これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

2020年7月の下旬から10月までの3ヶ月で100本を超える作品を配信で観ていました。単純計算で1日3~4本。(今はさすがにそんなに観ません。)
こんなに観てると内容を忘れてしまうだろうと、当初覚え書き程度に都度都度Twitterに書いてたのですが、ツイートは他のことも書くので流れてしまってメモにもならない、そんなわけで10月17日スタートで、ブログにすることにしました。
ただ、観ていた本数が多いのと、観出したきっかけが三浦春馬の急逝だったので、一応流れを考えて調整し、8月26日が初投稿になってます。

以降、これまで観てツイートしてきたものを、観た順番ではないですが、毎日1本ずつ加筆してアップしてます。また、新たに観た作品はブログのみに書くことにしました。
本当は記憶を手繰るためにもネタバレまで書きたいのですが、そこはまあ人目に触れることへの配慮で、今のところ、たまにやってる程度です(タイトルに明記してます)。

※2023年11月より不定期更新になってます※
     ↓
※2024年2月より毎週月曜と金曜に更新に変更※
     ↓
※2025年1月より毎週月曜、水曜、金曜に更新に変更※

ー★評価基準ー

★★★★★ 面白かった。オススメ。
★★★★ 良かった。
★★★ ふつう。可もなく不可もなく。
★★ イマイチ。好みに分かれる。
★ つまらない。
(★)は0.5


なお、内容の解釈はあくまでも私が感じたものであって、作品が伝えたい事と合致してる可能性は低く、つまらないと思ったものも、1年後に再視聴したら面白いかも、その程度の感想になります。あと、小生意気なうんちくみたいなものをたまに垂れてますが、素人なので言えることとご理解ください。


【補足】

●たまに、音楽や書籍、舞台の感想、役者さんについて書いたものもあります。それらでは★評価はつけていません。

●各補足についてはWikipediaを参照してます。

●新たに補足するもの(キャストスタッフ名、リンク先など)が出た場合、遡り更新しています。

●監督、脚本家、その他スタッフの手がけた作品名は私自身が観たことがあるもの、または有名作新作だけ載せています。

●タイトルは基本作品名になってます。

●敬称は略しています。

●予告編などの動画はなるべく公式のものを貼っていますが、リンク切れあった場合はごめんなさい。(※大河ドラマ『青天を衝け』に関する投稿のリンクは公式サイト削除でほとんど切れていますが、記録のためそのままにしています。)



(コメント欄、いいね、ペタなど交流ツールは閉じています。すみません。)



基本的に演技にクセや節がなく、作品の中に溶け込める役者さんが好きです。

『20歳のソウル』(2022)

原作は中井由梨子の著書で、千葉県船橋市立船橋高校の応援曲「船橋Soul」が誕生し受け継がれていくノンフィクション小説。

 

企画・監督 秋山純

脚本 中井由梨子

 

神尾楓珠、尾野真千子、佐藤浩市、福本莉子、佐野晶哉、前田航基、若林時英、高橋克也、石黒賢、平泉成、塙宣之、菅原永二、池田朱那(いけだあかな)、石崎なつみ、佐藤美咲、宮部のぞみ、松大航也、他。

 

市立船橋高校吹奏楽部でトロンボーンを担当する浅野大義(神尾楓珠)はごく普通の明るい高校生。顧問の高橋健一(佐藤浩市)は厳しいが、生徒の個性を大切に伸ばす思いやりのある先生で、そのもと、同級生の秋田豪(前田航基)田崎洋一(若林時英)、そして天才肌の佐伯斗真(佐野晶哉)や、他の吹奏楽部員らと真剣に練習に励む毎日。

ある日、レギュラーメンバーになれず気落ちしてる野球部の滝沢翔(松大航也)を見て、野球部の応援曲を作ることを思いつく。さっそく斗真と練り、高橋先生からのダメ出しも受け、「市船Soul」が完成する。その曲に発奮され野球部も試合で活躍する。

そうこう、斗真の奇行事件がありつつも、充実した高校生活は終わり、大義は高橋先生のような教師を目指して音大へ進む。音大では宮田夏月(福本莉子)という彼女も出来て、しかも夏月がそうと知らずに話題にしていた「市船Soul」の作曲者であることが何気に自慢という青春を送っていた。

そんな順風満帆に見えた学生生活に、病魔が襲う。肺に出来た悪性腫瘍(癌)は手術によって取り除かれたが、その後脳に転移となった。入院生活が続き挫けそうになる大義を、夏月や友人、家族(母:尾野真千子、父:菅原永二、妹:池田朱那、祖父:平泉成)が支える。病魔と闘いながらも大義は数曲の音楽を残す…(劇中挿入曲に有り)。

 

「死にたくない」はきつかった。実話だと思うと気の毒でしょうがない。

高校時代が懐かしく思うほど、年代の空気感は良かった。

 

全体的には主人公の病死までの流れを単に時系列で並べただけという印象の映画だった。ドキュメンタリーほど視点が定まっておらず、ドラマほど登場人物への感情移入に力が入ってない。散漫といった感じ。そんな中でも、主人公の「生きたい」という気持ちはずしっと伝わってきて、死にたい人と生きたい人との命の交換ができればいいのにと子供みたいなことを思ってしまう。


残念だったのは、斗真のエピソード。斗真の悩みも描くなら、もう少し深掘りしても良かったんではないか。描ききれないなら斗真騒動を入れる必要はなかったように思う。その分、もっと大義に焦点をおけたはずだ。

 

★★★

 

 

 

 

制作プロダクション プロジェクトドーン、JACO

配給 日活

 


『ROCKERS ロッカーズ』完全版(1979/劇場公開2008)

 

1978〜1979年、ひとつのムーブメントとなった「東京ロッカーズ」のドキュメンタリー映画。インタビューと持ち歌とで構成。

 

製作・監督 津島秀明

撮影 井出情児、他

制作 柿沢健次郎

タイトルアニメーション 八木康夫

 

【出演バンド】

FRICTIONLIZARDMr.KITEMIRRORSPAINS-KENSPEEDSS自殺8 1/2THE STRANGLERS

 




収録されてるライブ場所は渋谷屋根裏、下北沢ロフトとのこと。

 

『ストリート・キングダム』が公開されたと思ったら、同時代同テーマを撮ったドキュメンタリー映画も配信となってたので、視聴。ちなみに1979年公開版と完全版とされる2008年版の違いは、THE STRANGLERSのインタビューの有無とのこと。

 

インタビューの言葉からはあの時代の背景や若者の姿が垣間見える。いつの時代も属性で身辺を語る若者の姿は同じだけど、今だからこそ言える、当時彼らよりは年少だった私には気づかなかったことも得られた。例えば、案外、音楽性を追求してた面もあったんだな、とか。

残念ながらLIZARDしか見たことないんだけども、でも、その後のインディーズという流れに夢中になって、テレビや雑誌で取り上げられもてはやされる(誰かとは言わない)パンクには嘘っぽさしか感じず、眼中になかった。みんな売れたいに決まってるだろうけど、東京ロッカーズを経たインディーズには売れることより表現や主張に重きを置いているように思っていた。私も少なからず自己実現を目指していたから、シンパシーを感じていたのだ。

等身大パンクが何であるかより、現状を記録しておきたいという意識が強いこと、音楽性を第一にしている姿勢、型にハマることへの違和感、カテゴライズの否定、今のこのリアルを表現したい、など、いったん内向してから外へ向ける感じに、総じて当時の私の思いを裏切るようなものがなくて、安心した。

 

音は良くないし、内容は記録でしかなく、映像的にもすごいものではないけど、当時を過ごした人には懐かしく、刺さる映像作品だと思う。そういう人にとっては★★★★★だけど、興味なかった人、知らない人にとっては★〜くらいかも。

 

オープニングのタイトルアニメーションは熱い(T ^ T)



『ソウルメイト』(2026)Netflix series 全8話

 

監督・脚本 橋爪駿輝(『モアザンワーズ』)

主題歌 STUTS&butaji「Our Hearts ft.アイナ・ジ・エンド」

 

制作プロダクション ROBOT

 

磯村勇斗、オク・テギョン、橋本愛、水上恒司、古舘佑太郎、イ・ジェイ、加藤千尋、安田顕、南果歩、三浦友和、他。

 

大学でアイスホッケーの選手として活躍する鳴滝琉(磯村勇斗)はある日、共にチームを引っ張っている中心的人物及川新(水上恒司)から告白を受ける。思ってもいなかったことにとまどうが、新は返事が欲しいわけではなく、単に想いを知っていてほしいだけだった。そんなシーンを目撃したチームメイトによって新がゲイであることが広げられ、琉が新を拒否した形になり、新は自殺未遂を起こす。大事な試合の前だったが、琉は退部し、最強のアイスホッケーチームは崩壊する。

新は目覚めぬまま病床におり、琉は傷心にベルリンで美術を学ぶ幼馴染み東雲燈子(橋本愛)のもとを訪れる。

燈子の友人の作品が飾られている教会を訪ねた琉は、懺悔室で自分の抱えてしまった罪について涙ながらに語るが、そこで放火による火災が起こる。異変に懺悔室を出ると火の海が広がりつつあり、なかば自暴自棄になっている琉はそのままそこでの死を選ぶ。が、その懺悔室にたまたまいて琉の懺悔を聞いていたボクサーのファン・ヨハン(オク・テギョン)に助けられる。

不幸な生い立ちのヨハンは妹スア(イ・ジェイ)との生活のため、八百長で収入を得ていたが、琉との出会いから自分の生き方を改めようと思うに至る。二人はそれぞれ母国へ帰るが、連絡は取り合い、ヨハンが兵役につく前の数日を利用して来日する。琉の実家の那須へと招待し、交友を深める。

また、大学時代のチームメイト相沢精一(古舘佑太郎)と共に介護施設研修を受けた琉は、施設へ就職を決める。実家を継ぐ形になった精一は、ベルリンから帰ってきた燈子に一目惚れし、やがて二人は結ばれる。そして新も意識が戻り、新しい人生を歩むべく琉とは気持ちの良い別れ方をする。と、何もかもが順調に進んでるに見えたが、兵役を終えたヨハンは八百長をふっかけてきたプロモーターに逆恨みされ狙われ、精一の事故死で燈子とお腹の子は不幸のどん底に突き落とされる。

琉は二人に手を差し伸べ、大学に行きたいと望むヨハンに日本での暮らしをすすめ、燈子とその子どもとでの四人暮らしを提案する。三人とも仕事をしているので子育ては協力のもとなされるが、やがて限界が来る。その上、疾患が見つかったヨハンは琉のもとを去る…。

 

出会いから10年の月日を描いたドラマで、その後、琉は燈子とその子どもと実家を頼り継ぐことになり、ヨハンは治療を兼ねてスアの勤務するベルリンの病院へ移っていた。そして琉は、叔父のアトリエでヨハンの思いが綴られたスケッチブックを見つけ、ヨハンの深い愛とかけがえのない存在であることを再認識する。

 

「涙が出るのは僕が何かを見てる時、君も隣りで一緒に見てくれたからだ。君が何かを見てる時、僕も隣りで同じようにそれを見たいと思ったからだ。」「どこにいても何をしていても僕らは1人じゃない。」「寂しいってことは大切な人がいるってこと、会いたい人がいるってこと。」という締めの言葉(台詞)が続き、最後に「サランへ」「愛してる」が重なる。「愛」は人間愛だと思う。良質なブロマンスのドラマだった。

 

何が良かったって、磯村勇斗のとことんナチュラルな演技。良い役者さんだし、どの作品も素晴らしいと思う。水上恒司も良かったし、橋本愛もさすがだった。古舘佑太郎も良かった。琉の母親役南果歩に父親役三浦友和は言わずもがな。やはりキャスティングって重要。脚本を生かすも殺すも演者次第。あ、その間に監督のセンスも入るか。というか、このドラマは役者に助けられてる部分が高い。そんな感じ。

 

★★★★

 

 

 

 

公式

 

 

『許された子どもたち』(2020)

これまでの事件化したいじめから着想を得て自主制作で作った映画とのこと。なので、スタッフはほぼ映画学校時代の仲間とのこと。

 

監督・美術 内藤瑛亮(『ライチ⭐︎光クラブ』『ミスミソウ』他)

脚本 内藤瑛亮山形哲生

音楽 有田尚史(『ライチ⭐︎光クラブ』『ミスミソウ』他)

 

上村侑、黒岩よし、三原哲郎、大嶋康太、茂木拓也、住川龍珠(すみかわりゅうじゅ)、阿部匠晟(あべたくや)、地曵豪、門田麻衣子、野呈安見(のていあみ)、日野友和、小橋正佳、相馬絵美、清水凌、名倉雪乃、津田茜、西川ゆず、矢口凛華、山崎汐南(やまざきせな)、春名柊夜、池田朱那(いけだあかな)、美輪ひまり、他。

 

配給 SPACE SHOWER FILMS

 

小学生の頃、市川絆星=いちかわきら(大川星哉)は血だらけになるほどのいじめを受けていた。その時の左目の下の傷が中学生になった絆星(上村侑)にも残っている。父親(三原哲郎)は普通の会社員で特段変わりのない父親、母親(黒岩よし)は子思いが強く自分の理想に近づけようとするきらいがあるもののどこにでもいる母親とも言える。

中学生になった絆星は、匠音=しょーん(大嶋康太)香弥憂=かみゅ(茂木拓也)縁夢=ぐりむ(住川龍珠)を従えるいじめる側になっていた。その日も河原で、いじめの対象となってる倉持樹(阿部匠晟)に作らせた割箸ボウガンで遊んでいた。そして樹が標的となる。絆星の放った矢が喉に刺さり、そのまま倒れた樹の喉を貫通した。四人はその場から逃げ去りながら、証拠となる割箸ボウガンを焼却して川へ流す。

ほどなくして監視カメラから四人と樹が一緒だったことがわかり、それぞれ家庭内で刑事(小橋正佳)による事情聴取がされる。しかし絆星は母親の圧もあってか否定する。それに倣い、匠音、香弥憂、最初は樹と会っていたと言っていた縁夢も前言を撤回、みんな口裏を合わせる。少年審判では弁護士(相馬絵美)によって樹は事故死、四人の少年は不処分となる。しかし樹の両親(地曵豪、門田麻衣子)が民事訴訟を起こすことになり、メディアが騒ぎ出し、ネットでも事件が拡散、市川一家は引っ越しを余儀なくされる。

転校先では誰ともつるまず一人でいた絆星に、女子グループ(津田茜、西川ゆず、矢口凛華、山崎汐南)からいじめを受けていた櫻井桃子(名倉雪乃)はシンパシーを感じて行動を共にするようになる。転居先では偽名を使うものの、ほどなく、正義感の強いクラスの中心人物蓮見春人(春名柊夜)宮台莉子(池田朱那)によってバレて、生徒間に広がりあっという間にネットで拡散、ユーチューバーキャロル(日野友和)に取り上げられ、近所でも騒ぎになる。母親は頑として立ち向かう意思を固くするのだが、父親は仕事もままならず、夜逃げしてしまう。

結局自責の念に駆られて絆星は家出の形で樹の両親に謝罪に行く。そのまま河原へ向かい、縁夢が樹が亡くなった場所に花を手向け祈っているのを見て、また、匠音と香弥憂が変わらずボウガンを使い暴力でいじめを行っているのを見て、腹が立ってくる。桃子の制止も聞かず手が出てしまう。そして元の家に行ってみれば、絆星を探しに来た母親がキャロルによるひどい怪我を負っていた…。

 

絆星はたったひとりの自分の味方であり、どんな時でもどんな場合でも守ってくれる母親が一番であり、母親にとっても、絆星が生きがいなのだという終わり方。胸糞悪くなるくらい良かった。

 

学校でいじめについて話し合うコマがあり、どれもさもありなんな意見で、それはそれで安心したし、被害者遺族に対する社会の冷徹な仕打ちもちゃんと描かれていてそれが俯瞰して描かれてるのがいいし、ネット民の正義の鉄槌が加害者の母親に下るのも観客にとって清涼剤の役割を果たしてて抜け目のなさが素晴らしい。


絆星は引っ越し先の廃墟で割箸ボウガンを自作していたのだが、それを見つけた母親が証拠隠滅するかのように破壊するのが良かった。一番最初に母親は刑事に絆星のアリバイ固めのため帰宅時間を偽っているし。わかっているのだ、絆星がやったことは。でも、同じように絆星もいじめられていたし、何より我が子が一番大事で、どうにも変わらない母親だということ、それがまた詰んでて素晴らしい。


あと、ゴミ袋を蹴飛ばし散らかす絆星にボクシングの技を入れる小学生(美輪ひまり)、たった1シーンだけど、これも清涼剤。匙加減がうまい。

考え得る問題点をぜんぶ集め、その答えを出さない。少年犯罪(いじめ)について的確な捉え方だと思うしまじで好みだった。

 

絆星はもちろん、匠音、香弥憂がボウガンから離れられなかったのは、作者が与えたせめてもの後悔、罪悪感かも。

 

惜しいのは、絆星の葛藤を撮ったシーンで、演出が過ぎたところ。河原への道のやたら散らばってらる空き缶やペットボトル、河原の草に絡んだゴミの多さ、絆星の頭から舞い飛ぶ砂埃なような湯気にも見える粉。この演出で★×5としたくなかった。4.8くらい。

 

上村侑は村上虹郎みたいで、眼光鋭く、目に感情を乗せられる。声が安定したら楽しみな役者となりそう。

 

★★★★(★)

 

 

 

 


『シチリア・サマー』(2022/日本公開2023)

イタリア映画。原題は『Stranizza d'Amuri』(英語でStrangeness of Loveの意味)。英題は『Fireworks』(花火の意味)。実際にあった事件をもとにした作品で、その事件はイタリアで最大となるLGBT団体ARCIGAY(アルチゲイ)が立ち上がるほどの波紋を与えた。とのこと。

 

監督 ジュゼッペ・フィオレッロ

脚本 ジュゼッペ・フィオレッロカルロ・サルサアンドレア・チェドロラ

 

1982年の夏、イタリアのシチリア島で二人の少年が出会う。

街から離れた村に、花火職人の父アレフレード(アントーニオ・デ・マッテオ)、母カルメラ(ファブリツィア・サッキ)、姉イザベッラ(ジュディッタ・バジーレ)、その夫チッチョ(ジュゼッペ・スパータ)、その息子トト(シモーネ・ラッファエーレ・コルディアーノ)と大家族で暮らしている16歳のニーノ(ガブリエーレ・ピッツーロ)。母親リーナ(シモーナ・マラート)とバイクの修理工場を営む継父フランコ(エンリコ・ロッカフォルテ)と街中で暮らす17歳のジャンニ(サムエーレ・セグレート)。学校の卒業を家族で祝われ念願のバイクをプレゼントされたニーノは、嬉しくてバイクを走らせる。フランコの元で修理工として働くジャンニは、工場の近くのカフェにたむろする輩に追い詰められながらもバイクを客に届けるために走らせていた。二人は出会い頭ぶつかり転倒、ショック状態のジャンニに、ニーノは人工呼吸を施し事なきを得る。ニーノはもしもの時の連絡先を書き渡し、二人はその場を離れる。

ジャンニはゲイだった。矯正施設に入れられていたが、一人息子であるジャンニをリーナは再婚と共に引き取った。事情を知るフランコや、カフェにたまる輩たちは侮蔑しからかい邪険に扱うが、ジャンニはびくともしない。愛する母親がいるからだ。いつか母親を連れて新生活をと思っていた矢先の事故で、人工呼吸とはいえキスをしたニーノに気が惹かれ訪ね、職探しをしてると伝えると、さっそく叔父ピエトロ(ロベルト・サミーレ)の採石場を紹介される。真面目で働き者のジャンニはすぐに気に入られる。仕事が終わるとニーノのお気に入りの湖で泳ぎ親交を深める二人。

ある日、採石場にカフェの常連が働きに来てジャンニはいられなくなる。自分の性癖がバレるからだ。そしたらそのまま雇ってもらえない。ちょうどその頃祭りの仕事が立て込んでいたが、アルフレードの喘息(?)が悪化し休養を余儀なくされる。父のあとを継ぐため勉強してきたニーノはジャンニを助手に代わりを務めることを申し出る。打ち上げ花火の仕事は成功し、二人の距離はさらに縮まる。けれど、ある時の祭りで、仲睦まじくしている二人を目撃され、カルメラに告げ口がある。ジャンニがゲイであることを家族が知ることとなり二人は離される。けれど、サッカーのワールドカップでイタリアが勝って街中も家族も大賑わいの中、寂しそうな気の抜けたようなニーノの姿を見たチッチョはひとつアドバイスをする。秘め事は知られなければ100年隠せる。ニーノはジャンニのもとへバイクを走らせる。二人の世界が戻ってきた。が、その後銃声が響く…。

 

1980年代でも虐げられていた同性愛。日本ではなかった。いや、場所によってはあったかもしれないけど、私が住んでた周りにはなかった。面白おかしく揶揄する人はいても、存在し続けることは可能だった。

ただ、この話の中で、同性愛者はジャンニだけじゃない。カフェにたむろしている輩の中にもいた。中心的人物のトゥーリ(アレッシオ・シモネッティ)だ。また、ジャンニがゲイであると知ってる上で表面上はどうにもできないけど、裏では心づかいをする女の子ジュゼッピーナ(アニータ・ポマーリオ)もいた。表立っては助けられないけど、認めてる人はいたのだ。母親のリーナだってその一人だ。そしてカフェの連中だって心の奥底では認めていたんじゃないか?だって、ピエトロが手下を連れてジャンニを痛めつけに来た時、助けた。継父のフランコでさえ切ないような許せないような情の湧く表情で駆け寄った。

 

実際の事件の犯人は誰なのか調べてないし知らないけど、この作品ではトトである可能性が強い。冒頭でピエトロの指導のもとニーノとトトは兎狩りをする。この時は撃った兎を持つことも出来なかったが、後半ではシメることまで出来るようなってる。それに、ニーノが大好きでニーノの二人で秘密結社を作ろうという誘いに大喜びしていた。ニーノにとってジャンニの存在が自分より上になっていく過程も描かれている。嫉妬だ。

 

そして、ここ、一番重要じゃないかと思うんだけど、チッチョの裏切り行為。おそらくイザベッラはチッチョの浮気(というか性癖)には気づいている。でもどうにも出来ないのだ。チッチョが隠し通せてると思ってる秘め事はもう知られてるのだ。

 

とても良かった。少年、美しいし。

 

★★★★★

 

 

 

 

 

 

 




それはそうと、ニーノの家は粗末だ。ものが必要分しかない。トトの服は破れてる。イザベッラたちの居室はキャンピングカーだ。お国柄に土地柄、時代、金銭的理由もあろうが、本来人間はこの程度で生きていけるんだと感心した。ずっとものがあふれ、ものにかこまれてきた身としてはそういう暮らしに憧れる。でも憧れは現実化しない。ミニマリストに一時期関心を持ったけど、その寒々しい生活空間はいいなぁとは思えなかった。生活臭は欲しい。


 

『バーレスク』(2010)

原題は『Burlesque』

 

監督・脚本 スティーヴン・アンティン

 

アイオワに住んでたアリ(クリスティーナ・アギレラ)はありったけの金を持って夢の歌手を目指しロサンゼルスへ向かう。働き場所を求めながら街を歩いていて、テス(シェール)が経営するバーレスククラブに行きつく。なけなしの20ドルを払って中へ入ると、そこではまさに憧れていた夢のショーの世界が繰り広げられていた。どうにか働きたいとバーカウンターのウエイタージャック(キャム・ギガンデッド)に頼み込み、ウェイトレスをやりながらテスとの面会を得る。しかしウェイトレス以上にはなれず。しかも部屋に帰ってみると泥棒に入られ持ち金を無くす。ジャックを頼り居候させてもらうことに。そして、バーレスクでオーディションを受けつつも、ウェイトレス業に専念しながらいつかあのステージへと思い描く毎日に、チャンスが訪れる。妊娠したバックダンサージョージア(ジュリアン・ハフ)の代わりにステージに立つことになった上、テスか何度注意しても酒がやめられない人気のメインキャストニッキ(クリスティン・ベル)の代役にソロも務めることになる。テスに印籠を渡されたニッキは悔しさのあまり本番でアリのパートの音源を切ってしまう。アリはその場をなんとかしようと生声で即興で歌い出す。一度は幕を閉じるしかないと思ったテスと舞台総括のショーン(スタンリー・トゥッチ)はそのアリの歌声とパフォーマンスに釘付けとなり、これを機にアリはソロパートを任されることになる。一方でアリとジャックは惹かれ合うようになっていく。けれど、ジャックには今はニューヨークに行ってる婚約者ナタリー(ディアナ・アグロン)がいた。

そしてもっと重要なこと、バーレスクは多額の負債を抱えており、数日内に手放さなければならなくなっていた。元オーナーでありテスの元夫のヴィンス(ピーター・ギャラガー)に売却をせっつかれている。アリの活躍で客足は伸びたものの、それでは足りない。何軒もの銀行と渡り合ってもどうにもならない。バーレスクの存続のため、最悪、ニッキに次ぎアリにご執心の常連客不動産業者の富豪マーカス(エリック・ディン)を頼ろうかとしたところ、マーカスに売ってしまってはバーレスクはなくなってしまうことがわかる。八方塞がりのところ、アリの気づきで事なきを得ることになる。

バーレスクの存続は保たれ、ジャックもナタリーとは別れ、自分の夢でもあった作曲家への道を、アリと共にバーレスクから歩み出す…。

 

ステージ上でしか歌わないのだけど、歌詞がその時々の気持ちを歌っているので、まるでミュージカルを観ているようで楽しかったし、ダンスも魅力的で話もわかりやすく、とても良かった。

ミュージカルショーになってもいいくらい。と、思うわけだが、実は、ロンドンで上演された流れで日本公演も決まっていたけど、運営上の問題で中止になったのだった。

 

ショーンはゲイだし、ジャックは化粧もしている。テスはショービジネスを愛してるしプロデューサーとしての資質も長けている。マーカスもニッキもキャラクターの嫌味が程よい。そしてお約束のようにアリがジャックよりちょっと強い。欧米における男女の特性が出ている。なんと自由で人間味のある作品だろう、と思った。

 

(バーレスクはストリップショーをやってたこともあったようだが、この映画ではセクシーな衣装とダンスで魅せるエンターテイメントショークラブになっている。)

 

★★★★(★)

 

 

 

 








ショーを見せるバーレスクという形態は日本にも上陸していて、「バーレスク東京」が東京にもあった。あったという過去形なのは「ROKUSAN ANGEL」に改名されたから。内容はバーレスクだけども。ショーの内容の違いから姉妹店もあるそうだ。その他、大阪、名古屋にあるらしい。それなりの、それ相当の、歌とダンスを観られるのであれば、それら店舗だけで充分なのだが、夜しかやってないのが残念。その性質から夜が適したスタイルなのだろうけど。あと、六本木という土地がなぁ…。でも、いつか行けるといいな。

 

 

『宝島』(2025)

原作は真藤順丈(しんどうじゅんじょう)の小説。

 

監督 大友啓史(『3月のライオン』『10DANCE』『影裏』『るろうに剣心』シリーズ、他)

脚本 高田亮(『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』『銀の匙』『オーバー・フェンス』『猫は抱くもの』『さがす』『ふつうの子ども』『死刑にいたる病』『まともじゃないのは君も一緒』『ボクたちはみんな大人になれなかった』他)、大友啓史大浦光太(『HOMESTAY』他)

音楽 佐藤直紀(『名もなき世界のエンドロール』『ゴジラ-1.0』『るろうに剣心』シリーズ、『青天を衝け』他)

 

妻夫木聡、永山瑛太、広瀬すず、窪田正孝、中村蒼、瀧内公美、尚玄、奥野瑛太、ピエール瀧、塚本晋也、木幡竜、村田秀亮(むらたひであき)、栄莉弥(えりや)、デリック・ドーバー、他。

 

1952年、米軍統治下にある沖縄で、戦果アギヤーという基地に乗り込んでは物資を盗むグループがあった。盗品は住民のためになるものばかりで、そのリーダーにはオン(永山瑛太)といういつかでっかい戦果を手に入れようと語る最も信頼の厚い青年が立ち、その下に弟のレイ(窪田正孝)、幼馴染みのグスク(妻夫木聡)、実働参加はしないがオンと恋人関係にあるヤマコ(広瀬すず)、など、孤児を中心とした若者で形成されていた。

ある夜、いつものように島のために嘉手納基地に忍び込む戦果アギヤーの面々。しかし下手を打ち、見つかってしまう。結果、銃撃を受けバラバラに逃げることになったが、オンだけが戻って来なかった。オンはコザの英雄とされたが、本土復帰も叶わぬまま時は流れる。

ヤマコはオンの絶対に戻ると言った言葉を信じて待ちながら、オンのススメでもあった教師となる。グスクはオンの行方を探すために刑事に、レイもまた嘉手納基地の件で収監されたことからオンの手がかりを求め裏社会に身をおく者になった。

米兵とのいざこざ、売春を生業とする女性たちの不遇、警官の捜査も思うようにならない状況が続いている。街には貧困の波が子供らにもかぶり、金を得るために様々工夫をこらしている。その中に花を売る孤児のウタ(幼少期:光路=こうろ/青年期:栄莉弥)がいた。成長するに従い、ヤマコやグスク、レイとも繋がっていく。

そして、一人の特飲街の女が米兵に殺されたことで、状況は少しずつ変わっていく。米兵を襲う輩たちが現れる。リーダーはレイと刑務所で一緒だったタイラ(尚玄)だった。レイはタイラと再会したことで、また、自分がヤマコにとってのオンの代わりにはなれないと気づき、グスクやヤマコとは行動を別にするようになる。一方、アメリカ側の諜報員アーヴィン(デリック・ドーバー)とグスクは連携することになる。そこから米軍が何かを隠蔽していることに勘づく。オンが何かしらの戦果を手に入れたこともわかる。それが基地に毒ガス(VXガス)があることなのか、オンの消息に関わることなのか、それとも他に…?。小学校に米軍機が墜落したことで更に事態は変わり、思い思いの行動から、オンが得たもの、オンが残したもの、20年前となったあの嘉手納基地の夜からのオンの歩みが見えてくる…。

 

 

戦後の沖縄の状況が描かれ、アメリカや本土のことをどう思っていたのかも描かれている。敵対する一方で、生活するためには受け入れるしかないことも。沖縄県民が基地に反対するのは、今とは違う理由だろうが、重なって見える。ただ、ここで正確な歴史観がないと無駄に争いを煽ることになり不幸の連鎖は続く。沖縄の基地問題は難しい。

そんな重い問題を背景に訴えかけてくるのは、人情だったり、繋がっていく人と人の縁だったりしする柔らかさだった。

 

広瀬すずの泣きの演技は相変わらずすごい。この作品に出演している俳優陣の芝居力は高い。妻夫木聡も永山瑛太も素晴らしい。ウタ役の子役までも(この子役の光路は、青年期を演じた栄莉弥と実の兄弟らしい)。どこをとっても、ひとつも難がない。これらの演技だけでもう充分満足させられる。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

ネタバレすると、オンの戦果はウタ。基地の米軍高官の者と関係し妊娠した女があの嘉手納基地の夜、父親となる男会いたさに(認知されたく)忍び込み、その途中で出産しそのまま亡くなった。オンは出産に伴う女の悲鳴を耳に、現場にかけつけ、どうにか息を吹き返す赤ん坊をすくいあげ、父親代わりになり人知れず育てていたが、後に爆撃に見舞われ致命傷を負い、ウタとたどり着いた浜辺の洞窟で亡くなったのだった。

また、アーヴィンか調べて隠そうと画策していたのは、高官が愛人を待ち(ウタの母親)妊娠させたスキャンダルと、米軍のVXガス所持の両方だった。

 

 

『GYPSY』(2026)日本青年館ホール


ストリッパージプシー・ローズ・リーの回顧録(1957年「Gypsy: A Memoir」)をもとにしたミュージカル作品。1982年初演(ローズ:草笛光子)で次が1981年(ローズ:鳳蘭)、2023年(ローズ:大竹しのぶ)に次ぎ、今回で4回目とのこと。

 

脚本 アーサー・ローレンツ

作詞 スティーヴン・ソンドハイム

作曲 ジュール・スタイン

演出 クリストファー・ラスコム

翻訳・訳詞 高橋亜子

音楽監督 八幡茂

 

ローズ:大竹しのぶ

ルイーズ:田村芽実

ジューン:富田鈴花

タルサ:井上瑞稀

ハービー:今井清隆

テッシー:鳥居かほり

エレクトラ:飯野めぐみ

マゼッパ:風間水希

 

アンサンブル:石田圭祐櫻井章喜(さくらいあきよし)、安福毅岩﨑巧馬鈴木満梨奈砂塚健斗竹一穂香竹内真里山川大智吉井乃歌

スウィング:小松育海、冨士渕光希

 

子役(太字は観劇日の出演者):岡田雪乃、ジヤシホ、宿谷彩禾(しゃくやさやか)、藤田緋万里、松本望海、宮野陽光、アッカヤ陽仁(はるひと)、大久保壮駿(おおくぼたけはや)、髙橋翔大、新妻諒人、西原至、新田隼士、吉澤利音、三原健豊(みはらけんと)

 





ローズ(大竹しのぶ)は自身が叶えられなかったヴォードヴィルでの活躍の夢を、二人の娘にかけ、プロモーションに奔走するいわゆるステージママ。二人の娘のうち、次女のジューン(富田鈴花)の方が長女のルイーズ(田村芽実)より華があり才能があるとみたローズは、ジューンを中心にステージングしていく。しかし子供の頃は良かったものの、その幼い演出と時代の波に乗り遅れてる感に客の反応は薄くなっていく。また、オーディションの際に知り合った四人目の夫となるハービー(今井清隆)と共に一座を構え巡業を繰り返していく中で、ジューンは一座の団員であるタルサ(井上瑞稀)と駆け落ちしてしまう。しかしまだルイーズがいると、今度はルイーズを売り出していくべく活動するが、ルイーズには自信がない。そう育ててしまったのはローズだった。そうして行き着いたところはバーレスク。ストリップショークラブだ。そもそも手違いの現場だったので、ストリップはしないとしてルイーズを舞台に上げた。最初こそひどいものだったが、ジプシー・ローズ・リーという名前をもらった時、ルイーズの中で何かが弾けて見事なパフォーマンスを見せる。あっという間に人気が出るが、それは女優としてではなかった…。

 

結局、ローズは夢しか見ていない。自分がそうされたように、娘たちに夢を託し、三人の夫も見切り、四人目となるハービーも結局は夢実現を優先し婚姻までいかなかった。ローズの目には叶えられなかった「女優」しか見えてない。

 

とまぁ、ステージママが愛しい娘の才能を開花させた成功談かと思いきや、それどころではない何かと話題にのぼる「毒親」のもとに生まれ、懐柔されてた娘の話だった。その母親ローズ役の大竹しのぶの解釈が素晴らしかった。というのは、ローズというキャラクターがしっかり見えてたのだ。舞台で人格がブレることなくしっかり伝わり、ここまで感じることはあまりない。さすがだなぁと思った。

ルイーズ役の田村芽実も、母親に愛されたい、母親の目線を追う姿がいじらしく、とても良かった。

ローズとルイーズの親子のやりとりは涙腺がやられるかと思うほどに切なかった。

 

その他、子役がこれまた上手いし、タルサ役の井上瑞稀は歌はもちろんだが、アクロバットもきれいでさすがジャニーズ(今はスタエンか)と思った。

 

ショービジネスの厳しさに母子関係が絡み、テーマは重く切ない。でも、歌で軽減され感動も与える。そのバランスが魅力のミュージカルってやっぱりいいなと思った。

 

 

舞台は簡易なもので、ストレートプレイのようだった。でも、台詞の多さを考えると(特にローズの語りが大量)このくらいが丁度なのかもしれない。空間に魅せられるというより、台詞に集中という意味で。

 

 

(観劇日20260520)

 




 

 

東京:日本青年館ホール 0506〜0524

愛知:刈谷市総合文化センターアイリス大ホール 0605〜0607

福岡:キャナルシティ劇場 0612〜0614

大阪:森ノ宮ピロティホール 0619〜0623

 

 

 

 

 

 

『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(2024)

シリーズ第3弾。

 

監督・脚本 阪元裕吾(『ある用務員』『俺たちバッドバーバーズ』『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ、他)

アクション監督 國村健介

音楽 SUPA LOVE(音楽、SE、映像プロダクション)

主題歌 女王蜂「狂詩曲」

挿入歌 忘れらんねえよ with ちさと&まひろ「そっか、自由か。」

 

髙石あかり、伊澤彩織、池松壮亮、前田敦子、大谷主水、かいばしら、水石亜飛夢、中井友望(なかいとも)、カルマ、木部哲、飛永翼、他。

 

殺し屋コンビの杉本ちさと(髙石あかり)深川まひろ(伊澤彩織)は協会からの指令で仕事のために宮崎に来ている。ちょうどまひろが二十歳の誕生日を迎えるので、無事仕事が済んだらお祝いしようとちさとは宮崎牛の焼肉をセッティングしていた。ところが野良の殺し屋一匹狼の冬村かえで(池松壮亮)の登場でしくじる。冬村は農家を隠れ蓑にする野良殺し屋の団体「ファーム」から仲介人の広川(カルマ)を通して仕事を請け負っていた。理由は違うものの対象者がちさと&まひろと同じ松浦剛(かいばしら)だった。しくじったちさと&まひろに協会から、協会の面目をかけて松浦より先に冬村粛清を命じられる。しかし、冬村は野良とはいえ、凄腕の殺し屋で、記念すべき150人目の殺しだと、松浦を諦めていなかった。確実にやるため、協会からちさと&まひろのサポートに現地の殺し屋であり7年も先輩になる入鹿みなみ(前田敦子)とその相棒七瀬(大谷主水)が派遣される。松浦殺しは入鹿が請け負う。そりが合わない口やかましい入鹿とバチバチになりながらも、やはり支援に回された清掃スタッフの宮内(中井友望)田坂(水石亜飛夢)も加わり、冬村、ファームとの松浦の取り合いも本格化していき死闘となる。

 

一人で殺しを請け合い、一人でレベルアップに努力をしてきた冬村が、仲間を欲しがる姿は切ない。まひろが一人だったら冬村だったろうというのも「理解した」。人並外れた体力と攻撃力、二人は同じ種類の人間だったのかぁ、と。でもそれを言ったら、田坂にしても入鹿にしても対人関係が苦手で、殺し屋はそういうものとも言える。まあ、普通だったらできないわけで(^_^;)。

冬村は当然死ぬ。贅沢豪華。相手はまひろ。このアクションがまた素晴らしかった。本当にかっこいい。伊澤彩織。かわいいし。作品上では髙石あかりの方がメインなのかもしれないけど、伊澤彩織のお芝居かもっと見たい。台詞はなくても、しっかりシーンに合ったいい表情するし。舞台も面白いかもしれない。

 

結局、手こずってまひろの誕生日祝いは計画通りいかなかったし、焼肉には違いないけど居酒屋みたいなところで入鹿、七瀬、田坂、宮内みんなで祝うことになる。入鹿とも壁が取れるラスト。

 

そんなこんなで冬村との対比から、まひろがフィーチャーされてる作品だった。もちろん、ケーキを食べながら「生きてて良かった〜!」と言い合うちさととまひろに、二人のあたたかくしっかりした信頼関係が築かれていることもちゃんと読み取れる。その分、殺し屋という設定がつらい。

『ベイビーわるきゅーれ』はロマンシス。

 

★★★★

 

 

 

 

制作プロダクション シャイカー

配給 渋谷プロダクション

 

 

 

 

公式サイト






 


 

『ドキュメンタリーオブベイビーわるきゅーれ』(2024)

監督・撮影・編集は髙橋明大


監督の阪元裕吾、アクション監督の國村健介、エグゼクティブプロデューサーの鈴木祐介、そしてメイン俳優陣の軽いインタビューも入っている。

 

アクションシーンを中心に、ざっくり製作過程が描かれてる。七瀬役の大谷主水は筋肉断裂するし、池松壮亮も太ももにアイシングしてたし、髙石あかりも伊澤彩織も体調不良を起こしたし、撮影も急遽日程組み直ししなきゃならなくなるなどあったようだ。作中、画面が真っ暗になったシーンがある。駐車場での大谷主水と笠松(木部哲)のアクションシーンで、最初不具合かと思ったら、次のシーンで撮影中に大谷主水が怪我をした様子を流していた。それで映像は省いたのだろう。完全になきものとしなかったのは、やはりアクションシーンが目玉であり、こだわりや過酷さも伝えたかったのではないだろうか。

映画製作はチーム作業だし、多くの人間が関わってて、改めて大変な仕事だなぁと思った。それなのに私みたいな役者の演技ばかりに目がいく奴が、たかが1回見ただけの感想で作品を評価するとか、腹立たしいたろうなぁとも思う。でも評価なんて人それぞれだしな。

 

こうした作品のドキュメンタリーや裏側を見せる企画、製作過程のこだわりや解説など製作者が語るのが嫌いなのだけど、このドキュメンタリーはアクションシーンの熾烈さがフィーチャーされてて、俳優の苦労話もそれほどなく、監督の意図するところもあまり語られてなく、良かった。

 

しかし、昔ならスタントマンがやるであろうアクションを俳優がやるって凄いな。伊澤彩織はスタントパフォーマーという肩書きもあるけど、池松壮亮も髙石あかりもクソほど動いていて俳優だ。すごいな。

 

 

 

 

 

 

『旅するSnow Man - Traveling with Snow Man -(2025)日本テレビ0727〜、Disney+(完全版) 全10回

 

Snow Manのメンバーが南から北へ日本各地を訪ね歩く日本縦断の旅番組。その中で、それぞれのSnow Manへの思い、それぞれの持つ夢が語られる。

 

Snow Man岩本照深澤辰哉渡辺翔太宮舘涼太阿部亮平佐久間大介目黒蓮向井康二ラウール

 

Travel1

沖縄に全員集合。旅のお供には雪だるま型のAIタビィ。その都度おすすめを提案する。

リゾート系の素晴らしい宿泊施設が用意され、みんなで地元食材を扱った市場へ買い出しに行く。ただ、この買い出しにリーダー岩本は参加せず、自身、恒例としている現地の寺社にお参りし、旅の安全を祈願するお守りをメンバー分揃える。その後合流し、岩本を中心に深澤、宮舘がバーベキューの準備、他のメンバーはホテル内を案内する形で紹介する。

バーベキューを楽しんだ夕刻以降、岩本深澤以外は別仕事のため沖縄をあとにする。実は二人はプライベートで沖縄旅行を企画していたが、前日に岩本の体調不良でキャンセルした思い出があった。そんな二人、さらにリゾートホテルを満喫、夕食は鍋料理を堪能。ここで、この旅の約束事、必ずその土地の名物鍋料理を食べることが決まる。この日のお鍋は黒将(豚)しゃぶしゃぶ鍋

 

Travel2

岩本向井が福岡に行く。名所や名物を味わい、たわいもないことでじゃれあい、個性的な、かつ立派なホテルも堪能する。グループの仕事以外でも、常にグループに還元すること、さらにその還元によって得られる個人の成長についての考えなども知れる。ていうか、向井が天パーなの知らなかった。コンプレックスらしい。サウナを楽しんだおかげで見れた素のクルクルした髪、似合うのに。あとこの二人、ほぼ同期。19年(2025現在)とのこと。正確には向井が2週間遅れらしいけど。2026年で入所20年ということで、スノとしてデビュー6年になる。同じだけをスノとして生きたいと言ってるのを聞いて、また、世界に出たいけど、日本のファンを置き去りにはしないという意識も強く、この覚悟を聞いて私はFC続けようかなと思った笑。お鍋は博多水炊き鍋

 

Travel3

深澤佐久間が高知県へ。自然を味わうというということで、アユ釣りに隠れ家的なホテルでゆったり、源泉をひく温泉を満喫。ここでは佐久間が「絶対売れない」と言われていたことをしみじみ語る。このことは意外と知られてると思うけど、やはり辛かったろうな、売れない期間が長くて。そうしてやっと表舞台で活躍の今、アイドル観も語る。深澤との二人の自然な会話から、ずっとSnow Manで夢を与えみんなを明るくさせるべくやっていくんだろうなぁと思った。お鍋はケンカシャモ鍋。ここではカツオの藁焼き(タタキ)を佐久間が指導のもと焼いて、めちゃ、うまそうでこれは食べてみたいと思った。タビィも学習してしゃべりが少しずつうまくなってる感。

 

Travel4

阿部宮舘とでまずは鳥取砂丘から期間によって展示物が変わる砂の博物館へ。これは行きたいと思った。こういう旅番組で、その土地の魅力や新しい発見を見せてくれて、それが結果日本をよく知れることに繋がるのがいいな、と、まさにこの二人から教わった。それから岡山へ向かい遊園地で童心に帰る。トークでは笑われることが嫌だった宮舘が、それを克服して変化していったことを語る。これも有名な話。宮舘のフッと気が抜けるのが風呂からあがってスキンケアを終えたあと、というのがなんとも芸能人、表現者、夢を見せる立場にある者のこだわりなのだなぁと感心する。一方阿部はわりに自然体。一人旅もよく行くという…ってのも知られた話だな。お鍋はサバしゃぶ鍋。これが天然サバと養殖サバと2種類楽しめるもので、これも食べてみたいと思えた。

 

Travel5

渡辺目黒が京都で何百年も続く歴史的、伝統文化に触れる。向かう列車の中の二人が愛らしく、自撮りは恋人同士のようだったし、京都市内を巡る時は着物姿になり、背筋のピンとした渡辺はめちゃくちゃハマってたし、タッパのある目黒もよくに合っていた。そしてふつーにご飯かきこんで食べる渡辺の口の端にご飯粒が一つつくとか少女漫画かよ! と。ここ、目黒には突っ込んで欲しかった。最後の清水寺は絶景。保津川での川下りは日本最古らしい。目黒は職人から仕事への向き合い方をあらためて学び、互いに仲良くなったいきさつや普段の二人の会話など語られる。ビジュにやられる回になっていた笑。お鍋は鱧と松茸のはりはり鍋

 

Travel6

向井ラウールが静岡県へ。浜松城、浜松餃子、浜名湖、花火、抹茶のデザートでは口端に抹茶がついてるというかわいさをみせるラウール。向井がしょっちゅう写真を撮ってて、その腕前を知ってるからこそ撮った写真を都度見たいと思った。ナチュラルな二人。お鍋は店ではなく、レンタルハウス(?)のキッチンで静岡おでん。花火で「めめ」って描くラウールには、つくづく、目黒のこと好きなんだなぁ、と。会話は後入りメンバー同士であること、またラウールが一番年下ということもあり、互いのこれまでの絆みたいなものについて語る。

 

Travel7

宮舘深澤が群馬県へ。二人とも免許ないのでタクシーなの笑える。仕事への向き合い方を語る。そして今回の旅の魅力、仕事してる感じがなくてプライベートで旅をしてるみたいとの深澤の感想。確かに、タクシーの後部座席に並んで同時欠伸が出るほどには自然体。それにしてもいつから高崎が、パスタの街になったのか!? 古着の街になったのか!? そしてメンカラ分達磨がある!! 親戚が高崎にいるのだけど、少なくとも、子供の頃休みの度に行ってたうん十年前は違ったし、なかった(^^;;。いいな、9色の達磨。大盛り食べるのは男の子だなぁと感心。達磨はお清めに祈りも込めてみんなにお土産。お鍋は割烹さわで上州和牛のすき焼き

 

Travel8

 岐阜石川(金沢)へ佐久間阿部とで。ナチュラル度が高い。佐久間のキャラクターのせいだろうか。ほんの少しだったけど、白川郷が素晴らしかった。全編にわたって仕事への向き合い方、グループへの還元で自分は何ができるのか、アイドルとしてだけではなく自身の成長も考えてるのが共通して語られていて、グループの仲の良さもうかがえる。先輩のドームに立たせてもらったとき、スタッフから次はSnow Manだよと言われ、その10年後にスタジアムに立つことまで叶い、自分らを信じてくれた人たちのおかげだなって思いますと語る阿部には、よく頑張ってきたね、と努力の賜物だよ、と言いたい。鍋はカニ粥?!

 

Travel9

宮城へラウール渡辺が行く。プライベートでの二人きりのご飯経験はなくて照れ臭そうだった。そんなメンバーも、ラウールだけではなくいるようだ。免許ないので今回も運転手手配。伝統的建物での礼儀とか尊敬とか史実を知らない点が気になってしまった。素ではあるけど、多少の勉強はして欲しいな、と(^^;;。ふざけてる二人だけど、実は素は真面目だからと照れくさそうだった。でもそれこそ素の旅って感じ。ちゃんと旅をしたという感じだと感想のラウール。ペアでの旅はメンバーの違う面が見えて良いのではという感想の渡辺。そうしてまた一段、仲良くなっていくんだな。お鍋は牛タンしゃぶしゃぶ。これで九人分の旅は終了。これまでの9本の旅はアテンド役とゲスト役となってて、2倍楽しめる感じ。

 

Travel10

全員、北海道に集結。三組にわかれて車でリゾートホテルへ。そこで温泉組(佐久間、渡辺、深澤、向井)とホテル内探訪&魔除け作り組(岩本、宮舘、ラウール、目黒、阿部)に分かれてホテルの魅力を案内し、食事の席につき海鮮醍醐鍋。そしてそれぞれSnow Manに思うことを、ひとことずつ。 愛でいっはだったし、もっともっと見たことない景色を、ファンらと共有したいようだった。

ONE for SNOWMAN、SNOWMAN for ONE。

ニタニタしてしまう。今度は海外やってみたいねって言ってて、それは期待しちゃうけど、きっと無理だろうなぁ。

 

 

やはり、これもリアタイはしていなかった。実はそれスノもテーマによっては見ないこともあるし、YouTubeも。単独番組もテレビ、ラジオ共にチェックはしてない。追ったらキリがないから。でも一番好きなグループで、一番新曲を期待しているグループ。