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もこ太郎の平成阿房列車

No Train,No Life!
生粋の「乗り鉄」がブログを書くとこうなる!!
私が行った鉄道の旅をレポートさせて頂いています!
私のブログをお読み頂いて、鉄道の旅に興味を持って頂けたら幸いです!


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高崎駅で下車した私は、中央跨線橋を渡り、特急券を購入して新幹線乗り換え口の改札を抜ける。


最初の目的地は、上毛高原駅。
新幹線単独駅である為、この駅のスタンプを手に入れる為には、上越新幹線に乗らざるを得ない。
「ぐんまワンデーパスSP」「ぐんまツーデーパスSP」を持っていれば、特急券を追加で購入する事により、上越新幹線の高崎~上毛高原間と、長野新幹線の高崎~安中榛名間を乗車することができるのだ。


しかし、ここで私の特性についてカミングアウトしなければいけないことがある。



私は、新幹線が嫌いなのである。


正確に言えば、旅を続けているうちに嫌いになったのである。



新幹線の開業は、その後の日本を画期的に変えた。
日本の旅行が、日本の仕事が、日本の経済が、新幹線によって良い方向に変えられたのは事実であり、その偉大なる新幹線に反旗を翻すなど、鉄道マニアにはあるまじき行為だ、と非難されるのも最もだろう。
それでも私は新幹線が嫌いだ。



嫌いな理由はいくつかある。



まず一つ目は、新幹線には旅情が無い。


ローカル線の乗客は地元の人間が大半を占める。
その人たちの会話やしぐさ、荷物などを見ていると、その土地の特色が良く読み取れる。
各駅に停車する時に都度、車内放送で駅名を告げられるだろうが、その駅名から土地の特色を読み取ることもできるだろう。
その駅が気に入ったら、途中下車してみるのも面白いだろう。
ゆっくり流れる車窓の景色を眺めるのも、楽しみの一つである。
列車に乗っているだけで、自分は遠くまで来たのだなぁ、と感じ取ることができる。


一方の新幹線で、これと同じ楽しみ方をできるか?できるわけないだろう。
乗客はどこの出身の人間か分からず。
高速で流れる車窓に風情を求めるのは難しい。
新幹線から降り、改札を抜け駅を出るまでは、自分はどんな場所に来たかがよく理解できない。


旅行者の殆どは、目的地に着いてからその土地の郷土料理や、観光地などを楽しむ、言わば「点」を楽しむ人間が殆どだろう。
しかし私は、移動する行程そのものを楽しむ、言わば「線」を楽しむ人間だ。
「点」を楽しみたい人間にとって、移動にはなるべく時間を掛けたくないところであろう。
新幹線は、その悩みを解決してくれる手段の一つである。
しかしこれでは「線」を楽しむことは難しいだろう。


私がもし、同じ目的地まで、新幹線で5時間掛けて行くのと、在来線で10時間掛けて行くのとどちらを選ぶか聞かれたら、迷わず在来線を選択する。
私の「乗る」という楽しみを奪っておいて、とても高い特急料金を払う気にはなれない。



そして二つ目。
新幹線は、鉄道旅の楽しみの要素をたくさん奪っている。


東京から西に行く寝台列車の存在を奪ったのは、「のぞみ」と九州新幹線である。


横川~軽井沢間の、66.7パーミルという超急勾配を、力強く牽引する「ロクサン」ことEF63の勇姿を奪ったのは、長野新幹線である。


福島~米沢間の、板谷峠を超える4駅連続スイッチバックの役割を終わらせたのは、山形新幹線である。


そして今、北陸新幹線は特急「はくたか」の存在を消そうとしている。
北海道新幹線は、今の函館駅の存在を消そうとしているようにしか思えない。


時代の流れには逆らえない、と言われてしまえばそれまでなのかもしれない。
しかしこれについては、私は新幹線に対して恨みさえ抱くこともしばしばなのである。



三つ目は、新幹線の態度だ。


在来線の改札内から、新幹線の乗り換え改札を抜けると、コンコースの様子が急変する。
在来線のコンコースには決して無い、品揃えが随分充実している売店があったり、立派な待合室があったりと、明らかに在来線の客とは扱いが異なる。
新幹線の、その上から目線的な態度は、非常に気に食わない。
新幹線には、ローカル線のような「人間味」もほとんど感じられない。



正直、スタンプ対象駅に、どうして新幹線のみの駅が含まれるのかが理解できなかった。



前置きが長くなってしまったが、7時37分、越後湯沢行き「たにかわ401号」に乗り込む。

高崎を発ってから程なくして、長いトンネルに入り、ここから上毛高原駅までは殆どトンネルの中を新幹線は進む。
特に上越新幹線、長野新幹線はトンネルが多く非常につまらない。
地下鉄新幹線か?と揶揄したくなるほどだ。



15分余りの苦痛な時間を過ごし、上毛高原に到着。


もこ太郎の平成阿房列車

改札の横にスタンプが設置しており、ここで今回の冒険で初めてのスタンプをゲットした。
喜びは非常に少なかった。


近代的な、小ざっぱりしたコンコースを抜けて、駅の外に出る。


さてここからは、路線バスを使用して、在来線の最寄駅まで向かう。

マイルールでは、「③駅から駅への移動は、運転見合わせ等のトラブルでも無い限り、鉄道を利用する事」とあるが、次に「④旅の最中は、極限まで出費を抑える事」とある。
新幹線で高崎までUターンとなると、高崎~上毛高原間の特急料金820円×2=1,640円の出費となり、これは相当痛手を負うことになる。

(片道分の料金だけで、十分痛手であるが)
今回のケースに限っては、マイルール④を優先させて行動する。


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駅前に静態保存されているD51の横でバスを待っていると、すぐにバスは現れた。


220円と10分の時間を掛けて、目的の駅前に到着した。


上越線「後閑(ごかん)駅」


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改札氏にぐんまツーデーパスSPを提示し、上りの高崎行き列車を待つために、跨線橋を渡り3番線ホームに向かう。
そして、ホームからの眺めは…


もこ太郎の平成阿房列車

広がる田園の向こう側に、連なる山々の風景。のどかで美しく、非常に良い雰囲気だ。
私の今までの心の淀みが浄化されていくのがわかる…

これは思わぬ発見だ。
駅舎も風情があり、この後閑駅、少し気に入った。


なお、現在イベント列車として活躍しているD51 498は、以前はこの後閑駅の駅前に静態保存されていたものである。
SLみなかみが、この小さな駅に停車する理由は、里帰りの意味がこもっている、ということである。


もこ太郎の平成阿房列車

気分も良くなったところで、8時30分、上りの上越線で再び高崎に向かう。



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-なんにも用事がないけれど、群馬県内の鉄道にイヤと言うほど乗ってみようと思う-



それはわたらせ渓谷鐡道水沼駅 にある、温泉施設で偶然見つけた。


JR東日本が発行する、群馬DC(ディスティネーションキャンペーン)特別企画のパンフレット。 
このパンフレットは、駅スタンプのスタンプ帳になっている。
私はこれを見て、ふと全ての駅のスタンプを集めてみたいと思った。


どうしてもこの計画を実行してみたい。
その思いは日に日に強くなっていく。



とうとう私は決断した。2011年9月に2度ある3連休に標準を絞って、行動を起こす。



ここで、まずは今回の旅のマイルールを設定してみた。


①パンフレットに載っている駅のスタンプ33個全て集める事を、今回の旅の目的とする。
 可能であれば、イベントや臨時列車のスタンプも集める事。


②スタンプは、可能な限り短期間に集める。


③駅から駅への移動は、運転見合わせ等のトラブルでも無い限り、鉄道を利用する事。


④旅の最中は、極限まで出費を抑える事。



以上の条件で旅の行程を立ててみる。
なるべく効率的に駅を回れるように、綿密に計画を立てたのだが…



今回の行程は、今までの旅には無い程の、かなり過酷で無謀な旅になりそうだ。
旅なんて流暢なものじゃない。まさに冒険である。
しかし、鉄ヲタとしての自覚が明瞭に表れてきた矢先の話である。
ここで怯むわけにはいかない。



絶対に目的を果たして見せる。




2011年9月17日


群馬「超」阿房列車の旅、いや、冒険が始まった。
所持金は9千円余り。まずはこれで2日間を乗り切るつもりである。

所持品はスポーツバッグ。
その中には、カメラ、着替え、時刻表、タオル、パンフレットの他に、今回新規参入したシュラフ(寝袋)が入っている。



6時37分。
本庄駅から、高崎線の下り始発列車に乗り込む。

群馬県に入って最初の駅、新町駅で下車。

もこ太郎の平成阿房列車

新町から先の駅で有効になる「ぐんまツーデーパスSP」を購入。
もし新町で下車せずに、このまま高崎まで行って「ぐんまツーデーパスSP」を購入しようとすると、本庄~高崎間の運賃320円がかかる。

一方本庄~新町間は190円。

少しでも出費を控える為の、地味な努力は怠らない。
これを怠ると、この先まさかの事態に遭遇した時に、その危機を乗り越えることができないだろう。


「ぐんまツーデーパスSP」は3,600円。
第2旅で購入した「ぐんまワンデーパスSP」の機能がそのまま丸2日分使え、料金もそれに比べると割安となっている。
(注意:上記は2011年当時のもので、2012年の同切符は、乗り放題区間と値段が異なる)
しかしこの時点で、所持金は既に3分の2を切った。


新町から高崎駅まで移動。
高崎で乗り換えを行い、最初の目的地へ向かう。



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「○○ランキングベスト3」勝手に作ってみよう! ブログネタ:「○○ランキングベスト3」勝手に作ってみよう! 参加中
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本編に入る前にブログネタを…

勝手に作るベスト3ということで…



「今までに私が訪問したスゴイ秘境駅ベスト3」



でも挙げてみようと思います!!


では早速…





第3位!


「坪尻(つぼじり)」

もこ太郎の平成阿房列車


JR四国は土讃線の駅。

四国はおろか、西日本最高峰の秘境駅と言われています。

駅の周りに民家は無く、四方を山に囲まれ、まさに異空間の様相を醸し出していました!

駅に続く道は、道と呼べないような獣道しかありません!!

この駅で駅寝させて頂きました~(^▽^;)


ちなみに私この駅で、生まれて初めて野生の猪を見ました…




続いて第2位!!


「小和田(こわだ)」

もこ太郎の平成阿房列車


JR東海は飯田線の駅。


この駅から「秘境駅」という言葉が誕生した、と言っても過言は無いくらい有名な駅ですね!!

私が初めての旅で、最初に訪れた思い出深い駅でもあります。


この駅で降りると、山と川に囲まれた大自然が出迎えてくれます。

駅を出ると、一番近い集落まで、徒歩1時間という案内表が!!

この駅の詳しいことは、過去の記事 で紹介しておりますのでそちらをご参照下さいませ…





さて、この2つの超有名な駅を抑えて1位になった駅とは…









第1位!!!


「赤岩(あかいわ)」!!

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JR東、奥羽本線(山形線)の駅ですが…


とにかくこの駅は、個人的に超ド級(いつの時代の言葉だ?)のひどい… もとい、すごい駅!!!

周りに民家が無いのはもちろん、駅舎も無いし、狭いホームにベンチすら無い!!

山形新幹線がこの駅をビュンビュン通過する中、停車する在来線は1日わずか6往復!!

一度この駅に降りると、次にこの駅に停まる電車は3時間後という事も!!

駅から荒れた林道を這い登る事20分以上で、ようやく景色が開けたかと思うと、

そこに点在する民家は全て空き家。

何にも無い駅の先にあるのはゴーストタウンというオチ…


今まで降りた秘境駅は全て、もう一度行ってみたいと思う駅ばかりですが、

この駅だけは例外です。

できればもう行きたくない…(汗)



はい、以上です!!!


しかし、小幌とかに行っちゃったらこのベスト3も変わっちゃうんだろうなぁ~

この夏は、山田線の大志田・浅岸の両駅に訪問予定もあるので、

その後でまたベスト3やってみたいなぁ~



そろそろ本編を書かなきゃ…(゚_゚i)








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たまには素の字体で、ブログを書いてみようと思いますね~~(汗)



いろんな方の鉄道ブログを見せて頂いておりますが、いやぁみなさん、撮影がお上手です~~(ノ゚ο゚)ノ
技術の無い私からしてみれば、大変羨ましい限りです…


鉄道ブログを書いている鉄ヲタさんの過半数は「撮り鉄」ではないかと思われます。


撮り鉄さんにとっては、良い時代になったと思います。
撮った写真を、手っ取り早くブログで公開して、皆様にご覧頂けるわけですからね。
鉄道に限らず、ブログに画像は付き物ですよね(*^-^)b


そんな中私は、撮り鉄でもないのに、自分なりに一生懸命ブログを更新しております。
頑張っている理由はプロフィールプロローグ に書いております通り、



このブログをご覧頂いた方に、鉄道の素晴らしさを少しでも知って頂きたい
私が鉄道に命を救われた恩返しのつもりで…



という理由からですが…


しかし、下手な写真と一緒に、大した文章力も兼ね揃えておらず、文章中心の記事で、果たして私の願いは叶っているのかな…?
と不安になる事もしばしばですが、
とりあえず私が今まで行ってきた旅は全てレポートするつもりでおります!!




で、本題ですが…
私が「撮り鉄」になれない理由、ですね…


理由には何点かあると思うのですが、一つ一つ自分なりに分析してみました。



まず、
①写真技術が一向に上達しない
 独学で写真技術を学んだりしているのですが、一向に効果があらわれません…
 というか、写真技術を学ぶ時間が有ったら、乗ってたいです(爆)
 ちなみに「流し撮り」は、相当チャレンジしていますが一度も成功したことありません(涙)



次に、
②人混みが苦手
 過去の記事 にも書いたと思いますが、これはとにかく苦手なんです。
 田舎で生まれて、今も田舎で住んでいるからでしょうか?(涙)
 お立ち台(人気の撮影スポット)や、人気の車両がホームから発車、

 あるいは入線する時には、大勢の撮り鉄が集まる事でしょうが(激パって言うのかな?)、

 もうこれだけでやる気が完全に失せてしまいます…
 同じ理由で、満員電車が嫌いだったり、新宿、渋谷、池袋などの巨大な駅が苦手だったり、

 イベントに出れなかったりします…
 イベントについては、皆様のレポートを読ませて頂くことにより楽しんでおります!



続いて、
③待つのが苦手
 例えばお立ち台で何時間もお目当ての列車を待っているなんて、私には耐えられません…
 (待って待って、お目当ての列車が表れたときの喜びは格別でしょうが、

  それまでの時間が私には拷問です)
 とは言っても、これはちょっと例外的なものがあるかと思われます。
 というのは、駅で何時間も次の列車を待つことは、全く苦にはなりません。
 まあこれは、私が「降り鉄(駅鉄)」である所以もあると思いますが、
 私は基本、待つのが嫌いです。
 ちなみに一番好きなファーストフード店は吉野家です。お後がよろしいようで…



そして撮り鉄になれない最大の理由は…
④列車を見ると、乗りたくなる
 これを言っちゃうと元も子も無くなるかもしれませんが、とにかく私は生粋の「乗り鉄」なのでしょうね…
 同じ理由で、「模型鉄」にもなれないでしょうね(笑)
 蛇足ですが、乗車できない貨物列車に関しては、たいして興味が無かったりするのです…
 私の鉄ヲタ人生で、カモレの写真を撮ったことは実は一度もありません…
 (何十両も貨車を力強く牽引する電気機関車の姿を見たときには、さすがにテンション上がりますが)


以上で報告を終わります!!
アメブロガーの鉄ヲタの中では、私は相当変わった人種であるかもしれませんが、これからも宜しくです!!(^o^;)




そんな私でも、頑張って撮った写真も何枚かある訳で、恥ずかしいけどちょっと公開してしまいます。


横川駅で湘南色115系を撮ったり、

もこ太郎の平成阿房列車


吾妻線の某駅で、185系特急「草津」を撮ったり、

もこ太郎の平成阿房列車


山形線の秘境駅「赤岩」で「つばさ」を撮ったり…

もこ太郎の平成阿房列車


とりとめの無い記事になってしまって申し訳ございませんでした…
今日の記事も、最後までお読み頂いて、大変ありがとうございます。



では次の旅のレポートですが、
一番過酷で、一番思い入れのある
「群馬県内スタンプラリーの旅」
をレポートさせて頂きます!!




P.S.
富士山の世界遺産登録おめでとうございます!!!
そのうち富士急乗りに行きますからね~~!!!





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コース料理の〆には、デザートが出されるのが定番である。


別に狙っていたわけではないのだが、銚子電鉄全駅降り潰しの旅のゴールは、偶然にも甘味の効いた駅となってしまった。


仲ノ町 から、外川行きの列車に乗って1駅で下車。


「観音(かんのん)駅」

もこ太郎の平成阿房列車


駅名の由来は、駅の近くに飯沼観音がある事から。
1面1線の単式ホームに降りた途端、犬吠駅と同じように女性駅員が出迎えてくれた。
ホームは全面に渡りタイルが貼られている。

もこ太郎の平成阿房列車


窓口も仲ノ町、笠上黒生外川 とは一変して現代風になっている。

もこ太郎の平成阿房列車

駅舎を外から見てみると、その造りは洋風の洒落た印象を持ったものであった。

もこ太郎の平成阿房列車


細部までよく造りこまれた駅だという印象を受ける。
しかしよく考えると、銚子電鉄の駅々は、木造の駅舎と洋風の駅舎がバランス良く配置されている。
私は木造駅舎のほうが好きだが、その駅間に洋風の駅舎を入れる事によって、木造駅舎の鄙びた感じがよりいっそう引き立てられているような気がする。


しかしこの駅の名物は、駅舎の中にたい焼き屋が併設されている事。
私が訪れたその日も、甘味を求める若い女子のグループが、たい焼きが焼けあがるのを待っていたのである。
もこ太郎の平成阿房列車


このたい焼き屋は、銚子電鉄直営の店という事。
店の売り上げが直接銚子電鉄の売り上げにつながるということで、ここでも私は微力ながら、ぬれ煎餅を買ったときと同じく銚子電鉄に援助の手を差し伸べるつもりで、たい焼きを買ってみる。
クリーム入りのたい焼きもあるが、たい焼きといえばやはり餡入りに限るであろう。
1匹90円。


たい焼きを買ってすぐに、銚子行きの列車が来てしまった。
私はたい焼きを抱えたまま、この列車に乗って帰宅の途に就く。



銚子駅から、成田線経由千葉行の列車に乗り込む。
クロスシートから臨む車窓は、総武本線と大差の無い、田園や森林の風景を繰り返し映し出す。


そんな中、観音駅で購入したたい焼きを食してみる。


サイズは大きめで、餡もずっしり入っている。
それでいてしつこくない、程よい甘さが私の口を潤す。
皮の生地には生クリームでも入っているのだろうか?
決して空腹では無かっのだが、丸ごと一匹ペロリと完食してしまった。
別腹の意味を、改めて感じさせられる一瞬であった。



これにて今回の旅の目的は果たせた。
初めて一つの路線の全ての駅に降りた感想であるが、とにかく楽しめた。
銚子電鉄の駅一つ一つがそれぞれ個性的であったのも、よりいっそう楽しめた要因であろう。
達成感というよりも、「普通の人であれば用も無く全ての駅に降りることなど無いだろう、俺はしてやったぞ」という優越感に近い感情が沸いた。
ある路線の全ての駅に降りるという、鉄道旅の楽しみ方がまた一つ見つかったような気がする。




この旅から2年近くの歳月が流れているが、私は今でも、ふと銚子電鉄に乗った時の事を思い出す。
全線銚子市内にあるこの短い路線。

市民の足、また観光客の足として、幾多の困難を乗り越え今でも根強く走り続けるローカル線。
のんびり流れる車窓からは、銚子の穏やかな町並み、市民の営みを臨むことができる。


列車の姿形が変わろうとも、また「乗ってみたい」と切に思う路線である。
しかし私が今度、何かの機会で銚子に訪れた時には、あの時と同じように、銚子電鉄は元気に走っているのだろうか…?
私の心の中だけでなく、いつまでもこの町を走り続けて欲しい。


根拠は無いが、この旅においても、また私は鉄道によって救われたような気がする。

ありがとう、銚子電鉄



P.S.
本庄駅に降りた途端、私の携帯に借金の取り立ての電話がかかってきた。

台風は去っていきそうだが、私の精神は一気に大嵐に襲われる。
この夜から、また抗鬱剤のお世話になったのは言うまでもない。



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ある路線の完乗を目指す者にとっては、旅のゴールは大抵終着駅となる。
当たり前の事だが、終着駅まで行くことが完乗の絶対条件であるからだ。
しかしある路線の全駅下車を目指す者にとっては、そうとは限らない。
もちろん後者の場合でも、終着駅をゴールと設定して何ら問題は無いのだが、終着駅以上に面白い途中駅が存在すると、楽しみを後にとっておく心理が働いてしまい、終着駅への到達を先回しにしてしまうケースもあるだろう。
今回はそのケースに当てはまってしまった。



外川 を発った桃鉄列車で、一気に銚子の一つ手前の駅までさかのぼる。


「仲ノ町(なかのちょう)駅」


もこ太郎の平成阿房列車


この駅のホームに降りると、真っ先に独特の匂いが鼻を衝く。
駅のすぐそばにはヤマサ醤油の本社と2つの工場があり、醤油を精製する際に発せられる匂いが漂ってきているらしい。
しかし私には、味噌の匂いとしか感じ取れなかった。
(どちらも原料は大豆である)


単式ホーム1面1線と、駅の構造としては最低限の施設しか取り揃えていないが、ホームの向かい側には側線と倉庫を有する。
木造駅舎には銚子電鉄の本社も同居しており、いわばこの駅が、銚子電鉄の本拠地となる。
とは言っても、全く派手な印象の無い駅で、知らない人は、この駅舎が銚子電鉄の本社だとは気付かないだろう。


もこ太郎の平成阿房列車


駅の窓口は、笠上黒生 や外川と同じような、懐かしさを感じさせる窓口を有し、そこで乗車券を購入できる。
銚電のぬれ煎餅は、この駅で買うことも可能である。


もこ太郎の平成阿房列車


しかしこの駅の最大の話題は、車庫の入場券(150円)を窓口で購入すれば、車庫の中を自由に見学ができる事である。
さっそく私も入場券を購入する。
入場券は昔ながらの硬券だが、鋏は入れて貰えなかった…(希望すれば、入れて貰えたのかもしれない)


もこ太郎の平成阿房列車


入場券を持って、早速倉庫にお邪魔してみる。


もこ太郎の平成阿房列車


停留中の列車を間近に見ることができて、これは面白かった。

見学者は私一人だけだったので、倉庫の中を独り占めできたような優越感を感じた。


もこ太郎の平成阿房列車


その中に、何とも可愛らしい、非常に小さな電気機関車が停留していた。
真横から見ると「凸」の字をかたどったような形で、全長は一般の自動車と大差無いように思える。
集電装置はひし形のパンタグラフではなく、路面電車などでよく見られるビューゲルである。
(2012年春には、生誕90周年記念として集電装置がビューゲルから登場時のポールに換装されたらしい)


もこ太郎の平成阿房列車



これは「デキ3形」と呼ばれている電気機関車で、狭軌(1067mm)の電気機関車としては日本に現存するもので最少であるらしい。
あまりの車体の小ささに、ビューゲルや連結器が非常に大きく見えてしまい、その姿がとても滑稽に感じてしまった。
姿とは裏腹に、製造は1922年、ドイルのアルゲマイネ社の手によって行われたという由緒正しき機関車なのである。
戦時中から昭和の末期近くまで、醤油工場へ材料を運ぶために活躍していたということだ。
ちなみにこのデキ3は、銚子電鉄が有する唯一の電気機関車らしい。


敷地内をうろついていると、一際目立つオレンジとブルーの塗装の車両に目が付いた。
さらにその車両をよく見ると、車両の顔の部分に、今日の日付と漫画のキャラクターが描かれていた。


もこ太郎の平成阿房列車


実はこの日(2011年9月3日)、漫画「鉄子の旅」の主要メンバーと銚子電鉄がコラボして、一大イベントが開かれる予定であったが、台風の為に延期になっていたのである。
(そのイベントは後日9月19日に、無事に開催されたとの事)
もしイベントが予定通り行われていたら、こんなのんびりした旅もできなかっただろうし、それはそれで良かったかもしれない。
などと考えながら、心の奥底では、菊池直恵嬢やほあしかのこ嬢、編集長やカミムラ氏を一目見たかったなぁと悔しがる自分がいた。


(間違っても、横見浩彦だけは見たくないが…)



そろそろ次の列車の時間だ。
長いようで短く、しかし非常に充実した銚子電鉄阿房列車の旅も、残すところあと一駅となってしまった。


外川行きの列車に乗り込み、目的の駅に向かう。


もこ太郎の平成阿房列車


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海鹿島駅 から下り列車に乗車する。
車窓は、雨上りの銚子の住宅街、そして畑を映し出す。


先ほど下車した犬吠 で、例外なく殆どの乗客が下車した。犬吠から下り列車に乗車してくる人は殆どいなかった。


犬吠を発った列車は、体感では感じられないほどのカーブを右に曲がり、ゆっくり進む列車が、いっそうゆっくり、駅のホームに入線する。



「外川(とかわ)駅」

もこ太郎の平成阿房列車



始点の銚子からわずか6.4キロ先にある小さな終着駅。
単式ホーム1面1線と留置線1線を有する。

銚子方面の反対側に延びている線路の先には、草むらに囲まれた車止めが見受けられる。


もこ太郎の平成阿房列車



先日降りた、わたらせ渓谷鐵道の間藤駅 とは、類似点と明らかに異なる点の両方を有する終着駅だ。
どちらの駅も単式ホーム1面1線を有し、大きな終着駅に良く見られる頭端式ホームではない。
しかし間藤はさらにその先に足尾本山駅があった名残で、途中から終着駅にさせられてしまった駅だが、外川は最初から終着駅として作られた駅である。
小さな駅なのに、いかにも終着駅というような風情を感じ取れる。


私は、終着駅の駅名標が好きだ。

隣の駅の片方が空欄になっているのが、何とも味わい深い。


小さなホームに降りてみると、ドレスを着て日傘をさしている女性の周りを、カメラやマイクを持った男性たちが囲んでいる。
何かしら撮影でも行っているのだろうか?


もこ太郎の平成阿房列車



駅舎の中に入ってみる。
待合室に無造作に置かれたベンチ。天井から下がる白熱電球。窓口に掲げられた手書きの料金表…
笠上黒生 の待合室よりも、遥かに情緒に満ちている。
駅の開業から百年近く経っているらしいが、その頃から何も変わらず今日までタイムスリップして来たかのような雰囲気の待合室だ。


もこ太郎の平成阿房列車



駅前の小さな広場に出てみる。
近代的な住宅が建ち並ぶ中、非常に年季の入った木造の駅舎は妙に浮きだっている。
しかし、見れば見るほど味わい深い駅舎である。

雨上がりの快晴の空が、味わいに一層磨きをかけるかのようである。


もこ太郎の平成阿房列車


ここは非常に哀愁を感じる駅だ。
なぜ?この駅に居るだけで、優しい気持ちになれる。
日本には、まだこんな駅が存在したんだ…


しかしここでゆっくりできる時間は無かった。
先ほどの海鹿島駅での滞在時間が長すぎたのが響いてしまった。
わずか4分で銚子方面に折り返す列車に乗らないと、この後のスケジュールが狂ってしまう。


もっとここに居たかった…



私は泣く泣く折り返し列車に乗車した。


終着駅は制覇したが、銚子電鉄阿房列車の旅はまだ終わらない…



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