『君に幸あれよ』(2023)
俳優かつ写真家である櫻井圭佑の初監督作品とのこと。
監督・脚本・編集 櫻井圭佑
音楽 鶴田海王(つるたかいおう)
小橋川建(こばしかわたつる)、高橋雄祐、玉代勢圭司(たまよせけいじ)、海老沢七海、諏訪太郎、中島ひろ子、久場雄太(くばゆうた)、浦山佳樹、鈴木武、二宮芽生(にのみやめう)、松浦祐也、他。
闇金をしのぎにしているヤクザの下で働くシンジ(小橋川建)は凶暴で恐れられていた。今下についてる弟分のタケイ(海老沢七海)の憧れの的だ。しかしシンジはかつて可愛がっていた弟分を亡くしていて、そこから立ち直れていない。やってはいけないクスリに手を出していた。
ある日新入りのリヒト(高橋雄祐)の面倒を任される。リヒトは少し変わっていて、いつのまにかシンジはリヒトのペースに乗せられ、情も湧いてくる。それでもクスリはやめられず、ついに兄貴分(玉代勢圭司)にバレて休みを言い渡される。シンジには恋人のアユミ(二宮芽生)もいたが、心のバランスが取れずクスリを極限まで入れてしまう。それを救ったのは父親がジャンキーだったためドラッグを前にすると過呼吸になってしまうリヒトだった。
しかしどうにか前向きになったシンジの前に現れたのは、シンジに障害を負わされ恨みを持った男(浦山佳樹)であり、リヒトがその復讐の犠牲になってしまう…。
リヒトはまあ助かるだろう。アユミはおそらく子供ができたんだろう。仇討ちは兄貴分がやる…これはまさかだったが、それだけに、シンジの未来は希望がある。タイトルはシンジに向けたものであり、シンジの周りの人間たちに向けたものでもあり、観ている私たちに向けたものでもあるように思った。
この映画で使われてるのはガラケーなので、設定はギリ任侠道が通る時代かな。
なかなかまとまりのいいきれいな脚本だった。役者が良かったし。
リヒトは自閉症かな。少し足りない、でも一点に秀でてる。その感じの演技がとても良かった。
リヒトお気に入りの中華屋の店主に諏訪太郎、スナックのママに中島ひろ子。自然でありながら安定感がある。うますぎる感もある(^^;)
★★★★
配給・宣伝 MAP