只一人、俺は青く透明な空を飛んでいた。
いい気分だ、そう思っていた俺だったが浮かんでいた体は段々と飛ぶ力を失って落下し始める。
落ち始めると速度を速めていくのは速かった。
それと同時に飛んでいた空は濁りつつ黒く染まりつつあった。
俺の体が不意に落ちるのを停止する。
そのとたん俺の体から黒色の炎が巻き上がって俺を包み込む。
黒い炎の中から骸骨が現れて俺の体中を掴んだ。
「お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、」
掴む腕が首に達すると骸骨が無理やり空の目を合わせると空洞に更なる骸骨が犇めくのを見た。
「「「「俺達は死んだのだ!」」」」
「うわぁぁぁぁっぁぁぁぁ!」
俺の声が世界中に響く前に世界は閉じた。
*
俺が目を覚ますと目の前に二日間で自分としては信じられないほど親密になった女がいた。
「あ、起きた?」
「ミコト?」
起き様に女の名前を口にするとミコトは安堵したように顔を緩める。
回りに目をやると俺は見知らぬ部屋の布団に寝かされていた。
「うなされていたけど、大丈夫?」
「・・・此処は?」
ミコトの心配する言葉に対する配慮よりも俺は自分が置かれた状況を尋ねた。
そんな俺の無遠慮な態度を気にせずに彼女は状況を伝えた。
「私の村近くの寺、遺体の葬儀をしていたお坊さんに助けられたの」
「坊さん?」
「うん、アタシの村でお世話になっていたお坊さん」
「そ、そうか」
自然と体を起こそうと力を入れようとした俺だったが、その意思とは反比例して体を動かすことは適わなかった。
「何時間ぐらい気を失っていた?」
「三十分も経ってない、もっと寝てもいいのに」
心配するように言葉をかけるミコトの後ろにある襖が開いた。
「おや、起きたのかい?」
そこには錫杖を持った僧侶が人の良い笑顔を浮かべて部屋に入ってきた。
その僧侶は行儀よく正座すると口を開いた。
「ミコト君によると。天壌院に行きたいとの事らしいが、とんでもない君が思うより数段重体だ。怪我が治るまでは此処にいてもらうぞ」
その言葉の示す意味とその行為の代償に俺は瞬時に反論する。
「そんなわけに行くか!」
俺が吐き捨てるとミコトが一瞬、体を強張るのを横目にみた俺は彼女に言い寄る。
「ミコト、ここから天壌院はどれぐらいだ?」
「えっと、半日ぐらい?」
苛立つ俺におびえる彼女は戸惑いながらも答える。
「くそ、今から行くぞ。あの老いぼれに遅れをとってたまるか。」
いう事を聞かない体を布団の隣にあった刀を杖代わりに起こした俺だったが、
グイ、
「だめ!」
立ち上がる寸前でミコトが俺を布団へと押し戻す。
思いっきり頭を布団へと叩きつけられた俺は苛立ちを隠せずにいた。
「何をする!」
しかしミコトは先ほどのおびえ具合とは異なり俺を強く見つめていた。
「今、下手に動くよりも朝まで待って動いたほうが良い。さっきみたいに道中で潰れたら今度こそ死ぬわよ!?」
ミコトの言っている事が正しすぎて俺はぐうの音も出せずにいた。
「私が傍にいてあげるから。」
「・・・、解った。朝一番に出かける。」
「良い?お坊さん?」
「ミコトくんの頼みなら仕方ないのぉ。何か食べるものを持ってこよう。」
僧侶はやれやれといったように部屋を出て行った。
いい気分だ、そう思っていた俺だったが浮かんでいた体は段々と飛ぶ力を失って落下し始める。
落ち始めると速度を速めていくのは速かった。
それと同時に飛んでいた空は濁りつつ黒く染まりつつあった。
俺の体が不意に落ちるのを停止する。
そのとたん俺の体から黒色の炎が巻き上がって俺を包み込む。
黒い炎の中から骸骨が現れて俺の体中を掴んだ。
「お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで、」
掴む腕が首に達すると骸骨が無理やり空の目を合わせると空洞に更なる骸骨が犇めくのを見た。
「「「「俺達は死んだのだ!」」」」
「うわぁぁぁぁっぁぁぁぁ!」
俺の声が世界中に響く前に世界は閉じた。
*
俺が目を覚ますと目の前に二日間で自分としては信じられないほど親密になった女がいた。
「あ、起きた?」
「ミコト?」
起き様に女の名前を口にするとミコトは安堵したように顔を緩める。
回りに目をやると俺は見知らぬ部屋の布団に寝かされていた。
「うなされていたけど、大丈夫?」
「・・・此処は?」
ミコトの心配する言葉に対する配慮よりも俺は自分が置かれた状況を尋ねた。
そんな俺の無遠慮な態度を気にせずに彼女は状況を伝えた。
「私の村近くの寺、遺体の葬儀をしていたお坊さんに助けられたの」
「坊さん?」
「うん、アタシの村でお世話になっていたお坊さん」
「そ、そうか」
自然と体を起こそうと力を入れようとした俺だったが、その意思とは反比例して体を動かすことは適わなかった。
「何時間ぐらい気を失っていた?」
「三十分も経ってない、もっと寝てもいいのに」
心配するように言葉をかけるミコトの後ろにある襖が開いた。
「おや、起きたのかい?」
そこには錫杖を持った僧侶が人の良い笑顔を浮かべて部屋に入ってきた。
その僧侶は行儀よく正座すると口を開いた。
「ミコト君によると。天壌院に行きたいとの事らしいが、とんでもない君が思うより数段重体だ。怪我が治るまでは此処にいてもらうぞ」
その言葉の示す意味とその行為の代償に俺は瞬時に反論する。
「そんなわけに行くか!」
俺が吐き捨てるとミコトが一瞬、体を強張るのを横目にみた俺は彼女に言い寄る。
「ミコト、ここから天壌院はどれぐらいだ?」
「えっと、半日ぐらい?」
苛立つ俺におびえる彼女は戸惑いながらも答える。
「くそ、今から行くぞ。あの老いぼれに遅れをとってたまるか。」
いう事を聞かない体を布団の隣にあった刀を杖代わりに起こした俺だったが、
グイ、
「だめ!」
立ち上がる寸前でミコトが俺を布団へと押し戻す。
思いっきり頭を布団へと叩きつけられた俺は苛立ちを隠せずにいた。
「何をする!」
しかしミコトは先ほどのおびえ具合とは異なり俺を強く見つめていた。
「今、下手に動くよりも朝まで待って動いたほうが良い。さっきみたいに道中で潰れたら今度こそ死ぬわよ!?」
ミコトの言っている事が正しすぎて俺はぐうの音も出せずにいた。
「私が傍にいてあげるから。」
「・・・、解った。朝一番に出かける。」
「良い?お坊さん?」
「ミコトくんの頼みなら仕方ないのぉ。何か食べるものを持ってこよう。」
僧侶はやれやれといったように部屋を出て行った。