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これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『おいしい給食season3』(2023)

TOKYO-MX他 1013~全10話

 

監督・脚本 綾部真弥(『ゼニガタ』『おいしい給食』シリーズ、他)、田口桂(『おいしい給食』シリーズ、他)、永森裕二(『おいしい給食』シリーズ、他)

企画・脚本 永森裕二

 

市原隼人、いとうまい子、大原優乃、田澤泰粋(たざわたいき)、栄信、六平直政、高畑淳子、やす、小堺一機、榎本桜、他。

 

映画版『おいしい給食 卒業』の続編で、函館の忍川中学校(校訓は「無我夢中」)へと転勤になった甘利田幸男(市原隼人)。相変わらず生徒指導には厳しく目を光らせるが給食には目がない。そしてなんと、担任となった1年1組には神野ゴウ(佐藤大志)に匹敵する給食好き粒来(つぶらい)ケン(田澤泰粋)がいて、必然的に甘利田はライバル視するように…。お馴染み給食のおばちゃん牧野文枝(いとうまい子)もまた転勤してきていて、早々に粒来と神野ゴウとの類似点に気づく。

新米の英語教師、帰国子女の比留川愛(大原優乃)は甘利田を尊敬し、慕っていて、やがて副担を任せられ、甘利田の給食愛の深さにも気づく。その父親トーマス(モーリー・ロバートソン)は忍川中学校長の坂爪勲(小堺一幾)とは旧知で自身も校長を務める厳格な教育者。甘利田の熱心な指導に感動を覚えるが、給食の時間を共にして見方が変わり、教育理念の相違から甘利田はあわやまたしても転勤かの窮地に立たされる。また、家庭科教師の鍵窪恵(円井わん)が甘利田の異常な食への執着に気づき、白日のもとに晒したいと狙うが、生徒で甘利田の給食時のハイテンションぶりに気づいているのは粒来ともう一人の女子生徒丸本米子(藤戸野絵)だけ…。

 

粒来の自由奔放なアレンジ、子供だからこその視点もあり、それがまるで人生のなんたるかを知ってるかのような行動に見える大人の甘利田を開眼させる…という、毎度やられるパターン。


懐かしいアイテムは缶ぽっくり、手作り雑巾、フラワーロック、「ケーキ屋ケンちゃん」、だった。知らなかったのは肝油ドロップ、鯨汁、ちらし寿司。記憶が混在する。

 

リアクションが全体的に派手になってるが、市原隼人の濃さが難なくハマっていてより面白さを増幅させてる。だいたい毎度ながら給食前の校歌斉唱からテンション爆上げしてる甘利田に生徒(粒来、丸本以外)がまったく気づいてないのがもう可笑しい。気づいてるのは大人組では坂爪校長、鍵窪、牧野、比留川愛、トーマス。そういえば、常連になってる駄菓子屋のおばあさんサキ(高畑淳子)も尋常ならざる食へのこだわりには気づいてる。

 

良かったのは、小さい演出だけどヤンキーの子の学生服の袖のボタンがとれそうだったところ、相変わらず人の話を聞いてないようでしっかり聞いている甘利田。粒来の給食アレンジもクラスメイトの眼中に入らずというのも変わらずで、無駄に広げないのがいい。やはり物語の構成がみごと。きれい。台詞も必ずなるほどと唸るような良いものがある。

そうそう、逆上がりが出来ない粒来はクラスメイトに逆上がりが出来ると世界が変わると言われるのだけど、これ、本当で、私もなかなか出来なくて、練習してやっと出来た時、地球がひっくり返った感覚になり、なんとも不思議な気持ちになった。具体的に世界が変わるわけではないけど、知らなかった感覚を得られたという感動と経験になった。

 

ドラマはこれから平成が始まらんとする1989年で終わっている。次は映画のようだけど、平成の給食になっていくのかな。

 

★★★★★

 

 

 

 

 





 

劇場版 おいしい給食 卒業』(2020)

監督・脚本 綾部真弥(『おいしい給食』シリーズ、他)

企画・脚本 永森裕二(『おいしい給食』シリーズ、他)

 

市原隼人、土村芳、酒井敏也、木野花、いとうまい子、登坂淳一、 田村侑久(たむらゆきひさ)、佐藤大志、勇翔、直江喜一、他。

 

おいしい給食season2からの続編で、舞台は「質実剛健」を教育理念としている黍名子(きびなご)中学校甘利田幸男(市原隼人)担任の3年1組、1986年~1987年春までのお話。

 

母親の手料理がまずくて給食好きになった甘利田幸男は、給食を食べ続けたいばかりに教員になったといっても過言ではない。常節(とこぶし)中学校時代から甘利田が一方的にライバル視している神野ゴウ(佐藤大志)との給食バトルが黍名子中学校でも繰り広げられていた。

ある日、いつもの給食の様子が変わった。おいしくなくなってるのだ。給食センターの試食会に潜入した甘利田は、そこでセンター主任四方田(登坂淳一)から、子供の健康を第一に考えた調理に変わったということを聞く。そしてセンターの上には因縁の男、教育委員会の鏑木(直江喜一)がいた。

やがて生徒たちの食欲は落ち、残飯率が上がり、元気もなくなる。そしてついに米飯が麦飯に変わることになる。卒業を前に我慢ならなくなった神野ゴウは直談判に給食センターの会議に乗り込む。甘利田も神野ゴウを追っていき…。

 

下戸の甘利田がブランデー入りチョコ(駄菓子)に酔って学年主任の宗方早苗(土村芳)とのハプニングがあったり、甘利田の進退といい、ドラマseason3に続く付せんが貼られている。

 

話は面白いし、テーマもはっきりしてるし、言ってることも教師として適格だし、台詞ひとつひとつが良いし演出も面白い。何より、目線が子供なのが良い。

そして悪習とも言える社会の構図も見て取れる。その社会は鉄壁のように見えて、わずかであれ風穴を開けることは可能で、行動によっては未来に明るさがあることを知らしめてる。大きな変化ではなく小さな変化にとどめる無理がない良い脚本。

 

今回は宗方との恋愛の要素もあり、また、やはり神野ゴウも教師になる(教育委員会に入るのが最終目標)つもりなのが判明し、次作以降に期待できる。長く続けようと思えば続けられる。続けても同じクオリティでいけるであろうことが、変わらない甘利田というキャラクター、市原隼人のオーバーアクション、その面白さで予想できる。給食とそのアレンジさえあれば。

 

★★★★★

 

 

 

 

制作 メディアンド

配給 AMGエンタテインメント、イオンエンターテイメント

 

 

 

 

おいしい給食season1&劇場版 Final Battle

 

おいしい給食season2

 

 

まず、ひとつ。

ドラマ『サブスク不倫』(MBS1109~全6話)、原作は漫画? 未読だけどもこれ、実写化する需要があるのかと、心底こういうものが求められる一定層の存在を理解できないし、私も歳をとったもんだと思った。これが私が興味を持たない役者が主演であれば無視できたのだけど、佐津川愛美、好きなんで…わしの佐津川愛美に何あてがってんねん!!!(怒)となったのだった。

お仕事なんで…というのは百も承知。だったら、昨日今日出てきたような本職が役者ではないキャストを立てるな! と、そのド下手な演技に余計怒りが湧いた。俳優でやっていきたい子はたくさんいるはず。推されてキャスティングするなよ…。まあ、芸能事務所やスポンサーなどの兼ね合いもあろうことは承知。

深夜帯の30分ドラマ、特に地域限定、配信なんかのものは、試し打ちみたいなドラマが多く、新人をよく起用しているのだけど、ならばいっそ全員新人でやれ! と思う。なぜ佐津川愛美クラスを使う…? 使うなら見合う俳優持ってこいよ…(号泣)。と、2話切りしときながら、文句(^^;)

以上、失礼ながら年末の愚痴吐露でした。

 

 

今年は何度も繰り返し視聴したというのは特になく。

 

 

 

【2023年今年見た作品ベスト10+α】

(当ブログアップ内、公開年不問、順不同)


『ゴジラ−1.0』(2023)日本映画

『すばらしき世界』(2021)日本映画

『運命じゃない人』(2005)日本映画

『犬王』(2022)日本のアニメーション映画

『らんまん』(2023)NHK朝ドラ

『マッチ工場の少女』(1990)フィンランド映画

『リリーのすべて』(2016)イギリス映画

『少年の君』(2019)中国香港合作映画

『サンザシの樹の下で』(2010)中国映画

『心と体と』(2017)ハンガリー映画

 

 

【+α】

 

『永遠の昨日』(2022/2023)テレビドラマ 毎日放送

『ねじまき鳥クロニクル』(2023)演劇 東京芸術劇場プレイハウス

 

 

+αにあるのは、良し悪しはともかくお気に入りドラマとなったものと舞台観劇で一番心に残ったものです。

 

海外作品もよく観るようになった今年でした。文化や生活、社会規範が違うから海外作品は理解は不可能と思ってきたんで、これまであまり観なかったのです。でも、気持ちや感情といったものには、所詮人間ということでそんなに大差ないと思え。それになんだか邦画より物語がしっかりしてる気がし。邦画が得意とする「ニュアンス」というのがあまりないのがいいのかもしれません、逆に。

 

 

テレビはほとんどリアタイしないので(せいぜいNHKの朝ドラとニュースを流すくらい)、ドラマや気になる番組は録画やTVerです。更に今年後半からはYouTubeでニュースチャンネルも見るようになったので(正確には聴いてる状態)、いっそうテレビ離れが進みました。そんな中、旧ジャニーズにドはまりしました。Snow Man、SixTONES、HiHi Jetsがお気に入りです。

ラジオは田中樹がパーソナリティの「SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル」が面白く、よく聴いてます(radikoですが)。田中樹、回すのがうまいです。

 

そうそう、TVerで昔のドラマが配信されてて、気づくのが遅かったので2、3話逃しましたが小栗旬主演の『貧乏男子 ボンビーメン』(2008年全9話)を見ることができました。見たいのは三浦春馬です。いやぁ、若いし(18歳くらい?)かわいいし、拙さがありながらもやはりうまかったです。コメディで、このくらいのノリなら小栗旬も山田優もまあまあぬるく見られます。そう思えば、前述の『サブスク不倫』も10年後見たらこれはこれでこの演技が正解なのかもと思えるかもです。

 

あと、『早子先生、結婚するって本当ですか?』(2016年全9話)もTVerでやってますね。こちらは4話以降に吉沢亮が出てるということなので、それ目的で流し見中です。やはりナチュラルにうまい。その人物がそこに在る感じです。

 

 

ついでに今年、よく見るようになったニュースチャンネルをご紹介。10本前後のニュースの解説と見解が語られます。日本保守党の「あさ8時!」。月〜金の朝8時(たまに9時)から約2時間のライブです(私はアーカイブ視聴ですが)。

 

あと今年よく見るようになったのは、「リュウジのバズレシピ」。テンポが良く、15分前後にまとめられているのがほとんどなのでイラつきがありません。レシピ動画色々ありますが、リュウジのこれは飽きないようけっこう研究してるなと思います。


タレントのファンならどんな話でも長時間楽しめるのかもしれませんが、30分以上ある動画はだいたい無駄が多いです。特にライブ配信(インスタ、TikTokなど)。これは配信する側が楽しいだけじゃないのかとうがった見方をしてしまいます。

 

文章と同じです。頭が悪かったり、国語力が弱かったりすると長文になり、結局何が言いたいのかわからず読まれない。(自戒)

そんなわけで、来年は的確に簡潔に感想が書けるようなりたいです。

 

 

SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル公式

 

 

あさ8(YouTube)

 

 

リュウジのバズレシピ(YouTube)

 

 

 

 

『WEEKEND』(2012)

監督・脚本 石井良和

 

横山美雪、杉原勇武、川連廣明、宮澤天、他。

 




ミキ(横山美雪)は人気ブロガー。ある日、化粧品会社のサイトウと名乗る男(杉原勇武)と知り合い、広告塔をお願いされる。その撮影に別荘に行くことになり、二人は自然といい感じになり一夜を共にする。しかし翌日目覚めると斉藤の姿がない。別荘の周りを探し始める美樹に、二人組の男、覆面をしたハヤシ(川連廣明)とカメラをまわすホンマ(宮澤天)が襲いかかる。凌辱され監禁された美樹はサイトウことアキヨシの指示だと知る。マニア向けのレイプビデオを販売していたのだった。ちょうど世間では十代~二十代女性の失踪事件が取り沙汰されていた。

鎖で繋がれ、連日レイプされ、足の指を潰された美樹はチャンスをうかがい三人に復讐を始める…。

 

一瞬AVかと思った。それにしては柔らかい表現だったけど、安っぽさはソレだった。

題材のわりには映像が甘くて、もっとお金がかけられたら恐怖感も煽れたろうなと、体張ってるだけに残念だった。

あと細かいことだけど、フォークの置き方が気になった。誰も注意しなかったのかな。

横山美雪主演で他にも作品が出ているようで。セクシーアイドルとのことらしい。

 

★★

 


(一応メッセージボートは活用していますが、アメブロはピンどめが出来ないので、モバイル端末からどう見えてるのかわからず、こちら、たまに上げることにしてます)
 
2020年7月の下旬から10月までの3ヶ月で100本を超える作品を配信で観ていました。単純計算で1日3〜4本。(今はさすがにそんなに観ません。)
こんなに観てると内容を忘れてしまうだろうと、当初覚え書き程度に都度都度X(旧Twitter)に書いてたのですが、ポスト(ツイート)は他のことも書くので流れてしまってメモにもならない、そんなわけで2020年10月17日スタートで、ブログにすることにしました。
ただ、観ていた本数が多いのと、観出したきっかけが三浦春馬の急逝だったので、一応流れを考えて調整し、2020年8月26日が初投稿になってます。
 
以降、これまで観てポスト(ツイート)してきたものを、観た順番ではないですが、毎日1本ずつ加筆してアップしてます。また、新たに観た作品はブログのみに書くことにしました。
本当は記憶を手繰るためにもネタバレまで書きたいのですが、そこはまあ人目に触れることへの配慮で、今のところ、たまにやってる程度です。
 
 
2023年11月より、更新頻度を下げました。以降不定期更新になってます。
 
 
 

ー★評価基準ー
 
★★★★★ 面白かった。オススメ。
★★★★ 良かった。
★★★ ふつう。可もなく不可もなく。
★★ イマイチ。好みに分かれる。
★ つまらない。
(★)は0.5
 
 
なお、内容の解釈はあくまでも私が感じたものであって、作品が伝えたい事と合致してる可能性は低く、つまらないと思ったものも、1年後に再視聴したら面白いかも、その程度の感想になります。あと、小生意気なうんちくみたいなものをたまに垂れてますが、素人なので言えることとご理解ください。
 
 
【補足】
 
●たまに、音楽や書籍、舞台の感想、役者さんについて書いたものもあります。それらでは★評価はつけていません。
 
●各補足についてはWikipediaを参照してます。
 
●新たに補足するもの(キャストスタッフ名、リンク先など)が出た場合、遡り更新しています。
 
●監督、脚本家、その他スタッフの手がけた作品名は私自身が観たことがあるもの、または有名作新作だけ載せています。
 
●タイトルは基本作品名になってます。
 
●敬称は略しています。
 
●予告編などの動画はなるべく公式のものを貼っていますが、リンク切れあった場合はごめんなさい。
 

 
 
(コメント欄、いいね、ペタなど交流ツールは閉じています。すみません。)
 
 
好きな俳優→三浦春馬、金子大地、吉沢亮(2020年12月時点)
現在(2023年11月~)はもっと幅広く好きな俳優は増えましたが、必ず観ているのは吉沢亮出演作品のみです。
 
基本的に演技にクセや節がなく、作品の中に溶け込める役者さんが好きです。
 
 

『フィンチ』(2021)Apple TV

Apple original films

 

原題は『Finch』

監督 ミゲル・サポチニク

脚本 クレイグ・ラック、アイヴァー・パウエル

 

太陽フレアでオゾン層が破壊され、人類は壊滅的打撃を負う。外は強い紫外線と高温により紫外線防護服や冷却装置を装備しないと出て行けない。時に竜巻を伴うストームもある中、どうにか生き延びたフィンチ(トム・ハンクス)は愛犬グッドイヤーと自作した小型の運搬ロボットデューイとセントルイスのシェルターで暮らしている。しかしフィンチは放射線に侵され命の猶予が迫っていた。そこで、自分が死んでもグッドイヤーが生きられるように、人型ロボットジェフ(声:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)を作る。大きなストームが近づく中、大急ぎで製作し、道々生存する上で必要な学習を積みながらまだ期待の持てるサンフランシスコを目指す。

途中で立ち寄ったデンバーの病院では何者かの存在を確認するが、荒廃した地球上に味方などいない。逃げるように先を急ぎ、サンフランシスコまで数百キロとなった地点で、蝶が飛び、花が咲いているのを発見する。そこは紫外線が弱く、外に出ることが可能だった。同時にフィンチにはいよいよ最期が迫ってきていた。ジェフに最後にして最重要な「信頼関係」を教え、また、なぜサンフランシスコはゴールデンゲートブリッジを目指すのか、グッドイヤーの来歴など、これまでの経緯など体験の重要性も話して聞かせ、フィンチはその一生を終える。

ゴールデンゲートブリッジに着いたジェフとグッドイヤーはまだ少し未来に期待が持てるものを見つける…。

 

演者としてはほぼトム・ハンクスしか出てこない。それで充分ストーリーが進む。そしてやはりトム・ハンクス出演作らしい情のある作品だった。

 

デューイが病院でお菓子を取ろうとして罠にかかって命を落とすことになってしまうのが辛かった。ロボットだけど。

グッドイヤーはその名前があるのにフィンチは呼ばない。それはグッドイヤーとの出会いに理由もあろうが、最大の理由は自分がいなくなるからじゃないだろうか。フィンチは、グッドイヤーは独立した存在だと劇中でも言っている。ジェフとグッドイヤーにどれだけ友好関係を構築させられるかわからない、犬に人間以外のものと信頼が築けるのか案じてのことのように思う。もちろん、グッドイヤーとジェフの間にはそれなりの絆が出来るのだが。

まあ、徐々にロボットと心を通わせていく姿には、生命はどんなものにも宿るのだなぁと思わせられた。

 

面白かった。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

 

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023)

原作は水木しげるの漫画。

監督 古賀豪

脚本 吉野弘幸

キャラクターデザイン 谷田部透湖

 

 

 

 

タイトル通り、鬼太郎の誕生秘話。

それは昭和31年の事件(出来事)に始まっていて、帝国血液銀行に勤める水木(声:木内秀信)は、取引先である龍賀製薬開発の血液製剤「M」の販売を取り付けようとしていた矢先、当主である龍賀時貞(声:白鳥哲)が亡くなった知らせを受ける。次の当主と見込まれている長女乙米(おとめ/声:沢海陽子)の婿、龍賀克典(声:山路和弘)とは懇意にしていたため、哭倉村(なぐらむら)の龍賀家の元へ急ぐ。しかしいざ遺言書を開いてみれば、後継者は病弱で引きこもりの長男の時麿(声:飛田展男)だった。時磨に万が一があれば、時貞の三女庚子(としこ/声:釘宮理恵)の息子、まだ子供の長田時弥(声:小林由美子)とあり、克典、乙米、次女の丙江(ひのえ/声:皆口裕子)は反発する。そして、次男の孝三(声:中井和哉)、克典夫婦の娘沙代(声:種﨑敦美)、時弥を巻き込み、一大事件へと発展する。

その第一の事件で水木は得体のしれない男ゲゲ郎(声:関俊彦)と出会い親しくなり、龍賀家の特殊血液製剤「M」の秘密に触れる。実はゲゲ郎は愛妻(声:沢城みゆき)を探しに哭倉村へ入ったのだった。結果的に水木はゲゲ郎と共に龍賀家の真髄に迫り、また、少年ねずみ(声:古川登志夫)の助けも借りながら、一番大切なものを守る行動に出る…。

これとは別に現在軸で、廃刊が迫ってる雑誌の記者山田(声:松風雅也)が起死回生をかけて廃村となってしまった哭倉村へ取材に入っている。鬼太郎(声:沢城みゆき)ねこ娘(声:庄司宇芽香)目玉おやじ(声:野沢雅子)と出会い、ネタを追うわけだが、この山田が31年の事件〜鬼太郎誕生の話を聞いたという構成になってる。

 

ゲゲ郎が目玉おやじなわけだけど、そもそもの属性が幽霊族というものだった。

鬼太郎のちゃんちゃんこの秘密もわかるし、母親もどんな人だったのかもわかる。鬼太郎の父ゲゲ郎(この名は水木が便宜上とりあえずつけた呼び名)がどのようなわけで「目玉おやじ」となったのかもわかる。

鬼太郎が生まれるまでの話は原作とは違うようだけど、墓場で生まれ、水木が取り上げるというのは同じようだ(詳細未確認)。

 

原作も読んでないし、アニメも見たのは昔のもので絵柄の変わった今の鬼太郎は一切知らない(現在第6期らしい)。けど、普通に楽しめた。壮大なミステリードラマのようで(というか横溝正史っぽい)昭和31年の事件であれば実写でもいけるような内容(実写ではホラーテイストが強くなりそうで怖いが)。

 

日本国を裏で牛耳る一部の富豪、政財界の重鎮が存在するという設定はよく使われている。一般庶民である私にはその虚実を知る由もなく、だけど世界全体を見渡してもそうなんだろうなという気持ちが拭えない。それくらいうまいこと世の中が回っていると感じてた時にこの作品はタイムリーだった。

邦画はアニメの方が質が高いように感じる。

 

★★★(★)

 

 

 

アニメーション制作 東映アニメーション

配給 東映

 

 

 

 

『イントゥ・ザ・ビート〜心のままに踊れ(2020)

Netflix ドイツ映画

原題は『Dein Herz tanzt』、英題は『Into the Beat』

 

監督 シュテファン・ヴェスターヴェレ

脚本 シュテファン・ヴェスターヴェレ、ハンナ・シュヴァイアー

 

有名なバレエダンサービクター・オリオワ(トリスタン・ピュッター)を父に持つカティヤ(アレクサンドラ・プファイファー)は、バレエスクールでニューヨークのバレエアカデミーへのオーディションに選定されている。母親もバレエダンサーで有名だったが、3年前に亡くしていた。いわばカティヤはサラブレッドで、スクールで先生の期待も一身に背負っていたし、一緒に学ぶスクール生にはライバル視されていた。自分もバレエは好きだし将来も両親と同じ道を行くものと思っていた。しかし、オリオワが舞台で事故に遭い、ダンサーにとって致命傷となるほどの骨折をしてしまう。そんな心配を抱えてる時、カティヤはたまたま「バトルランド」というダンス好きが集まるクラブでヒップホップと出会う。レッスンやダンスバトル、気取らないダンス仲間とのふれ合い、ヒップホップダンサーマーロン(ヤラニ・マーシュナー)との出会いから、徐々にヒップホップに魅了されていく。そしてバレエアカデミーのオーディションと、ヒップホップのオーディションの期日が迫ってきて、カティヤは葛藤する…。

 

面白かった。ダンスもまあ見応えあるし。

とはいえ、バレエに関して言えば、もう少し上手くてもいいんじゃないか…と。ストリートダンスはわからないのであれでヨシとされたならヨシなのだろう。

 

話はオーソドックスな流れで安心して見られる。ラストは「良かったね!」で締められる。

マーロンは孤児設定で、親のない子たちとシェアハウスしている。カティヤとは環境が違うから、そこでの衝突もある。お互いに分かり合えないところがあることが描かれていたのは好印象だった。

 

★★★(★)

 

 

 

 

『すばらしき世界』(2021)

原案は佐木隆三の著書「身分帳」。

 

脚本・監督 西川美和(『ゆれる』『永い言い訳』他)

原案監修 小先隆三(佐木隆三の別名)

 

役所広司、仲野太賀、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子、長澤まさみ、安田成美、白鳥玉季、康すおん(かんすおん)、井上肇、山田真歩、マキタスポーツ、三浦透子、田村健太郎、桜木梨奈、松澤匠、松浦慎一郎、沖原一生、まりゑ、松角洋平、松岡依都美(まつおかいずみ)、奥野瑛太、松浦祐也、近藤洋子、田中一平、髙橋周平、小池澄子、安楽将士(あんらくまさし)、他。

 

三上正夫(役所広司)は福岡県出身で児童養護施設育ち。唯一の身内母親は迎えに来ると言ってついに来ることなく、三上は施設を出るとヤクザの世話になったりチンピラ同様の人生を送ってきた。そうして人生の大半を刑務所で過ごし、最終的に殺人罪による13年の服役を終え刑務所を出る。母親に会いたくて服役中にテレビ番組に「身分帳」なる刑務所の身上書を送り、母親探しを願い出る。面白いネタだと思ったやり手のテレビマン吉澤(長澤まさみ)は、小説家に転向しようとしてるかつての部下津乃田(仲野太賀)をつかまえ、取材を開始する。

一方で、三上は高血圧からの心臓疾患を抱えており、生活保護を受けることを余儀なくされる。本当は働きたい、その意欲から就職活動を始めるも運転免許も失効してるのでなかなか見つからない。しかも優しさが転じてカッとしやすい性格も災いする。そんな状況下、弁護士の身元引受人庄司(橋爪功)とその妻(梶芽衣子)、行きつけのスーパーのオーナー松本(六角精児)、区役所の生活保護課職員井口(北村有起哉)が親身に手助けをする。また、昔馴染みのヤクザ下稲葉夫婦(白竜、キムラ緑子)の優しさと厳しい現状、13年の服役となった大元当時の恋人久美子(安田成美)との思い出、物書きとしての津乃田との触れ合い、そして勤められることになった介護施設で社会の縮図を経験し、徐々にこの社会で生きていくということに向き合う処世術を学び変化していく…。

 

三上の出所後の生き方を、それまでの人生をなぞりながら津乃田の視線で描いたような作品。

 

母親にも会えそうになるが、まあ、年齢的に生きてる可能性は低いだろうし、会えなくても不思議はないし、逆に会えたらお約束すぎるなと思った。その時々の三上を演じる役所広司の母親を想う言葉にできない心情表現、素晴らしかった。映像作品ならでは。

また、性格の成り立ちが語られるセリフがあり、一般論だが説得力があった。遺伝含む資質と環境、どの程度の割合かわからないけど、育ちは充分影響すると思うから。

 

周りの人間たちが三上のまっすぐな面を良い方へとらえ軌道修正していくのがあたたかみがあって良かった。免許センターの職員(山田真歩)でさえわずかな会話の中で親身になっていっていた。捨てたもんじゃないぞ世の中は、と思わせる。

 

それにしても処世術は厳しい。ふだん何気なくやっていることを映像で見せられると恥ずかしくもなる(特に介護施設のシーン)。でも、そうして作られているのがこの社会なのだ。

 

ラスト、仲野太賀の泣きのシーン、迫真の演技、素晴らしかった。何がどうなのか津乃田の収拾つかない感情がよく出ていて心揺るがされた。コスモスを握った三上の手のアップも、顔、姿を映すベタな演出よりはるかにリアリティがあった。

 

梶芽衣子の歌が聴けるのは珠玉。

 

★★★★★

 

 

 

 

制作 AOI Pro.

配給 ワーナー・ブラザース映画

 

 

 

白竜はミュージシャンの時代を知って(聴いてた)るので、こうして役者業を主体的にやってるのが不思議。しかもヤクザがほとんどで。

 

 

『くるみ割り人形』K-BALLET 

Bunkamuraオーチャードホール

 

オリジナル台本 マリウス・プティパ

音楽 ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

原振付 レフ・イワーノフ

 

演出・振付 熊川哲也

芸術監督 熊川哲也

 

 

 

クリスマスイヴ。少女クララ(塚田真夕)の家では友人知人を招いてのクリスマスパーティーが開かれている。人形芝居を見せる叔父のドロッセルマイヤー(杉野慧)は集まった子供たちにプレゼントを贈る。クララはちょっと変わったくるみ割り人形をもらうが、いたずらな弟フリッツ(本元光)に壊されてしまう。でもドロッセルマイヤーがちゃんと直してくれた。そうこうしてパーティーはお開きとなり、みんなが寝静まった後、クララはなんとなく気になったくるみ割り人形の様子を見にクリスマスツリーの飾られた広間に行く。そこではねずみ軍団とくるみ割り人形(栗山廉)率いる兵隊人形たちの戦いが繰り広げられていた。時は12時。人形たちが劣勢となった時、クララが援護しねずみ軍団を追い払うことに成功。そして気づくと、くるみ割り人形は王子様に変化していた。

実はくるみ割り人形は人形国の王子で、最愛のマリー姫(浅川紫織)と共にねずみ軍団に、王子はくるみ割り人形に、マリー姫は頭部をねずみに変えられていたのだった。

元の姿に戻れた王子は感謝を込めてクララを、人形の国へと招待する。雪の精が舞う森を抜けて…。

ねずみ軍団との戦いに勝ったため、マリー姫も元の姿に戻れた。そして人形たちの華やかな踊りが披露される…。

楽しい時間はあっという間終わり、クララはベッドで目を覚ます。枕元にはお人形のプレゼントが…それはくるみ割り人形ではなく、王子様とお姫様の対の人形だった…。

(以上ざっくりあらすじ)

 

舞台美術が素晴らしかった。特に、雪の女王(日高世菜)王(石橋奨也)が現れ粉雪ら(コールド)と舞うシーンの雪の多さは幻想味もあり美しかった。

やはりバレエは舞台装置がゴージャス。カーテンコールでは銀テープが放たれ(写真w)、舞台上にはメリークリスマスの文字板。そういえば、ロビーにはピカピカのツリーが飾られていた。やはりこの時期ならではの演目。

見どころは花のワルツから始まる人形たちの踊りで、どれも楽しかった。特にロシアの踊り(岡庭伊吹、久保田青波)ではジャンプの対空時間の長さに感嘆した(確認できずだったが、右側で踊っていた方)。

 

 

(鑑賞日20231203)

 

 

東京:Bunkamuraオーチャードホール 1125、1126、1202、1203、1209、1210

愛知:愛知県芸術劇場大ホール 1213

香川:レクザムホール大ホール 1222

岡山:岡山芸術創造劇場ハレノワ大劇場 1224

 

 

公式サイト

 

2019年の動画公式より

 

 

 


 

 

余計な話だけど、私も昔、花のワルツとアラビアの踊りをやったことがある。もちろん生徒発表会のレベルで、振付もだいぶ簡略化されたもの。一番長く続いた習い事がバレエだった。

そして、習ってただけに、熊川哲也がローザンヌで取った時は衝撃だった。日本人でもこれだけ才能のある人が出てきたのかと。吉田都にも同じことを思った。二人とももう現役ではないので生で観ることはできないのが残念。まだ、彼らを超えるようなダンサーを見つけられてない。日本人で。