越前市西部地域(白山・坂口地区)は、福井県の中央部に位置し、越前海岸と武生の市街地との間にある近い小さな盆地です。周囲を丹生山地に囲まれた標高150mほどの農村地域で、豊かな里地里山が多く残されています。

この地域は、環境省が絶滅の恐れのある生物をまとめたレッドリストで、最も絶滅の恐れの高い、絶滅危惧ⅠA類に指定されているアベサンショウウオの分布域内最大の生息地です。また、ゲンゴロウ、メダカ、サギソウなど多くの希少な野生生物が確認されており、これまで地域住民による活発な保全活動が行われてきました。このようなことから、平成16年度から19年度には、環境省の「里地里山保全再生モデル事業」のモデル地域として全国4箇所のうちの1つに指定されました。

水辺と生き物を守る農家と市民の会は、環境省のモデル事業をきっかけに、地域の豊かな里地里山を後世に残すため、県が策定した保全再生戦略において、自然環境保全活動の推進母体として位置づけられ、平成18年8月に地域住民が主体となり設立されました。

わたしたちは、当地域に縁のあるコウノトリをシンボルに、人も生き物も元気な里地里山を目指し、地域に生息するアベサンショウウオなどの希少な野生生物が生息する自然環境を保全し、人間生活との共生を図ることで、自然・農業そして文化等の相互作用によって、農村環境の活性化を図るため、5つの活動の柱をもとに取組みを展開しています。

 

【活動方針】

1. 希少野生生物が生息する自然環境の保全

2. 希少な野生生物の保全活動を付加価値とした商品や仕事づくり

3. 環境学習と自然体験活動

4. 地域外の人々との交流と協働

5. 人材の育成(自然環境保全メンバーや村の達人の育成)