中国の内モンゴル自治区・

恩格貝にあるクブチ砂漠で、

十二年ぶりに植林ボランティアに参加したWさん。

砂漠の大きな変容に、

驚きを隠せませんでした。

その地は、

日本砂漠緑化実践協会の

初代会長である故・遠山正瑛氏が、

八十三歳で植林を始めた所です。

氏は「砂漠緑化は、

やればできる。

やらなければ何もできない」と、

各地の講演会で植林を呼びかけました。

遠山氏は、

とにかく行動することの重要性を強調しました。

しかし、

十二年前のWさんは植林はしたものの、

広大な砂漠を目の当たりにして、

「自分が数本の木を植えて何になる」と、

諦めと侘しさに押し潰されて帰国したのです。

ところが、

かつてWさんが植林をした果てしない沙地は、

背が高く幹の太いポプラの森になっていたのです。

Wさんは、自分たちが十二年前に行動し、

その後も多くの人たちの手で続けられてきた威力を思い知り、

涙が止まりませんでした。

考えることは重要です。

しっかり考えた後は、

行動に移すことがさらに重要です。

立ち止らず行動をして、

成果を得たいものです。

朝礼時に自分が行なっている発声や姿勢は、

周囲の人たちの目には、

どのように映っているのでしょうか。

P社では週に一回、

基本姿勢の実習をしています。

Sさんは

「気をつけ」の号令と同時に、

自分なりに美しい姿勢を意識して立ちました。

しかし、

リーダーのMさんから、

「背筋を伸ばして、顎を引いて」

との指摘を受けたのです。

即座にその通りに修正すると、

美しい姿勢を保てるようになりました。

ところが隣に目をやると、

リーダーから指摘を受けたことで、

不服そうな顔で姿勢を正す同僚の姿がありました。

「自分は正しい姿勢だ」

と言わんばかりの態度です。

自己の認識と他者の視点には差があるものです。

例えば、鏡に映る姿は左右逆転していて、

自己と他者の見る姿は実際には違うことからもわかるでしょう。

自己を客観視するのは難しいものです。

朝礼での基本実習を通して、

本人以上に、

周りには自分の姿が見えているのだなと

Sさんは実感しました。

そして何らかの指摘を受けたなら、

まずは素直に受け止めようと決意したのです。
昨今、

日本人は

「思考力が低下した」

といわれます。

上司から、

事務用品を発注するよう指示を受けたSさん。

商品名と個数を確認して業者に発注しました。

しかし、

業者からは次のような返答がありました。

「大変申し訳ございません。

ご注文の商品は生産中止となり、

在庫のみとなっております。

恐縮ながら、

ご希望の数を揃えることができません。

お手数ではございますが、

カタログから別の商品をご注文いただけますでしょうか」

Sさんは早速、

上司へ業者からの返答をそのまま伝えました。

すると上司は、

「業者の返答をそのまま伝えるだけならば、

小学生でもできる。

君の仕事は別の商品をリストアップし、

私に提示することだ」と言いました。

Sさんは受身の仕事ぶりを指摘されたのでした。

職場人に求められる能力は、

「どのようにしたら仕事がやりやすくなるか」

を考えることです。

指示された仕事を指示通りにこなすのは、

あくまで新人の仕事の領域です。

その先の仕事を読む

「考える力」を、

日々の業務で養っていきましょう。

スポーツ選手は試合に際し、

ベストコンディションで臨みます。

体調が不良であれば、

全力を出し切るのは難しいでしょう。

体調管理は重要な実力の一つです。

これはスポーツ選手に限りません。

「働き」を一定のルールに従って提供する以上は、

何よりも健康管理に万全を期すべきでしょう。

厳しく言えば、

仕事のプロは

「予防医学」のプロを目指さなくてはならないのです。

日々の節制と健康法の実践を疎かにし、

安易に薬や病院に依存しがちな人は、

自分の体に感謝するということを忘れています。

高価な宝石を粗末にする人はいません。

大事な物は手入れを入念にします。

自分の体がどんな宝石も及ばない

「至宝」であるという真実に気づけば、

健康維持に向けた努力を怠ることはありません。

規則正しい食事や睡眠を保つと共に、

独自の健康法を実施するのです。

体重60キロの体は、

その人にとって60キロのダイヤ以上に尊いはずです。
Mさんは、

海外援助を行なう

ボランティア団体の講演へ行きました。

そこで聴いた話に、

深く考えさせられました。

それは、

ある開発途上国へ

小麦を大量に支援した際の話です。

後日、

人々が食糧が届いた

喜びに沸くニュースと併せて、

その国の小麦の値段が急落し、

小麦農家が非常に困窮したと報道されたのです。

ボランティア団体は、

支援の難しさを実感したといいます。

それ以来、食糧を支援する際には注意を払い、

当該国や周辺の国から食糧を購入するなど、

状況を把握しながら支援するようにしたそうです。

Mさんは、

善意の行為であっても、

受け手の状況によって様々な

影響が及ぶのだと知りました。

お客様だけでなく、

同僚や、仕入れ先、

取引業者の皆さんが

喜んでくれるような仕事をしてきただろうかと

自身の仕事を振り返りました。

一つの方向だけで物を考えるのではなく、

多方面に目を向けて仕事に励みたいものです。