※本の内容紹介があります。ネタバレご注意ください。
ミネルヴァ書房「介護人材が集まる職場づくりー現場リーダだからこそできる組織改革」という本からの内容紹介の2回目です。
第一部は、介護職員を悩ませる問題ー現場報告から
印象的な部分を抜粋していきます。
・介護労働は感情労働ー特別なハラスメントがなくても、特に認知面・情動面で障害を持つ利用者からの攻撃的言動とそれを「障害」として当然視して受容しなければならない場面の繰り返しはホックシールドが提唱したところの「感情労働」(業務として自己の感情表出ないしは抑制を求められる業種)に該当。なるほど。
・無自覚な労働法規違反が多数あり、それを回避するために、中間管理職こそ労働法規を身に付けるべき。労働安全衛生委員会設置と運用が重要。ふむふむ、法人に勤める私らからするとここは当たり前に感じる。
・「不満の解消」だけでは定着しない「意欲の向上」の希求するべし。それがなかなか難しい。仕事に求めるもの、意欲の源泉てみんな違うしね。
・ワークモチベーションの5因子(看護含む調査)こんな調査されてるんですね、看護と介護、少し違う気がするけど。
「リーダー志向」:他の人への指導助言ができること
「目標達成・有能感志向」:自分が役に立っていると感じれること
「協働志向」:職場のチーム関係が円満に感じられること
「ライフスタイル志向」:育児や家族介護と両立できること
「自律志向」:自分で仕事の仕方を工夫していけること
なるほど、この5つの要素がいろんなバランスで働く理由につながる、てわけね、なら、リーダーシップが発揮できて、裁量が認められて、円満なチームに恵まれて貢献度大でプライベートも守れる職場が最高、てこと?
・介護事業所の4類型ー類型により、経営状態や待遇に対する傾向の相違がある、てわけね。あまり型にはめると怒られそうな気もするけど。
社会福祉法人・医療法人立大規模事業所:雇用条件安定もルーティン化されたケア傾向、異動あり
大手株式会社系:賃金水準一般職は大手法人より低い傾向あるが昇進では優遇
ベンチャーともいえる小規模介護事業者:起業者の個性が反映しかなり多様性。したがって保険外サービス含む場合も。幹部以外の待遇低いことが多い。
介護「哲学」重視・地域密着型小規模事業者:経営者の「介護観」に依存した事業展開、待遇不安定なこと多い。
・めざせ「ディーセントワーク」(働きがいのある人間らしい仕事):ILOのスローガンであり、SDGsのゴールの一つにも登場する。
・ユニークな福利厚生の紹介
運転免許取得費用補助
在職中奨学金返済肩代わり
資格取得費用補助・研修の勤務扱い
定着に同期の存在は重要
なるほどどれも納得ですが、労働法規について現場管理者がよく学び、総務などから指摘される前に、コンプライアンスを現場際で保てるようになることは重要だし位置づければやるための課題がはっきりしていそうですね。
ハラスメントの予防・根絶はもちろん大事だけれど、ハラスメントがなくても感情労働としてのストレスマネジメントが必要な職種としてきちんと見るべきということですね。
あと最後の「同期の存在は重要」はなるほどです。逆に言えば同期や近い世代の入職の人の間での交流を応援するのが役に立つかもですね。
一言でディーセントワークと言っても、どうすればいいのか、ということですよね。また続きにヒントがあるか探していきますね。(医師K)
(続く)