第4旅第2章:アンチ新幹線ファン | もこ太郎の平成阿房列車

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生粋の「乗り鉄」がブログを書くとこうなる!!
私が行った鉄道の旅をレポートさせて頂いています!
私のブログをお読み頂いて、鉄道の旅に興味を持って頂けたら幸いです!


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高崎駅で下車した私は、中央跨線橋を渡り、特急券を購入して新幹線乗り換え口の改札を抜ける。


最初の目的地は、上毛高原駅。
新幹線単独駅である為、この駅のスタンプを手に入れる為には、上越新幹線に乗らざるを得ない。
「ぐんまワンデーパスSP」「ぐんまツーデーパスSP」を持っていれば、特急券を追加で購入する事により、上越新幹線の高崎~上毛高原間と、長野新幹線の高崎~安中榛名間を乗車することができるのだ。


しかし、ここで私の特性についてカミングアウトしなければいけないことがある。



私は、新幹線が嫌いなのである。


正確に言えば、旅を続けているうちに嫌いになったのである。



新幹線の開業は、その後の日本を画期的に変えた。
日本の旅行が、日本の仕事が、日本の経済が、新幹線によって良い方向に変えられたのは事実であり、その偉大なる新幹線に反旗を翻すなど、鉄道マニアにはあるまじき行為だ、と非難されるのも最もだろう。
それでも私は新幹線が嫌いだ。



嫌いな理由はいくつかある。



まず一つ目は、新幹線には旅情が無い。


ローカル線の乗客は地元の人間が大半を占める。
その人たちの会話やしぐさ、荷物などを見ていると、その土地の特色が良く読み取れる。
各駅に停車する時に都度、車内放送で駅名を告げられるだろうが、その駅名から土地の特色を読み取ることもできるだろう。
その駅が気に入ったら、途中下車してみるのも面白いだろう。
ゆっくり流れる車窓の景色を眺めるのも、楽しみの一つである。
列車に乗っているだけで、自分は遠くまで来たのだなぁ、と感じ取ることができる。


一方の新幹線で、これと同じ楽しみ方をできるか?できるわけないだろう。
乗客はどこの出身の人間か分からず。
高速で流れる車窓に風情を求めるのは難しい。
新幹線から降り、改札を抜け駅を出るまでは、自分はどんな場所に来たかがよく理解できない。


旅行者の殆どは、目的地に着いてからその土地の郷土料理や、観光地などを楽しむ、言わば「点」を楽しむ人間が殆どだろう。
しかし私は、移動する行程そのものを楽しむ、言わば「線」を楽しむ人間だ。
「点」を楽しみたい人間にとって、移動にはなるべく時間を掛けたくないところであろう。
新幹線は、その悩みを解決してくれる手段の一つである。
しかしこれでは「線」を楽しむことは難しいだろう。


私がもし、同じ目的地まで、新幹線で5時間掛けて行くのと、在来線で10時間掛けて行くのとどちらを選ぶか聞かれたら、迷わず在来線を選択する。
私の「乗る」という楽しみを奪っておいて、とても高い特急料金を払う気にはなれない。



そして二つ目。
新幹線は、鉄道旅の楽しみの要素をたくさん奪っている。


東京から西に行く寝台列車の存在を奪ったのは、「のぞみ」と九州新幹線である。


横川~軽井沢間の、66.7パーミルという超急勾配を、力強く牽引する「ロクサン」ことEF63の勇姿を奪ったのは、長野新幹線である。


福島~米沢間の、板谷峠を超える4駅連続スイッチバックの役割を終わらせたのは、山形新幹線である。


そして今、北陸新幹線は特急「はくたか」の存在を消そうとしている。
北海道新幹線は、今の函館駅の存在を消そうとしているようにしか思えない。


時代の流れには逆らえない、と言われてしまえばそれまでなのかもしれない。
しかしこれについては、私は新幹線に対して恨みさえ抱くこともしばしばなのである。



三つ目は、新幹線の態度だ。


在来線の改札内から、新幹線の乗り換え改札を抜けると、コンコースの様子が急変する。
在来線のコンコースには決して無い、品揃えが随分充実している売店があったり、立派な待合室があったりと、明らかに在来線の客とは扱いが異なる。
新幹線の、その上から目線的な態度は、非常に気に食わない。
新幹線には、ローカル線のような「人間味」もほとんど感じられない。



正直、スタンプ対象駅に、どうして新幹線のみの駅が含まれるのかが理解できなかった。



前置きが長くなってしまったが、7時37分、越後湯沢行き「たにかわ401号」に乗り込む。

高崎を発ってから程なくして、長いトンネルに入り、ここから上毛高原駅までは殆どトンネルの中を新幹線は進む。
特に上越新幹線、長野新幹線はトンネルが多く非常につまらない。
地下鉄新幹線か?と揶揄したくなるほどだ。



15分余りの苦痛な時間を過ごし、上毛高原に到着。


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改札の横にスタンプが設置しており、ここで今回の冒険で初めてのスタンプをゲットした。
喜びは非常に少なかった。


近代的な、小ざっぱりしたコンコースを抜けて、駅の外に出る。


さてここからは、路線バスを使用して、在来線の最寄駅まで向かう。

マイルールでは、「③駅から駅への移動は、運転見合わせ等のトラブルでも無い限り、鉄道を利用する事」とあるが、次に「④旅の最中は、極限まで出費を抑える事」とある。
新幹線で高崎までUターンとなると、高崎~上毛高原間の特急料金820円×2=1,640円の出費となり、これは相当痛手を負うことになる。

(片道分の料金だけで、十分痛手であるが)
今回のケースに限っては、マイルール④を優先させて行動する。


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駅前に静態保存されているD51の横でバスを待っていると、すぐにバスは現れた。


220円と10分の時間を掛けて、目的の駅前に到着した。


上越線「後閑(ごかん)駅」


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改札氏にぐんまツーデーパスSPを提示し、上りの高崎行き列車を待つために、跨線橋を渡り3番線ホームに向かう。
そして、ホームからの眺めは…


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広がる田園の向こう側に、連なる山々の風景。のどかで美しく、非常に良い雰囲気だ。
私の今までの心の淀みが浄化されていくのがわかる…

これは思わぬ発見だ。
駅舎も風情があり、この後閑駅、少し気に入った。


なお、現在イベント列車として活躍しているD51 498は、以前はこの後閑駅の駅前に静態保存されていたものである。
SLみなかみが、この小さな駅に停車する理由は、里帰りの意味がこもっている、ということである。


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気分も良くなったところで、8時30分、上りの上越線で再び高崎に向かう。



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