ご無沙汰してしまいました~!
緊急事態解除を受けて、業界もにわかに動き出し、ちょっとバタバタしておりました。
2か月ほどダラダラしちゃったものですから…あ~~切り替えないと!!
さて「マッドマックス怒りのデスロード」、今日5月30日、地上波放送予定だったのがキャンセルになったようで…
特に政治的な忖度があったとは思えませんが、吹き替えの収録が間に合わなかったのか、特番と重なったとかかな?
2015年公開時には映画館で見たのですが、ちょっとあっけにとられた記憶しかありません。
このブログを始めたのは、色々鑑賞しても、このようにどんどん忘れてしまうのがあまりにももったいないと思ったのがきっかけ。
文章に残せば後から読み返すこともできるし、作品や俳優のバックグラウンドを調べたりして理解も深まるので。
で、Netflixで再度見てみました。
核兵器による大量殺戮戦争勃発後、地球の生活環境は汚染され、生存者達は物資と資源を武力で奪い合い、文明社会が壊滅した世界となっていた。
砂漠化し荒廃したウェイストランドで、元警官マックス(トム・ハーディ)は、
過去に救えなかった命の幻覚と幻聴に煩わされながら流浪を続けていたが、暴徒らの襲撃に遭い捕縛され、シタデルという砦に連行されてしまう。
そこではイモータン・ジョーを首領とした独自教義を持つ好戦的な集団の支配のもと、潤沢な地下水と農作物栽培を牛耳ることで成り立っている独裁社会が築かれていた。
マックスは身体を拘束され、環境汚染からの疾病を患うウォーボーイの供血として利用される。
ジョーの部隊を統率するフュリオサ・ジョ・バッサ大隊長(シャーリーズ・セロン)は、
ジョーの一族が受胎出産させることを目的として監禁していた5人の妻(ワイブズ)たちを
秘密裏にウォー・リグに搭乗させ、フュリオサの出生地である「緑の地」に匿う逃亡計画を実行に移す。
部下の背任行為と、妻たちと、その胎内の我が子を奪われたと知ったジョーは、配下の戦闘集団ウォーボーイズを引き連れ、友好関係にある「人食い男爵」と
「武器将軍」
の勢力を援軍に追走を開始する。
マックスはウォーボーイの1人、ニュークスの常備用「血液袋」として追尾車両に鎖で繋がれワイブス追走の争いに巻き込まれることになった。
一昼夜をかけて走破した場所でかつての仲間である「鉄馬の女たち」に出会うことができたが、
土壌汚染の進行で既に目的の地は失われている事を知り、フュリオサは慟哭する。
それでもなお、ワイブスと鉄馬の女たちと共に、荒廃した地へとあてのない旅に向かおうとするフュリオサに対しマックスは、ジョーさえ除けば生きて行ける可能性の高いシタデルに戻るように諭す。
いや~やっぱり凄いわ
壮大なるバカ
(誉め言葉です)
ってところかな。
多分、前作のシリーズを見ていたり、色々改造している元の車のことをよくわかっていたら、そのカスタム具合も面白かったりするのでしょうね。
「北斗の拳」などにも多大な影響を与えたそうなので、そういう劇画の世界が好きなファンにはたまらない映画なのかも。
ぶっちゃけストーリーは「行って帰ってくる」だけ。
ほぼ全編、砂漠で繰り広げられるカーチェイスと爆破。
なんじゃこりゃ?って思いながらも、ずーーーっと引き込まれて観てしまいます。
以下、素直な感想。
ウォーボーイ、頭悪そう…
口に銀色のスプレー吹きつけると特攻隊になるのね
なんだよ「輸血袋」って
自分の輸血用だったら、もっと大事にして~
車の前面に括り付けるとか訳わかんない~
走行しながら口にガソリン含んで車に吹き付けてる?大丈夫?
車の修理も走行しながら?大丈夫?
人食い男爵っていうから、ボリボリ人を貪り食うのかと思ったら、特に活躍せず死んだ
一番びっくりしたのはギター野郎コーマドーフ・ウォーリアーだよね。
スピーカー満載のトラックの前面に、ばねで縛り付けられててずーーーっとハードロックかき鳴らしてる
ギターは火炎放射器になってる
日本の和太鼓軍団みたいなのもいる
マッドマックスシリーズということだからトム・ハーディがメインなんでしょうけれど、実際はシャーリーズ・セロンが主役ですね。
姐さん、超カッコいい!
前日譚となるコミックがあるらしく、そこには彼らの背景も描かれているようです。
マックスは元警官で主人公。妻と娘をならず者に殺された過去があります。復讐を遂げた後、核戦争により荒廃した世界をさまよい続けていました。
その間も助けられなかった母娘のエピソードがあるようで、時々フラッシュバックとして幼い女の子が登場します。
フュリオサは幼い頃、母親と共に盗賊に拉致され、その3日後に母は死んでしまいます。その後、イモータン・ジョーの元に連れてこられ、そこで「Breeders」と呼ばれる彼のための「子産み女」として、陵辱される日々を送ります。
拉致されてから7,000日以上耐え続けたとのセリフがあるのでざっと20年近くです。この積み重ねた日々を想像するとフュリオサが抱え続けた恨みの深さもひしひしと。
トム・ハーディは前半ずっと、このような装具を嵌められているので、ほとんど言葉も発しません。
途中で、これを外すべく、やすりで頭の後ろをゴリゴリこすっているのがちょっと笑える。
トムハさん、バットマンでもこんな状態でしたね。
ウォーボーイたち
これ絶対、麿赤兒主宰の舞踏集団「大駱駝艦」ですよね~
後半、フュリオサたちと行動を共にするニュークス役のニコラス・ホルト
「女王陛下のお気に入り」でも白塗りだったよ(笑)
男どもはギャーギャー騒いでいるけど、ほとんどバカっぽくて役立たず。
対して信念を持って行動し、戦い、最後に勝利を勝ち取るのが、フュリオサ、ワイブズ(妻たち)、鉄馬の女、など全て女性たちというのが時代の流れに沿っているというか新しいですね。
イモータンは放射能がはびこる核戦争後の世界で、執拗に遺伝子的に正常な跡継ぎを求めています。
「女の役目は子を産むだけ」というのは、歴史上どの世界にも存在していた事実です。
その呪縛からの解放。
ミッションをやり遂げた後、男のマックスはまたどこへとも知れず去って行き、フュリオサを中心とした女性たちが過酷な環境の中から再生し、新たな共同体、新たな地球を創り上げていく未来。
なかなか深いテーマです。
この作品を男性のジョージ・ミラー監督が作ったというのがカッコイイ。
初代マッドマックスは、1979年、メル・ギブソンと共に作り上げた自身の出世作であり、その当時の三部作は見ていませんが、恐らくかなり男性的な映画だったと思います。
それを27年後、このような形でアップデートして世に出すというところが、素晴らしいですね。
昨今のコロナ禍に関して、欧米の方々がマスクに対して嫌悪感があるという説。
バットマン
などなど、正義のヒーローは目元を隠して、口元は出しています。
サングラスなども含め、目を隠すことには抵抗がないようですね。
対して悪役は、口元を隠しているので、なるほどな!と思いました。
マシンの数々、武器、衣装などは、本当にとても凝っていて、音響、編集、衣装といった6部門でアカデミー賞受賞というのも納得です。
これら派手派手な外見とは裏腹に、セリフはかなりミニマム。
ジョージ・ミラー監督は、英語圏以外の国の人が翻訳字幕なしでも楽しめる映画にしたかったと語っていました。
国や言語という形態が壊滅してしまった世界観にもマッチしていると思います。
MAD MAX --- 最高に狂った世紀末の地球。
恐らくこれは、大画面で大音響の中、応援上映みたいな形で観るのが一番面白いかもしれませんね。