これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

2020年7月の下旬から10月までの3ヶ月で100本を超える作品を配信で観ていました。単純計算で1日3~4本。(今はさすがにそんなに観ません。)
こんなに観てると内容を忘れてしまうだろうと、当初覚え書き程度に都度都度Twitterに書いてたのですが、ツイートは他のことも書くので流れてしまってメモにもならない、そんなわけで10月17日スタートで、ブログにすることにしました。
ただ、観ていた本数が多いのと、観出したきっかけが三浦春馬の急逝だったので、一応流れを考えて調整し、8月26日が初投稿になってます。

以降、これまで観てツイートしてきたものを、観た順番ではないですが、毎日1本ずつ加筆してアップしてます。また、新たに観た作品はブログのみに書くことにしました。
本当は記憶を手繰るためにもネタバレまで書きたいのですが、そこはまあ人目に触れることへの配慮で、今のところ、たまにやってる程度です(タイトルに明記してます)。

※2023年11月より不定期更新になってます※
     ↓
※2024年2月より毎週月曜と金曜に更新に変更※


ー★評価基準ー

★★★★★ 面白かった。オススメ。
★★★★ 良かった。
★★★ ふつう。可もなく不可もなく。
★★ イマイチ。好みに分かれる。
★ つまらない。
(★)は0.5


なお、内容の解釈はあくまでも私が感じたものであって、作品が伝えたい事と合致してる可能性は低く、つまらないと思ったものも、1年後に再視聴したら面白いかも、その程度の感想になります。あと、小生意気なうんちくみたいなものをたまに垂れてますが、素人なので言えることとご理解ください。


【補足】

●たまに、音楽や書籍、舞台の感想、役者さんについて書いたものもあります。それらでは★評価はつけていません。

●各補足についてはWikipediaを参照してます。

●新たに補足するもの(キャストスタッフ名、リンク先など)が出た場合、遡り更新しています。

●監督、脚本家、その他スタッフの手がけた作品名は私自身が観たことがあるもの、または有名作新作だけ載せています。

●タイトルは基本作品名になってます。

●敬称は略しています。

●予告編などの動画はなるべく公式のものを貼っていますが、リンク切れあった場合はごめんなさい。(※大河ドラマ『青天を衝け』に関する投稿のリンクは公式サイト削除でほとんど切れていますが、記録のためそのままにしています。)



(コメント欄、いいね、ペタなど交流ツールは閉じています。すみません。)



基本的に演技にクセや節がなく、作品の中に溶け込める役者さんが好きです。

『君に幸あれよ』(2023)

俳優かつ写真家である櫻井圭佑の初監督作品とのこと。

 

監督・脚本・編集 櫻井圭佑

音楽 鶴田海王(つるたかいおう)

 

小橋川建(こばしかわたつる)、高橋雄祐、玉代勢圭司(たまよせけいじ)、海老沢七海、諏訪太郎、中島ひろ子、久場雄太(くばゆうた)、浦山佳樹、鈴木武、二宮芽生(にのみやめう)、松浦祐也、他。

 

闇金をしのぎにしているヤクザの下で働くシンジ(小橋川建)は凶暴で恐れられていた。今下についてる弟分のタケイ(海老沢七海)の憧れの的だ。しかしシンジはかつて可愛がっていた弟分を亡くしていて、そこから立ち直れていない。やってはいけないクスリに手を出していた。

ある日新入りのリヒト(高橋雄祐)の面倒を任される。リヒトは少し変わっていて、いつのまにかシンジはリヒトのペースに乗せられ、情も湧いてくる。それでもクスリはやめられず、ついに兄貴分(玉代勢圭司)にバレて休みを言い渡される。シンジには恋人のアユミ(二宮芽生)もいたが、心のバランスが取れずクスリを極限まで入れてしまう。それを救ったのは父親がジャンキーだったためドラッグを前にすると過呼吸になってしまうリヒトだった。

しかしどうにか前向きになったシンジの前に現れたのは、シンジに障害を負わされ恨みを持った男(浦山佳樹)であり、リヒトがその復讐の犠牲になってしまう…。

 

リヒトはまあ助かるだろう。アユミはおそらく子供ができたんだろう。仇討ちは兄貴分がやる…これはまさかだったが、それだけに、シンジの未来は希望がある。タイトルはシンジに向けたものであり、シンジの周りの人間たちに向けたものでもあり、観ている私たちに向けたものでもあるように思った。

 

この映画で使われてるのはガラケーなので、設定はギリ任侠道が通る時代かな。

 

なかなかまとまりのいいきれいな脚本だった。役者が良かったし。

リヒトは自閉症かな。少し足りない、でも一点に秀でてる。その感じの演技がとても良かった。

 

リヒトお気に入りの中華屋の店主諏訪太郎スナックのママ中島ひろ子。自然でありながら安定感がある。うますぎる感もある(^^;)

 

★★★★

 

 

 

配給・宣伝 MAP

 

 

『ほつれる』(2023)

監督・脚本 加藤拓也(『わたしたちは大人』、『ドードーが落下する』他)

 

門脇麦、田村健太郎、染谷将太、黒木華、古舘寛治、安藤聖、佐藤ケイ、金子岳憲、秋元龍太朗、安川まり、他。

 

不倫から始まった文則(田村健太郎)との恋は結婚という形で成就したが、その後は前妻の息子ヒロムを度々預かるという面倒も多い。綿子(門脇麦)が相手をするわけではないが、都度の義母との関係も煩わしい。子供がいる分、前妻とは切っても切れない。離婚話こそ出はしないが、会話には棘もあり、文則との関係はギクシャクしていた。

そんな状況下、友人英梨(黒木華)を介して知り合った木村(染谷将太)と気が合い関係が始まる。木村にも長く付き合って結婚した妻依子(安藤聖)がいた。ダブル不倫だ。

交際が1年ほどたったある日、二人でグランピングに出かけた帰り、別れはな、木村が交通事故で亡くなってしまう…。

 

ダブル不倫という秘密の関係なだけに、綿子は初手を間違える。そのため木村の死を正面から受け入れられない綿子の心情が延々と描かれる。自責だ。

自分がどうしたいのかわからない綿子は、やり直しをしたい文則、不倫を知ってしまった木村の父哲也(古舘寛治)と依子と対峙し、ようやく一歩踏み出す。何気ない一言や話が、後から大きく効いてくる脚本。なかなかキツイ。特に木村が犬を嫌いな理由にはやられた。父子関係にまで及ぶとは。

 

加藤拓也監督はまだ30歳という若さなのに、問題に面した時の人間の心の機微を描くのがとてもうまい。芝居も口語調でナチュラル。表情にも大きな演技がない分、台詞一つ一つの意味が深い。そして感情の昂ぶりはヒリヒリするほどリアル。また、あてる台詞がうまい。のは、キャラクター設定がしっかりしてるからだろう。しかも「ああ、こういう人いる」という既視感がある。それは自分だったり友達の誰かだったりどこかで会った、見かけた人だったりするのだ。痛々しく醜く、臨場感を伴うからハラハラするしドキドキするし、自分だったらと共鳴もするし反発もする(だろう)。ごくごく一般的な人が抱く感情、内面の傾向を描いてる。

 

語彙力がなくてうまく言えないんだけど、つまりは面白かった。

 

★★★★★

 

 

 

 

男子を描いたらピカイチの松井大悟(愛おしい)、男の本音を描いたら面白い内山拓也(切ない)、そして人間の内心を描くのがうまい加藤拓也(痛い)。そんな感じ。

 

 

配給 ビターズエンド

 

 

『マッドマックス フュリオサ』(2024)

オーストラリア映画。

原題は『Furiosa: A Mad Max Saga』

 

監督 ジョージ・ミラー

脚本 ジョージ・ミラーニコ・ラサウリス

キャラクター創造 ジョージ・ミラーバイロン・ケネディ

 

 

 

 

世界崩壊からほとんどが砂漠化し荒廃した世界の中で、動植物が実る「母なる緑の地」に生まれたフュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ/幼少期:アリーラ・ブラウン)は、ある日遊びに出た先でバイカー集団「バイカー・ボード」に連れ去られる。知らせを受けたフュリオサの母メリー(チャーリー・フレイザー)らがかけつけるも「バイカー・ボード」を統率するディメンタス(クリス・ヘムズワース)によって命を取られる。ディメンタスはこの世界で最も貴重なオイルと水を牛耳るイモータン・ジョー(ラッキー・ヒューム)の砦「シタデル」奪取を狙う。その過程でフュリオサはイモータンに捕らわれるも、ディメンタスへの復讐と母との必ず故郷へ帰るという約束を果たすべく力をつけていく…。

という、フュリオサの半生が五つの章に分けられ描かれる。そしてイモータンの統治下で大隊長フュリオサとなった前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』へ続く…。

 

フュリオサが故郷に帰れなくなった理由、なぜ片腕がないのかも描かれるわけで、つまり、イモータン(ヒュー・キース・バーン)の元から逃走する元警官で囚われの身かつ輸血袋だった放浪者マックス(トム・ハーディ)と、反旗を翻すフュリオサ(シャーリーズ・セロン)ら女たちが「緑の地」(フュリオサの故郷)及び安住の地を目指す『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚、というかスピンオフ。

 

今回初めて4DXで観賞して、だからこそ楽しめた。

話は単純な復讐劇だし、アクション映画だし、それに伴う素晴らしいVFXやカメラワーク以外、見どころはどこかと言えば倫理観の崩壊したキャラクターを大いに含む世界観なわけで、感情を入れるとしたらフュリオサの強い意志にのみだろうから、それだけで2時間半は長い。全編ではないけど三面スクリーンは簡単に臨場感を得られるし、座席の振動上下左右への傾斜はもちろん、スモーク、飛沫(特に血飛沫はいい)、疾風などアトラクション要素がなければ寝たかもしれない…(^^;)

 

前作の方がドラマ性があった。ウォー・ボーイズも切なかったし、愛もあった。アクションもインパクトがあった。あれ、ほぼ実写とか、ほんと!?という驚きも。いや、そもそもアクションだけで言えば、『マッドマックス サンダー・ドーム』までは技術的に実写だろうから、その方がすごい。

 

ところで『マッドマックス』1作目は1979年で、それからずっと演者は変われどマックス(3作はメル・ギブソン)が警官だった、妻子を殺されたという設定は変わってない。けど、世界崩壊から45年というと、マックスは60歳をゆうに超えてる。それであの体力と生命力とは…。

ついでに、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)時点で少なくともフュリオサが攫われてから20年経ってる。世界大戦があったという設定が『マッドマックス2』(1981年)なのでまあ時間軸は合ってる。けど、核戦争があったたという設定が『マッドマックス サンダー・ドーム』(1985年)で、世界崩壊から45年というのは、2024年現在の勘定か? いや、そもそも1作目から近未来だったし、そんな細かいこと、というかリアル時間軸に照らし合わせるのは野暮ってもんか。マックスは永遠に生き続けるのだろう。

次作があるとしたら、生きる意味を求めて荒野をさまようマックスはどの地でどんな部族を前に戦うのか…またフュリオサに会えるだろうか…大作だなおい。

 

★★★★

 

 

 

 

フュリオサの子供時代を演ったアリーラ・ブラウンがとても可愛い。アニャ・テイラー=ジョイになってからもイメージ(特に目)は崩れることなく、魅力的だった。これがシャーリーズ・セロンになるわけか。

アニャ・テイラー=ジョイは『クイーンズ・ギャンビット』の子かとその成長に驚いた。いや、4年ほどしか経ってないならキャラクター作りがすごいのか。

 

『Winny』(2023)

原案は渡辺淳基記者の朝日新聞の記事とのこと。実際にあった事件がもとになっている。

 

監督 松本優作

脚本 松本優作岸建太朗

 

三浦貴大、東出昌大、皆川猿時、和田正人、木竜麻生、池田大、吉岡秀隆、金子大地、阿部進之介、渋川清彦、田村泰二郎、渡辺いっけい、吉田羊、吹越満、森優作、高木勝也、成松修、他。

 

ファイル共有ソフトWinnyを開発した金子勇(東出昌大)は2002年、「2ちゃんねる」掲示板でテスト版を配布する。瞬く間にネットユーザーにひろまり、翌年にはゲーム、映画及び有料動画、音楽などを違法コピーするユーザーが多く現れた。著作権が守られないと社会問題に発展する騒ぎになり、京都府警が動き出す。違法アップロードでWinnyユーザーの井出(カトウシンスケ)南(小西貴大)が現場を抑えられ捕まる中、金子も任意同行され、でっち上げ調書によって著作権違法幇助で2004年逮捕へと進む。

Winny弁護団は桂充弘(皆川猿時)弁護団長、サイバー犯罪に詳しい壇俊光(三浦貴大)弁護士、刑事事件のスペシャリスト秋田真志(吹越満)弁護人、浜崎太一(和田正人)弁護士、林良太(池田大)弁護士、法律事務所スタッフの桜井恵子(木竜麻生)で構成され、2ちゃんねるの有志により弁護費用が集められたことにより本腰で挑む。なぜ警察は執拗にWinnyの違法性を説き、開発をやめさせ、金子を犯罪者に仕立て上げるのか。その理由が明らかになっていく。

また、同時に愛媛県警の裏金問題に憤る正義感の強い巡査部長の仙波敏郎(吉岡秀隆)が、悩み抜いて告発に踏み切る。最初は権力の力でうやむやに終わると見えたが、その証拠がWinnyによってハッキングされ広く世間の知るところとなる。

世間に疎くすぐに人を信じてしまう金子に苦労しながらも一審の有罪を7年にも及ぶ裁判で覆す…。

 

Winny懐かしい。この件で日本のソフト開発はだいぶ遅れたんじゃないか? 今ある世界的にシェア率の高いSNS、ソフト(アプリ)は全て海外のものだ。

 

科学者やエンジニア、何かひとつに秀でた人の壊滅的な社会性は周りが守ってやらないとって感じよな。物によっては冤罪だってこうして簡単に起こってしまう。この作品の場合、悪が長いものに巻かれる組織権力、善が自分の理想のために動く人、とわかりやすい構図で組み立てられ、バランスはいい。サイバーテロを引き合いに都市伝説や陰謀論もあり、ハラハラもイライラもするけど、でもそれだけでドラマとしての面白みはなかった。元が実話だからなぁ。

 

東出昌大が嫌いだし(声が嫌いなのでどうしようもない)、演技も良いと思ったこともないので期待してなかったけど、体も作って頑張っていた。まぁ好演だった。『コンフィデンスマンJP』のぼくちゃんももうキャラ立ちしてるんであれはあれで有りになってるけど。

 

仙波の下につく愛媛県警巡査山本役に金子大地。少ししか出番がないのに、良かった。吉岡秀隆と渡り合え、今後も期待しかない。

 

★★★(★)

 

 

 

制作 Libertas

配給 KDDI、ナカチカ

 

 

『シティーハンター』(2024)Netflix

原作は北条司の漫画。

 

監督 佐藤祐市(『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』『脳内ポイズンベリー』『累』『ういらぶ。』『名もなき世界のエンドロール』他)

脚本 三嶋龍朗

音楽 瀬川英史(『HK』『明烏』『斉木楠雄のΨ難』『今日から俺は!!劇場版『新解釈・三国志』『銀魂』シリーズ、他)

 

鈴木亮平、森田望智、安西政信、木村文乃、華村あすか、橋爪功、杉本哲太、水崎綾女、片山萌美、阿見201(あみにぃまるいち)、迫田孝也、蔵原健、他。

 

コスプレイヤーのくるみ(華村あすか)を探して欲しいとその姉から依頼を受けた新宿を拠点に活動するスイーパー(始末屋)冴羽商事の冴羽獠(鈴木亮平)と相棒の元刑事の槇村秀幸(安藤政信)。さっそく捜索に出て見つけるが、なぜかくるみは逃走する。追跡するものの驚異的な身体能力になかなか追いつけない。しかも他の組織にも追われている様子。その邪魔を倒しながら追うもついに見失う。ただ、くるみの落としたアンプルを槇村が拾った。諦めて槇村は妹の香(森田望智)との約束の店へ行くが、そこで槇村は凶暴化した男に殺されてしまう。

香は仇を取るために冴羽獠に協力を求めるが、香を危険にあわせるわけにいかないので冴羽獠は断る。しかし突っ走る香になんだかんだ手助けしながら、多発する暴力事件に携わっていた刑事の野上冴子(木村文乃)の情報、さらに阿久津組の組長(橋爪功)からの情報も得て、自身も槇村が残したアンプルの謎を追う。

アンプルはコスメブランド「ローレ」が裏で開発する「エンジェルダスト」という人間を兵器化するものだった。実はくるみは実験段階で普通アンプルが切れると死ぬところ、死なない特異体質だとわかり、組織に追われていたのだった。つまりくるみの姉と名乗った女も蠍(片山萌美)というコードネームの戦闘員だった。

槇村の父親の代からの因縁〜香の身上も明らかになりつつ、冴羽獠と香のコンビネーションで数多の戦闘員を倒しくるみを救出する…。

 

なんか効果音や伴奏の少なさのせいか、全体的に張りがない。とはいえアクションシーンはまさに漫画のようで素晴らしく、改めてプロ俳優鈴木亮平を感じた。もちろん、安藤政信始め、アクションシーンに出てた役者さん全員に言える。

『シティーハンター』は有名だし人気もあるようで、フランスでも実写化されたくらい(おそらく原作が海外勢にハマるのだろう。そのフランス版の面白さは私にはわからなかった)だが、漫画を読んだこともアニメを見たこともない。なんとなく表層を知ってるだけ。なので、鈴木亮平や他の役者さんらが原作キャラクターにどれだけ近いのか遠いのかもわからない。そして冴羽獠特有の女好きは時代にそぐわないなぁと思った。ただ、話はよく出来ていて、これが原作に忠実なのか書き下ろしなのかわからないけど、凄腕の銃刀使いでまったく失敗しないから見ていて爽快だし、物語の構築には穴がなく無駄もない。面白かったかと言われれば、普通。脚本のまとまりの良さとアクションの見応えが肝。

 

今回敵として現れたのは「ローレ」の社長瀬田月乃(水崎綾女)とその秘書今野(迫田孝也)だったが、さらに上がいる感じで終わっている。香が正式に冴羽獠の相棒となったし、続編あるかな。

 

★★★(★)

 

 

 

ところで主題歌はアニメでも使われていたTM NETWORKの「Get Wild」で、新録「Get Wild Continual」になるのだが、声の深みが消えててボーカル変わったのかと思った。

 

 

 

 

 

 

(一応メッセージボートは活用していますが、アメブロはピンどめが出来ないので、モバイル端末からどう見えてるのかわからず、こちら、たまに上げることにしてます)
 
2020年7月の下旬から10月までの3ヶ月で100本を超える作品を配信で観ていました。単純計算で1日3〜4本。(今はさすがにそんなに観ません。)
こんなに観てると内容を忘れてしまうだろうと、当初覚え書き程度に都度都度X(旧Twitter)に書いてたのですが、ポスト(ツイート)は他のことも書くので流れてしまってメモにもならない、そんなわけで2020年10月17日スタートで、ブログにすることにしました。
ただ、観ていた本数が多いのと、観出したきっかけが三浦春馬の急逝だったので、一応流れを考えて調整し、2020年8月26日が初投稿になってます。
 
以降、これまで観てポスト(ツイート)してきたものを、観た順番ではないですが、毎日1本ずつ加筆してアップしてます。また、新たに観た作品はブログのみに書くことにしました。
本当は記憶を手繰るためにもネタバレまで書きたいのですが、そこはまあ人目に触れることへの配慮で、今のところ、たまにやってる程度です。
 
 
2023年11月より、更新頻度を下げました。以降不定期更新になってます。
 
2024年2月より毎週月曜日と金曜日に更新になってます。
 
 
 

ー★評価基準ー
 
★★★★★ 面白かった。オススメ。
★★★★ 良かった。
★★★ ふつう。可もなく不可もなく。
★★ イマイチ。好みに分かれる。
★ つまらない。
(★)は0.5
 
 
なお、内容の解釈はあくまでも私が感じたものであって、作品が伝えたい事と合致してる可能性は低く、つまらないと思ったものも、1年後に再視聴したら面白いかも、その程度の感想になります。あと、小生意気なうんちくみたいなものをたまに垂れてますが、素人なので言えることとご理解ください。
 
 
【補足】
 
●たまに、音楽や書籍、舞台の感想、役者さんについて書いたものもあります。それらでは★評価はつけていません。
 
●各補足についてはWikipediaを参照してます。
 
●新たに補足するもの(キャストスタッフ名、リンク先など)が出た場合、遡り更新しています。
 
●監督、脚本家、その他スタッフの手がけた作品名は私自身が観たことがあるもの、または有名作新作だけ載せています。
 
●タイトルは基本作品名になってます。
 
●敬称は略しています。
 
●予告編などの動画はなるべく公式のものを貼っていますが、リンク切れがあった場合はごめんなさい。
 

 
 
(コメント欄、いいね、ペタなど交流ツールは閉じています。すみません。)
 
 
好きな俳優→三浦春馬、金子大地、吉沢亮(2020年12月時点)
現在(2023年11月~)はもっと幅広く好きな俳優は増えましたが、必ず観ているのは吉沢亮出演作品のみです。
 
基本的に演技にクセや節がなく、作品の中に溶け込める役者さんが好きです。
 
 

『ブルーベルベット』(1986/日本公開1987)

原題は『BlueVelvet』

 

監督・脚本 デヴィッド・リンチ

 

金物店を経営する父親が倒れ入院し、大学生のジェフリー・ボーモント(カイル・マクラクラン)は実家のあるランバートンに戻ってくる。その父親を見舞った帰り道で切り取られた人間の耳を発見し、ジェフリーは警察署に行き刑事ジョン・ウィリアムズ(ジョージ・ディッカーソン)にその耳を届ける。

その後どうなったのか気になったジェフリーはジョンの自宅まで出向き捜査について聞くが教えてくれるわけもなく。しかしその帰り、話を盗み聞いていたジョンの娘のサンディ(ローラ・ダーン)から犯人に関わる情報を得る。好奇心でいっぱいのジェフリーはサンディに協力してもらい、関係者と思われるクラブ歌手のドロシー・ヴァレンズ(イザベラ・ロッセリーニ)のアパートへ侵入するまでに至る。しかしそこへドロシーが男フランク・ブース(デニス・ホッパー)と帰宅。あわててクローゼットに隠れたものの、その扉の隙間から異常なほどベルベット生地に執着するフランクとドロシーのアブノーマルな秘め事を目撃する。フランクが帰った後ジェフリーに気づいたドロシー、ドロシーはフランクによって調教開発されていた。

以降、まるでドロシーに取り憑かれたようにジェフリーはドロシーの世界へ没入しつつ、フランクの組織に危険な目にあわされながら、夫と子供を取られてるドロシーの事情、切り取られた耳の秘密を知ることとなる。また、恋人のいるサンディとの新たな恋も芽生える…。




 

事件はちゃんと解決するし、サンディとの間には恋愛感情も生まれるのだが、おそらくジェフリーはドロシーを知ってしまったからその後の人生に影響するだろうな。多分、サンディでは物足りなくなる。だからといってフランクにはならないだろうけど。そんな未来も見える作品だった。

 

時代的に当時は衝撃作だったかもしれないが、今だとそうでもない。驚きもない。ただ、オープニングの色鮮やかな画や田舎街らしいのどかな雰囲気との、一般的に異常とされる性癖があらわになるシーン及びそれに関わるフランクやドロシーを始めとした者たちのダークな色合いの特殊な世界観との対比は面白かった。太陽が降り注ぐ昼日中とせいぜい外灯の闇の深い夜が人間の二面性を表しているのかもしれない。また、金物店で働く店員が二人組なこと(片方が障害を持っているので)、ジェフリーの母親と叔母の佇まいが普遍的な日常をうたっており、それも秘める嗜みとの対比となってるように思う。

 

ところで、フランクが行為に及ぶ時必ずマスクを着けて何かを吸うのだけど、過呼吸の対処法とは違うしドラッグの一種なのかなんなのかわからなかった。でも、次第に興奮していくのでそういう作用のあるモノなんだろう。

 

★★★(★)

 


『バービー』(2023)

原作はマテル社

 

監督 グレタ・ガーウィグ

脚本 グレタ・ガーウィグ、ノア・バームバック

 

女の子たちの人形遊びがバービー人形に変わってから、女の子たちは多種多様なバービー人形に憧れるようになり、誰もがバービーのような人生を送れるのではと夢見るようになった。

そのバービーたちが暮らす「バービーワールド」は、毎日がカラフルで毎日がパーティー、ボーイフレンドのケンとの仲も適度な距離感、女性蔑視も苦労もないお互いを認め合い秩序が保たれてる(バービーたち的には)幸せな世界。ところがある日、主人公となる基本型バービー(マーゴット・ロビー)がつま先立ちが出来なくなってしまう。そればかりか今まで出来ていたことが出来なくなり、完璧な日常生活に亀裂が入る。現実社会(人間界)で大変な経験をした物知りのヘンテコバービー(ケイト・マッキノ)に相談すると、現実社会で問題が起きてるのではと言われ、バービーは人間界へ向かう。バービーにご執心の同じく基本型ケン(ライアン・ゴズリング)もついて行く。

いざ、人間界に着いてみると、その世界はバービーワールドとは真逆で、問題のバービーの持ち主の少女サーシャ(アリアナ・グリーンブラット)は人形遊びからは卒業していた上、女性の社会進出に思いをめぐらせるような思春期真っ只中だった。母親のグロリア(アメリカ・フェレーラ)はマテル社のデザイナーで、ストレスとプレッシャーでバービーのデザインに支障をきたしていた。実はバービーの異変の元凶はグロリアだったのだ。

原因がわかったバービーはグロリアとサーシャの手助けをするものの、現実社会の問題点は根深かった。一方、ケンはその現実社会に感化され、バービーワールドでは男は虐げられた存在だったと知り、一足先に戻って立て直しを図る。しかして、バービーが戻った時にはバービーワールドは男尊の世界「ケンダム」に変わり果てていた。そんな中、他バージョンを持たない個体アラン(マイケル・セラ)だけはケンの洗脳に毒されず、バービー、一緒に訪れたグロリアとサーシャ、そしてヘンテコバービーとで元のバービーワールドにすべく奮闘する…。

 

グロリアを始めマテル社を通して、またバービー人形生みの親であるルース・ハンドラー(リー・パールマン)の亡霊との出会いから、バービーは自我に目覚め、自分の存在意義を知りたくなる。自分が唯一無二の存在であること、バービーである前に、一個体、私は私であること、そして誰にもわからない未来への期待、それらをより実感し力量を試すためにも、人間への転身を決意する。バービーはバーバラ・ハンドラーになる。

 

ラストが婦人科受診なのだが、人形時代は形こそ女性のくくりではあったけど、女でもなかったという事実がなかなか辛辣。

オープニングの子供が古い人形を壊していくシーンもなかなか強烈。

どちらも女性性の認識、需要と変化、進化だと思う。

 

作品の中には「理想的な女性像=女性が社会で生きにくさを感じる心無い言動の数々=自家中毒」の台詞が多くあるわけで、今流行りのジェンダー問題を扱ってる。共感する人も多いのではないだろうか。

でも、私は…。

社会における女性の地位の低さ、男性上位説を上げてるが、現代アメリカでもそうなのかと驚いた。同時に、なぜそんなに躍起になって女性性を掲げるのか、わりと自由に生きてこれたと思ってる私にはわからない。もともと性差による役割はあると思っているので、冷遇だ差別だと騒ぐフェミニストの気持ちがわからない。

性差の上に平等があり、自由は制約の中にある。この作品もややもすると度が過ぎる一歩手前ではないだろうか。


単純に、アメリカンジョークで沸くコメディとして見れば面白い。

 

★★★(★)

 

 

 

 

『クー!キン・ザ・ザ』(2013/日本公開2021)

ジョージア、ロシア合作映画。原題『Ku! Kin-dza-dza』

1986年の『不思議惑星キン・ザ・ザ』を同監督ゲオルギー・ダネリアによってアニメ化した作品。

 

監督 ゲオルギー・ダネリアタチアナ・イリーナ

脚本 ゲオルギー・ダネリア

 

基本的な流れ、テーマなど、変わりはないけど、2時間ちょいの作品を1時間半にまとめるので、端折ってる部分もあるし、実写なら表情や間合いから読み取るところ、アニメーションはそこに尺を割かずコンパクトにわかりやすく、よりコミカルに仕上がっている。


たまたま遭遇した二人の男が異星人と接したばかりに、キン・ザ・ザ星雲の惑星プリュクにワープしてしまう。そこで知り合った異星人と駆け引きをしながら地球への生還を目指す。

コメディSF。

 

違いは、主人公であるウラジミール(声:ニコライ・グベンコ)が、建築技師ではなく離婚寸前のチェロ奏者であり、トリク(声:イヴァン・ツェフミストレンコ)はバイオリン運びの音大生ではなくDJ志望で実はウラジミールの甥。モスクワの街に出てる理由も、ウラジミールはお使いではなく離婚危機で傷心にあり渋滞にはまって車を降り歩き出したところ、トリクはバイオリン積み忘れではなくただ歩いているところだった。ワープ装置が機能しなくて困ってる異星人(プリュク星のチャトル人)は見た目もしっかり異生物。飛ばされたプリュクにいるチャトル人、パッツ人も同じく異生物な外見。トリクの荷物の中にあったぶどう酢はシャンプーに変えられていた(そのシャンプーは飲まれ好んで調理に使われる。ぶどう酢は得手不得手に分かれてた)。それとチャトル人のウエフ(声:アンドレイ・レオノフ)とパッツ人のビー(声:アレクセイ・コルガン)の他にロボットのアブドラクスがいた。身分階級も、統治者は実写ではPJ様だけどアニメではペジェと呼ばれてる(これは読み違いかも?)。あとズボンの色による差別化は赤>黄>緑と三段階だった。また、人気を得る「♪マ〜マ、マ〜マ、どうしよう♪」と歌う歌も、ウラジミールの携帯の着メロとして最初に認識できる。

 

アニメーションでも人種の差、身分の差を超えた信頼を軸にした情のある作品になってた。

 

実写の方が今だからこそか、レトロ色が強く演者の表情も豊かで面白かった。

 

★★★★

 

 

 

 

『不思議惑星キン・ザ・ザ』(1986/日本公開1991)

ソビエト連邦(グルジア)のディストピアSFコメディ映画。原題は『Кин-дза-дза!』=『kin-dza-dza!』

 

監督 ゲオルギー・ダネリヤ

脚本 ゲオルギー・ダネリヤラヴァズ・ガブリアゼ

 

妻に買い物を頼まれた技師のウラジミール(スタニスラ・リュブシン)は街に出たその先で、バイオリンを持つ学生ゲデバン(レバン・ガブリアゼ)に、モスクワのこの寒空に靴も履いてない自分は異星人だと言ってるホームレスの男がいると声をかけられる。男と話してみると星の番号がわからず空間移動装置が起動しない、自分の星へ帰りたいと逆に相談される。ウラジミールは信じず軽い気持ちでその装置を押す。次の瞬間、ウラジミールとゲデバンは見知らぬ土地…カラクム砂漠、のような場所にいた。

異星に来たとは信じてないウラジミールはとりあえずモスクワを目指し歩き出す。そこへ芸で身を立てる二人組の男ウエフ(エブゲーニー・レオノフ)ビー(ユーリー・ヤコブレフ)がぺぺラッツ(宇宙船)に乗って現れる。最初は言葉が通じなかったが、見てくれの割に思考を読める高知能異星人のようで、少しすると意思疎通が可能になる。

彼らによると、ここはチャトル人とパッツ人が生息するキン・ザ・ザ星雲にある惑星プリュクだと言う。元々はチャトル人の惑星で、階級があり、トップはPJ様(偽政者)、次に頭にライトを乗せてるエツィロップ(権力者と警察官)で、その下でチャトル人>パッツ人というふうに差別化(特定の挨拶が規定されている)されている。人種識別器によると地球人であるウラジミールとゲデバンはパッツ人だった。

普段の会話はテレパシーを使うので、言語は少ない。全ては「クー」と、罵倒語「キュー」で足りる。他に「チャトル」が通貨、「ツァーク」は下層民(ここではパッツ人)を表す鼻につける鈴、「エツィフ」が囚人を入れる箱、「ルツ」が燃料、「グラビツァーバ」がぺぺラッツを高速移動させる加速器、その加速器に必需品となるのがもう一つの通貨マッチで「カツェ」と言う。このカツェがクセモノで、カツェの所持者は黄色ステテコでチャトル人と同じ地位につけ、カツェの大口所持者は赤ステテコで一般チャトル人、エツィロップより上級身分となる。

喫煙者のウラジミールがマッチを持っていることを知った二人組はなるべく多くマッチを取ろうと画策する。グラビツァーバがあれば地球に帰れるとふんだウラジミールらは二人組と取引きを始める。しかし裏切られ…騙され…また裏切られ…それでも二人組との出会いを大切にしながら、地球への生還を目指す…。

 

物語の中で、プリュクの攻撃を受けて無人化したパッツ人の故郷ハヌード星も出る。ここではパッツ人とチャトル人との意識差が見える。そして地球へ帰ることを前向きに頑張っていたウラジミールが、この星と地球との間に、何人をもサボテンに変えてしまうアルファ星があること、そこだけは通れないとウエフらに言われ絶望するシーンも描かれる。いざアルファ星に行ってみれば、植物に変化させることに宗教的概念を感じる。

 

コメディの傾向から時代性も感じられるがしかしそれにしても、ロシアがソビエト連邦だった頃にこの作品、クリエイションは自由なのか!? というくらい面白かった。

階級制度が国政を諷喩しているとも取れるが、SFにはお馴染みの設定だ。

 

ラストの一コマも気が利いてる。

ただ、1章と2章立てになってて、未来に戻ったふうの1章の終わりが、過去へ戻ったラストと合わないのだが…? 別の時間軸かな。パラレルワールドかな?

 

どこの国の人であろうと人情はあるのだと希望が持てる作品だった(そこに宗教が関わると無理かも)。

 

★★★★(★)