朝礼時に自分が行なっている発声や姿勢は、

周囲の人たちの目には、

どのように映っているのでしょうか。

P社では週に一回、

基本姿勢の実習をしています。

Sさんは

「気をつけ」の号令と同時に、

自分なりに美しい姿勢を意識して立ちました。

しかし、

リーダーのMさんから、

「背筋を伸ばして、顎を引いて」

との指摘を受けたのです。

即座にその通りに修正すると、

美しい姿勢を保てるようになりました。

ところが隣に目をやると、

リーダーから指摘を受けたことで、

不服そうな顔で姿勢を正す同僚の姿がありました。

「自分は正しい姿勢だ」

と言わんばかりの態度です。

自己の認識と他者の視点には差があるものです。

例えば、鏡に映る姿は左右逆転していて、

自己と他者の見る姿は実際には違うことからもわかるでしょう。

自己を客観視するのは難しいものです。

朝礼での基本実習を通して、

本人以上に、

周りには自分の姿が見えているのだなと

Sさんは実感しました。

そして何らかの指摘を受けたなら、

まずは素直に受け止めようと決意したのです。