農業や漁業などのいわゆる

第一次産業離れは、

今や世界的な傾向として見られるようです。

コーヒー豆の生産で知られる

南米のコロンビアでも、

農業から離れ、

街中で働く若年者が増加しています。

そこで当地のコーヒー生産者連合会は、

新たにコーヒー豆作りに

チャレンジする人を支援するなど、

様々な取り組みを始めました。

その一つが、

農園の一部を六歳の子供に分与し、

コーヒー豆の苗一千本を植えて、

十年間にわたり農園経営を

体験させる実習です。

豆の売り上げで目指す

大学の授業料を稼ぐと同時に、

経営の面白さを知ってもらうという仕組みです。

スタートは順調のようで、

連合会の担当者は

「二年目の今年は、

七六〇人が実習を受けている」と語り、

将来に向けた広がりを期待しています。

彼らには

「収穫」という喜びがあり、

それが更に

「売上げ」という目に見える

喜びにも変わるのです。

世界に業種は様々ありますが、

働く喜びを職場内で共有することが

最大の人材育成であり、

企業理念の高揚となるといえるでしょう。
今年も、

残すところあとわずかとなりました。

神社や仏閣などの本殿や本堂の

大掛かりな清掃をする

「煤払い」の様子がテレビで紹介され、

年の瀬を感じる時期でもあります。

 かつて煙突やかまどのある家庭では、

文字通り煤を払いました

長じて、家具や調度品を清め、

すがすがしい環境とともに

清らかな心に立ち戻り、

新たな一年を迎えるための風習です。

これは、

過ぎゆく一年の締めくくりと、

新しい年を迎えるための

準備として行なうものです。

単に塵や埃を払うだけではなく、

私たちの心の締めくくりとしても

重要な意味を持っているのです。

綺麗にすがすがしく清められた空間は、

人々の心をも清めてくれるものです。

それは、

塵一つなく掃き清められた

神社や仏閣の境内に足を踏み入れた時に、

心の引き締まりと厳かさを感じることからも、

十分に理解できるでしょう。

一年を感謝する気持ちで、

職場や家庭を掃き清め、

締めくくりたいものです。
今年の世界アマチュア囲碁選手権の日本代表は、

歴代最高齢の八十四歳で、

厳しい国内予選を勝ち抜いた

平田博則さんでした。

平田さんは五十四歳の時が初出場。

平成七年の第十七回大会では、

六十九歳で世界一に輝いています。

今大会では世界の伸び盛り

相手に五位と健闘しました。

昭和十八年にプロ入りの

資格を得たものの、

戦争の激化で断念。

その後、

数学者として高校や大学で教鞭を

とったという経歴を持つ平田さん。

今回の世界五位に満足せず、

「情けない・・・。人生最大のミスです」と

失着を嘆きました。

平田さんの

「実力を培う意欲」

「常に若々しく強靭な挑戦意欲」

「謙虚な反省意欲」は

見習うべきものが多くあるでしょう。

意欲あるところに道は拓けます。

意欲が湧かないのであれば、

意欲を湧き立たせる術を考えることが必要です。

平田さんの<情けない・・・

という意識は、

将来に向けた更なる

意欲の源として力を持つはずです。

まだ終わらない>という

向上の意識が心の中にある限り、

意欲は枯れることはありません。

新たな意欲を喚起させていきましょう。
孔子の著した

『論語』に

「中庸は徳の至れるものなり」

という言葉があります。

「何事もやり過ぎてはいけない。

そうかといって遠慮し過ぎるのもよくない。

ほどほどに行動するということが、

最高の人徳というものである」

との意味です。

弟子の子路は、

とても元気があるのですが、

やや思慮に欠ける人物でした。

そのような子路に対して、

孔子は

「過ぎたること」の

改善を促していました。

しかし、

ただ注意するだけではなく、

時に

「中庸の道を行けなかったら、

思慮不足でも操を守る片意地な者がいい」と

言って、

励ましたりもしています。

つまり、

「バランスを重視しても上手くいかないのなら、

いっそのこと理想を高く掲げ、

必死になって事に当たっていくことも、

また徳である」

というのです。

「事なかれ主義」で過ごすより、

目標に突き進んでいくのも

一つの道と捉えます。

バランスを意識した生活は

もちろん大切ですが、

それが過ぎるあまり、

自身の行動や取り組みが消極的に

なっては本末転倒です。

常に

「自らが元気になる」を自己指針として、

積極的かつ毅然とした

態度で生きていきましょう。
東日本大震災の発生により、

私たちの生活は大きな変化を求められ、

多くの問題が提起された一年でした。

中でも電力が不足し、

節電の対策が様々に講じられた点は、

環境問題への意識の高まりとして、

震災がもたらした一面だといえるでしょう。

テレビ放映がデジタル化に

切り替わる時期とも重なり、

省電力のテレビに買い替えて、

節電に貢献したという

事例も多いでしょう。

家電の分野では、

省電力に関する大きな進歩がうかがえます。

しかし端末機器の性能は向上しても、

機器まかせの節電には限界があります。

それを使う人の意識によってコントロールできる

「必要のない時には電源を入れない」

という心がけこそ、

節電を強化する最大のポイントなのです。

多くの機械類やシステムが

自動化されている現代では、

それらへの過剰な依存が大きな

失敗の要因にもなりかねません。

人間の適切な意識を加え、

意図する結果を出してこそ、

その性能を引き出したといえるでしょう。