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女王の花 別バージョンのエンディング

注文したのにね。
結局待ちきれずに限定版買っちゃったわ。
キャンセルしようとしたけど、ネットの方はキャンセルできず。

短かったけど、別バージョンのエンディングも読んでの感想は、

本編のエンディングはサッドエンド(バッドというよりサッドかな)、別バージョンのエンディングはハッピーエンド。

個人的にはそんな印象でした。

希望を持てるのは別バージョンのエンディングかな。

でもこっちのエンディングは、薄星がジャハルの毒で後遺症の残るような致命的な打撃を受けてしまった時点で現実的にあり得なくなってしまったと思うし。
11巻まではこの別バージョンのエンディングも候補にあったようだけど、正当な方をとってからできた12巻とのことなので、もう一回そのあたりをふりかえつつ読み返したいと思います。

土妃を攻め落としてすぐに土妃に王位を譲ってしまったら、今まで背負ってきた亡くなった大切な人たちの想いはどこに、ともなっちゃうのでもやもやも残るだろうけど、亜姫がいったん即位して国を落ち着かせてからの譲位ならすっきりいけるんじゃないかなと思ったし、私は別バージョンの方が希望がもてて好き。
でも先に書いたとおりの理由から、現実的ではなくなっちゃうよな、と思っちゃう。
別バージョンのエンディングは、薄星が健康でいてこそなので。
それに最終巻で川で消えちゃった薄星はあの展開ならやっぱり死んじゃっているっていうのが現実的だと思うからね。

現実的な線でいくと、やっぱり本編のエンディングしかないのかなと思いました。

死後の世界で、亡くなった大切な人たちの想いが報われているといいな。
その世界も見てみたいけど、見られないから良いのかもしれない。

亜姫は結局、薄星ではなく曾王を愛していたとしたら、がらっと変わった人生だったんだろう。
青徹が黄姫を愛していなかったら、亜姫は生き延びなかっただろう。
色んなたらればがあるけれど、なんとも悲しい。

でも最期に薄星が迎えに来てくれたから幸せだったんだとは思いたい。

一緒に生きた倍以上の時間を一人で生き抜いた亜姫は、やっぱりどこかで感情を捨てないと王でいられなかったんだと思うから。

次の世代が幸せでありますように。

全巻読み返したいな。
でも泣いちゃいそうだな。

女王の花は、ラストよりも過程、登場人物のそれぞれの生き様に心打たれた物語でした。
四月は君の嘘はラストにどーんと心打たれた。
過程も良かったけど。

女王の花 最終巻

ものすごくはまっていた漫画がついにフィナーレ。

自分の心が今ふさいでいるので、あまり入り込んで読めなかったのが心残り。

以下、ネタバレ注意。

あらすじと感想を織り交ぜながら語ります。

薄星は亜姫を守るため、敵を引きつけ、大奮闘し、亜姫を守り切ります。

そこに駆けつけた亜姫は、いますぐに薄星の元に駆けつけたい思いを抑え、目の前にいる致命傷を負った薄星と言葉を交わすことも出来ないまま、自陣へ戻ります。

薄星は水の中に消え、遺体は見つからないけど、そこは作者さんの優しさなのかな。
現実的にはどう考えてても死んでしまっているんだけど、遺体を見なければ、自分の中で夢を見ることは出来る。
目に焼き付く最後の記憶が、敵に首を切られた姿なんてむごすぎますからね。

ここで亜姫は「王」に変わります。
勝利を目前に、亜姫としての自分らしさのある自分が死んだ瞬間です。

土妃を攻め落とすまではあっさりで、ちょっと肩すかしを食った感。
心がある意味死んでしまった亜姫には、王なるのはもはや「プロセス」であり、土妃との確執はもはや取るに足りないことになっていたからかもしれないけど。

その後はわりと淡々と進みます。

天下を取るため、たくさんの国民が死に、生き残りからは恨みを買う。
そんな経緯から亜姫を殺そうと向かってきた春琴を亜姫は引き取り、自分付きの女官にします。
「あの子は昔の私。王として暴走して愚かに成り下がったとき、自分を討ってくれる者が欲しい」

亜姫は国のためストイックに王として生き、亜国は豊に、平和に、幸せな国になります。
が、そこには亜姫の一人の人間としての幸せはありません。

ふらりと言葉を交わすわけではないけれど、囚人として牢に繋がれた土妃を度々訪れていたようですが、そこに亜姫は自分の孤独を紛らわせようとしたのでしょうか。
王城で愛する人もいない、自由もなく生きる事は地獄、そこに勝者も敗者もなく、お互いをわかり合えるのは、皮肉にも土妃だけ。

土妃も、亜王の愛を得られず、全てをかけた王子をなくし、彼女なりの正義を貫くために国の王になった。
心は息子を失ったときに全て停止していても。
牢で生きる土妃はどこか安らか。
彼女も彼女でやはり「王」としてのあり方をある意味理解している、その資質を備えた人だからかもしれません。
どこか解放されたような穏やかさを漂わせているのは、心に架すものがなくなったからかも。
ある意味、達観に近いのか。
そこには、逆臣となりつつも、結局最期は自分の目の前で忠義を尽くした高諷の姿が大きかったのかもしれません。
自分のために殉死した高諷の姿は、土妃の琴線に触れたのは確か。

どんなに背負うものが大きく、心にロックをかけても、やはり王も人。
孤独でも、立派でも、やはり想われること、心を寄せられることは救いになるのだなと。

亜姫はずっと、ずっと、薄星を待ち続けます。
彼の手紙を胸に、国のいく末を見つめ、なくした人や国民の幸せや想いを背負い、踏ん張りながら。

曾王は人として、女性として、かなり本気で亜姫を想っていたみたいだけど、結局、亜姫は一人で生き抜いて。

そして体を壊し、死期を近く感じたときに、千年の花を探すよう国におふれをだします。

ここで、やっとジャハルとの約束が果たされるんですね。
亜姫の望みは「女王として死にたくない」。
その願いを叶えるときが来たら、ジャハルかそのこどものだいでも、必ず望みを叶える。
千年の花を届ける。
そんな2人の約束。

女王として生きたからこそ、女王という身分だからこそ、薄星と会えたけれど、薄星と一緒にはいきられなかった。
だから王としてではなく、一人の人間としての自分で死にたい。
それなら身分と関係なく一緒にいられるから。
そういうことなのかなあ。

その花を手に入れた亜姫は眠り続け、ある日こつぜんと姿を消す。

あんなに苦しみつつも強く乗り越えてきた亜姫の最期が、こういう形でのハッピーエンドしかないということに、なんだか寂しさとあっけなさを感じたりすると言うか、物足りなさを感じたりもしたんですけど、でも、これ以外の結末はないよな。
現実的に。

薄星と一緒にいるなら、死後の世界か夢しかない。
そこでしか願いは叶わない。
だから、亜姫にとって薄星と一緒にいることがハッピーエンドなら、この方法以外の結末は来ない訳で。

個人的には、おこられるかもしれないけど、曾王と同志として生きてもそれはそれで良かったんじゃないかなあとか思っちゃうけど。
人は一人で生きるのはつらいし、いない人を思い続けるのはきつい。
一緒に生きていける人に心を寄せてもそれはそれで救いはあるような。
でも、薄星以外は望まないという気持ちも分かる。

青逸の息子も見られたし、その主の黄姫と今度は上手くいくと良いな。
青徹とかつての黄姫は添えなかったけど、後の平和な世なら願いは叶うかもしれない。

もう一つのエンディングも読める限定版も出ているようなので、そっちがすごくすごく読みたいです!
そっこーポチりましたけど、本屋の方が早かったのかも。
早く読みたーい。
そっちではどうやら土妃に王位を譲るみたいなんですが、それはそれでありなエンディングだったのではとも思います。

でも薄星との幸せは、生きてこそ、なんですよね。
薄星がジャハルに毒でやられたところから、もう陰の者としてでも亜王のそばにいる未来はなかったしね。
やっぱり夢か死後の世界しかない。

死ぬときは一番迎えに来て欲しい人が迎えに来てくれるから、死ぬときは怖くない。

最愛の夫を亡くした親戚の言葉です。
まだまだ当時若かった私だったけど、強烈に印象が残っている言葉です。
愛した人がいるから言えること。

その人も亡くなり、自分の中で悔いが残る中、月日はめぐり、えらいとしにもなってきてしまったのに、私には迎えに来てくれる人がいないことが、深刻かも。
人生でそういう人を得られなかったら、相当な寂しさだよな、と我ながら思います。
が、得られるものと得られないものがあるし、かんがえてもしかたないのかも。

女王の花、また最初から読み返したいです。

今さらながら四大陸ペア

やっとこさ今さら見てる。

アイスダンスのフリーでパイポーやテサモエ、シブズ、素晴らしい演技の数々を見て感動した後、ペアに。

カナダもアメリカも、ペアもダンスもカップル競技は組み換え多いよなーとかしみじみ思いながら(てか近年組み替えは世界中で多いけど)、ヴォロトラのように素晴らしい化学反応のミラクルペアが生まれるのもわくわくするし、でもデュハラドやスイハン、テサモエやパパシゼのように、ずっと組んでいるペア、アイスダンサーが活躍するのも嬉しい。

見ていたけど、なんとなーくこの二人には少しソチ前のパトリックのことを彷彿させる気がする。

オリンピックは四年の周期。
それゆえ、どこでピークや全盛期をもってのれるかが重要だけど、ピーキングは本人たち次第の部分はあっても、全盛期は本人たち次第ではどうにもならない部分があると思う。
そして運も。

オリンピックの金メダルって、トップの実力があっても本番でたまたまミスをしてしまって運悪く金を逃す場合と、狭間での年にトップをはっていても、四年の間に状況が変わり、本番の年には抜かされる場合があると思います。
それも含めて誰が勝つか分からないのがオリンピックなのだけど。

パトリックは素晴らしい選手だけど、四年の中のオリンピックイヤーには下から抜かされかけていた時期だった。
なんとなく重なるのです。その感じと。

デュハラドはソチ後にトップまで上り詰めたけど、去年ぐらいから少しずつ調子を落とし始めている気がする。
特にラドフォードさんが。
もちろんすごい技術の持ち主で素晴らしいペアなんだけど、なんとなくそんな感じがするのです。
去年、正直ワールドで王座を守るのは難しいかもと思っていたけど、守り切ったデュハラドなので、こんな素人の戯れ言なんてまるで当てにならないかもしれないけど(ってか戯れ言のままであってほしい)。
オリンピックイヤー、上手くいってほしい。

中国ペアは大本命スイハンと、パートナー交換組み換えで本人たちもファンも驚いた、ペンジンとユージャン。
組み換え経緯からもやもやが残ったファンも、中国スケ連(というかツァオ兄さんとコーチか?)の目はやっぱり確かなんだな…と感じているのでは(私はなんだか経緯的に悔しさを感じつつも、素直にすごいなと思いました)。

ざっくりとユージンは似ているタイプ同士のペアだなと思っていて、ゆくゆくはパントンみたいなしっとり大人の、とても雰囲気のあるペアになるのではと期待していたので、かなりショックでしたし、特にペンジンよりユージャンの方が想像つかなかったのですが。

なんだ。すごい。
このミスマッチというかアンバランスな感じがなんともまたマッチしているというか。
すごい不思議なんだけどいいペアのできあがり。

ユーちゃんとジャン兄さん、見た目も演技スタイルも全っ然タイプが違うと思うんですよね。売りにするところも。
なのになぜかちぐはぐ感もなく、合っているという。
特にジャンさんにはペンちゃんよりユーちゃんの方が合っていると思ってしまった。
ユーちゃんの美しくしなやかでどことなくミステリアスな感じ、ジャン兄さんと合わんだろーと思っていたのに、なんだこのマッチ感。

見た目も正反対なのになぜか合う。
力強くて男性的な体型のジャンさんとだと、ユーちゃんの線の美しさやしなやかさが際立つし、すごく彼女の良さが引き立っている。
逆にジャンさんもユーちゃんと組むことで、力強さや男性的ないい部分が引き立つし、良い感じにお互い足りないところはカバーされちゃってるような。
そしてユーちゃんが大人っぽいので、年齢差が10歳あっても、見た目の違和感があまりないです。

ペアって組む相手でがらっと変わるから、難しくもあり、おもしろいですね。

能力の高い二人なので、組み換えて一年目でこの素晴らしい演技ですが、さらにまっとユニゾンが出てきたらどんなに素晴らしいペアになるのだろうと楽しみです。

ペンジンは今年のSP、大当たりですね。
ペンちゃんにこのコミカルさはぴったりだったし、お互い前のペアなら出来なかったプログラム。
ジンくんもコミカルな感じもいけるんだなと驚きでした。

フリーはしっとり。
正直ユージンの方が似合いそうなプロではありますが、また違った二人の素敵なプログラム。
四大陸のフリー、素晴らしかったです。
スイちゃんがガラッと変わったように、今後ペンちゃんがガラッと変わったら…また違ったペンジンが見られそうな気がします。

個人的には今年はジンくんのいろんな面に気づかされました。
コミカルな面や、しっとり系ではせつない表情。色んな曲が出来る選手なのだなと。
ペンちゃんといると、よりジンくんは大人っぽく見えますね。
ペンちゃんはこんなに笑顔はつらつのところは見たことがないってくらい笑顔が多くてびっくりしました。
実績抜群のジャンさんと組んでいるのはプレッシャーがきつかったんだろうな。

スイハン。
おかえりなさい!
待ち望んでいました!
スイちゃんが両足手術、しかも目も一時期見えないという話も出ていたようなので、復帰が本当に大丈夫なのかかなり心配だったのですが…
それを吹き飛ばしてくれる素晴らしい演技に感動。

しかもブルースできたか。
あの高橋の大ちゃんの難曲ブルースフォークルック。

そしてフリー。
情感たっぷりの演技。
ああ、泣いちゃいました。
演技後の二人の固い抱擁。
ハンくんの「本当に本当によく頑張ったね」とたたえるような、労うように力強く優しくスイちゃんをなでる姿と、しっかりハンくんに抱きついて涙を浮かべるスイちゃんに。
二人にしか分からない、乗り越えてきた問題や想いがたくさんあるんだろうなと。

両足の手術からこんなこんなに早く復帰、しかも完全復活と言って良いような素晴らしい演技で戻ってくるには、想像もつかないほどの努力と大変さがあっただろうと思います。
戻ってきてくれてありがとう。
ワールドもオリンピックも楽しみにしています。

ペアもアジア、ヨーロッパ、北米、たくさん楽しみなペアがいますね。
サフマソもどんどん良くなっているし、オリンピックまでに二人が目指すところまで間に合うか。
他の組み換え組もどこまで仕上げられるか。
色んな楽しみがありますが、私は平昌の大本命はスイハンだと思っています。