マッドマックス:フュリオサ | akaneの鑑賞記録

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2015年に公開され、日本でも熱狂的なファンを生んだジョージ・ミラー監督のノンストップカーアクション「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。同作に登場した女戦士フュリオサの若き日の物語を描く。

世界の崩壊から45年。暴君ディメンタス将軍の率いるバイカー軍団の手に落ち、故郷や家族、すべてを奪われたフュリオサは、ディメンタス将軍と鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョーが土地の覇権を争う、狂気に満ちた世界と対峙することになる。狂ったものだけが生き残れる過酷な世界で、フュリオサは復讐のため、そして故郷に帰るため、人生を懸けて修羅の道を歩む。

 

 

 

 

 


シリーズの生みの親であるジョージ・ミラー氏は、1979年の映画『マッドマックス』で監督・脚本を担当し、それ以来、メル・ギブソン主演の三部作を経て、2015年の「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
 

 

 


そして今作と、50年近くに渡ってシリーズを手掛けているんですね!
途中で降板や変更もなく、ずっと監督・脚本を手掛けているのは凄いことだと思います!




まず、3月に観たDUNE

 

 


それに匹敵するぐらい、荒れ果てた砂漠の風景が美しかったです。
 

 

 

 

デジタル機器は一切なし!

超アナログの世界なんですけど、メカニックデザインも凝っていて、ユニークな攻撃方法も色々あって、見ごたえがありました。
これもIMAXで見るべき映画ですね!

 

 

 






基本的に「行って帰ってくる」ロード―ムービーだった前作に比べると、フュリオサの成長物語である今作の方が私としては面白かったです。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚であり、五つの章に分けられています。

 

 


少女時代のフュリオサを演じたのは、アリーラ・ブラウン。

 

 

 

子役はほんの少しだけかと思いきや、半分ぐらい出演していましたね!
この子がまた可愛いし、演技も良いし、良き良き!!



娘時代を演じるアニャ・テイラー=ジョイはとても目が印象的だと思うので、アリーラ・ブラウンもほとんど台詞がなく、目で演技しています。
母親譲りの強い精神力を持ち、状況判断や行動力に優れ、戦国の世を生き抜くスキルも抜群。

 


ある日、森に果物を取りに出かけたフュリオサは、バイク族の男たちを目撃します。

 

 

 

このまま生きて帰すと平和な「緑の地」の存在を外部に知られてしまうと考え、バイクに忍び寄ってバイクの燃料パイプを切断、しかし男たちに見つかり拉致されてしまいます。

 

 


フュリオサが吹いた警笛を聞き、狙撃手の母は娘を救いに行きますが、孤軍奮闘むなしく、殺されてしまいます。
砂漠を牛耳るバイク族の長、ディメンタスに拾われたフュリオサは、

 

 

 

 

その後、オイルや食料の駆け引きによりイモータン・ジョーの元へ。

 

 

ハーレムに軟禁されたフュリオサでしたが、脱出に成功。少年に変装して戦闘員や自動車工としての腕を磨いていきます。




前作「デスロード」では「フュリオサもジョーの子産み女となるが、ジョーの怒りを買い片腕を失う」となっていましたが、
今作では、子産み女が幽閉されている部屋に連れてこられてすぐ逃げ出し、少年としてメカニックで働き頭角を現す、となっていました。
現代の世情にあわせてそのあたりは変更したのかな?
新たに彼女が左手を失う経緯も描かれていて、なかなか壮絶なエピソードでした。



ディメンタスやイモータン・ジョーとも渡り合える肝の据わった少女から、アニャ・テイラー=ジョイへの繋ぎ方も非常に自然で良かったです。

 

 


監督は、アニャ・テイラー=ジョイを

 

 

での演技をみて、キャスティングしたそうです。

 

 

 

 

では、ニコラス・ホルトとも共演していましたね!

 

 


ディメンタス役のクリス・ヘムズワースは、どうしてもこの風貌だと「ソー」を思い浮かべてしまうし、基本的にちょっとおバカな良い人というか明るいキャラの持ち主なので、それほど極悪非道な感じはしませんでした。

 

 

フュリオサをなぶり殺したり凛辱したりはしませんでしたが、フュリオサは母を殺された恨みを持ち続けています。

 

 

 

 


対立するイモータン・ジョー。
前作でイモータン・ジョーを演じたヒュー・キース・バーンがお亡くなりになり、

 

 

今作ではラッキー・ヒュームが演じています。

 

 

なんとなく目元が優し気というか、ちょっと慈悲深く知的に見えちゃいますね。
え~カッコいいじゃん!って感じ。

 

 

 

 

メカニックも狙撃も優れているフュリオサは次第にイモータンジョーの信頼を得、シタデルの戦士として活躍するようになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

ディメンタスとジョーの2人の暴君がシタデルの覇権を巡って対立し争う中、フュリオサは多くの試練を乗り越え、故郷への道を探そうとします。


唯一、彼女を助けてくれるのは、シタデルのウォー・ボーイズを率いる指揮官である警護隊長ジャック。

 

 

 

すごく男気があってカッコいいし、前作のトム・ハーディとシャーリーズ・セロンを彷彿させる関係性でもあります。
ただ、ジャックを演じるトム・バークがトム・ハーディに比べるとややスター性が薄いというか…殺され方も雑だし、ちょっと残念でした。

 


 

 

 

唯一の味方だったジャックも殺され、髪を切り自ら左腕を切り落として覚醒するフュリオサ!!

 

 

 

 

 

 


男性ファンは「前作に比べて物足りない」という意見が多いようですね。
女の子の成長物語より、バチバチのバトルアクションの方が面白いんでしょう。

 

 


でもすっごく冷静に考えるとさ、資源も物資も枯渇している世の中、ガソリンや爆薬だって貴重な資源だと思うんですよ。
それらを動力とし、農業や開拓などするべきだと思うのですが
なんであんなに戦いばかりして、貴重な資源を無駄遣いするんでしょうね?

 

人を生かすのではなく、人を殺すことだけに資源も労力も人間も使うのはどうなの?って思っちゃう。
フュリオサの出生地である平和な「緑の地」は、ほとんど女性が暮らしているような描写でしたし。

こんなことはあまりにも当たり前なことで、でも実際、世の中はそんな綺麗ごとでは収まらない。
分かち合うより奪い合う愚かな人間たち。

そういう警鐘を込めた映画なのでしょうか


前作同様、男どもはギャーギャー騒いで闘うばかりで、信念を持って行動し、戦い、最後に勝利するフュリオサ。
「女の役目は子を産むだけ」という呪縛からの解放。
ゴリゴリの男っぽいシリーズだったであろう「マッドマックス」を、男性のジョージ・ミラー監督がこのようにアップデートして制作しているのはとてもカッコイイと思います。

 

 


このシリーズも三部作となると、次回はまたマックス(トム・ハーディ)の物語になるのかな?
前作において、フュリオサの生まれ育った「緑の地」は、すでに土壌汚染の進行で失われてしまったと知らされたので、フュリオサと女たちのその後も気になるところです。