こうと思った時…例えば今回のお盆のツーリング等に出掛けられるか?という場合、実際どうなのだろう。
本当に600km以上の土地に辿り着けるのだろうか。
GWツーリングで250ccの良さをイヤという程味わっていた事で、正直RAIDで行ってみようか?と頭をかすめたのも事実。
30km/Lを越える燃費にレギュラーガソリン。100L程使用する燃料はツーリング中のお財布事情を大きく左右する。
私の乗り方を知る周りの人間は「壊すからやめた方が良い」とのアドバイス。
確かに1995年式、製造後20年の月日を考慮すると600km以上の一気乗りは酷と言うものか。
フレームだって鉄であり、厚い塗装がされてるとは言え、何れ朽ち果てる時が来るだろう。
買い替える理由を見付けている様だが、まさにその通りなのは否定しない。

デビュー当時から欲しいと思っているヤマハ”WR250R”。
アルミフレームにチタンバルブ、太い倒立フォークにウェイヴディスク等々、本気な造りが売りのオートバイ。その凝った造りの影響で、最近発売になった排気量が3倍以上のMT-09とさほど金額に開きがない。
排気量=金額ではないが、同じ様な金額で小排気量を選ぶなんてストイック過ぎる。
東南アジア諸国で造られ非常識な程に安価な小排気量オートバイが幅を利かす昨今、もうこんなオートバイが出てくる事は二度とないだろう。
軽量な車体にハイクオリティ、ハイパワーなエンジンと合わせ、とても魅力的だ。
しかしながらここで問題になったのはシートの”細さ”と”固さ”。
オフロード車両はコンペティションモデルになればなるほど、シートは座るモノでは無くなってくる。これは以前に所有していたKTM525EXC-Rで体感済み。
WRユーザーに聞くとノーマルシートだと100kmが限界だそうだ。
シートにジェルを入れたり、より柔かいスポンジ等へカスタムしても気休め程度で、せいぜい150km程度だそうだ。
本来WR250Rで500kmとか走ってはいけないのだろう。
それと最大のマイナス面は税込70万を越える車両価格。

そこで久しぶりに訪れたのはKTMのお店。
お目当てはDUKE200と同390。店主には申し訳無かったがこの2台、全くノーマークだった。
DUKE390は税込¥586000-。
DUKE200は税込¥545000-。
インドのバジャジという会社がKTMの株主だそうで、そこで製作されている模様。どうりで安価なわけだ。車体構成部品が殆ど共通な模様。
確かにタイで造られているNINJA250やCBR250R等も安価な理由は同じくアジア産という事に他ならず、このDUKEも同様の印象だろうか。

インド製なりの造りかと思いきや、ゆっくりと見回してみるとそうでもない様だ。
グループ企業であるWP製の前後サスペンションを使用しているのは、兄貴分達と同じだし、調整機構はプリロード程度しかなく、中身は違うのかも知れないが意匠はそのまま。
ヘッドライトはH4を使用したハロゲンランプではあるが、テールランプとウィンカーはLEDを使用している。
DUKE3兄弟で共通のブレンボ製と思しき前後ホイールも魅力の一つ。
ただ、DUKE200はタイヤがインド製であり、出来る事なら早々に有名メーカーへの交換を薦められた。DUKE390には最初からメッツラーを装備している。
先ずDUKE200へ試乗。
キーをオンにするとデジタルメータ表示の演出後にセルボタンを押すと、少しだけセルモータが多く回る印象の後無事始動。
農機具を思わせる排気音は少々拍子抜けだったが、相対的に大きな排気音に感じた。
ポジションは可も無く不可もなくのニュートラルで、手足に伝わる振動も小排気量だからか殆どない。640DUKEの時は足の裏が痒くなったものだ。
アイドリングから軽いクラッチを繋いでスタートすると、さすが200cc、発進は少しだけ気を使うがそれはRAIDと比較しての話。
思ったよりクロスした6速ミッションを小気味良く掻き上げていくと、すぐに法定速度を越えてしまう。
迷惑千万で住宅街のカーブでペースアップ。なんと気持ちの良い事か。
街中や住宅街は飛ばす所では無いが、そこで飛ばすのにちょうど良い。
ショートストロークエンジンは回してナンボのエンジンであり、低速で少し寂しかったのには理由があったのだ。

タコメータのバーがとても細いので、瞬間的な視認性は悪し。
左下に水温、右下には燃料計、アベレージスピードや始動している時間等色々な情報が表示されるのは良いが、画面が小さい事で詰め込み感は否めない。なんとよく見るとギアポジション表示まであるではないか。
ラジエタが小さいのか、エンジン内の通路が問題なのか、日本より暑いであろうインドで造られているわりに水温はギリギリまで上がっている。
これも指摘するとこんなモノらしい。
続いてDUKE390。
DUKE200からの乗り換えなのでスタートした瞬間からパワフルさは明らか。ボア、ストロークの両者を増大し約2倍になった排気量なのだから当たり前といえば当たり前。
やはりストロークが短いからか、「トコトコ感」という印象は薄く、3000回転も回ると連続音となる。こちらも低速が少々薄い分、高回転に移行するにつれパワーが二字曲線的に盛り上がる。これはDUKE200にも言える事だが、しっかりパワーバンドが存在するエンジン。
こちらは少しペースアップするにも少しアクセルを制限しないと危険な感じ。DUKE200試乗時、気持ち良く全開に出来た場所で、この390は少し気を使わなくてはならない。
つまり走るステージが少々違うようだ。
今回の試乗で高速道路には乗らなかったが、高速道路を多用する場合は、やはりDUKE390に軍配が上がる。大きな”R”を描いたコーナーの連続する所であればレプリカ系に付いて行く事も十分可能と思われるが、DUKE200では少し役不足。
しかし所謂「酷道」と言われる1.5車線の九十九折れならDUKE200の気持ち良さが際立つのは間違いない。
どちらもクロモリ製フレームで同じ仕様だそうだが、脚周りの違いからか、「跨った丸太の太さ」が違う印象。
390は太い丸太、200はそれより細い丸太に跨っている様。
WR250Rで問題だったシートは両車共十分な広さと柔かさを備えており、所謂「お尻が割れる」という事はないだろう。
”シングルらしさ”という事では物足りない気もするが、これはインジェクションのキメ細やかな制御も手伝って、乗り易さに起因しているのは確かだ。BMWにも”らしさ”が無くなって来ているのと同じ事であり、進化は当然、それを否定するつもりはないのは以前にも書いた通り。
DUKE200の燃費は35km/L程度は走るらしいし、タンク容量も11L。8L以下のWR250Rより大きなアドバンテージを得ている。
荷物の積載性はWRもDUKEも同じ様なものだし、年に数度のツーリングにも問題無く使用出来そう。これがレギュラーガソリンだったら尚よろし。
WR250Rはとても良いオートバイだし、一生モノと言っても過言ではない。そのためには高額なのも致し方無いのかも知れない。
スタイルだけで購入した事も過去にはあったが、やはりキメ手は”使い方”だ。
片道3kmの通勤に使用する為に、ハードなエンジンにハードな乗り心地は必要無い。DUKE200の実用性の方が際立つ。たまのツーリングでは少しストレスが溜るだろうが、所有期間からすればそれはホンの一瞬だ。
街乗り及び通勤メインで車検無しという待遇を考慮するとDUKE200か。そもそも街中では十分な愉しさだったし。
しかし逆に、短い通勤距離ならばWRでもアリか。たまのツーリングで我慢するか・・・。
所有欲という意味では、WRの方が末永く付き合える様な気がするが、どの程度の我慢を強いられるのかが予測不能。なにせ長い距離を走った事がない。
もう少し考えてみようか。
潤沢に余裕があるわけではないのでRAID続投というの十分に有り得る。さらに整備をすすめるという手もある。それが一番安価なのは言わずもがな。
しかしさすがKTM、相変わらずFunRide。
久しぶりのDUKEだったが、新しかろうがインドで造られようが、やはりDUKEだった。
なんだかよく分からなくなってきたが、この時間が一番愉しいのは子供の頃から変わらない。
