これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

2020年7月の下旬から10月までの3ヶ月で100本を超える作品を配信で観ていました。単純計算で1日3~4本。(今はさすがにそんなに観ません。)
こんなに観てると内容を忘れてしまうだろうと、当初覚え書き程度に都度都度Twitterに書いてたのですが、ツイートは他のことも書くので流れてしまってメモにもならない、そんなわけで10月17日スタートで、ブログにすることにしました。
ただ、観ていた本数が多いのと、観出したきっかけが三浦春馬の急逝だったので、一応流れを考えて調整し、8月26日が初投稿になってます。

以降、これまで観てツイートしてきたものを、観た順番ではないですが、毎日1本ずつ加筆してアップしてます。また、新たに観た作品はブログのみに書くことにしました。
本当は記憶を手繰るためにもネタバレまで書きたいのですが、そこはまあ人目に触れることへの配慮で、今のところ、たまにやってる程度です(タイトルに明記してます)。

※2023年11月より不定期更新になってます※
     ↓
※2024年2月より毎週月曜と金曜に更新に変更※
     ↓
※2025年1月より毎週月曜、水曜、金曜に更新に変更※

ー★評価基準ー

★★★★★ 面白かった。オススメ。
★★★★ 良かった。
★★★ ふつう。可もなく不可もなく。
★★ イマイチ。好みに分かれる。
★ つまらない。
(★)は0.5


なお、内容の解釈はあくまでも私が感じたものであって、作品が伝えたい事と合致してる可能性は低く、つまらないと思ったものも、1年後に再視聴したら面白いかも、その程度の感想になります。あと、小生意気なうんちくみたいなものをたまに垂れてますが、素人なので言えることとご理解ください。


【補足】

●たまに、音楽や書籍、舞台の感想、役者さんについて書いたものもあります。それらでは★評価はつけていません。

●各補足についてはWikipediaを参照してます。

●新たに補足するもの(キャストスタッフ名、リンク先など)が出た場合、遡り更新しています。

●監督、脚本家、その他スタッフの手がけた作品名は私自身が観たことがあるもの、または有名作新作だけ載せています。

●タイトルは基本作品名になってます。

●敬称は略しています。

●予告編などの動画はなるべく公式のものを貼っていますが、リンク切れあった場合はごめんなさい。(※大河ドラマ『青天を衝け』に関する投稿のリンクは公式サイト削除でほとんど切れていますが、記録のためそのままにしています。)



(コメント欄、いいね、ペタなど交流ツールは閉じています。すみません。)



基本的に演技にクセや節がなく、作品の中に溶け込める役者さんが好きです。

『逃げきれた夢』(2023)

監督・脚本 二ノ宮隆太郎

 

光石研、吉本実憂、工藤遥、坂井真紀、松重豊、杏花、岡本麗、光石禎弘(みついしよしひろ)、他。

 

人間の哀愁を感じる。すごく良い素晴らしい作品だった。どう素晴らしいのか、語彙力の問題で言語化は出来ないんだけど、まあ、

 

以下、あらすじと解釈、感想をごちゃ混ぜで。

 

定時制高校で教頭を務めるもう1年で定年となる国語教師だった末永周平(光石研)。真面目で生徒との距離も近いが、家庭では妻彰子(坂井真紀)とは夫婦としては終わっているし、娘由真(工藤遥)にも煙たがれる存在。父親(光石禎弘)は認知もあり老人ホームへ預けられている。何もわかってないであろう父親には、心の内を独り言のようにだが話せる。

ある日、日課となってる出勤前に寄る食堂で、末永はお会計をせずに店を出る。店員であり元教え子の平賀南(吉本実憂)が追いかけ請求すると、謝りつつ忘れてしまう病気であることをサラッと話す。そう言いながら末永は、一度は財布から出したお金を、そのままポケットに入れて去ってしまう。

病気は本当で、先々が不安な末永は、頭がまだ働けている今だからこそと、親友の石田(松重豊)と久しぶりに馴染みの店へ行ったり、また病気を家族に話さず、代わりにこれまであまりやってこなかった家族との会話、団欒を進んでするようになる。彰子も由真もきみ悪がりつつも、何かを感じ取っている。数年後にはわからないことがどれだけ多くなるかわからない恐怖と不安に、末永は包まれている。

お会計をせずに帰った時の代金を平賀が立て替えたことから、お礼をすることになり、末永は平賀と馴染んだ地元を歩く。お礼はたった一杯のコーヒーになったが、平賀とはこのうえなく深くて本音が見え隠れする話を交わす。平賀も将来の不安を抱えており、互いに何かに誰かにすがりたい気持ちがあったのだろう。けれど、話に具体的に力となる終結は見られなかった。

 

ラスト、末永は、平賀と別れる時、後悔しないようやってくしかないねと言ったそばから、してもいいかと言い直す。これがもう人間であり人生の全てだと思った。そして平賀はこれまで「先生」だった末永が、自分とさして変わらない人間であると思っただろう。どんなにか小さく見えただろう。教師と生徒だった時、「そのままでいい」という一言で救われ勇気をもらったが、今は同じ地面に立っていることを感じたと思う。それは平賀が成長したということでもあるし、末永が対等に見ているということなのだろう。これでも末永は平賀をまた大人にしたのだ。


末永はといえば、それまでの家族への対応が今結果をもたらしてる。泣きつきたい、慰めが欲しい、現実を見たくない、そんな気持ちに向き合ってくれる人がいない。その対象は生徒だったり友人だったり知人、父親にも向くけど、誰も自分が望むよう応えてくれない。それが自分が作り歩んできた生き方なのだ。それがつらい。

 

昔から付き合いのある友達との会話、家族との会話、教え子との会話ときて、人との付き合いにおいて何が正解で何が間違っているのか考えさせらてしまった。それら考えが自己満でしかなく、言葉にする必要のないことでもあるのがわかってるだけに、余計心が揺さぶられる。特に教え子平賀との会話は涙が込み上げてくる。筆舌に尽くしがたい作品、素晴らしい作品だった。

 

そして役者の凄みたるや。台詞の内容はもちろん、間合い、トーン、そして表情でそれぞれの感情が伝わってくる。なんて素晴らしい役者たちなんだろう。また心の機微も逃さない映像、とにかく素晴らしくて素晴らしくて。普通に考えて、役者はもちろん、監督もカメラマンもかなり苦労したんじゃないかと想像。こんなの簡単に出来るわけない。


あと、方言がいい。ひとつの地域で生まれ育ち暮らす、人間の営みの小ささがより素晴らしく響いた。舞台は北九州のようだ。

 

さて、逃げきれた夢は何のことだろう。夢は他人か、人との関係か、人生か、自分自身か。何だろう。

 

★★★★★

 

 

 

配給 キノフィルムズ

 

 

 

 

 

 

『This is I』(2026)Netflix

タレントはるな愛の自伝と医師和田耕治についての書籍をもとにしたもの。企画は鈴木おさむによる。

 

監督 松本優作

脚本 山浦雅大

 

望月春希、木村多江、千原せいじ、中村中、吉村界人、斎藤工、MEGUMI、藤原紀香、山村紅葉、中村獅童、星田英利、末成映薫(すえなりゆみ)、山下容莉枝、山崎聖、畑駿平、真田怜臣(さなだれお)、ゆしん、枕芸者しと、原金太郎、中里虎鉄、梛野すず、椎名理火、他。

 

子供の頃から女の子っぽく、歌が得意で小学生まではアイドルのモノマネで人気者。ところが中学生になるとナヨナヨしてるとからかわれ、オカマだといじめられ、それでも、かわいい女の子に憧れ、将来の夢はアイドル歌手の大西ケンジ(望月春希)。とはいえ、そんな日常に高校では不登校になり、ある日街できれいなお姉さんアキ(中村中)を見かけ後をつけていくと、「冗談酒場」というニューハーフのショーパブだった。そこで覗き見たステージが、レッスン中にもかかわらずあまりにキラキラしていて、自分もその中に入りたくなる。幸いパブのお姉さんたちに気に入られ、高校を中退して「冗談酒場」でパフォーマンスするようになる。名前(源氏名)は「アイ」。アイはそこで美容外科医の和田耕治(斎藤工)と出会う。ちょうど和田は病気を治すという行為と患者の願望の隔たりに思い悩んでいる最中だった。これは二人にとって運命的な出会いとなる。

そしてアイは、「冗談酒場」でメンズアイドルパフォーマーとして出演していたタクヤ(吉村界人)と恋に落ち、交際し同棲までいく。幸せいっぱいにみえたアイだったが、ホルモン剤に頼っても、心は自分の体についていくことができず、タクヤに対して自分が本当の女ではないことに引け目を感じていた。そしてついに和田を頼り性転換手術をする。これで済んだかと思いきや、まだもタクヤの愛を素直に受け止められない。けれどタクヤはもっと大きな愛で愛を包み込む。家族に紹介し一緒になろうというのだ。ところが、お互いの気持ちは了承済みのはずだったが、子供が産めないことを理由に、タクヤの母親(山下容莉枝)から別れを懇願される。アイは理由を語らず自らタクヤの元を去り、長年の夢のアイドル歌手になるために東京へ出る。

上京したとてオカマでしかない愛がアイドルとして迎え入れられるわけもなく、スナックをやりながら道を探りつ悶々としていた。一方、和田医師は麻酔で患者を亡くし、刑事(中村獅童)から目をつけられ、執拗に調書を取られ、性転換手術を希望する患者の対応も増える中、世間のバッシングも加熱し、疲弊していく。そんな状態で、最初で最後、初めて東京のアイの店を訪ねる。その後、和田は帰らぬ人となってしまう。

キラキラしてる愛を見初め、力を受け、初めて性転換手術を行って、アイには常に輝いていて欲しいと願った和田の前で、東京まで会いに来てくれた和田の前で、愛は微塵も輝けていなかった。そうして一念発起、常連客(星田英利)にモノマネをすすめられたことを思い出し、店でショーのように披露してみる。するとそれが評判となり、テレビ局などからオファーが入る。アイはあちこちの番組にひっぱりだことなり、あれよあれよと人気者になる。そしてアイは、和田医師のために、世界で一番輝いてる自分を天国から見てもらおうと、タイで開催のニューハーフの世界大会に出場、優勝を勝ち取る…。

 

まあ、とにかく微々再々に渡り様々な思いが散りばめられていて、またそれを主人公の望月春希が上手に表現する。

構成はテンポ良く、合間にミュージカルのように当時流行ったアイドル歌謡を入れ、楽しめた。

家族がケンジをどう思っているか、その年代によって多少変化が出るとことか、最終的には母親の愛がどんなにか大きいことかをしらしめ、それが温かく、感動した。素晴らしかった。

 

「麻酔から醒めなくてもいい、あたしは女になりたいんや、死んでも女になりたいんや」

「女はええなあ、なんもせんでも男に愛される体持ってて」

はグッときた。

 

ラスト、和田医師の墓が海の見える丘の上にポツンとあるのだが、それがいただけなかった。それだけ。普通に墓所でいいんじゃないか、その後に続く歌とダンスは場所が移っても違和感なく出来るはずだけに、駄足感が拭えず演出もったいなかった。それさえなければ文句無しの★×5だった。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

父親に千原せいじ、祖母に末成映薫、弟に畑駿平(主に)。

そういえば、番組プロデューサー役で藤原紀香が出ていたのだけど、大きかった。迫力あった。そんな感じだったかなぁ。。。

 




 

 

このお話は実話にもとづいているということで、『リリーのすべて』を思い出して切なくなった。いつの時代にもこうして苦しむ人がいるのかと。

そう、時代と一口に言っても許容範囲の大小はあるけど、他人の性自認に対してあまりに無頓着で、和田に対する刑事の物言いが一番酷かった。理解できないのもわかるけどね。

例えば一時話題になったガールズグループの子の乳房摘出は、ふだんフラットな見方をしてるつもりの私でも、はやまったんじゃないかと心配した。でも、その子がケンジのように幼い頃からずっと違和感を持ち、自分の体を許せないと思ってきたのだったら、それは他人があーだこーだ言うことでもないわけだ。

 

 

『ファーストキス 1ST KISS』(2025)

 

監督 塚原あゆ子

脚本 坂元裕二(『花束みたいな恋をした』『怪物』、『初恋の悪魔』『Mother』『anone』『大豆田とわ子と三人の元夫』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』他)

音楽 岩崎太整(『モテキ』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』『恋の渦』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』『竜とそばかすの姫』他)

エンディングテーマ曲 優河「next to you」

 

松たか子、松村北斗、吉岡里帆、リリー・フランキー、森七菜、YOU、竹原ピストル、鈴木慶一、猪征大(いのゆきひろ)、和田雅成、佐伯大地、長内映里香、松田大輔、山田詩子、山田暖絆(やまだあつき)、他。

 

最愛の人(夫)だったのに、日々の生活で気持ちが離れていく。それは相手も同じで、疲弊した関係に離婚という形で終止符を打つはずが、夫の死で終わりとなった。とうに離れたと思っていた心が癒えないのはなぜなのか、がファンタジー仕立てで描かれてる。

 

2024年7月10日、線路に落ちた赤ん坊を救うため命を落としたサラリーマンの硯駈=すずりかける(松村北斗)と舞台美術の仕事をするカンナ(松たか子)は夫婦。しばらく不仲が続いており、その日離婚届に署名をしたばかり。一人残されたカンナはショックではあったが、仕事も忙しく日々が過ぎていった2024年の冬のある日、首都高のトンネル崩落事故に遭遇。しかし、走り抜けた先は今から15年前の2009年8月1日だった。

そこは当時生物学の大学教授天馬市郎(リリー・フランキー)の助手をやっていた駈と、カンナが初めて会った仕事の現場で、29歳の駈は29歳当時の高畑(たかばたけ)カンナと出会う前に、45歳のカンナと出会うことになる。カンナは駈が知らないことをいいことに最初は嫌味のひとつふたつ投げていたが、駈が好きだったその当時に気持ちが持っていかれ、一緒にいること、はずむ会話が楽しくなってくる。そして現代に戻るとわずかな変化に気づく。もしかしたら駆が事故死しない未来に変えられるかもしれないと、ひとつひとつ可能性を試すためタイムスリップを繰り返す。

ただ、そのタイムスリップは崩落現場の改修工事終了までという期限付きで、なかなか事故死が避けられない。そしてついに駈に、15年後に事故死という未来と、カンナのタイムスリップを勘づかれてしまう。生きていて欲しいカンナは正直に顛末を話す。そして策はもう自分たちの結婚を避けることだと。でも駈の出した答えは、それでもカンナと一緒の未来だった…。

 

大好きな人だったからこそ不幸な未来を止めたい、愛する人だったからこそ死んでほしくない、幸せだったからこそと願う形がタイムスリップに現れたのかなぁ(きっかけが、人気で3年も待った冷凍餃子の調理を失敗して、焼く前に戻りたいとチラリ願ったこと…ってのがファンタジー。そして新しい未来ではその冷凍餃子は駈が注文したことになってて、焼き損ねる要素もないという締まりの良さよ✨)。

結局駈の事故死は防げなかったけど、二人の15年間の末の未来は変わった。駈は45歳のカンナの話を聞いていたから向き合い方に変化が現れたのはわかるけど、だとすると、駈が原因で離婚へ発展したことになる。カンナは悪くなかったのか? タイムスリップで駈に想いをうったえたからチャラということか?

あと、離婚届を出す前に亡くなったのがミソで、社会的にはまだ夫婦でまるっきりの他人にはなっていない。そして代わりにまずカンナが出さなければならなかったのは死亡届だ。これは情が再燃しても納得がいく。そして駈はいつ離婚届を出すつもりで帰路についたのか。時間外窓口かな…? ここ、肝だと思う。駈の本心は離婚に迷いがあったとすれば、夫婦の新しい未来もなるほどだ。


これ、カンナの目線で描いているようで、後半、駈の目線に変わってる?


2009年への入口にチェキで写真を撮る子供二人(山田詩子、山田暖絆)が使われている。出番ラストを見ると、カンナのタイムスリップを承知しているかのようで……。

……並行時間軸とか苦手分野なので構造的に理解が出来ない( ;  ; )。


ともあれ、近しい人の死を悼む気持ちには、やはり何らかの執着が働いてるのかな。受け入れし難い誰かの死の受け止め方に役立ちそうなお話だった。

 

松村北斗、どんどんうまくなる。松たか子と並んでも引けを取らない。松たか子の間合いにきれいにはめてくる。聞いていて心地よい言葉の応酬だった。

坂元裕二の台詞は一つの台詞に二つくらいの裏があるように思え、それを読むのが楽しい。また松たか子が坂元裕二の紡ぐ台詞にそうした深みを持たせるのだ。

 

★★★★

 

 

 

 

制作プロダクション TOHOスタジオ、AOI Pro.

配給 東宝

 

 

 

 

 

『劇場版 トリリオンゲーム』(2025)

原作は、作画:池上遼一/原作:稲垣理一郎の漫画。

 

監督 村尾嘉昭

脚本 羽原大介

音楽 木村秀彬(きむらひであきら)

主題歌 Snow Man「SBY」

 

目黒蓮、佐野勇斗、今田美桜、福本莉子、吉川晃司、鈴木浩介、竹財輝之助、シシド・カフカ、原嘉孝、津田健次郎、あかせあかり、田辺誠一、石橋凌、國村隼、他。

 

2023年夏期放送のテレビドラマのその後が映画化。

ドラマでは、天性の人たらしとわがまま道をいくハッタリ男天王寺陽ハル(目黒蓮)と、ハルに見込まれた気弱だが優しく凄腕のエンジニアである平学ガク(佐野勇斗)が、世界最大企業の時価総額1兆ドルを手にするというハルの野望にコンビを組み、ゼロからあらゆる分野、事業に挑戦し、巨大IT企業ドラゴンバンクを相手に成功(トリリオンゲーム社)をおさめるまでが描かれた。その中で、ハルとドラゴンバンク令嬢でやり手の黒龍キリコ桐姫(今田美桜)との対立と親愛がチラチラする微妙な関係、ガクと初期社員の高橋凜々リンリン(福本莉子)のこれまたじれったく可愛らしい関係(恋愛)、引き抜きなどを通し知り合い社員となった蛇島透(鈴木浩介)桜心護=さくらしんご(原嘉孝)功刀数良=くぬぎかずよし(津田健次郎)らとの信頼関係の築きの他、数社の社長を兼任する敏腕投資家祁答院一輝=けどういんかずき(吉川晃司)とその秘書であり小生意気な女子高生水樹風華(あかせあかり)の出会い〜欠かせぬ存在となるまでも描かれた。

 

トリリオンゲーム社は大企業へと発展したが、さらに1兆ドルを目指し、ハルはカジノリゾート開発計画に乗り出す。もちろん相棒はガク。そしてリンリン。場所は岡山県に属する小さな島、桃木島にIR施設を建てようというわけだ。しかし同じことを考えている日本屈指の財閥宇喜多グループの宇喜多隼人(田辺誠一)がライバルとなる。しかもバックには黒龍キリコがついていた。さらに協力者として世界のカジノ王である「ウルフ」社のウルフ・リー(石橋凌)が現れる。実は5年前、ハルはウルフ・リーと会い勝負に負けていた。その時の悔しさをモチベーションに再び勝負をかけることになる。ウルフ・リーの側近かつ腕の良いディーラーラモーナ・タキガワ(シシド・カフカ)も交えて…。


敵か味方か、黒幕は誰か、裏切りと闇社会、金の魔力を爽快に描くエンターテイメントムービーに仕上がっていた。多少の無理はあっても、エンタメに徹した作品なので、ワクワク感やドキドキ感が一番重要。面白いか面白くないか。そんなわけで面白かった。

キリコのボディーガード長瀬忠則(竹財輝之助)、ウルフ社社長黒龍一真(國村隼)もチョイ出。

 

アクションシーンが見応えある。

ラモーナの存在が美しい。

石橋凌、さすがに上手い。

ガクとリンリンの関係が愛おしい。

 

★★★(★)

 

 

 

 

制作プロダクション TBSスパークル

配給 東宝

 

 

 

 

 


 

 

 

IR問題に申すなら、自然豊かでのんびりした島で、裕福ではないかもしれないが生活はどうにかできる、将来的には人口が減り、限界集落化するかもしれない。遊興施設が出来るのは(いくら島の反対側へ建てるにしても)島民の暮らしに何らかの影響は与える。それが最初は良い影響かもしれないし、将来的にもプラスかもしれない。でも一方で絶対変わる治安がある。だってすでに作中でマネーロンダリングに使われていたわけだから。外資も入って。

お話では島民はおそらく現在、未来を考慮した上で納得してカジノを迎えた。だからいいんだけど、こうして便利な何かを得るために払う代償が豊かな何かを失うこと、しかしそうして人の生き方も時代も変わっていくものなのだ、と思うと微妙な気持ちになった。

 

 

『アンダーニンジャ UNDER NINJA』(2025)

原作は花沢健吾の漫画。

 

監督・脚本 福田雄一(『斉木楠雄のΨ難』『明烏』『ヲタクに恋は難しい』『HK 変態仮面』『ブラックナイトパレード』『銀魂』シリーズ、他)

音楽 瀬川英史(『HK 変態仮面』『斉木楠雄のΨ難』『Gメン』『ヲタクに恋は難しい』『銀魂』シリーズ、他)

主題歌 Creepy Nuts「doppelgänger」

 

山﨑賢人、浜辺美波、間宮祥太朗、白石麻衣、宮世琉弥、岡山天音、山本千尋、坂口涼太郎、平田満、ムロツヨシ、佐藤二朗、木南晴夏、長谷川忍、前原滉、柾木玲弥、野内まる、森日菜美、山時聡真(さんときそうま)、映美くらら、佐藤正和、野添義弘、小倉史也、村岡希美、津田健次郎、他。

 

戦後GHQによって消滅したと思われていたが、日本にはまだ20万人もの忍者が現存しており、国家の指揮下にあらず独自の活動をしている忍者組織NIN(National Intelligence of NINJA)、とそれに敵対する忍者組織UN(Under Ninja)が存在している。

忍者組織といってもランクがあり、下忍にはおいしい仕事はまわってこない。安アパートで暇を持て余してる雲隠九郎(山﨑賢人)がソレだ。しかし、この度、旧陸軍学校跡地に建った講談高校への潜入任務が下る。実は抜け忍した者が揃い強敵となったUNが講談高校内部で何やら暗躍している情報を掴み、目的及び実体調査、撲滅する仕事だ。

転校早々に野口彩花(浜辺美波)とその幼馴染み瑛太(坂口涼太郎)と親しくなったり、謎の職員順風耳(平田満)、いじめっ子の東(山時聡真)野辺地(柾木玲弥)らと一悶着あったりしつつ、同じNINの蜂谷紫音(宮世琉弥)鈴木(白石麻衣)、中忍である加藤(間宮祥太朗)と共に、UNの猿田(岡山天音)山田美月(山本千尋)と戦う…。

 

福田組お得意の佐藤二朗(作家の吉田昭和ムロツヨシ(九郎の隣人大野によるアドリブで役者を笑わせるバトルがあって、これは内輪ウケにしかならないはずなのに、不覚にも笑ってしまった。さすがに笑いをこらえてる山﨑賢人、浜辺美波には可笑しさが込み上げる。結局、うまいな福田雄一…。

 

山﨑賢人演じる九郎には『斉木楠雄のΨ難』味を感じた。やはり山﨑賢人は少年漫画やらせたらピカイチだなぁと。浜辺美波も橋本環奈を超えるふざけたキャラでとても良かった。

 

アクションはかっこよくて見応えあるし、なんだかんだ面白かった。

 

★★★★

 

 

 

 

 

 

制作プロダクション クレデウス

配給 東宝

 

 

『CONTACT』八木勇征1st写真集(2023)

 

写真 田尾沙織宮脇進小田原リエ

 

 

 

 

前編「美しい場所」の旅行先(熊本と北海道)、後編「表現者としての八木勇征」、のふたつのテーマを設け、前編ではその美しい場所に溶け込む八木勇征を、後編では英国、中国、米国、日本をイメージして演じる八木勇征を撮影。両面表紙となっており、前編、後編が逆にもなって楽しめる作りになっている。とのこと。

 

 

等身は素晴らしい。特にパンタロンスーツのオールインワン姿はスタイルが良くなきゃ撮れない(後編・中国イメージ)。ほぼモデル並みで、ランウェイ歩いて欲しいくらい。

その他、ファンにとってはありがたい写真集になってると思う。アップのものも目線合わせてるのが多いし、色気のあるものも多い。遊女みたいなの(後編・日本イメージ)とかカラコン入れた赤髪の(後編・米国イメージ)まるで漫画かアニメかから出てきたようなキャラクターとか、雪原に犬ぞり、ハスキーと触れ合う(前編)動物好きなのが伝わってくる写真とか。

そして後編ラストは自慢の筋肉美。

 

文字部分も読み応えがある。

まずはインタビューでこれまでの軌跡やこの写真集の裏話など。続いて中島颯太との仲良し対談。最後にファンタ(FANTASTICS from EXILE TRIBE)メンバーをどう捉えてるか、逆にメンバーからのコメントが紹介されている。これらを通して、八木勇征の人となりが浮き出てくるようになっている。後編終わりには自筆のファンメッセージにオフショット。

 

 

芸能人は作品で自己表現をするもので、実像はこうしたインタビューがないとわからないし、実はそれもフィルターがかかっているし、こちらも経験則に則って見てるわけなので、人物像なんぞ正確にはつかめない。それは身近な人間にだって言えるわけで(余談になるが、亡父はその親友らにも「ついにわからなかった」と言われた。娘の私にもまったくわからない実態がつかめない人だった。)。ならば、知らなくていいんじゃないかと思ってしまう。今、ここにある、これが自分、これで評価してして、って、それでいいんじゃないかと、こういう写真集を見ると特に思う。

 

小説家、漫画家、音楽家、芸術家など、作品で表現をする人たちは註釈、能書きを垂れるな、というのが持論で、「この作品はこうこうこうで…」などと説明し始めると、作品で勝負商売できなくてなぜやってるのかと思ってしまう。それが、最近、もしかして芸能人にも言えたりして!? 少なくとも大勢で作る映像作品には言えるなと思うようになった。

私たちは、実在はするけど偶像を見ているのだ。そこには自分の都合の良いようなフィルターがかかっている。本人に近いかもしれないしはるか遠いかもしれない。夢中になったり幻滅したり。でも、それでいいんじゃないか。と。

 

 

日本をイメージしたのは遊郭の遊女(花魁とあったけどそれは…(^^;)いっそ蜷川実花に撮ってもらったら良かったのに)で、インタビューで設定をもうけ気持ち入れてたと言ってたけど、そんなに出てない。表現が足りないのか写真家がとらえきれなかったのかわからないけど。

米国をイメージしたアメリカングラフティに20〜30年プラスした感じの原色ボーイも、英国イメージも、練りが足りないし表現として些末な気がした。コスプレイヤーの方が上手い。

中国イメージの動きで空間表現をしたのが一番良かった。

まあ、前編のテーマで通すのが写真集として正しかった気がする。。。

 

 

というか、あざとすぎて鼻につく…

 

 

あー、なんか申し訳ない。まったく響かないばかりか、これという一枚がなかった…ってくらいには、八木勇征に興味なくなって…るというかむしろ嫌いになってることを自覚してしまった。こんな状態で感想なんか書くべきではないのだけど…曲がりなりにも一度は『美しい彼』にハマり写真集まで買って、その世界観に夢中になったものだから、少し言わせてよって思ってしまったわけで…。えっと、何が気に入らなくなったのかというと、腐売りがムカついた。これは他の投稿でも書いたので詳細はやめるけど、あなた、ダンス&ボーカルグループのボーカリストが本職ですよね!? たいした技量もないくせに、たかがBLドラマで当たったからって安易に俳優気取らないで(怒)、ということです。ごめんなさい。これから多大な努力して頑張って大河ドラマ出演も果たして一流の仲間入りして私の目を節穴だったと思わせてください。

 

 

B5判 192ページ

 

発行 ワニブックス 2640円〜2970円(税込)※通常版と特別限定版がある

 

 

八木勇征の簡単な経歴

2017年、LDHの「ボーカルバトルオーディション5」に合格しダンス&ボーカルグループ「FANTASTICS」(ファンタスティックス)に加入。

2021年、ドラマ『美しい彼』でブレイク。以降、役者業にも積極的に参加。

 

 

『一週間フレンズ。』(2017)

原作は葉月抹茶の漫画。

 

監督 村上正典=むらかみしょうすけ(『電車男』『モエカレはオレンジ色』他)

脚本 泉澤陽子

脚本協力 吉田玲子(『ブルーピリオド』他)

音楽 やまだ豊(『キングダム』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズ、『いぬやしき』『BLEACH』『CUBE』『赤羽骨子のボディガード』『ゴールデンカムイ』シリーズ、他)

主題歌 スキマスイッチ「奏(かなで) for 一週間フレンズ。」

 

山﨑賢人、川口春奈、松尾太陽、高橋香織、上杉柊平、国生さゆり、甲本雅裕、伊藤沙莉、岡田圭右、岩瀬亮、戸次重幸、古畑星夏、他。

 

図書室でたまたま拾った図書カード。分厚く余白の多い本にこっそり作品を描こうと企んでいる漫画研究会所属の長谷祐樹(山﨑賢人)は、いい匂いがする〜と友人の桐生将吾(松尾太陽)相手にふざけ倒していたところ、その持ち主藤宮香織(川口春奈)が取りに現れる。悪印象を与えてしまったみたいだが、その後、借りた本を電車内に忘れそうになるところ、藤宮に助けられ、長谷はしっかり恋に落ちた。

2年になって新学期が始まると、なんと藤宮と同じクラスだった。藤宮は1年の3学期に転校してきたのだが、友達は一人もいなかった。思い切って長谷は藤宮に友達申請をする。ところが即答で「無理」と断られる。ことあるごとに近づこうとするが全部避けられる。見かねた担任の井上先生(戸次重幸)が藤宮の事情を話す。

藤宮には事故が原因ではあるけれど、なにかトラウマも影響してか、1週間で友達の記憶が消えてしまう記憶障害があるのだという。ならばと長谷は毎日友達申請をし、1週間交代で交換日記を始めようと提案する。藤宮も少し折れて、金曜日から月曜日の朝まで日記を預かることを提案。月曜日の朝、日記を再読すれば長谷が誰だかわからなくなることはないと踏んでだ。そして桐生や、長谷と昔から仲の良い山岸沙希(高橋香織)と四人で楽しく過ごすことが多くなる。

傷つかないよう友達を作ることに消極的だった藤宮の両親(国生さゆり甲本雅裕)も、二人を見て考えが変わっていく。

そんなある日、街中で同じ学校に通っていた友達近藤まゆ(古畑星夏)とすれ違うが、藤宮には記憶がない。そして2学期に藤宮と同じ学校だった九条一(上杉柊平)が転校してくる。なんと、藤宮は九条のことは覚えていた。まゆと九条の登場で記憶障害の原因が判明していく。と同時に、藤宮の中で九条の存在が大きくなり、3年になると長谷と藤宮はクラスも分かれて疎遠になっていく。

けれど、卒業時には二人を繋げた図書室が再び二人を引き寄せ…。

 

めちゃくちゃ少女漫画なんだけど、とても良かった。ご都合なところも多見したけど、可愛らしかったし、山﨑賢人が案外しっかり演技できてるのに驚いた。少女漫画原作なのに。少女漫画原作ものは過去に何本か見たけどどれもイマイチだったのに、これは良かった。川口春奈もいいし。

 

意地悪なクラスメイト役で森田望智、図書委員に伊藤沙莉がいて、上杉柊平もだいぶ少年だった。

 

★★★(★)

 

 

 

 

制作 FCC

配給 松竹

 

 



ところで、このように少女漫画原作の映画や、戦隊ヒーローものドラマが若手俳優の登竜門だったりするけど、今は深夜帯のBLドラマが登竜門化してる様子…と思ったんだけど、どうだろう?


 

『五億円のじんせい』(2019)

監督 文晟豪(むんそんほ)

脚本 蛭田直美

音楽 谷口尚久(『プリズム』他)

主題歌 ZAO「みらい」

 

望月歩、山田杏奈、兵頭功海、小林ひかり、西田尚美、平田満、坂口涼太郎、森岡龍、水澤紳吾、江本純子、松尾論、諏訪太朗、吉岡睦雄、芹那すみれ、他。

 

心臓に疾患があった高月望来(=たかつきみらい/望月歩)は幼い頃、善意の募金によってその命を救われ、17歳になった。その額五億円。母親(西田尚美)はその時の感謝を忘れぬよう望来を育て、毎年その後の望来の報告を欠かさない。けれど、テレビを始めとするメディアに小さい頃から撮られている望来には期待に応えなければならないのが苦痛となり、生きていることさえしんどくなる。ちょうど同級生の千春(小林ひかり)も自殺願望にとらわれていて、「生きる」意味を見出せず、望来はそんな千春に助言もできないばかりか、自分も自殺を考え始め、匿名SNSに書き込みをする。

すると「キヨ丸」というアカウントから挑発的なメッセージが届く。いくつかやりとりし、どうせならもらった五億円を返してから死ねと言われ、望来は俄然やる気が出る。ただ、一人の人間が生まれてから死ぬまでにかかるお金は二億百万円、そして一生で稼げるお金は二億三百万円という現実を知る。時給換算すると171年かかる。けれど、最終的には「死」を選ぶにしろ、望来は家を飛び出し夏休みをかけてお金を稼ぐことを決める。

でも普通に働いていたのではらちがあかない。宿無しでさまよううちにいろんな人、ホームレスのおじさん(平田満)との出会いを皮切りに、日雇いの肉体労働、風俗店や詐欺などの裏社会に関わる人など、いくつかのバイトを通し出会いと別れを経験。昔から知り得ているのに反目されていた近所の透くん(兵頭功海)との距離も縮まるなど、人との関係に変化が出てくる。そして一緒に病気と闘っていた今は亡き立花明日香(山田杏奈)との約束、その妹あきら(山田杏奈)との出会いがキーポイントとなり…。

 

「優しい人と優しくない人がいるんじゃなく、優しくしたくなる人とそうでない人がいるだけだ」と説いた闇社会の手配師丹波(森岡龍)の言葉は名言。だから、使えなくても努力して少しでも仕事出来るようになろうと頑張る望来を捨てずにおいた日雇い手配師(諏訪太朗)もいたし、一番最初に声をかけてくれたホームレスのおじさんも、望来の行動に見合う対応をした。つまり、五億円でもらった窮屈な17年だったけど、望来もまた人に小さな変化、優しい心を与えていたのだ。

感謝を込めてそのように育ててきた母親だったが、望来の家出によって心の内を知り、複雑だったろう。でも、望来は素直で優しい子に育っていた。

 

実際はどうだろう。単純に、数百万でも一億円でも五億円でも、自分の命があるのは善意の人たちの寄付のおかげとなると、当人はキツいだろうなぁと想像してしまった。思春期の反抗期も許されない気がするし、真っ直ぐ善良に優しく、前向きに育たなければならない気もするし、親も間違えさせてはいけないと教育に熱が入るんじゃないかなぁ。どうだろう?

 

★★★★(★)

 

 

 

制作 オフィス・シロウズ

配給 NEW CINEMA PROJECT(アミューズ、GYAO!)



 

 



 

ネタバレすると、ホームレスのおじさんにあげたロトくじが当たり、およそ1ヶ月のバイト代とスマホに忍ばせたお小遣いとで五億円を達成する。望来はそのお金をキヨ丸に託すとメッセージを送って、明日香と約束した場所へ行く。当初の予定通り自ら命を断つために。そこへキヨ丸だったあきらが現れる。あきらは明日香から望来との約束を託されていた。生きることが叶わなかった姉を思い、あきらは自殺を仄めかす望来に腹が立ち、どうせ五億円なんて無理だから五億円稼いでから死ねと言ったのだった。ところが五億円できちゃった。で、慌てたわけだ。そのあきらとの出会いが、千春の自殺願望の抑止へとつながる。


良い作品だった。

 

 

『初恋グラス』(2025)

 

監督・原案・編集 神村友征(かみむらともゆき)

脚本 ほし友美

制作 株式会社らんくう。

 

澤田大樹、古賀 成美、大崎捺希、稲岡志織、藤田万里奈、仲川蓮、汐咲玲亜、桜庭らん、宍戸利鮮、辻ニイナ

 

高校時代、インキャの壮太(澤田大樹)には好きな子がいた。同じクラスの伊月(古賀成美)で、芸能事務所からスカウトされるくらい華があり、明るく人気者。でも伊月の隣りには雄大(宍戸利鮮=ししどりきがいて、幼なじみの真紀(辻ニイナ)たちに告白をすすめられレクチャーされるも誤情報でうまくいかなかった。想いは遂げられず卒業となった。

社会人となった壮太は高校からの付き合いだった友人孝輔(大崎捺希)から目下開発途中のARグラスのモニターを頼まれる。好きな人の写真を取り込むことによって、目の前に自由にその子が現れるのだ。さっそく伊月を入れて、遂げられなかった想いを高校時代へ馳せる。

そんな実証中のある日、街中で壮太は偶然伊月に出会う。伊月は輝きを失い、DV彼氏(仲川蓮)に疲弊していた。なんとか助けだしたいと思った壮太は孝輔に相談しつつ、ずっと想い続けていたことを今一度勇気を振り絞って告白をすることにした。思い出の詰まった母校で…。

 

初恋らしい初々しい壮太の恋心が描かれる。伊月は壮太に想いがあったんだろうなというのも匂わせている。とまあ…話は可愛らしくて、壮太の会社にはコミカルな社員がいるなど、まぁ…ほんわかしてていいんだけど、演技が…メイクが…衣装が…お金が足りなかったんだろうなぁ、と。仕方ないけど残念。せめて演技(演出かも)がもっと良ければ台詞も生きたかもしれない、なんてシーンがいくつもあった。

 

あと、尺短いのに盛りすぎ。例えば新たにDV彼氏は必要ない。高校時代の雄大の再活用で充分足りる。壮太の会社の女子社員(稲岡志織)の役割が不明。コミカルで一番演技が良かったのに箸休めにしかなってない。もったいない。ついでにインキャ設定の壮太に、幼なじみの真紀はともかく、美織(汐咲玲亜)花蓮(桜庭らん)との馴れ馴れしさが疑問。ほんのちょっとのことだけど、説得力がその少しのことで違ってくる。

 

★★(★)

 

 

 

 

 

 

 

『遺書、公開。』(2025)

原作は陽東太郎(みなみとうたろう)の漫画。

 

監督 英勉(『賭ケグルイ』シリーズ、『トリガール!』『東京リベンジャーズ』シリーズ、『映像研には手を出すな!』『ぐらんぶる』『映画おそ松さん』他)

脚本 鈴木おさむ(『先生を消す方程式。』『M愛すべき人がいて』、『極悪女王』他)

音楽 未知瑠(『賭ケグルイ』シリーズ、『あの頃、君を追いかけた』他)

主題歌 THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「Drown Out The Noise」

 

吉野北人、宮世琉弥(みやせりゅうび)、志田彩良、松井奏、髙石あかり、堀未央奈、忍成修吾、上村海成、川島鈴遥(かわしまりりか)、荒井啓志、松本大輝、星乃夢奈(ほしのゆな)、榊原有那(さかきばらありな)、藤堂日向、菊池姫奈、大峰ユリホ、阿佐辰美、兼光ほのか、日髙麻鈴(ひだかまりん)、大東立樹(おおひがしりつき)、金野美穂、鈴川紗由、浅野竣哉、青島心、楽駆、他。

 

4月、新学期が始まってすぐにSNSを通して送られてきた2年D組の「序列」。1位から25位まで、担任教師の甲斐原(忍成修吾)を含むD組全員のランク付けがされていた。しかも何の序列なのか不明。悪質ないたずらかと思われたが、日常は難なく過ぎ、そのうち生徒たちはその序列に見合った行動を取るようになる。

そうこうした半年後、序列1位の姫山椿(堀未央奈)が突然校内で自殺する。そして葬儀の翌日、クラス全員の机の上に、姫山からの個々人にあてた遺書が置かれる。

姫山は亡くなったのに、誰が遺書を置いたのか、本当に姫山からの遺書なのか、なぜ姫山は全員に遺書を残したのか、そもそも姫山はなぜ死んだのか、真相究明のために、それぞれの受け取った遺書を公開していくことになる。

姫山と付き合っている序列2位の赤﨑理人(松井奏)、部活が一緒で姫山とは親友関係にある序列3位の御門凛奈(髙石あかり)、1年の時から好きな漫画を共有し合う仲だった序列11位の相畑詩帆(日髙麻鈴)、同じ片親の境遇を分かち合っていた序列15位の谷地恵(兼光ほのか)、赤﨑と噂のある美人の序列13位の茅野鞠華(大峰ユリホ)、姫山にシンパシーを感じていた序列16位の千蔭清一(宮世琉弥)、人間観察が趣味の序列20位の廿日市くるみ(志田彩良)、クラスイチ陽気で明るいお調子者の序列11位の三宅雄大(藤堂日向)、そして実は小学生の頃仲良しだった序列19位の池永柊夜(吉野北人)、その他、密かに姫山に想いを寄せていた者、学級委員、不登校の生徒、クラス全員の姫山との関係、姫山に対する本心、本音が明らかになっていき、やがてすべてが白日の元へ…。

 

サスペンス。

推理しながら、探りながら、そうきたかと思いながら、面白かった。なにより、女優さんたちの演技がぶっ飛んでて良かった。男子生徒と比べると悪どいのがまた(^^;;。姫山が女子なので、どうしても女子同士の関係を描くことになる。序列のせいで嫉妬心がより強く煽られるわけだ。

 

ネタバレはしないけど、自殺する理由が薄いかな。16〜7歳ならなくはないし、家庭環境によっては有りでもあるんだけど、もっと劇的な理由が欲しかった。ただ、生徒たちが感情は爆発するものの、姫山の死に対しては心を傷めるというより淡々と現実を受け止めているのが良かった。ギリギリ年齢的に、自分のことで手一杯、自分中心に世界が回ってると思ってる、思いたい時期なので、他人との線引きが出来てるというかなんというか。そういうドライなところに逆に人間味を感じた。

 

原作(未読)はあれど、鈴木おさむ脚本らしい展開だった。『先生を消す方程式。』を思い出しながら見てた。

監督も英勉ということで、得意分野じゃないかな。

印象に残ったのは兼光ほのかのお芝居で、とても良かった。

 
★★★(★)

 

 

 

 

配給 松竹