もなのブログ

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生き物や自然のことを呟きます。
時々グルメや自然災害・防災のことも。

 

8日目

 

  Mount Sinsing

 正直私はこの日を一生忘れないでしょう。

 

 日の出前、気温が10℃の中起きて身支度と朝食。

 

10℃!寒い!!

 

 

 

 一緒に来ていた地元民のパーティは我々より早くに身支度をして出発していきました。

 我々の目的は植物を見ることですので、暗いと何も分かりません。そのためやや明るくなるまで出発を待ちます。

 

 またガイドからの注意点。

 「朝6:00前に出発をするが、帰路のことも考慮して昼12:00にはどこにいても引き返すこと。」

 

 本日はピストン縦走です。

 普通の登山と異なり登って降りる、行って泊って次の日に帰るということをしません。

 同じ道を往復するので帰り道にも同じ時間と労力がかかります。

 それどころか帰りは疲れているのでさらに時間がかかる可能性もあります。

 そのため最長でも行きに6時間、帰りに6時間で合計12時間。これが限界。

 そうでないと日没までに間に合いません。

 

 まぁ12時間もかからんやろ(笑)

 

 

 ベースキャンプからMt Sinsingまでの頂上までは約2.0㎞、標高400mほど登ります。

 ヘッドライトを頭につけ、日の出前の真っ暗闇の中ひたすら登り続けると、大体1km進んでいつの間にか稜線上に出ました。

 そしてそこはN. lowiiN. macrophyllaの大群生地帯でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一般的に(というよりトラスマディ山では)N. lowiiは風通りと日当たりが良い場所に、N. macrophyllaはやや谷っぽい、奥まった場所に生えているというのが通説です。

 しかしここでは全く同じ、山の稜線上で背の低い木々に絡んで生えています。

 というより稜線上であるため全体的に樹木の背が低く、N. lowiiN. macrophyllaも同じような場所に生えてしまっていると言う方が正しいのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 確かにやや日当たりの悪い所にN. macrophyllaが生えている傾向はあるのですが(というより奥まった場所にはN. lowiiが生えていない)、明確に住み分けている!!と言えるほどではなかったように思えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この場所は稜線上なので風を遮るものは何もなく、気温はかなり低いです。

 

 

 

 

 20℃-8℃とかなんじゃないでしょうか。

 先日のG Minodtuhanと異なり地面は水たまりだらけ泥だらけのびしょびしょのぐしょぐしょですが、苔は比較的乾いています。地面がより砂っぽいというか泥っぽいというか…水はけが悪い感じです。

 ここまで登ってくる際にも標高が2,000m近くになってもあまり雲霧林っぽくありませんでしたので、比較的(雨が降らず)乾燥しているのかもしれません。

 用土はこちらも大量の有機物の中…という感じでしょうか。

 ただしこちらは実生株の数も多く、そういったチビ苗はザ・自生地!!という感じの苔の上などに生えておりました。

 

 

 

 

 

 N. macrophyllaN. lowiiも稜線上のあちこちに生えており、両種のトンネルなんてものも。

 

 

 

 

 

 これはすごい!!

 

 またN. ×trusmadiensisの数もめちゃくちゃ多い!

 

 

 

 

 

 

 両種が同じ場所に生えているからでしょうが、そもそもN. macrophyllaN. ×trusmadiensisも、本来はトラスマディ山の固有(雑)種と言われておりました。

 実際は(種子が空を飛んで広がるので)そんなことはなく、周辺の山にも生えてはいると報告はあるのですが、それにしてもN. ×trusmadiensisここまで多いのは驚愕です。

 自然交雑種であるN. ×trusmadiensisは本家トラスマディ山でもあまり多くはないという話でしたのに…

 

 そしてN. ×trusmadiensisは自然交雑種ですのでバラエティも非常に豊か。

 

 

 

 

 

 

 

 N. lowiiっぽいものもあれば真っ赤なもの、ストライプが入っているもの、逆にN. macrophyllaっぽいものなどなど。

 こんなN. ×trusmadiensis見たことないで…と言わんばかりに生えております。

 

 こんな環境がSinsingの頂上まで1kmほど続きます。

 私は夢中でぱしゃぱしゃやって時間も疲れも忘れておりました。

 ここはすごい所や!!

 

  Mount Kaingaranまでの縦走

 写真を撮りながらゆっくり平らな稜線上を歩いていき、稜線の終了である2㎞地点がMt Sinsingの頂上です。

 

 

 そこからは急激な下り。

 嫌な感じしかしません。

 

 Mt Kaingaranまで残り4㎞ちょっと。

 急激に数百m下って稜線上まで急激に登ってを何度も繰り返します。

 Mt. Sinsingを過ぎてもベースキャンプから3㎞地点ぐらいまで(Mt. Sinsing頂上から1km)はやや鬱蒼とした雲霧林でN. macrophyllaが生えているのですが、そこから先は稜線上でもN. lowiiN. tentaculataぐらいしか生えておりません。

 疲れすぎて記憶もおぼろげですが、7回ぐらい谷と山を上り下りしたんじゃないでしょうか。

 

 何度も繰り返される同じようなくっそきつい上り下り。

 

 

 

頂上へ上ると次登る山頂が見え、頂上へ上ると次登る山頂が見え、頂上へ上ると次登る山頂が見え…

 

 

 基本生えているのはN. lowiiN. tentaculataばかり。

 

 

 

 

テンタの開花株は自生地下では初めて見ました

 

 この時点でもう私の心は折れかけておりました。

 

 そして必死に這って歩いて10:30頃の1.5km地点で、既にゴールまで行って戻ってきたガイドさんと遭遇。

 Mt  Kaingaran直前にめちゃくちゃでかいネペンがあったけど他にめぼしいものはなかったこと。

 折り返し地点のKaingaranの頂上は木に覆われており別に景色も良いわけではなかったこと。

 12:00には引き返すようにと言われてもう本当にやる気はなくなっておりました。

 が、でかいネペンは見たいと。それだけが先に進むモチベーションでした。

 

 そして11:45頃300m地点。

 ガイドさんの言っていたでかいネペンと遭遇。

 

 

 

 3㎞地点から一切出現しなくなった巨大なN. macrophyllaが一本生えていました。ややN. ×trusmadiensisの気を感じますが一応牙も立派です。

 何故ここにだけ残っているのか不思議です。

 そうして(写真を撮りまくっていたため遅い)同行者と一緒に写真をパシャパシャ撮っていたのですが…

 

 その瞬間ぶわぁ~っと目の前の霧が晴れて、最後のMt Kaingaranまで至る最後の谷と山があらわに…

 

あれが最後の山、Mt Kaingaran。

私の絶望した光景(笑)

 

 最後300mでまだ下って登るんかい!

 もう無理や!!!(´;ω;`)

 

 という訳で私の心は完全に折れてしまい、同行者は最後まで進むものの、私は300m地点で昼食をとって引き返すことにしました。

 

 といっても既に5.7kmの縦走を6時間ほど行って体力は空っぽ。

 しかもメンタルブレイクもして歩くモチベーションも出ない。

 あまりにも疲れて歩けないからかMt Kaingaranの最後まで登った同行者二人にも帰路中に追い抜かれました。

 疲れと精神崩壊しすぎて稜線上から飛び降りたら気持ち良いやろなぁ~とか考えたり、急に叫んでみたりと頭がバグりながらも何とか這いながら進みます。

 そして残り一本の登山ストックを同じように体勢を崩してポキリ。

 ストックを2つとも失いました(´;ω;`)

 

 這う這うの体でやっと3㎞地点、N. macrophyllaが出現するエリアに。

 

 なんかもうN. macrophyllaが現れ始めるとゴールが近いと思っていたのですが、まだ3㎞もあります。

 しかもアップダウンはまだまだ続き、最後の最後でボルネオ3番目の山、Mt Sinsingの頂上までまた登らなければいけません。

 

 ……なんとかSinsingの頂上まで登ってきたとき時刻は16:52。

 

 

 朝通ったときは7:24だったので7.4kmの縦走を9時間30分ほどかけたことになります…。

 稜線上に出てしまえばあとはネペンだらけの1㎞ぐらいの稜線と下るだけの道。

 しかし体力の限界も限界だった私はネペンの写真も撮らずにそこからも這うように歩き続け…

 

 日没直後。真っ暗な山道を下って人の声とベースキャンプが見えた時は思わず涙が出そうでした。

 

 出発時:5:45頃。

 帰還時:18:30頃。

 総歩行時間:12時間45分。

 総歩行距離:11.4km。

 アップダウン:(後日判明したところによると)2,100m

 

 MantapokとかMinodtuhanとかがかすむぐらいのしんどさでした。

 筋肉痛とか疲れすぎて逆に吹っ飛びました。

 そもそも平地でも11kmはなかなか歩かない距離ですが、加えて何百mのアップダウンは想定しておりませんでした。

 正直片道で1登山ぐらいの体力を使いまして、良く帰ってこれたと思います。

 

 疲れすぎてもう何もできません。

 

 

 飯食って早々に就寝。

 

 9日目につづく。

 

7日目

 

  ERICK BASE CAMPまでの登山

 本日からが本番。

 

 

朝飯はしっかり食う

 

 という訳で今から登るMt Sinsingの説明をば。

 

 Mount Sinsingはトラスマディ系列の標高が2,603mある山であり、マレーシアにおいて3番目の高さを誇る山です。

 なお、以前まではキナバル山系列のMt Tambuyukonが3番目(2,579m)でした。

 マレーシアNo.2のトラスマディ山の北東にある山ですが、標高自体は数十mほどしか変わりません。

 Mt Sinsingの名が出てくるのは2019年の記事からで、それ以前のマレーシアの標高が高い山ランキング等では名前が出てきません。

 そのため再度の測量等によって順位が入れ替わった等ではなく新しく発見された山ではなかろうかと。

 よくこんな山未発見やったな。

 また、登山ルートとしてはこの山一つだけ登るのではなく、ランキング5番目の標高2,468mのMt kaingaranへ縦走していくコースが一般的となっております。

 

 

 この山は2019年の夏ごろ、つまりコロナ騒動の前年にNo.3として知名度が上がった山ですが、トラスマディ森林保護区内ということで海外から行くには色々手続きが必要。

 しかし許可が下りるにも半年弱待たないと行けない状態。

 しかも冬は雨期なので登山なんてできる状況でもなく。

 2020年の適期に…だったところでコロナ禍になってしまい…

 

 ということでこの山はあまり外国人旅行(登山)客が登れる状況ではありませんでした。

 ガイドさんも外国人の対応をしたのは今回が初めてだということです。

 

 普通に登っていた地元民もいたようなので情報自体はあるのですが、彼らは別にウツボカズラを見に行っている訳ではありません。

 そりゃあ写真は少し撮るでしょうけど。

 

 という訳で登るまでに分かっていたのが、”大体どんな標高でどんなルートなのか”、”スタートから帰ってくるまで3日間かかる”、”山のどこかにトラスマディ山以外でN. macrophyllaが生えているらしい”、"N. lowiiも生えているらしい" 程度の情報しかありませんでした。

 きついか楽かも分からんかった(笑)

 

 う~ん、なんも分からん(笑)

 一応ガイドさんからGPSデータも送られてきており、初日にスタート地点から6.0km、標高差800mほど登って標高2,200m近くにあるベースキャンプで一泊。

 次の日にベースキャンプから2km先のMt. Sinsingの頂上を経由し、さらに奥のMt. Kaingaranまで4㎞縦走。

 その日のうちに再度6㎞縦走してベースキャンプまで戻ってくる。

 明後日はベースキャンプからスタート地点まで下山。

 

 …という感じ。

 

 

 まぁ、Minodtuhanよりは登らんし、一日に12kmも歩くということは(きついと帰ってこれないので)楽でしょう!!

 な~んて甘く考えていたのですが、後々後悔することに…

 

 

 という訳で登山を開始!!

 

 

 

 

 

 

 最初の1㎞ちょっとは緩い山道です。

 ただし地面がかなりぬかるんでおり少し心配に。

 Minodtuhanでも”地面のぬかるみ”はなかった。

 

 ただ身体の不調はともかく、体力という意味では慣れたのかすいすいと進みます。

 たくさん写真を撮る余裕もあったり。

 

葉が細いLiparisの仲間?

 

Eriaにも見えるけど…分からん

 

スギゴケのでかいやつ

 

ベゴニア

 

ヒカゲノカズラ系のシダ

 

赤いセラギネラ

 

Dawsonia longifolia

結構どこにも生えてるんやね

 

 その先は急に拓けて、トラックも走れそうな切り開かれた道を3.5㎞進みます。

 

 

 

ベゴニアも面白いんやろけどなぁ…

 

 既に4.5㎞進んでおりますがそんな標高を登っておりません。

 

 …やばくね?

 

 と思ったらやはりそこから急に傾斜がきつくなりました。

 

どこをどう登ればええねん(爆)

 

 ただ、2回目の登山ということで身体も慣れ始めており、塩分補給も積極的に行っていたためG Minodtuhanよりは楽勝です。

 結構平らな場所も多かったですし。

 

 あまり雲霧林が発達していないのか、標高が上がってもジャングル内の景色はあまり変わりません。

 

比較的サンヨウベニホタルを多く見ました

 

 

Kuhlhasseltia javanica

可愛い、蘭展とかで見つけたら買ってみようかな

 

ジュエルオーキッド…に入るんかな?

葉の形はホテイランとかトケンランっぽいですね。

 

 

 

コケシノブの仲間…なんかな?

すごい繊細で綺麗

しかも草体はかなりでかくなる

 

Dawsonia longifolia

標高が高い方が密集してる気がする

 

なんかおもろそうなもんないか探したけどなかった

 

Liparis系の黄色い花

 

もう何もわからん

 

 標高2,000m付近までようやく登っておなじみN. tentaculataが出現するように。

 

 

 

 

 

少し丸系

 

 

テンタはここでもたくさんある

 

 その先にはN. lowiiも二株だけありました。

 

あんまし良い状態ではない

 

 N. lowiiポイントを過ぎてやや平らな場所を歩いていると、ポーターさんよりこの辺はコリバスポイントだよと教えてもらいました。

 狭い範囲に10株ほど。数株は咲いておりました。

 

 

 

 

コリバスも見た目が似ていて何か分からんね

 

 あるだろうなと思いつつ、見つけられないと思っておりましたが、花まで見ることが出来てご満悦です。

 

 その後もするすると楽に登って2,200m地点のベースキャンプに到着することができました。

 

 

 

 

 

 コリバスポイントからポーターさんを置き去りにしており、また汗で凍えながら暖かいサバティーをすすります。

 

 写真を撮りまくっていて遅れた同行者とポーターさんも到着し、着替え。

 

 このベースキャンプ、斜面に建てられておりますが屋根はきちんとあり、一人一人の寝るスペースとしてハンモックのようなものがあります。

 ただ我々のパーティと3人の地元民パーティしか今回登っておりませんでしたので、隣のハンモックを物置代わりにして自分の寝床を確保しました。

 

 さて、明日が本当の本当の本番です。

 

 

 という訳でさっさと飯食って就寝。

 

 …ハンモックの微妙な角度のせいでひざに負担がかかりなかなか眠れませんでした(´;ω;`)

 

 8日目につづく。

 

6日目

 

 後半戦です!!

 

  6日目のルート

 

 

  焼き畑とPig Hill

 早々に寝たので体力もかなり回復しておりました。

 窓の外を見ると一瞬キナバル山が。

 

 

 本日は良い日になりそうです。

 が、登山靴はまだ乾いておらず…

 

 濡れたままだと足の皮のめくれが心配です。

 もし真皮までべりっとめくれてしまえば体調が良かろうがもう登山どころではありません。

 どうするかと考えていたところ、朝食時に同行者がドライヤーをフロントに返しておりました。

 どうもドライヤーを借りて二刀流で靴を乾燥させていたようです。

 

 朝食後出発までの30分、私も真似したところ靴は一瞬で乾きました。

 すげーわ。

 一部の半乾きの服も乾燥させて準備満タンです。

 

 という訳で今回の目的地はPig Hill。

 ここの地名も時折聞きますが自生地の情報はあまりありません。

 場所はMamut鉱山跡地と同じくキナバル山の東南東方角。

 しかしPig Hillはより近く、こちらはほぼキナバル山の麓となります。

 標高は2,000mほどの丘で、山と言えるレベルのものではありません。

 南側は焼き畑等で完全に拓かれており、標高の高さを利用してハクサイやトマト等の高山の野菜を栽培しています。

 

 ここに行くために先ずは麓のKundasangという街でPig Hillの保護官に許可を取りに行きます。

 

 

 かなり著名な方でネペンランドさんは10年前にも案内して頂いたそうです。

 ガイドさんと合流し、車を乗り換えるというので別のピックアップトラックに乗り換え。

 我々は3名なので車内に乗りましたがもう一方はガイドさんやら人が多いので荷台に乗っています。

 

 

 日本では基本的に許されない荷台乗りですがマレーシアでは普通で、荷台に座席まで固定してあったりします。

 

 そのままガタゴトと山岳部へ。

 といっても一面畑の中の農道を一気に車で登っていきます。

 この時点で標高はおおよそ1,800mぐらい。

 

皆さんお仕事中

 

 

 

 

一面ハクサイ畑

 

 どんでもない凸凹の農道を登っていきます。

 荷台乗りの方々は大変そうですね(笑)

 

 30分ほどごとごと走って畑の端へ。

 

 ここからは徒歩で登ります。

 畑と言っても区画整備等されておらず、開拓した斜面に野菜を並べているような感じ。そんな中野菜を踏まないように畑を登っていきます。

 勿論車や農作業車が入れるような道はなく、全て手作業です。

 周りの仕事をしている農家さんはたくさんのハクサイを背負って上り下りしているのですが、我々はもうしんどい。

 あれを毎日繰り返していれば兼業でポーターをやるのもうなずけます。

 正直籠いっぱいに積んだハクサイの方が重そう。

 

 そうしてお仕事中の農家を尻目に畑と森の境界へ。

 一応ここから保護区であることが分かるようロープが張ってあり、標識もついています。

 道は獣道のようなものが1つ。ここを更に登っていきます。

 

 

感じがMaliau Basinに似ている

 

ミズゴケ

 

 森に入ると先ほどまで汗ばんでいた空気が一瞬で冷えました。

 地面はぐしょぐしょ、踏み込むたびに水が染み出す感じ。

 ミズゴケがあちこち生えているぐらいです。

 雲霧林…というよりはやや高地の熱帯ヒース林という感じでしょうか。

 全体的に樹木の背が低く、せいぜい2~3mぐらいです。

 

 

kinabaluenseかな

 

謎の蘭

 

Liparis属の何か

蘭に詳しい人に聞くと(貴重なので)アンタッチャブルな種らしい

 

 

 

 

N. tentaculataもあります。

 

 マリアウベイスンに雰囲気が(標高はこちらの方が高いですが)似ているという感じ。

 そんな背の低い斜面に広がる藪を200mほど登ると…

 

 N. rajah!!!

 

 

 

まぁ、N. rajahもアンタッチャブルな種か…

 

 こんな藪の中に生えているんですね。

 

 徒長しまくって森の中に3mも4mも伸びまくっております。

 

これでもMAXサイズではない

 

 

 N. rajahは小さいおうちで育てているサイズから両手を広げて届かないレベルの大物まで群生しています。

 

 

 しかしどの株も袋はついておりません。

 

枯れてた

 

 自生地のラジャも袋を付けないようで安心(笑)

 

 そうこうしているうちにN. burbidgeaeも見つけました。

 

 

 

 Mamut鉱山跡地で見つけた株は袋が開いていなかったのですが、こちらではアッパーピッチャーが綺麗についております。

 

 

 

 N. rajahN. burbidgeae環境は上記の通りびしょびしょ。

 歩くと地面の腐植から水が染み出しますが、土壌全体がずるずるなのではなく、上に載っている有機物層がスポンジのような役割を果たしている感じ。

 用土の乾湿のメリハリ?なんやそれ状態でした。

 気温は24℃-15℃ぐらいでしょうか。夜間は背が低いながらも鬱蒼とした森であまり気温は下がらなさそうです。

 日照はあまり良くありません。背の高い木々が少ないとはいえ森の中です。

 標高がやや低め(2,000mちょっと)なので気温が上がりにくい藪や森の中に生えていると考えられるかもしれません。

 これがもう少し標高の高いキナバル山とかだともっと日当たりのよい所に生えているんでしょう。

 

 N. rajahはあちこち踏まないように気を付けないと歩けないほどたくさんあるけど、大きな袋がないなぁと皆で手分けして藪漕ぎをしながら探していると…

 

 ガイドさんがあった!あった!と叫びました。

 

 

カエルの卵

陸産貝類かもしらん

 

 人の顔よりはやや小さいものの立派な袋です。

 皆かわりばんこで自撮り写真や写真を撮ります。

 

 時期的なものなのか非常に立派すぎる株はたくさんありましたが、あんまり袋はありませんでした。

 こればかりは仕方がないですね。

 

 

 ひとしきり騒いだ後でさぁどうする。

 …N. ×alisaputranaを見に行くかと。

 ここから少し離れたところ、この丘の反対側あたりにN. ×alisaputranaがたくさん生えているらしい…ということで少し来た道を戻ったのち、違う方向へ向かいます。

 

 列を作って藪漕ぎをして(蘭を見ながら)進む一行。

 

花が小さすぎる…

 

Coelogyne radioferensかね

 

 

パフィオ

残念ながら花はない

 

 そんな中私はきょろきょろ。

 日当たり良し、水豊富、植生貧弱…

 こういう所にはアレがある…

 見つけた!

 

 

 

 U. striatulaです!!

 

 

 ガイドさんも含めて皆ネペンテス(か蘭)ばかり見ていてウトリは眼中になかった模様。

 私も今まで怪しい所をずっと探していたのですが、今回はこの山のこの石にしかついていませんでした。

 

 

 

 

 

 珍しい種類でもないのですが、あんまり生えていないのですね。

 

 途中にも色々ネペンテスを見ながらさらに藪漕ぎ。

 

 

 

 N. tentaculata

 ここでもたくさん生えております。

 気持ちG minodtuhanより色が好き。

 

 

 N. tentaculataの交雑種。

 N. burbidgeaeとかかっているのでしょうか。

 N. macrovulgarisN. hirsutaっぽくもないので不明です。

 そういや今回N. hirsuta見んかったな…

 

 

 新種の可能性がある株。

 残念ながら袋はありませんでしたが、N. zakrianaの交雑種、あるいは新種の可能性があるという株です。

 N. zakriana自体はこの辺に生えておらず、ここに数株だけ生えているという謎多き株でした。

 確かにN. zakrianaとは葉の感じがちょっと違うんかなぁという感じ。

 知らんけど。

 

 そして…ありました!

 

 

 

 

 

 

 

 N. ×alisaputranaです!!

 本来自然交雑種というものは珍しく自生地でも滅多に見ることが出来ないのですが、この地域では非常にたくさんのN. ×alisaputranaを見ることが出来ました。

 あっちにも!こっちにも!

 先ほど生えていたN. rajahよりやや標高が低い所に集中しております。

 さらにやや標高が下がったせいか周囲の樹木の高さも先ほどより高くなっており、こちらは5mほどの高さがありました。

 長さも3mも4mも伸びており、N. rajahより長いです。

 

 N. burbidgeaeもたくさん生えています。

 こちらの方がロアーピッチャーが多い?

 

 

 

 

 

 そんなこんなでスゲースゲーと言いつつ写真を撮って下山。

 

 Pig Hill。

 車でちょろっと来て少し藪漕ぎするだけでこれだけ見ることが出来るのはすごい場所です。

 しかし焼き畑の範囲がどんどん広がっており、帰り道でもチェンソーで木が切り倒されておりました。

 別にマレーシアでも日本でも環境破壊は変わりませんが、もう少しどうにかならんのかなぁ…というのが本音です(-_-;)

 

 帰り道は若者も荷台に乗ってみろとばかり荷台に乗せられましたが、風が爆速で吹き始め雨も降ってきたので酷い目にあいました(´;ω;`)

 

爆風ᕦ(ò_óˇ) 

 
 

雨も降ってきた…

 
 

 クンダサンに帰ったらガイドさんと別れて麓でのランチ。

 

 

 

人がいる所犬あり

 

 子供が遊びまわっていましたが、これもマレーシアと日本、変わりませんね。

 …いや、日本ではこれだけ大声で遊びまわったら苦情が来るでしょうか…

 世知辛いものです(´;ω;`)

 

 そしてここで一人の同行者とお別れ。

 彼はこのままコタキナバルに帰り、明日少し低地性のウツボカズラを見た後帰国だそうです。

 また次回のボルネオ遠征で!(@^^)/~~~

 

  タンブナンヘ

 Pig Hillの後はタンブナンヘ。

 そして次はついにラストの登山、Mount Sinsingです。

 ラナウを通って南下、途中同行者がドリアンが食べたいと言い出したので道端の市場でドリアンを爆買い。

 

道端の広場には大抵市場がある

 

私は手前のリュウガンを買いました

 

皆でドリアンの試食

 

 

人がいる所ネコあり

 

 その後一気にトラスマディ森林公園の麓にあるキャンプ場へ。

 

 キャンプ場と言っても川沿いに小屋があり寝袋だけで寝られるようになっています。

 

 

 ただ虫が多いのでテントを蚊帳代わりに使うことに。

 

 

 また、ここでアウラパパさんとネペンランドさんも一時離脱です。

 次の山はガイドさんも登っていないほぼ未知の山で、道中がきついかどうかも分かりません。

 楽であれば問題ないですが、万が一きつかったとしても途中離脱はできません。

 そのため足を痛めて、体力に不安のあるお二人は勇気ある撤退をするわけです。

 

 という訳で今回Mount Sinsingに登る日本人チームは3名。

 日本の超有名(食虫)植物進化学の大研究者。

 登山が趣味の新進気鋭のゲノム系研究者。

 …私。

 

 (´;ω;`)

 

 他はガイドさんらと別パーティの地元民3人。

 

 

 夜は英気を養うために酒盛り。

 そして道中購入したドリアンや熱帯フルーツ祭り。

 

 

 

 しかし、静かにしろと言われたので就寝。

 

 ガイドさんらは深夜すぎても騒いでいるようでしたけどね…(-_-;)

 

 7日目につづく。

 

5日目

 

 

  5日目のルート

 

 

  土砂降りの影響

 前日に8時間以上山を登って降りて、5時間以上全身ずぶ濡れだったせいで体調は最悪。

 疲れは取れず、太ももの付け根は筋肉痛で激しく痛み、足の裏は表皮が浮いているような激痛。

 その上身体が冷えたせいで風邪をひきました。

 

 

食欲がなくても食べないと身体がもたない

 

 とはいえ今日は登山なし日、行程は楽です。

 今夜はやっとホテルのベッドで寝られます。

 

 服や靴下については替えがあるのですが、上着や靴がびしょびしょ。

 こんなもん着れない履けないので、半袖、靴下&サンダルスタイルです。

 そもそも足裏をきちんと乾かさないと本当に足裏全体の皮が剥がれそうなので気を付けます。

 

 最後にガイドさんやポーターさんと記念写真と撮り、ついに帰路へ…とはならず。

 

 …昨日の大雨によって土砂崩れが発生し道路が寸断され、管理支所が孤立しておりました。

 

完全に道路が寸断されています

 

 我々が乗ってきたピックアップトラックは登山中には麓に帰っていたので車ごと閉じ込められたわけではなかったのですが…

 

 被災場所は完全に道沿いの崖の上から崖の下まで土砂に埋まっており、車の通行は不可能です。土砂もドロドロで容易に30㎝ほど沈みます。道路脇の電柱も傾いてはいましたが不幸中の幸いで停電にはなりませんでした。

 

上から

 

崖下まで

 

 管理支所の人がチェンソーなどで邪魔な木を切り払ってくれましたがどうやって渡るのか思案していたところ…

 ポーターさんがうまく倒れた木を足場にして向こう側に渡っていきました。

 それを真似してなんとか土砂崩れを超え、車に乗り込みます。

 

管理支所のガイドさんらも手伝ってくれています

彼らもここが通れないと困るので…

 

 やっと一息付けました。

 

  Mamut鉱山跡地

 どうやら本日はキナバル自然公園管理所に用があるとのことでキナバル山の麓へ。

 マレーシアの登山といえばキナバル山なのですが、キナバル山自体には登ったことがないというのは少し不思議です。

 

 

 流石に麓の管理所でも標高が高いのかかなり寒いです。

 

 

ヒラタツユムシの仲間

 

 昨日の豪雨で風邪気味なので勘弁してほしい…(´;ω;`)

 キナバルパークの管理事務所で入山届を記入した後ランチ。

 

 ランチは管理所すぐ横のレストランで食べました。

 ここの麵料理はカレーラーメンみたいで美味しかったです。

 

 

 

 

 そこから南東の方のMamut鉱山跡地へ。

 

 

 キナバル山からちょうど東南東の方角にある中高山ネペンテスの自生地として有名な場所です。ここ由来の株はよく出回っていますね。

 かつては銅が産出する鉱山として有名だったそうですが1999年ごろに閉山。

 閉山後はサバ州管理だったのが今ではキナバルパークの管轄となり、現在では奥の湖までのハイキングルートとして使われているのだとか。

 全体的な標高は1,500mぐらい。

 散歩感覚で行けるウツボカズラの自生地です。

 

 Mamut鉱山の最奥には湖があるそうですが、そこまで行っても何もないということで我々は手前の3㎞ほどまで。

 歩きやすい道(オフロード:石礫)なので着替えず、濡れた登山靴も履かずに観光客スタイルで行きました。

 

 元鉱山ということで山肌は荒れており、銅の影響か閉山して20年以上経っていても植生が貧弱です。

 だからかもしれないですが非常に多くの数のウツボカズラが生育していました。

 

 最もたくさん生えているのはN. reinwardtiana

 

 

 

 袋が緑色の株が最も数が多かったですが、赤色、斑点模様も生えております。

 

 

 

 

虫が落ちそうで落ちなかった

 

 

 

 ピッチャーも30㎝ほどあって非常に立派です。

 

 

 

 

 何でこんなでかくなんねん。

 

 

 

 

 

 

 本当に鉱山のどこにでも生えておりましたが、どちらかというと地面が露出していて乾燥気味であり、非常に日当たりが良い場所に特に多いように思えました。

 

 次に多いのがN. zakriana。元々N. fuscaって呼ばれていたやつです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 N. maxima complexの中の一種であり、栽培下では用土はやや乾燥気味…なんて言われていたり。

 私もそんなイメージがあったのですが…

 

 

水路のやや上に多い

 

 

実生株がたくさん

 

 Mamut鉱山跡地では水路の側面や、木陰のやや湿っぽい法面に多く生育しており、どこでも生えているレインと比較して明確に湿った場所を好むように生えていました。

 

 レアだったのはN. macrovulgarisN. burbidgeae

 

上位袋

 

下位袋

 

 

開いていませんでした

 

 今回は道端で簡単に見られるものとして1株ずつしか見られませんでしたが、鉱山のどこかにはまだ生えているそう。

 この2種は他の種とは異なり、完全にアカマツとイネ科の藪の中に生えておりました。N. macrovulgarisの方がより暗い場所に生えていたでしょうか。

 N. burbidgeaeには数年前(2018年)には立派に育ってアッパーピッチャーがついていたそうですが、今回その主茎は枯れてしまっておりました。残念。

 因みにここ由来のN. burbidgeaeの袋が特別でかくなる…ということはないそうです。

 

 N. stenophyllaは最初の方は見る影もなかったですが、最後の台地にはそれこそ地面を覆いつくすレベルで大群落を形成しておりました。

 

すごい!!

 

大群落

 

 

 

 環境としては日当たりは抜群。ただし生えている台地はやや水はけが悪く所々水溜まりがあるような感じ…

 

 

この株はなんか混じってそう

 

 

 

 

 

 

 水際にも生えていはいましたが半分根腐れしたような株が多く、そこから少し上がった所で大繁茂、という感じでした。

 

 ここで見られた種の日照条件、水分条件を並べてみると以下のような感じ。

 

 水好き具合

 N. zakriana>N. stenophylla>N. macrovulgaris≒N. burbidgeae>N. reinwardtiana

 

 日照好き具合

 N. reinwardtiana≒N. stenophylla>N. zakriana>N. burbidgeae>N. macrovulgaris

 

 うま~いことそれぞれ環境条件が異なっており、住み分けているような感じがしますね。

 

 気温に関しては25℃-18℃ぐらいでしょうか。

 植生が貧弱で遮るものがないので、晴れると猛烈な直射日光で暑くなると思われます。

 ただし標高もそこそこ高く、周囲も(キナバル山)以外ないため下界から一気に空気が登ってくるポイントになっており、霧に覆われて視界が一切なくなることもありました。

 

 

 

 

 

 多分一日中ガンガン直射を浴びる…なんてことはなく、日が出たり霧に覆われたり雨が降ったり天気はコロコロ変化し、そんな不安定な環境で彼らは生きているのだと考えられます。

 

 また、土壌が特殊ということで地生蘭も多くみられました。

 

 

 

Platathera属の何か…

 

ナリヤラン系

 

ナリヤランの白花

 

 日当たりも良くD. ultramaficaU. striatulaが生えていそうな環境でしたが見つけられませんでした。

 途中見つけた池等にも水生昆虫や水草が見られませんでしたので、普段はもっと乾燥しているのかもしれません。

 

  くたくたのホテル

 Mamut鉱山跡地では行き帰り6㎞歩いたとはいえ傾斜はほぼないに等しく、散歩レベルの楽さでした…

 が、最後の最後に霧雨なような雨を浴びて、そもそも満身創痍で風邪気味だったのでもうくたくた。

 

 とはいえホテルではやるべきことがあります。

 洗濯と乾燥です、

 

 既に着たものは洗濯サービスに回し、使っていないのにずぶ濡れになったもの&洗わないものは全力で乾燥!

 しかしこのホテルエアコンがついておらず、天井に大きなファンのみ。

 なのでこの大きなファンをぐらぐらするまで高速回転させ続けると、テントや雨具等乾きやすいものは一瞬で乾いてくれました。

 他の上着なども一日置けば乾燥してくれるでしょう。

 

 

 問題は靴。

 

 最初ドライヤーで乾かそうとするも付けた瞬間一瞬でぷすんと動かなくなりました。

 

 故障です。

 

 まじかよ。

 

 仕方がないので中敷きを外して中にティッシュなどをつめこみ天井のファンの真下に置いて乾かすことに。

 

 体調が悪いのでホテルの立派な料理もあまり食べられず。

 

 

 色々乾いてくれていることを願って早々に就寝。

 

 6日目につづく

 

4日目

 

 

  4日目のルート

 

 

  Gunung Minodtuhan登頂

 前日に辛い思いをしてほとんど登り切っているため頂上まではすぐそこです。

 日の出前からご飯を食べて出発準備。

 今日の行程としては頂上まで登ってウツボカズラを見た後下山をして、管理支所まで帰ります。

 

朝準備しているとやってきたコガネムシ

 

アシナガバエの仲間

 

 という訳で出発!

 

 ベースキャンプ周辺はまだ熱帯ジャングル感がありましたが、少し登ると一気に周囲の景色が雲霧林に変わりました。

 

周囲の雰囲気が雲霧林に

 

上から下まで蘚苔類だらけ

 

 こうしてあっという間に頂上へ。

 

頂上、マレーシア国内8番目の山です

 

 やったぁ!と皆で写真を撮ります。

 

 しかし、我々の目的は山に登ることではありません。

 ネペンテスを見ることです!!

 まだN. tentaculataしか見ておりません!

 

 ハイランドネペンテスの自生地は頂上よりもう少し奥だということであと少しだけ歩きます。 

 

 

"A Guide to Orchids of Kinabalu"の図鑑の表紙の蘭かな?

 

小さい花が集まっていると全部オサランに見える

 

着生Cym. 格好良い!!

 

 

 

 

 

N. tentaculataの数は多い

 

 そして前を行く人達から歓声。

 

必死になって写真を撮る人

 

あまり見ないタイプの袋

 

 N. edwardsianaや!!!

 

 野生下で見るのはもちろん初めてです。

 でかい!牙がすごい!本当に着生してる!でかい!

 

 

 

 

 

感動(´;ω;`)

 

 皆テンションが上がりまくって写真を撮ります。

 このために苦しい苦しい登山を頑張ったのですから!

 

 さらに奥に進むとN. lowiiも!

 

 

 

逆光が酷い(-_-;)

 

 

 

 

N. lowiiもめちゃくちゃでかい!

 

 キナバル山の系統ということで袋がめちゃくちゃでかい!

 以前見たMantapokとはサイズ感がちゃうなぁ~。

 

 この自生地は本当に谷を挟んでキナバル山のお隣で、2,300m付近の非常に涼しい環境でした。

 温度計を全員忘れたので正確な数値は分かりませんが、昼夜で23℃-10℃ぐらいじゃないでしょうか。

 空気は非常にmoisture。

 お肌がしっとりプルプルになるようなひんやりとした空気がゆったり流れており、あまり風は強くありません。

 

 生育環境的にはN. edwardsianaがやや木が茂っている少し日陰に、N. lowiiは木の密度が低かったり、木の上の方の風通しと日が強い場所にという感じで生え分けているようでした。

 どちらの種も地面からは生えておらず、地面にあるのはN. tentaculataのみという感じ。

 N. edwardsianaN. lowiiも雲霧林の苔に着生…というよりは積もりに積もった落ち葉や枯れた草木等の腐葉土から飛び出しているような感じです。

 

 両種の交雑種は見つからず。

 そもそもこれらの種間の自然交雑種の存在は聞いたこともないんですけど。

 雄花雌花の花殻は両種ともありましたので同じようなタイミングで花を咲かせていると思うのですが、交雑しないもんなんですかね。

 花殻の腐り具合的に2~3か月前ぐらいかと思うのですが…

 

 ツルの長さはどちらも数mほどですが、N. edwardsianaの方が節間も最大長が長め。N. lowiiはそれと比べるとコンパクトにまとまっています。

 親指ほどの太さの主茎をぐんぐん上に伸ばしていたかと思えば主茎を枯らして脇芽を出したり、その脇芽も数m伸ばしたりとカオスです。

 想像以上になんか汚い生え方していました(笑)

 

 生えている用土は雨の影響もあるのかもしれませんがびしょびしょです。

 そして冷たい。用土が乾燥気味?そんなもん知らんわ的な感じです。

 乾燥する暇なんてあるのでしょうか。

 

 

世界最大の立ち上がり苔

Dawsonia longifolia

 

 そうして皆でパシャパシャ写真を撮っていると、ガイドさんより先に行く気はあるかと聞かれました。

 ここから更に2時間行ったところにもっとN. edwardsianaが生えており、そこにはN. ×harryanaもあるぞと。

 

 ここから2時間…。

 行き帰りで3時間ちょい。

 距離にして片道2~3㎞ぐらいでしょうか。

 工程的には今日中にこの山から下りてまた管理支所で泊ることになるので、今日一日で約8時間、距離にして12㎞弱歩くことになります。

 正直体力的にはかなり厳しい…

 

 ですが行くしかないっしょ!!

 ハリアナやでハリアナ!!

 という訳で行くと返答。

 

 体力に不安のあるアウラパパさんとネペンランドさんはここまでとし、他の4人で往復3時間ほどさらに山に潜ることになりました。

 

  名もなき自生地

 ぶっちゃけ言ってこの行き帰り3時間は地獄でした。

 

 通常このG Minodtuhanの登山というのは頂上までが正式なルート。

 先ほどの自生地は頂上からすぐ奥にあるため、まだ人が来るかなぁ程度。

 

 さらにその先は誰も人が来ず、ほぼ道がありません。

 行く奴は同類だけでしょうが、正直数えるほどしか行っていないでしょう。

 少なくとも検索では引っ掛からなかった。

 

 道中も道がきちんとないのでガイドさんが道を間違えるわ、鉈で道を切り開くわ。

 崖をカニ歩きしていると道がなくなり、ここを登ると。

 

急な崖を進んでいたら行き止まり

 

と思ったら上へ登る

 

 崖下は何mあるか分かりません。とりあえず下界が見える。

 

落ちたら数百m落ちる

 

 崖もいわゆるポルダリング等でよく見る岩場やガレ場ではなくぬるぬる滑る泥の崖。

 滑って落ちたら一気に下界です。

 

 ガイドさんはするすると命綱なしで崖を登って細い木にロープを巻き付け、足元が崩れるドロドロぐしゃぐしゃの崖を登ることになりました。

 高所恐怖症でもない私が流石に足がすくんで動けなくなりました(´;ω;`)

 

 さっきが頂上という割にはどんどんきついアップが続くわ、ダウンも続くわでガチのマジできつかったです。

 

 たった2時間、されど2時間。

 疲労困憊になりながらも道を進んだ先にあったのは大量のウツボカズラでした。

 

 

 

 

N. tentaculataはたくさん生えている

 

 

 

N. edwardsianaの色が先ほどと変わった

 

 先ほどの場所より標高が高いのか、日当たりは良いもののN. lowiiは一切生えておりません。

 先ほどのN. lowiiと入れ替わるように樹上にもN. edwardsianaが生えています。

 

 

 

 

後ろがキナバル山

 

 

 

 

 

 

 

 

カエルの卵が産みつけられていた袋も

 

 サイズも大きく色のバリエーションも非常に多く、真っ黄色の美しいエドも生えておりました。

 

 そしてメインのN. ×harryana!!

 

赤系

 

 これを探しに来たんや!

 これは1株(塊)だけ、ということでしたが、奥でうろちょろしているともう1株(塊)あるのを見つけました。

 

黄色系

 

襟が少し歪んでいるが立派な袋

 

 この山にはN. villosaはないということなので、N. ×harryanaは真横に聳え立つキナバル山から種子が飛んできたのでしょう。

 以前のMantapokの記事でも実演しましたが、特にハイランドネペンテスの種子は両脇の紐(?)部分で風に乗り、空を飛びます。

 そうして山の頂上から頂上に渡って生育範囲を広げているのだと考えられます。

 

 ガイドさんが下界のジャングルを挟んで向こうにある山の頂上にもN. villosa等が生えていると教えてくれました。

 

あの小高い所に生えているそうな

 

 そこは本当に道もルートもなく、レンジャーがジャングルの中を4晩突き進んで登って発見した場所だそうです。

 ここも同じように見つかった場所らしいですが、おそらくこの周辺には他にも未踏の場所が多くあり、そこにも色々ネペンが生えているのでしょう。

 

 いや、素晴らしい。

 めちゃくちゃ苦労してここまで来たかいがあった。

 

  土砂降りの中の下山

 N. edwardsianaN. lowiiをたくさん見れて、N. ×harryanaまで見れてもう満足…

 これでこの山の探検は終了!!

 

 という訳にはいきません。

 今日中に麓の管理支所まで下る必要があります。

 

 先ほど通った難所を戻ること1時間半ほど。

 なんとかお昼ごろにベースキャンプ場に帰ってきました。

 崖では皆が一気に登ったせいで足場が崩れ去っており、下は見れずガチで足が浮き落ちかけました。もうあそこ誰も登れないのでは…?

 

 既に3時間ほどアップダウンを繰り返し、精神的にも体力的にもかなり疲労がたまっています。

 しかしここからさらに5時間ほどかけての下山です。

 

 足は既にヘロヘロ、太ももの付け根あたりの筋肉痛も激しく、下りと言えど全く楽ではありません。

 そんな中ひぃひぃ言いながら必死になって下っていると、14:00を過ぎたころから猛烈なスコールが降り始めました。

 

ジャングル内で独りぼっち

 

 流石にロープを使うような傾斜が急な場所は過ぎていたので滑落の心配はなかったのですが、あと4㎞ほど道は残っております。

 

 私は既にひどく疲れていたのと筋肉痛でゆっくりとしか歩けず、皆に置いて行かれており(ただし、皆がさらに奥に行っている間にN. edwardsianaの撮影中、滑落しかけて負傷したアウラパパさんと連れのポーターさんは更に後ろにいた)、周囲に誰もいない中ジャングルに一人になってしまいました。

 

 雨具も着ていましたが完全防水ではなかったようで、長時間しかも熱帯雨林の豪雨に対処できるものではありません。

 本来は雨宿り・避難するまでの緊急用。

 そのせいで上から下まで全身びしょ濡れ。

 靴の中まで水がたまって足が常時水に浸かり、靴下と足の裏がこすれることで非常に痛み始めました(足の裏全体がふやけてしわくちゃになり、全体が水膨れしたみたいな状態)。

 

 しかし歩かないと帰れませんので一人半泣きになりながら豪雨の中3時間ほど歩いていると、ようやく尾根ルートを突破。

 ここからは傾斜もそれほど酷くなく、帰り道はあと少しです。

 

 と逸る心を抑えて一人下山していると。

 

 麓に近づいて傾斜が緩やかになったせいか、林床全体が周囲から流れ込んできた雨水で完全に水没して川になっていました。

 踏み固められた跡程度の登山道もあちこちから溢れる水のせいで完全水没し判別できません。

 

 体力はほぼ限界。

 即席の大量の川のせいで足首まで水に浸っており、靴はびしょびしょどころか水の中状態。

 帰り道は分からず。

 

 正直こうやって人は遭難するんだなと思いました…(´;ω;`)

 

 日没も近づき、後ろの方にいるはずの足を痛めたアウラパパさんとポーターさんもどれだけ離れているか分かりません。

 

 後ろを待つか先に進むか。

 

 悩んだのですが、林床の植物が山道脇とその辺に生えているタイプで異なることに気が付き、水没していてもなんとか山道が見分けられることが分かりました。

 その植物に沿って進むときちんと距離標が存在し、何とか遭難することなく帰路に就くことができました。

 とはいえ標識の間隔が長かったのでびくびくしながら歩きました。

 後方のアウラパパさんは何度も道を間違え、ガイドさんに指摘されていたそうです。

 一人だった私が本当に遭難しなくて良かったです。

 

 最初に渡河した川も増水していたものの、既に濡れているのでバシャバシャ膝まで水に浸かりながら渡り、あと少しでゴール。

 

 …という直前に、即席のターフが山道に。

 ガイドさんや先に行っていた同行者が雨宿りをしておりました。

 内心一人じゃなくなってホッとしましたが、何故今更雨宿り?もう全員びしょびしょやし、あと少しでゴールやろ。

 なんて思っていると。

 

 どうやら最初に渡河した河川は実はまだ超えておらず(あちこち川だらけなので誤認した)、本物の最初の川は豪雨により大増水しており渡れなくなっていたため、水位が下がらないと帰れない状態になっていました。

 

最初の川が大増水して渡れない

 

 水が跳ね時折ゴロゴロと巨大な岩が流される音が豪雨の中響きます。

 

 これは待つしかないと待つこと30分。

 豪雨(と雷)はいつになっても止まず。

 標高が低いといっても1,000mは優に超え、全身びしょ濡れでありじっとしていると身体が冷えます。

 ヒルもたくさん寄ってきますが、もう皆ヒルを気にする体力も気力も残っておりません。

 

 さらに待っても雨は止まず。

 遅れていたアウラパパさんも合流しましたが、まだ川は渡れません。

 この川も普段は規模が小さく集水域も狭いため、雨が弱まりさえすればすぐに水位も下がると思うのですが、そもそも全く雨が止みません。

 

 これは夜まで待機コースかなと半分観念しておりました。

 

 が、比較的少し雨が弱まった瞬間、ガイドさんらが周りに生えていた細い竹を編んで即席のロープを作成し、無理やり川を渡ってロープの支えを作成しました。

 

 渡るなら今です!

 

 という訳で腰まで激流に浸しながらの渡河。

 仕事柄趣味柄それなりの流れの川は渡ることが多いのですが、完全着衣で10㎏以上の荷物を背負っての激流の渡河は初めてです。

 

 川を渡れば管理支所まではすぐです。

 痛む足裏と筋肉を庇いながらやっとゴール!!!

 

 の前にキャンプ場内を流れる川がまたもや大増水して溢れていました(-_-;)

 

 

 そこも渡って正真正銘のゴール!!

 

 私の荷物を運んでいたポーターさんは雨が強まって川が増水する前に帰って来ていたらしく、管理支所でタバコを吸ってダラダラしておりました。

 どれだけ下山早かったんや…。昼出発で頂上から3時間切らんと無理やぞ(-_-;)

 

 屋根のある場所で寝ようと思うともう一度キャンプ場中央の川を渡る必要があるのですが、そんな気力も起きず。

 豪雨の中テントを張ってお着換え。

 やっとずぶぬれネズミから解放されました。

 

 

 夕食はあまりの疲れと足の裏の痛みからほとんど食べずさっさと就寝…

 

 

 5日目につづく

 

3日目

 

  3日目のルート

 

 

  Gunung Minodtuhanの登山

 さて、今日からがいよいよ登山本番です。

 

 という訳で先ずは今回登るGunung Minodtuhanについて簡単に説明をさせていただきます。

 

 サバ州西部にはクロッカー山脈という西海岸と東海岸を隔てている山脈があるのですが、その北側がキナバル自然公園、南側がクロッカー山脈国立公園となっております。

 G Minodtuhanはそんなクロッカー山脈の北側、キナバル自然公園内にある山の1つであり、位置的にはちょうどキナバル山の真上・北側にあります。

 標高は2,360m。

 マレーシアにある山の高さでは8番目に当たるようですが、マイナーなのであまり知られてはいないようです。

 Mt Muluより10mぐらい低いぐらい。

 

 キナバル山のすぐ北にあることから植生等は概ね同一です。

 生えているウツボカズラの種類は…。これは後々のお楽しみにしましょう。

 

 キナバル山という最高峰の北部(海側)にあるためにボルネオ全体で見ても非常に雨の多い地域みたいだそうで、今回我々がいた3日間でも昼過ぎから夕方にかけて毎日雨が降っていました。  

 午前中と夜はカラッと晴れる。日の出前は霧で覆われる等と、コロコロ天気は変わりつつメリハリの利いた天気でした。

 

 スタート地点であるキナバルパークのサヤップ・サブステーションが標高1,000mほどにあり、ここから頂上までは約8.5km歩くことになります。 

 しんどさとしては(登山の山としては)中程度という噂。

 

 ルートはやや異なりますがwikilocのリンクも貼っておきます。

 

 

 そんな山を今回最初に登るということで…

 朝、雨も上がり増水も収まっており絶好の登山日和です。

 

水が引いている

 

正面キナバル山

 

 私たちの荷物を運んでくれるポーターさんが集合し、運ぶ荷物の重量を測定します。

 

 

重さを量ってそれに応じたお金を(後で)払う

 

 私のポーターさんに運んでもらう荷物はおおよそ13kgで380Rm。日本円で12,000円ちょっと。

 自分で背負う荷物は大体10㎏。

 登山リュックで背負うとこんなもんかと思うのですが、疲れてくると後々これが結構効いてきます。

 

 ポーターさんは場所にもよりますが、いわゆる兼業(バイト感覚)でされている方が多いそう。

 普段は本業(農家)をされているのですが、バイトで2日12,000円稼げるという意味では良い現金収入だそうな。

 

 という訳で皆で集まって記念写真を撮ったのち、ついに登山が始まります。

 本日の行程は頂上手前のベースキャンプ場までおおよそ8.5㎞、1,000mを登る予定。

 大体5~6時間の計算です。

 

 キャンプ場内の脇の道からスタートです。

 最初の道はゆるやかなスロープで余裕しゃくしゃく。

 

 

 ただし草が生い茂り、前日の大雨で地面はびしょびしょです。

 

 これは奴が来る…!!!

 

 

 という訳で早速ヒルのお出ましです。

 歩いているとゲイターにズボンに張り付いています。

 登ってきた個体は皆で適宜その場で落とします。

 

 (草ボーボーの)歩きやすいスロープを1㎞ほど歩くとそこからがジャングルとなります。

 

 

 

着生モンステラなんですかね。

お毛毛がすごい。

 

Labisiaの仲間かな。

検索してもsp. としか出ない。

 

見たことあるが何かわからん…

 

オサラン系か…?

 

ジュエルオーキッド

 

サンヨウベニホタル

 

アリの行列

 

 踏み固められた山道を進み、渓流を石踏みして渡り、植物を撮影したり、最初は談笑をする余裕もあったのですが…

 

 1時間ほど歩いていると段々そんな余裕もなくなってきます(´;ω;`)

 最初は緩やかだった林床(ジャングル)も歩き続けて段々両側が鋭い傾斜の尾根筋に。

 そして登りがずっと続きます。

 

 

 そしてなんといっても身体を慣らしていない中での突然の登山。

 (前回の登山と言えるものはGWの飯高山のムシトリスミレ、その前は去年のコウシンソウ!!全く山に登っていない!!)

 汗はだらだら、塩(電解質)が足りず水を飲めば飲むほど汗びしょびしょに。

 気分は悪くなり吐き気やめまいも起こり始めたため、ハンガーノックかと行動食を食べるも体調がよくならない。

 

 汗でびしょびしょ身体はしんどい足は動かない。

 ジャングルの中の尾根筋を登り続けること3時間ちょっと。

 のろのろ半べそかいて死にかけながら登ってようやく4.5km付近の昼休憩場所へ到着しました。

 先に到着して休憩していた自分のポーターさんから水を補給し、お昼ご飯を食べるとかなり体調がよくなりました。

 やはりハンガーノックというよりは塩不足だったようです(-_-;)

 

 その後の2㎞はロープ等を利用したひたすら急傾斜の登山でしたが、体が少し慣れたのと塩を補給できたのでかなりマシになりました(-_-;)

 

 標高1,800m付近からぽつぽつとN. tentaculataも生え始めるように。

 

 

 

 N. tentaculataは少し高い山ではどこでも見られる一般種ですが、それでも本物の野生下のウツボカズラを見ることができ始めたらテンションも変わりますね。

 

 基本的にはやや木の密度が薄い崖地や法面のコケに埋もれるように生えており、木が鬱蒼と生えているジャングルの林床には生えておりません。

 着生株が全くないわけではありませんが、岩や地面を覆うコケや、木の根元等、基本的には地面近い場所に生えていることが多いようです。

 また、やや日照量が少ない場所の株は徒長して上にひょろひょろ伸びあがり、日照量が比較的多い株はロゼット型で地面を這いまわっていたりと場所によって形態は大きく変わっています。

 形や色の変異は様々です。

 あとは一切開花株がありません。

 脇芽から栄養繁殖で増えているのでしょうか。所々種子から出ているような幼株もあったりするのですが、花殻でさえ見かけません。

 同行者の皆さんも自生地下では見たことないと仰っていました。

 

 そんなこんなで、後半はロープを使ってのかなり急角度の登りが続きます。

 

人気が出そうな白いコケシノブ

 

 しかし塩分補給をしたため後半はかなり気分よく登り、本日のベースキャンプ地に到着。

 調子よく登ったためポーターさんを追い抜いており、着替えなどが到着するまでやや時間がかかりました。

 

 本日のキャンプ地は標高2,000mちょっと。

 真ん中のくぼみには水たまりがありミズゴケも生えております。

 気温も低く汗をかいた服ではやや寒い。しかも待っている間に雨も降ってきました。

 

霧もかかってきました

 

ボルネオのミズゴケ

 

 といっても汗をかいた服の上から防寒具を着るのもやだ。

 ということで先についたガイドさんらが焚いてくれた火の近くで暖かいお茶を飲みながら過ごしておりました。

 

 しばらくしてからやっと自分のポーターさんが到着したので

 テントを張り、服も着替えて一安心です。

 

 

ご飯を食べてすぐ就寝

 

 ここまで登ったら頂上まであと少し。

 疲れた身体を少しでも癒すため日が暮れてすぐに就寝しました。

 

4日目につづく。

 

2日目

 

 

  2日目のルート

 

 

  Sayapの果物農家

 私は布団や枕が変わると眠れない体質なのですが、流石に眠りに入る時間が早いと何度も夜中に目が覚めても朝はすっきりしますね。

 

 という訳で起床。

 朝ごはんはホットコーヒーと豚のスープと焼きそば(油そば?)みたいな麺料理。

 

 

 

 

 海外では氷が怖いので基本ホットの飲み物です。

 暑い中ホットの飲み物を飲むとやはりι(´Д`υ)アツィー

 コーヒーは砂糖やココナッツミルクを入れて飲むのが普通で、ブラックでは基本頼まないようですね。

 私はブラック派ではありますが、めちゃくちゃに甘くしたコーヒー(カフェラテ)は飲めます。

 微糖とかいう中途半端なものが許せないのです…(#^ω^)

 

 朝食後はガイドさんやそのお兄さんが運転するピックアップトラックに乗り北上。

 

 

 

 

ガサガサしたかったな~

 

 綺麗な海沿いを進みながら1時間ほどでコタ・ブルッという街へ。

 

 

 

 

 コタ・ブルッでは買い足しとトイレ休憩です。

 一人の同行者は防寒具を忘れたということでこの町で買っておりました。

 今のように低地にいる間は防寒具は必要ありませんが、熱帯でも2,000mを超えてくるとかなり気温が低くなります。

 昼間など身体を動かしている間は汗だくでも、休憩などで動きを止めると途端に身体が冷えることに…

 しかも今回は標高の高い山に何日も泊ることから防寒具は必須となります。

 

 トイレはボルネオ安定の門番がいるタイプのトイレ。

 門番に小銭を渡してトイレを済ませます。

 トイレは日本の歓楽街にある公衆トイレより綺麗です。門番の方が掃除をしてくれているのかもしれません。

 あと、個室を覗くとここでは珍しくトイレットペーパーが設置されていました。

 ボルネオのトイレはホテル等の個人スペースのトイレ以外紙は設置されていないと考えた方が後々の悲劇を防げます。

 お金やパスポート等の常に持ち歩く貴重品入れに、流せるティッシュ等を常備しておくと安心です。

 

 

第一生物?チョウショウバト

 

熱帯らしく着生植物だらけ!

 

蘭も雑草のように生えています

 

 コタ・ブルッで買い足しとトイレをしたのち南東のキナバル自然公園へ。

 どうやらSayapという地域に向かっているようです。

 

 

 途中集落や農園・牧場はちょくちょく現れるのですが道路は舗装されておりません。

 こんなオフロードをピックアップトラックでガタゴト揺られながら進んでいくのですが、時折近隣住民も車やバイクで通ります。

 勿論オフロード系の車も多いのですが、日本や韓国の普通の街乗りセダンや軽自動車、スクーターといった街乗りの車種も非常に多いです。

 …2駆の車高も低い車で良くこんな荒れ道通るわと。

 

 そうしてガタガタと揺られて悪路を進み、とある果物農家(後日登山ガイドの実家と判明)の家に到着。

 どうやら今日は登山のスタート地点のキャンプ場に行くだけで他に予定がないので、農家に寄って果物食べ放題としゃれ込む行程のようでした。

 

ドリアンの出荷作業中

 

 農家(農園)といってもきちんと園内が整備されている訳ではありません。

 流石にジャングルそのものとは言いませんが、草丈の低い草が一面ボーボーに生え、人が良く歩く道だけ獣道のように剥げています。

 

 

 

 

魚はいなさそうでした。残念(´;ω;`)

 

 少しそんな場所を進むと、奥に家が。

 

 

 

 そこでたくさんのドリアンの食べ比べを行いました。

 5~6品種ほど割って貰ったでしょうか。

 ドリアンの匂いは世間一般で言われているほど悪臭…という訳ではありません。

 表現しずらいですが甘いタマネギ?のような香りがするような気がします。

 果肉は非常にねっとりしています。ぬるいトルコアイスみたいな感じ。

 味は品種によって大きく変わり、甘くて一般受けしそうなやつ。やや酸味のあるさっぱりしたやつ(私はこれが好き)。魚介出汁のコーンスープ(かカール)みたいな味の奴(私はこれ苦手)などなどいろいろあります。

 ただ現地物で新鮮なので都市部で売っているものよりは全体的に美味しかったような気がします。

 

 ここでもドリアン魔人の先生ともう一人ドリアン大好き人間がいたので2人でほぼ全てを食べつくしていました。

 

 ドリアン後は農場の奥へと。

 

これアレルギーでした(´;ω;`)

 

 

 

 マンゴスチン、ランブータン、タラップ、パッションフルーツ等その辺に適当になっている果物を頂きました。

 美味しいことは美味しいのですがどうもタラップを食べてから喉が変です。

 私は豆乳や冷ややっこ等のアレルギーもちで、これは一部の果物にも同様の症状をもたらす場合があります。

 桃とか喉が痒くなる時がある。

 タラップにもアレルギーがあったようで、私はタラップを食べるのは辞めた方が良さそうです(-_-;)

 

 散々その辺にある熱帯果物を食べた後に、ここで飲食店は最後というお店でやっと昼飯。

 

 

 

飯食べていると寄ってくるネコ

 

 チキンヌードル的なものを食べましたが、柑橘の爽やかな風味が効いていて非常に美味しかったです。

 

  Kinabalu Park Sabstation Sayap

 ちょうど昼食中ぐらいから雨が降り始め、段々強くなってきました。

 昼食後もさらにオフロードを進むと本日のキャンプ地に到着します。

 

 

 今回登る山はキナバル自然公園内の山でありますが、キナバル山そのものではなく、Sayapという地域の山に登るようです。

 そのためこの管理支所的な場所がスタートということになります。

 

 ただこの時点ではどんどん雨が強まり土砂降りに。

 この大雨の中テントを張るのは(いきなり濡らすのも)嫌なので、屋根のある場所にグラウンドシートとマットを敷いて寝袋で寝ることにしました。

 ただ、我々にあてがわれた場所は園内の真ん中を流れる川を挟んで向こう側。

 大雨により川は増水して溢れておりました…(-_-;)

 

川を渡った先に寝床

 

 サンダルを履いてどうにかこうにか増水中の川を渡り寝床を拵え、夕方。

 

寝床

 

 夕方には雨もやみ、川の増水も落ち着いておりました。

 夕食前に少しキャンプ地をぶらぶら。

 流石にジャングルの入り口ということで様々なランが着生しております。

 

 

Bulbophyllum ornatissimum?

 

 

造花かと思った…

Dimorphorchis lowii

 

セロジネですかねぇ…

 

分からんちん

 

B. deareiっぽい

 

ボルネオのクツワムシ

 

 

ヒル!!

 

 夕食はガイドさん手作りのマレーシアの家庭料理。

 

 

 

 

 

 

 

 お店に行かない(近隣にお店がない)時はこうしてガイドさんが料理を作ってくれます。

 これが非常に美味しいので食事は毎回楽しみです。

 

 雨も止むと色々な生き物も出てきました。

 

 

 

カエル

Limnonectes blythiiに似てる

 

流水環境に適応してそうなオタマジャクシ

 

 が、同時にヒルも出現し始めます。

 電気を消すとホタルも現れました。

 

 

 

 

Pteroptyx属の何か

 

 日本のホタルとはまた違った色をしております。

 

 雨も止み真っ暗闇の中、星とホタルの光が綺麗な夜空の中就寝。

 次の日はいよいよ登山です。

 

 

 3日目につづく。

 

1日目

 

  出発

 前日9/17は第170回浜田山記念集会。

 それに参加して、次の日からがボルネオ遠征です。

 記念集会後の飲み会は流石に参加しませんでした。

 土曜日の前夜祭である土居さん歓迎会には参加しましたが…

 

 当日、成田空港発の飛行機は9:30発。

 ということで7:00には空港に到着する予定。

 成田空港は今年の沖縄遠征で生まれて初めて使ったのですが、(空港内の構造が)分かりにくい以外は羽田より使い勝手が良いですね。

 主要沿線を使わないので出発帰国時にラッシュに巻き込まれまれず、たくさんの荷物を運んでいても気楽です。

 という訳で早起きしていざ出発!

 

 ということでしたが出発前からトラブルが続発。

 

 まずは帰りの飛行機の変更。

 コタキナバルから成田直通でしたがクアラルンプール経由に変更になりました。本来であれば最終日はコタキナバルの深夜に出発して成田に早朝につく予定でしたので、一日ゆっくり休みをとることができたのですが…

 夕方に帰国することになってしまいましたので、これで片づけに料理とバタバタすることに…

 しかも次の日からすぐ仕事…(´;ω;`)

 2つ目は出発便の飛行機の遅れ、9:30出発が10:25出発に変更になりました。

 3つ目は機内食提供のトラブル。委託会社と揉め事があったようで機内食が十分に提供できない可能性がありました(実際はちゃんと出てきました)。

 4つ目はネペンランドさんの乗っていた成田エクスプレスの30分の遅れ。

 正直飛行機が1時間遅れていなければやばかった…

 

コタキナバルに行く人が全くおらずスカスカ

 

朝ごはんに最後の日本食焼きそば

 

 という訳で何とか1名を除き(1名はブルネイ経由で夜に到着)集合し、出発。

 

 

 

乗客がいないからか無限にビールを貰えた

 

 あまり期待はしていなかったのですが機内食はきちんと出ましたし、機内での映画も日本語訳のあるマリオ、スパイダーマン、M3GANを3連続で見ることが出来て大満足です。

 

 少し(記事増しのため)映画の感想に触れておきますと…

 

 マリオは元々見に行こうかなと思っておりましたが結局見に行かなかった映画です。

 私は任天堂党ではありますが、ここ10年間は基本的にゼルダしかやっておりません。

 弟がやってたポケモンやスマブラを触った程度

 マリオのゲームはGCのマリオサンシャインがラストですね。

 そもそもマリオのゲームは他に64とマリオストーリーしかやったことがないです。

 ですがストーリーも王道中の王道の内容なので、全くマリオのゲームは一切触ったことがないし分かりません!!という方以外はそこそこ楽しめると思います。

 

 スパイダーマンはアクロス・ザ・スパイダーバースというアニメもので、映像はすごいと思ったもののスパイダーマンの知識が一切ない私には意味が分からないところが多かったです。

 というか主人公って新聞記者的な仕事してませんでしたっけ。

 マルチバースものというのは理解できましたが、どんどん話が大きくなってもうこれ何でもありやん的な感じに…

 そもそも映画自体続き物で最後も次回に続く!!的な感じだったので初見の人が見るものではないという印象。

 

 M3GANは話題になっていたホラーだったので見たのですが、別にホラー的な怖い、びっくり、グロい描写は基本なく、純然たるホラー映画としてみると拍子抜けするかもしれません。

 最初はSFで始まり、ストーリーやホラー描写も細かいことなんて関係ねぇ!!とばかりその場のノリと力技で敢行し、最終的には愛と拳で解決するところがシュールで面白かったです。

 

 という訳で飛行機の中では散々映画を楽しんで、6時間ほどであっという間にコタキナバル空港に到着したのでした。

 

  4年ぶりのコタキナバル

 コロナもあってなかなか海外旅行も出来ない状況でしたがやっと来ることが出来ました。

 

 

 4年ぶりのコタキナバルです。

 

 コタキナバルは日本より暑い…訳ではないです。

 湿度は高いのですが緑が多く風通りも良いのでそれほど不快にはなりません。

 昼間の最高気温も33℃ぐらいでしょうか。

 日本の真夏よりよっぽど涼しいです(-_-;)

 あとちょうどシーズンなのか空気にドリアン臭がかすかにしました。

 

 

 コタキナバル空港に着いたらガイドさんと合流。

 世界の名だたる食虫植物の栽培家・研究者にもガイドをしているマレーシアサバ州No.1の高山ネペンテスガイドです。

 ウツボカズラ(食虫植物)の専門家ではないので低地性種等となるとまた別の話となるそうですが、それでも保護区の管理者や研究者等と親しく、論文等を読まれており非常に詳しいです。

 私がお世話になるのは今回2回目ですが、このネペンテスツアーのガイドは毎回彼です。

 

 ひとしきり再会を喜んだあと、チャーターしてもらったマイクロバスで本日の宿へ。

 

 マイクロバスの中には蚊がたくさんおり、運転中私は6匹つぶしました。

 

 宿泊ホテルはいつもはKinabalu Daya Hotelなのですが、今回は部屋が取れなかったそうなのでGemilang Hotelにチェックイン。

 一人一部屋です。

 

 

 

 ホテルに着いたら夕食までフリーということで大雨の中宿の周辺を探索。

 

 傘を持って行かなかったのでかっぱを着ていました。

 

 同行者の先生はドリアンを大量に食べておりました。

 

 

 

 ドリアンはハマると毎日食べたくなるほど中毒になるそうです。

 私はドリアンは苦手…(-_-;)

 匂いはそんな電車内に持ち込みアウトなぐらい臭いとは思わないですし、実際食べられないことはないです。

 

 ただう~ん…

 

 味は良い意味でも悪い意味でもとっても濃厚、クリーミー。

 日本の果物の感覚で食べるとオエッとなります。

 食べ物ってアレルギーとかでなければ食べ続けると案外好きになれることが多いのですが…

 私も昔はコーヒー、酒、ホヤが苦手でした。今は大好きです。

 ドリアンはちょっとそこまでの領域にたどり着けないですね…

 

 私は少しのドリアンや普通に美味しいランブータンを楽しんだのち、ぶらぶらと一人で宿のすぐそばのショッピングモールMee & Cake House in KK Cityへ。

 周りにあるショッピングモールと比較するとややおんぼろでさびれていますが、このモールの中には本屋さん兼お土産屋さんがあります。

 このお店は専門書の品ぞろえが非常によく、コタキナバルに来る(同類の)方々はここで色々買い漁るそうです。

 

 

 

 

 

 私は(何故か)サワラクのウツボカズラの本とボルネオのタニノボリの本を購入しました。

 

 

 他にも欲しい本だらけでしたが荷物になるのとお金のことがあるので、また最終日に回すことに。

 

 その後宿に帰ってニヤニヤしながら本を読んだのち夕食へ。

 夕食は中華系マレーシア料理でした。

 

 

 

 

 

 

 

 マレーシア料理はあっさり系で非常に日本人の舌に合います。

 米もジャポニカ米ではありませんがタイ米でもなく(ジャバニカ米?)、旅行中に日本の米が特別欲しくなるということにもなりません。

 十分に夕食に舌鼓を打ったのち解散。

 

 夕食後私はコンビニ(セブンイレブン)で酒と次の日の飲み物を買いに行ったのですが…

 マレーシアは穏やかとは言えムスリム国家なのでお酒文化ではありません。お店でも売ってはいますが品ぞろえは悪いし高い。

 そしてお酒文化がないということはアテ・つまみの文化もあまりありません。

 

 

 私はあまりお菓子(ポテチやスナック、あとナッツ)でお酒を飲む人ではないのですが、日本のようにアテが存在していなかったので泣く泣くスナックを買って宿で一人晩酌を行うことに…(´;ω;`)

 

 スナックは海外の安物スナックらしくあまり美味しくありませんでした。

 韓国のりは信用できるだろうと踏んでいたのですが、日本で売っている韓国のりとは全く異なりまずい…

 裏を見るとタイでの製造と書いてありました。

 う、裏切られた…(´;ω;`)

 お酒は普通に美味しいのに何故(´;ω;`)

 

 

 2日目に続く

 

前準備編

 

 

 

 海外の行き来も解禁され半年ほど、そして東京出向3年目も決まった2023年の2月のある日。

 

 「海外も行けるようになったし、ボルネオ遠征今年行くけど参加する?(意訳)」

 「行きます!!!」

 

 という訳で2019年以来のボルネオに行ってきました。

 

 今回の行程は10泊11日。

 そのうちホテルに泊まるのは4泊のみ。

 それ以外は寝袋で過ごすという前回以上に過酷な探検をしてきました。

 

  目的

 という訳で最初に今回の遠征の目的を。

 我々の遠征の目的は勿論ハイランドネペンテスを見に行くこと!!です。

 蘭や他の植物、他の動物等は基本的にオマケです。

 

 ハイランドネペンテスの自生地にも色々ありますが、基本的には今までに行ったことのない(マイナー・新)自生地へ行きます。

 私はキナバルやトラスマディ等メジャー所は行ったことないですけど。

 

 つまりマイナー・新自生地なので何がどれだけどんなふうに生えているかも、そもそも道中の情報もありません。

 

 これはロマンがある!!

 

 既知の自生地ではなく、良く知られていない自生地に自ら行くのは何か新しい発見もあるかもしれません。

 なのでこれは自生地見学会でも観光でもなく、探索あるいは探検なのです。

 

 勿論そんな場所の自生地情報などそもそもないので、(私の感じた)状況などもなるべく詳細に書いていこうと考えております。

 

  体力・技術的な目安

 この記事を見て自分もハイランドネペンテスを見に行ってみたい!!
 
 と思う方がどれだけいるかは分からないのですが…
 最低でも日本アルプス縦走レベルの体力・知識・技術が必要です!
 …なんて言われれば無理ですね。
 私も無理です。
 
 今回のボルネオ遠征の行程について、登った高さや距離、かけた時間は大体以下の通りです。
 
 
  • Mamut鉱山跡⇒楽ちん。誰でも行けます。
  • Mount Alab⇒楽ちん。誰でも行けます。
  • Pig Hill⇒最初の200mぐらいの傾斜がしんどく、藪漕ぎもあるけど(一応)誰でも行けるレベルではあると思う…
  • G Minodtuhan⇒ガチ登山。頂上まではしんどいだけ。さらに奥まで行く場合は安易に他人にお勧めできない…
  • Mt Sinsing~Mt Kaingaran⇒ガチ登山。縦走をするのでとにかく体力がいる。
 
 以上のような感じでしょうか…。
 最初の2つはノーコメントです。それくらい楽です。
 Pig Hillはかなり急な傾斜を200mほど登ります。そこがしんどいですがそんだけです。後は藪漕ぎ等があるので服装・装備だけはきちんとした方が良いかな…という感じ。
 
 G MinodtuhanとMt Sinsing~Mt Kaingaranはガチ登山です。
 詳細は後日の記事に書きますが、とてもつらいつらい(´;ω;`)
 マレーシアの標高ランキング8位と3位、5位の山です。
 日本で言えば3番奥穂高、5番槍ヶ岳、8番涸沢岳です。
 
 …こんな難しくはありませんね(笑)
 
 純粋な標高的には清水岳、女峰山、安平路山ぐらいです。
 …これも相当やな(-_-;)
 
 難易度的にはどうなんでしょう。
 私はちゃんとした登山というものを海外(ボルネオ)でしか経験していないので(贅沢やな)日本の山と比較出来ないのですが…
 富士山より高いキナバル山を抱えるマレーシアで、日本のように登山者がおらず道中も整備されていないジャングルのマイナーな標高ランキング8位と3位、5位の山…と考えて頂ければと思います(爆)
 
 日本の山と比べると難易度は下がると思いますが、それでも最低限の知識や技術、体力は必要です。
 今回は体力の状況あるいは負傷により途中脱落者(Mt Sinsingに登ること自体を辞めた)が2人。
 私も折り返しの時間を考慮し最後の300mは登っていません。
 
 最後まで全ての行程(登頂)をこなしたのは普段からフィリピンの奥地やギアナ高地に行かれている大研究者と、雪山登山もするぐらいの登山が趣味の方の2人のみでした。
 あとはガイドさん。
 
 これくらいの難易度、しんどさ…と言えば分かりやすいでしょうか?
 私自身良く行ったなと思うばかりですが、正直軽々しく他人にお勧めできるようなレベルではないとお伝えしておきます。
 
 
  費用

 そして大事なお金の話。

 大雑把にですが今回の旅費等を以下に示します。

 

 

 10泊11日で準備も込みで概ね35万ちょい。

 円安で値上がりしていてこんなもんです。

 この中に私の無駄遣い分も含めているので、最低限という意味では30万も余裕で切れると思います。

 10泊11日もする海外旅行と考えればかなり安い方でしょう。

 

 この行程は個人旅行(仲間内での旅行)ではなく、ガイドさんをつけてのツアーになります。

 現地のガイドさん(毎回お世話になっている)に行程や宿泊準備・手続き等を行っていただいており、そのお金は海外送金で支払います。

 

 海外送金にも色々やり方はあると思うのですが、一番簡単なのは海外送金アプリを使うことです。

 我々は主にwiseというアプリを使っております。

 アプリ上で送金先の口座や送金金額を指定して、国内で送金用の口座に振り込めばそこから海外送金をしてくれるという感じです。

 …ただ私の場合は毎回何故か本人確認の書類や手続きで非常に手間取ります(´;ω;`)

 今回は前払いの送金の際には1週間以上かかりました…(´;ω;`)

 本来はすぐに(合計2日ぐらいで)やってくれる便利なもので、後払いの際には1日ぐらいで送金出来ました。

 

 また、現地払いとしてポーターさんへの支払いがあります。

 ポーターさんは現地で荷物の重量を測り、それに応じて支払う金額が決まります。

 相場は10Rm/kg/day≒315円ぐらい。

 今回私は1山目で360Rm、2山目で460Rmかかりましたので、合計840Rm、つまり27,000円ぐらいかかりました。

 

  事前審査・入山許可等

 日本の富士山等と異なり、マレーシアの自然公園や保護区に入山する間には登山申請(+お金)が必要な場合が多々あります。

 これは行ったその場で申請できるようなものではなく、事前に申請をしておく必要もあり、許可が下りるのにおおよそ半年かかることも。

 我々はガイドさんに全てやってもらっているため、パスポートのデータを(アウラパパさんに)渡してあとはやってもらうだけでした。

 今年はコロナ明けということもあって、許可が下りるまでに非常に時間がかかりました。

 

 またこういったツアーでは保護区なので通常は入れなかったり、普通は許可が下りないような特別な行程等を組んでもらっております。

 私は運よくそういったコネを持つメンバーに混ぜてもらっておりますが、これに関しては万人が行ける…訳ではないので悪しからず(-_-;)

 

 タンブナンのラフレシアインフォメーションセンターは観光地ですので、(花が咲いていれば)その場で申請して入場は可能です。

 こちらは全員で入場料合計200Rmほどかかりました。

 

  荷物

 10泊11日の長期滞在でしたが、持って行った荷物は以下の通りです。

 着替えに関しては概ね7泊+α程度の量で、特に登山服等は途中のホテルで洗濯サービスをお願いしました。

 

 

登山リュック

 しっかり登山をするので本格的な登山リュックが必要です。

 私は登山リュックは自分で担ぐ小さめのもの(35L)と、ポーターさんにお願いする大きめのもの(65L)を用意し、それらに必要なものを分けて登山に臨みました。

 

 小さい方には水分、カメラ、雨具や防寒具、薬、行動食等主に使うもの、万一すぐに使うものや、パスポートや財布などの貴重品を入れて自分で担ぎました。

 大きい方には予備の水や停滞用の着替え、テントや寝袋など主に嵩張り、重く、すぐには使わないものを入れてポーターさんに持ってもらいました。

 これで自分は10㎏持ち、ポーターさんに12~15㎏の荷物を持たせていたという感じです。

 

水と食料

 水は基本的にガイドさんが(登山前に)用意してくれていましたので、それをリュックに積み込むだけです。

 

 1回の登山で合計11Lほど私は持って行きました。

 そのうち5Lほどを自分のリュックに入れてすぐ飲めるように、残りはポーターさんに持たせます。

 3Lでは流石に足りずポーターさんと合流時に補充しました。

 

 合計11Lで合計量としては十分だったものの、1山目では塩分不足から飲んでも飲んでも汗として出てしまい体調も悪化し、水も無駄に使ってしまった…という反省点が今回はありました。

 水に溶かすスポーツドリンクの元や塩飴は日本で購入しておきましょう(現地にはない)。

 

 なお、ご飯(と調理に使う水)、及び食事中のお茶などの水はガイドさんが用意してくれるため気にする必要がありませんでした。

 

バッテリー

 山の中では充電ができません。

 屋外でも太陽光から充電できる折り畳み式太陽光パネルやバッテリーもありますが、基本ジャングルですので役に立ちません。

 そもそもスマホは海外SIM、携帯用WIFIどちらも山で使えませんのであまり使用機会はありません。

 それでもカメラやGPSとして使用することも考慮すると、大容量バッテリー等はあった方が良いです。

 カメラの予備バッテリーも必ず複数個用意しておきましょう。

 

 あと、海外だと電源が通っていてもすぐブレーカーが落ちてしまい、電気が通っていても思うように充電できない事態が時々あります。

 そのためにもバッテリーはたくさん持って行った方が良いです。

 ちなみに飛行機に乗る際にバッテリーは手荷物として預けられませんのでご注意を。

 

着替え・服装

 登山ガチ勢は2泊3日程度であれば行動用と停滞用、そして帰り道用の3着程度で十分…というのが主流なようです。

 

 我々は帰り道用は気にしないで良いため(下山したときに着替えればよい)、行動用2,3着、停滞用(兼防寒具)1着そして雨具兼防寒具1着、万一の上着の合計5着ほどを一度の山に持ち込みました。

 配分としては雨具や防寒具などは自分で持ち歩き、行動用の着替えや停滞用の服はポーターさんに持たせておりました。

 

  • 行動服

 行動服は実際に山を登ったり下山をしたり実際に行動している時に着る服です。

 一般的に言われる登山着というのがこれにあたります。

 登山着にも色々あるのでお好きな通りに…と言ってしまえばそれまでなので、私の2回のボルネオ遠征上の経験を言いますと、行動服はスポーツ用の半袖半ズボン+スパッツが(私は)便利だと思いました。

 

 登山服と言えば長袖長ズボンが一般的なのですが、かなり嵩張りますし重いし乾きにくいです。

 2019年時は私も初めてのジャングルということで長袖長ズボンでしたが、別に長袖長ズボンでなくてよいかなと。

 ガイドさんやポーターさんら現地の方はどうしているかというと普通のスポーツウェア+長めのスパッツスタイル。

 ということで私も今回真似したところ便利だったのでお勧めです。

 

  • 停滞服

 停滞服…というよりイメージパジャマですね。

 標高高めの場所に泊まることが多いためこれは普通に長袖長ズボンです。

 

  • 防寒具

 標高が2,000mを超えてくると昼間も20℃以下、夜間は10℃程度になります。

 私は行動用としてスポーツタイプの羽織るタイプの防寒具と停滞用のより暖かいダウンの防寒具を持って行きました。

 停滞用のものはユニクロのコンパクトダウンというやつで、かなり小さくなって嵩張らずおすすめです。

 

  • 雨具

 雨具は今回の反省点でもあるのですが、今回持ち込んだ雨具は防水仕様であり、完全防水のものではありませんでした。

 今回は5時間ほどのスコールの中での行動など常軌を逸した(爆)行程もあり、単なる防水仕様では耐えられませんでした…(´;ω;`)

 熱帯は乾季でも急に大雨が降ってくることが多いので、きちんと完全防水のレインウェアを買っておくべきだと痛感しました。

 

  • 洗濯

 遠征の途中には大体ホテルやモーテルに泊まる中日が設定されており、大体その日に洗濯をしたりします。

 今回は途中のホテルで洗濯サービスがありましたので、洗える服は洗ってもらいました。

 ただ、2019年時には洗濯サービスはなかったので自分で洗濯していたのですが…すぐには乾燥してくれませんでした(-_-;)

 なので今回は行動服として長袖長ズボンを持って行くのを辞めたのですが。

 

 その他、帰国後の洗濯も面倒くさい…ので、最終日のフリー時間に街のコインランドリーで今まで使った服を洗濯しました。

 合計13Rmほどかかりましたが、帰りの荷物も軽く・コンパクトになり、帰ってからの後片付けも楽になりましたのでお勧めです。

 

靴・靴下等足元

 靴にも色々ありますが、ジャングルですので石や木の根、水たまりや泥など非常に足場が悪いです。

 そのためローカットの軽登山用では完全に役不足であり、ハイカットか、せめてミドルカットの足首を覆っているしっかりとしたものが必要です。

 また、当たり前のことですが新品だと足に合わない・靴擦れ等の問題が生じますので、行く前に履き慣らしておきましょう。

 

 靴下も個人的にはしっかりとした登山用のものを使うのが良いと思います。

 普段使いのものだと正直足裏を守れない。

 おすすめはなるべく厚く、丈が長いもので、五本指のものです。クッション性があり足の裏の皮を守れますし、五本指のためスレも軽減されます。さらに丈があるとヒルの侵入も防げます。

 

 足元と言えばゲイターも必要です。

 泥跳ねやヒル等を防ぐ役割は勿論、足や靴紐の結び目の保護の役割もあり、ないのとあるのでは大違いです。

 なお、買うのであれば靴を履いてからも装着できる横開きできるゲイターにしましょう。

 途中途中ヒルチェックを行う必要があるのですが、その度に靴を脱いでゲイター脱いで確認して靴履いて~は超面倒くさいです(-_-;)

 

テントと寝袋

 テントや寝袋もファミリー用だと大きいし重いし嵩張るので、登山用のしっかりした軽くてコンパクトなものが必要になってきます。 

 3シーズン用であれば10℃程度までなら問題ないですし、5℃をやや切る程度でも服を着込めばなんとかなります。

 あとはテントの中に敷くインナーマット、外に敷くグラウンドシートも必須ではないですがあった方が絶対良いです。

 枕もきちんと用意しておいてください。

 

 なお、現地の人はターフとハンモックを愛用しています。

 テントなどに比べ嵩張らず軽いですし、ジャングルなので木はたくさんあり設置場所に困りません。

 地面のびしょ濡れや虫も気になりません。

 ガイドさんにもおすすめされたので次回は試してみようかなと考えております。

 

ヒル・虫対策

 ジャングルで気になると言えばこの問題です。

 正直日本で最もヒルの密度が高い場所なんて比じゃないぐらいヒルが出ます。

 いるところでは1m四方10匹以上います。

 

 スパッツや長い靴下、シャツインで肌が見えるところは全て隠す。ゲイターを履く。ヒル避けスプレーなどなど…

 まぁ、噛まれるときは噛まれるのでそこは諦めましょう。

 

 なお、基本標高の高い所にいたため蚊などには全く困りませんでした。

 ウツボカズラの袋の中にボウフラはたくさんいたのですが(笑)

 一番見たのが空港でかもしれません(笑)

 

 アウラパパさんはトイレでライトをつけた瞬間ハチ(スズメバチ?)に刺されておりましたが、ポイズンリムーバーも念のため持ってきていた方が良いかもしれません。

 

その他

 登山用ステッキや背負ったまま水分補給ができるハイドレーションなど、あった方が便利という登山ギアはたくさんありますが必要性は人それぞれです。

 ハイドレーションは使い心地が悪く、結局しまってしまいましたが。

 

 ただ1つはっきり言えるのは、登山用のしっかりしたものは値が張りますがそれだけ高性能です。

 通気性、吸汗性、丈夫さ、軽さ、コンパクトさ、なんか締め付けや圧力分散による疲労を防ぐなどなど高いだけあります。

 

 ポーターさんは半袖半ズボンにサンダルやサッカーシューズみたいな恰好で山を登りますが、我々はそうもいきません。

 装備にお金をかけるほど比較的快適に安全に登山が出来ますので、値段が高いとそこでケチらない方が良いと思います。

 

 …どうせこんな場所に行くような奴がこれ一回で済むわけがありません。

 尾瀬に屋久島に男体山女体山等、ソロキャンに普段の自生地探索、さらには仕事まで。

 装備は使いまわしできますからね(笑)

 

  入国などのあれこれ

パスポートの有効残存期限

 …これ実は私かなり危なくて、危うくマレーシアに入国できない可能性がありました(-_-;)

 

 皆様ご存じの通り、パスポートの有効期限は基本5年か10年あります。それが切れると海外に渡航できず、いられません。

 勿論海外で何らかのアクシデントが発生してすぐに帰国が出来なくなった場合などにパスポートが切れてしまうと非常に面倒くさいことになります。

 それを防ぐために国によって入国できる残存有効期間というものが定められております。

 

 元々私のパスポートは2014年に更新しておりました。

 そしてその有効期限が2024年3月24日…。

 2019年以降には海外旅行もコロナで行かなくなり、この遠征が決まった時にもまだ半年残ってるやろ~とか甘い考えだったのですが…

 

 荷物や書類を出発1週間前に確認していた際…、ふと”マレーシアのはパスポートの有効残存期間が6ヵ月以上ないと入国できない”という言葉が一瞬目に入りまして…

 

 あれっ?!ほんまに6ヵ月超えとったよな?!と焦りに焦って確認をしたところ、7日だけ超えていました。

 

 (2024年3月24日-2023年9月18日=(その日を入れて)7日)

 

 要するにギリギリマレーシアに入国できたという訳です(-_-;)

 上記の文字が目に入ってパスポートをきちんと確認するまで生きた心地がしませんでした(´;ω;`)

 

 といってもマレーシア滞在中には有効残存期間が6ヵ月を切ることになります。

 

 入国さえ問題なければ大丈夫だろう…という訳でもなく、例えばトランジットでシンガポールなどを経由する場合も有効残存期間を求められることがあるそうです。

 万一シンガポールを経由する場合、あるいはアクシデントがあってどこか別の国に着陸した際には入国できないということになり兼ねませんでした。

 トランジットについては入国しなけりゃ関係ないだろと思っておりましたが求められるんですね…

 

 旅行代理店等を通すとその辺もきちんと確認してくれますので基本的には心配する必要はないのですが、個人旅行やネットでの予約、こういったマニアックなツアーの際にはそういうフォローがありません。

 パスポートの残存有効期間をうろ覚えできちんと確認していなかった私が悪いのですが、パスポートは1年を切ったらさっさと更新しておきましょう(-_-;)

 

 その他としてはマレーシアの入国の際にパスポートの白紙のページも2ページ以上残っている必要があります。

 基本的によっぽど海外に行かなければパスポートの余白ページを使い切ることはないと思いますし、そこまで海外に行かれるならそもそも入国時のポカもしないと思うのですが、一応知識としては頭に入れておいた方がよさそうです。

 

入国時の必要書類等

 上記の残存有効期限がギリギリだったということもあり、一応念のためいつも以上に気合を入れて書類を揃えていきました。

 

 ちょうど出国数日前にアメリカへのインフルエンサーの入国拒否の件についてニュースが上がっておりましたしね。

 あちらはあちらでまた異なる事情だったみたいですが、とはいえ最近はパスポートを抱えて入国審査官に

 

 「Sightseeing!(((o(*゚▽゚*)o)))」

 

と答えるだけではやや不足と言いざるを得ないような状況になってきているということです。

 今回入国審査用(と一部アクシデントに備えて)持って行った書類は以下の通りです。

 

 ・パスポート

 ・Eチケット

 ・スケジュール(や泊るホテル)をプリントしたもの

 ・名刺

 ・その他免許書や保険等

 ・パスポート更新に必要な書類一式

 ・以上の書類の予備コピー

 

 取り合えず入国審査官に「Sightseeing!」、つまりこいつはどんな立場の奴で、入国している間にどんな行動をしていつ帰るのか、ということを分かってもらう必要があり、それを紙面でわかるようにしました。

 紙で印刷している=きちんと準備してきた、ということでスマホ画面を見せるよりよっぽど効果的なんだとか。

 

 パスポート更新に必要な書類は、残存有効期限がギリギリだったので帰国後にすぐ更新してやろうってのと、万一パスポートを紛失した際にも使えるだろうという感じで持っていきました。

 

 結局は日本出国時の空港でのチェックイン時に受付さんが(パスポートの有効残存期間を)少し確認しただけで、マレーシア入国時もあちらの出国時も帰国時も一切何も言われず、何も喋らず通過しましたけどね。

 まぁ備えあれば憂いなしということで。

 じゃあ最初から残存有効期限確認しとけって話ですが。

 

コタキナバル空港(BKI)の出口ゲート

 ボルネオがあるサバ州やサワラク州はマレーシア政府から自治権が認められており、国内(マレー半島)移動でもパスポートを見せて入国スタンプならぬ入境スタンプを押してもらいます。

 成田空港⇒コタキナバル空港の直行便で来て同じ経路で帰る場合は気にする必要はないのですが、クアラルンプールを経由してコタキナバルに入る場合は注意が必要です。

 

 日本からコタキナバルへクアラルンプール国際空港を経由していく場合、クアラルンプールで国内線に乗り換えて国内線でコタキナバルへ向かいます。

 そうして国内線で来ると、出口が”サバ州内””半島、サワラク、ラブアン”の2つに分かれております。

 いわば”同じ州内の移動ゲート””別の州からの移動ゲート”に分かれているという訳で、今回の場合は後者の出口を使う必要があります。

 するとパスポートに入境スタンプを押してもらえますのでこれでオッケーです。

 

 このスタンプがない場合いわゆる”不法入境”となってしまい出境する際にトラブルになるケースがあるようです。

 正しいゲートでもスタンプの押し忘れとかいう話もあるみたいですので、きちんと押されたことを確認した方が良いと思います。

 

 2019年時の記事でも触れた覚えがありますが、当時は私一人だけ関西空港からクアラルンプールを経由し、コタキナバル入りしたのでかなり注意しておりました。

 

 今回は違いましたが、今後誰でもクアラルンプールを経由してコタキナバルに入る事態は十分あり得ることですので注意が必要です。

 

 因みに帰りのクアラルンプール経由は”入国スタンプ”が押してあることだけを確認して出国スタンプを押しただけでした。

 残存有効期限とか見られんのかちょっと心配しておりましたが、一応国内移動になりますので関係ありませんでした。

 

マレーシアのおトイレ事情

 正直日本と同様のクオリティは望めません。

 

 まずマレーシアのおトイレは料金がかかる所があります。

 トイレ前に小銭入れや門番がおり、大体0.3~0.5Rm支払うことになります。

 無料の場所もありますが、トイレ休憩の際には財布を持っておくと安心です。

 またトイレットペーパーも(ホテル等ならともかく)備え付けられていないことがほとんどですので常時持ち歩いておきましょう。

 

 マレーシアのトイレで最も面食らうと言えばシャワーヘッド(のようなもの)やバケツと柄杓が備え付けられていることでしょうか。

 いわゆるこれが日本のウォシュレットや水洗の水の代わりとなります。

 シャワーヘッド(のようなもの)はともかく、柄杓の水をどう撒けばお尻が綺麗になるのか私には結局分かりませんでした。

 話によると右手で柄杓を使って水を股下に放水し、その水を左手で反射させ、その反射した水でお尻を洗うらしいですが、意味が分かりません…

 

 そのせいなのかマレーシアのトイレは基本びしょびしょです。

 特にトイレの使い方が分からない観光客が多いコタキナバル等の都市ほどびしょびしょで、地方ほど熟練の地元民しかいないのでびしょびしょじゃないことがあります。

 ただ、すぐに(トイレ全体に)水をぶちまけられる状態が普通であるからか、ぼっとん便所は辺鄙な山小屋にもなく全て(手作業)水洗でしたし、汚物やごみ等ですごく汚い!というトイレもなかった気がします。

 単にびしょびしょなだけです。

 

 また、水場ということでトイレとシャワーがワンセットになっている所も多いです。

 …まぁ日本も同じと言えば同じですが、湯舟とかはなく本当に全てがワンセットになっているのが特徴っちゃ特徴かもしれません。

 

ごはん・酒事情

 マレーシアのご飯は日本人にもよく合う味ですので困ることは一般的にはないと思います。

 基本あっさり系で日本のようなこってり料理はありません。

 

 衛生的にはう~ん…という感じです。

 羽虫はたかるし、トイレもあんな感じだし…

 ただシンガポールよりは絶対綺麗です。シンガポールは色々厳しい理由が良く分かります…

 

 飲食店で飲む飲み物は基本ホットが無難です。

 海外旅行時の鉄則ですが冷えたものに入っている氷が怖い…ので、暑くてもホットです。

 ただアウラパパさんは冷えた飲み物も飲んでいましたが何ともなさそうでした。ただの気にしすぎかもしれません。

 

 マレーシアは緩いと言えどムスリムの国なのでお酒は基本高いです。

 缶ビール一杯8Rm(240円)ほどと日本と同等~それ以上かもしれません。

 マレーシアのお酒というものもほとんどなく、時々ペットボトルに入れられた自家製のお酒が売られている程度でしょうか。

 

 手に入るのは基本的にビール系統のみ。

 ただコタキナバルは韓国と直結している関係上韓国製品が多く出回っているので、私はチャミスルを買って良く飲んでいました。

 

治安

 マレーシア(といっても現状ボルネオにしか行ったことがないのですが)の治安は非常に良い方だと思います。

 

 日本人(観光客)とバレてもしつこい押し売り・声掛けがたかってきません。

 道端でスマホや貴重品を出していてもスリに盗られることはありません。

 それもどうかと思いますが、地元民も歩きスマホだらけです。

 コンビニや屋台で買い物をしても不当に値段を吊り上げられることはなく、地元民と同じ値段で買うことが出来ます。

 深夜にぶらぶらしていても変な輩に絡まれません。

 流石にやろうとは思いませんが(笑)、荷物置きによる場所取りも可能なぐらいの治安だと思います。

 

 海外なので注意をしすぎるぐらいで損はありませんが、私は(言葉が通じない以外は)日本と同じような感覚で安心して歩ける国だと思っております。

 

  自動散水機

 で、10泊11日も家を空けていて植物どうしてたんだという話です。

 動物は元々多少家を空けていても問題ない程度に絶食に強い種ばかりですので心配はなかったのですが、植物はカリカリになったらアウトなので神経を使います。

 

 今回は以前使用していたmistkingというミストメーカーを使う予定…だったのですが、ノズルが詰まっており使えず。

 ノズルを買おうにも元々海外メーカーですので到着するのも時間がかかり間に合わない!

 

 日本のミストメーカー、フォレスタ等で代替しようとも考えたのですが、これもショップに置いていない。

 ネットで買おうにも旅費代等をカードで支払いすぎて金額が限度を超えており使えない!!

 

 …ということでホームセンターで一般的に売っている水道直結の散水機とタイマーを導入しました。

 お値段合計約15,000円…

 高いけど将来的に庭を持った時でも使えると思えば買うのが速いか遅いかだけの違いやろ(爆)

 

 お風呂の水道と直結させて屋外用の散水機を利用していました。

 

 ただパルダリウム、アクアテラリウム用のミストメーカーと異なるのがその水量。

 元々屋外での使用を想定しておりびしゃびしゃに水を撒くので、散水口の配置や水量等防水対策はしっかりやっていきました。

 

 我が家では3日に1回1分間の散水を行っておりましたが、水があたりにくかった所の株がやや萎れていただけで大きなダメージはありませんでした。

 

  前準備編おわりに

 今回も色々トラブル(というよりヒヤリハット)が多く、きちんと準備はすべきだなぁと反省…。

 

 海外旅行は私でも良くいく方に分類されるのではないかと思いますが、だからこそきちんと備えとくべきなのでしょう。

 私も次回の海外遠征・旅行に向けてまた気を引き締めなければいけません。

 

 という訳で前準備編はここでおわり。

 次回から実際の遠征記に入ります!

 

第6回沖縄遠征 食い倒れ編

 

 沖縄の飯と言えば普通の人は何を思い浮かぶでしょう。

 ちゃんぷるー?豚料理?沖縄そば?アメリカンなステーキやハンバーガー?それとも本州では食べられない(カラフルな)魚介類?

 

 私は沖縄料理が好きですが、その中でも沖縄に行って毎回絶対毎日食べるのが…

 

 ヤギ刺しです!!

 

 沖縄料理居酒屋などは職場の近所にもあり、沖縄そばやタコライス、ちゃんぷるー、てびち等色々食べられるのですがヤギ刺し(とヤギ汁)は置いておりません。

 

 本島でも普通に冷凍のヤギ刺しが出てくる店もありますので、このご時世鮮度はあまり関係ないと思うのですが…

 

 単純に需要がないだけかもしれません。

 地元でも良い値段がしますし、手間暇かけてこっちまで運んできて料金上乗せして誰が食べるんや、と。

 変わった肉であればジビエ食べる人の方が多いでしょうしヤギ食べるならシカ食うわい!とか。

 

 そもそも地元でも食べない人の方が多いみたいですしね。

 

 でも私は本州でもヤギ刺しを食べたいです!!

 探せばお店あるんでしょうけどね~

 

かばす亭

 那覇の歓楽街の脇にあるお店。

 2018年の第1回から行きまくって同じ飯ばかり食べているので書く内容が美味しいということ以外もうないです(笑)

 

 初日

沖縄着いたらまずはオリオンビール!!

 

島らっきょう好き

 

好物のヤギ刺し

キンタマ刺しは今回食べず

 

最近ハマっているチイリチャー

 

こういうのはこのお店では初めて食べました

 

泡盛はロックで

 

 最終日前日

最終日前日もオリオンビール!!

 

今回2回目なので別のものも食べる

 

と言いつつチイリチャーをまた食べる

 

ヤギ刺しも勿論また食べる

 

沖縄では泡盛を頼むとチェイサーも一緒に出してくれるお店が多い気がします

 

 どうせ来年も再来年も行くでしょう。

 …というより後述のお店含め同じところばかり行っていて、毎回毎回同じもの食べるのでもう全体的に書く内容がありません(笑)

 

たけちゃん市場前店

 かばす亭よりは後から見つけた行きつけ。

 名護にはもう一店本店があるのですが、そちらには行ったことがありません。

 単純に本店の方が人が一杯で入れない時が多いからな気がします。

 

名護に着いたらオリオンビール!!

 

ここでもヤギ刺し

 

たこぶつ

このお店の海産物は美味しい

 

 

本来串の店でもあるそうで、串も美味しい

 

本当のシークワーサーサワーは近所の沖縄居酒屋と比べて薄くないし、しっかりシークワーサーの味がする

 

ここのゴーヤーは美味しい

 

泡盛はロックかストレートが好き

 

 ここは他のお店よりヤギ刺しが安いのが良いですね。

 串も美味しいし海鮮も美味しい。

 外見は沖縄!!という感じではないですが、きちんと沖縄の特産物を出してくれるので好きです。

 

セブンセブン

 ここも去年の4月から行くようになったお店です。

 天井まで届くほどたくさんのウイスキーがあって、ウリもウイスキーです。

 

めちゃくちゃお洒落なお店

 

 が、私はいつもブラッディマリーと泡盛のカクテルを頼みます。

 

ここのブラッディマリーが絶品すぎる

 

泡盛カクテルもめちゃうま

 

 またここの自家製ジャーキーが絶品で、名護にいるときはたけちゃん⇒セブンセブンが黄金ルートなのですが毎回食べ過ぎ飲みすぎてしまいます。

 

甘系の味で酒に合う

 

 今回初めて知ったのですが2階にビリヤードもある様子。

 まぁビリヤードは出来ませんので2回には上がることはないでしょう(笑)

 

なり壱

 今回新規開拓したお店その1。

 ごく一般向けの沖縄料理居酒屋という感じ。ただ、地元民も多いので良い店であるには間違いない。

 

名護2日目はオリオンビール!!

 

沖縄でマグロってあんま食べないな…

何故だ

 

ヤギ刺し

店によって部位が違うのが面白い

 

ゴーヤーチャンプルー

たまにはこういうのも

 

泡盛はやっぱりロック

 

ガツ刺し

沖縄っ…ぽくは別にないか(笑)

 

 お店も広いので大人数の時や、どのお店も一杯でどうしよう(´;ω;`)…という時に気軽に入れるのが良いですね。

 

山原食いなぁ

 今回新規開拓をしたお店その2。

 ヤギ肉専門店ということで引かれて入りました。

 専門店らしく色々な料理が出ます。

 

最終日前日にはオリオンビール!!

 

島らっきょうはちょっと少なかった

 

ヤギ刺しは他の店と違って拘りがあるようでやはり美味しい

 

ヤギ肉餃子

 

ヤギ串

 

 一応ガイドブックにも載った観光客向けのお店でもあるみたいなのですが、どう見ても地元民向けのお店ですし、当日も地元のおじさんがビールを飲んで管巻いていました。

 

オマケ

 沖縄で入手できる私が世界一美味しいと思っているジュース。

 マジ美味い。

 

ネットでも買えるのでぜひ買ってみてね

 

 

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