女王の花 最終巻
ものすごくはまっていた漫画がついにフィナーレ。
自分の心が今ふさいでいるので、あまり入り込んで読めなかったのが心残り。
以下、ネタバレ注意。
あらすじと感想を織り交ぜながら語ります。
薄星は亜姫を守るため、敵を引きつけ、大奮闘し、亜姫を守り切ります。
そこに駆けつけた亜姫は、いますぐに薄星の元に駆けつけたい思いを抑え、目の前にいる致命傷を負った薄星と言葉を交わすことも出来ないまま、自陣へ戻ります。
薄星は水の中に消え、遺体は見つからないけど、そこは作者さんの優しさなのかな。
現実的にはどう考えてても死んでしまっているんだけど、遺体を見なければ、自分の中で夢を見ることは出来る。
目に焼き付く最後の記憶が、敵に首を切られた姿なんてむごすぎますからね。
ここで亜姫は「王」に変わります。
勝利を目前に、亜姫としての自分らしさのある自分が死んだ瞬間です。
土妃を攻め落とすまではあっさりで、ちょっと肩すかしを食った感。
心がある意味死んでしまった亜姫には、王なるのはもはや「プロセス」であり、土妃との確執はもはや取るに足りないことになっていたからかもしれないけど。
その後はわりと淡々と進みます。
天下を取るため、たくさんの国民が死に、生き残りからは恨みを買う。
そんな経緯から亜姫を殺そうと向かってきた春琴を亜姫は引き取り、自分付きの女官にします。
「あの子は昔の私。王として暴走して愚かに成り下がったとき、自分を討ってくれる者が欲しい」
亜姫は国のためストイックに王として生き、亜国は豊に、平和に、幸せな国になります。
が、そこには亜姫の一人の人間としての幸せはありません。
ふらりと言葉を交わすわけではないけれど、囚人として牢に繋がれた土妃を度々訪れていたようですが、そこに亜姫は自分の孤独を紛らわせようとしたのでしょうか。
王城で愛する人もいない、自由もなく生きる事は地獄、そこに勝者も敗者もなく、お互いをわかり合えるのは、皮肉にも土妃だけ。
土妃も、亜王の愛を得られず、全てをかけた王子をなくし、彼女なりの正義を貫くために国の王になった。
心は息子を失ったときに全て停止していても。
牢で生きる土妃はどこか安らか。
彼女も彼女でやはり「王」としてのあり方をある意味理解している、その資質を備えた人だからかもしれません。
どこか解放されたような穏やかさを漂わせているのは、心に架すものがなくなったからかも。
ある意味、達観に近いのか。
そこには、逆臣となりつつも、結局最期は自分の目の前で忠義を尽くした高諷の姿が大きかったのかもしれません。
自分のために殉死した高諷の姿は、土妃の琴線に触れたのは確か。
どんなに背負うものが大きく、心にロックをかけても、やはり王も人。
孤独でも、立派でも、やはり想われること、心を寄せられることは救いになるのだなと。
亜姫はずっと、ずっと、薄星を待ち続けます。
彼の手紙を胸に、国のいく末を見つめ、なくした人や国民の幸せや想いを背負い、踏ん張りながら。
曾王は人として、女性として、かなり本気で亜姫を想っていたみたいだけど、結局、亜姫は一人で生き抜いて。
そして体を壊し、死期を近く感じたときに、千年の花を探すよう国におふれをだします。
ここで、やっとジャハルとの約束が果たされるんですね。
亜姫の望みは「女王として死にたくない」。
その願いを叶えるときが来たら、ジャハルかそのこどものだいでも、必ず望みを叶える。
千年の花を届ける。
そんな2人の約束。
女王として生きたからこそ、女王という身分だからこそ、薄星と会えたけれど、薄星と一緒にはいきられなかった。
だから王としてではなく、一人の人間としての自分で死にたい。
それなら身分と関係なく一緒にいられるから。
そういうことなのかなあ。
その花を手に入れた亜姫は眠り続け、ある日こつぜんと姿を消す。
あんなに苦しみつつも強く乗り越えてきた亜姫の最期が、こういう形でのハッピーエンドしかないということに、なんだか寂しさとあっけなさを感じたりすると言うか、物足りなさを感じたりもしたんですけど、でも、これ以外の結末はないよな。
現実的に。
薄星と一緒にいるなら、死後の世界か夢しかない。
そこでしか願いは叶わない。
だから、亜姫にとって薄星と一緒にいることがハッピーエンドなら、この方法以外の結末は来ない訳で。
個人的には、おこられるかもしれないけど、曾王と同志として生きてもそれはそれで良かったんじゃないかなあとか思っちゃうけど。
人は一人で生きるのはつらいし、いない人を思い続けるのはきつい。
一緒に生きていける人に心を寄せてもそれはそれで救いはあるような。
でも、薄星以外は望まないという気持ちも分かる。
青逸の息子も見られたし、その主の黄姫と今度は上手くいくと良いな。
青徹とかつての黄姫は添えなかったけど、後の平和な世なら願いは叶うかもしれない。
もう一つのエンディングも読める限定版も出ているようなので、そっちがすごくすごく読みたいです!
そっこーポチりましたけど、本屋の方が早かったのかも。
早く読みたーい。
そっちではどうやら土妃に王位を譲るみたいなんですが、それはそれでありなエンディングだったのではとも思います。
でも薄星との幸せは、生きてこそ、なんですよね。
薄星がジャハルに毒でやられたところから、もう陰の者としてでも亜王のそばにいる未来はなかったしね。
やっぱり夢か死後の世界しかない。
死ぬときは一番迎えに来て欲しい人が迎えに来てくれるから、死ぬときは怖くない。
最愛の夫を亡くした親戚の言葉です。
まだまだ当時若かった私だったけど、強烈に印象が残っている言葉です。
愛した人がいるから言えること。
その人も亡くなり、自分の中で悔いが残る中、月日はめぐり、えらいとしにもなってきてしまったのに、私には迎えに来てくれる人がいないことが、深刻かも。
人生でそういう人を得られなかったら、相当な寂しさだよな、と我ながら思います。
が、得られるものと得られないものがあるし、かんがえてもしかたないのかも。
女王の花、また最初から読み返したいです。
自分の心が今ふさいでいるので、あまり入り込んで読めなかったのが心残り。
以下、ネタバレ注意。
あらすじと感想を織り交ぜながら語ります。
薄星は亜姫を守るため、敵を引きつけ、大奮闘し、亜姫を守り切ります。
そこに駆けつけた亜姫は、いますぐに薄星の元に駆けつけたい思いを抑え、目の前にいる致命傷を負った薄星と言葉を交わすことも出来ないまま、自陣へ戻ります。
薄星は水の中に消え、遺体は見つからないけど、そこは作者さんの優しさなのかな。
現実的にはどう考えてても死んでしまっているんだけど、遺体を見なければ、自分の中で夢を見ることは出来る。
目に焼き付く最後の記憶が、敵に首を切られた姿なんてむごすぎますからね。
ここで亜姫は「王」に変わります。
勝利を目前に、亜姫としての自分らしさのある自分が死んだ瞬間です。
土妃を攻め落とすまではあっさりで、ちょっと肩すかしを食った感。
心がある意味死んでしまった亜姫には、王なるのはもはや「プロセス」であり、土妃との確執はもはや取るに足りないことになっていたからかもしれないけど。
その後はわりと淡々と進みます。
天下を取るため、たくさんの国民が死に、生き残りからは恨みを買う。
そんな経緯から亜姫を殺そうと向かってきた春琴を亜姫は引き取り、自分付きの女官にします。
「あの子は昔の私。王として暴走して愚かに成り下がったとき、自分を討ってくれる者が欲しい」
亜姫は国のためストイックに王として生き、亜国は豊に、平和に、幸せな国になります。
が、そこには亜姫の一人の人間としての幸せはありません。
ふらりと言葉を交わすわけではないけれど、囚人として牢に繋がれた土妃を度々訪れていたようですが、そこに亜姫は自分の孤独を紛らわせようとしたのでしょうか。
王城で愛する人もいない、自由もなく生きる事は地獄、そこに勝者も敗者もなく、お互いをわかり合えるのは、皮肉にも土妃だけ。
土妃も、亜王の愛を得られず、全てをかけた王子をなくし、彼女なりの正義を貫くために国の王になった。
心は息子を失ったときに全て停止していても。
牢で生きる土妃はどこか安らか。
彼女も彼女でやはり「王」としてのあり方をある意味理解している、その資質を備えた人だからかもしれません。
どこか解放されたような穏やかさを漂わせているのは、心に架すものがなくなったからかも。
ある意味、達観に近いのか。
そこには、逆臣となりつつも、結局最期は自分の目の前で忠義を尽くした高諷の姿が大きかったのかもしれません。
自分のために殉死した高諷の姿は、土妃の琴線に触れたのは確か。
どんなに背負うものが大きく、心にロックをかけても、やはり王も人。
孤独でも、立派でも、やはり想われること、心を寄せられることは救いになるのだなと。
亜姫はずっと、ずっと、薄星を待ち続けます。
彼の手紙を胸に、国のいく末を見つめ、なくした人や国民の幸せや想いを背負い、踏ん張りながら。
曾王は人として、女性として、かなり本気で亜姫を想っていたみたいだけど、結局、亜姫は一人で生き抜いて。
そして体を壊し、死期を近く感じたときに、千年の花を探すよう国におふれをだします。
ここで、やっとジャハルとの約束が果たされるんですね。
亜姫の望みは「女王として死にたくない」。
その願いを叶えるときが来たら、ジャハルかそのこどものだいでも、必ず望みを叶える。
千年の花を届ける。
そんな2人の約束。
女王として生きたからこそ、女王という身分だからこそ、薄星と会えたけれど、薄星と一緒にはいきられなかった。
だから王としてではなく、一人の人間としての自分で死にたい。
それなら身分と関係なく一緒にいられるから。
そういうことなのかなあ。
その花を手に入れた亜姫は眠り続け、ある日こつぜんと姿を消す。
あんなに苦しみつつも強く乗り越えてきた亜姫の最期が、こういう形でのハッピーエンドしかないということに、なんだか寂しさとあっけなさを感じたりすると言うか、物足りなさを感じたりもしたんですけど、でも、これ以外の結末はないよな。
現実的に。
薄星と一緒にいるなら、死後の世界か夢しかない。
そこでしか願いは叶わない。
だから、亜姫にとって薄星と一緒にいることがハッピーエンドなら、この方法以外の結末は来ない訳で。
個人的には、おこられるかもしれないけど、曾王と同志として生きてもそれはそれで良かったんじゃないかなあとか思っちゃうけど。
人は一人で生きるのはつらいし、いない人を思い続けるのはきつい。
一緒に生きていける人に心を寄せてもそれはそれで救いはあるような。
でも、薄星以外は望まないという気持ちも分かる。
青逸の息子も見られたし、その主の黄姫と今度は上手くいくと良いな。
青徹とかつての黄姫は添えなかったけど、後の平和な世なら願いは叶うかもしれない。
もう一つのエンディングも読める限定版も出ているようなので、そっちがすごくすごく読みたいです!
そっこーポチりましたけど、本屋の方が早かったのかも。
早く読みたーい。
そっちではどうやら土妃に王位を譲るみたいなんですが、それはそれでありなエンディングだったのではとも思います。
でも薄星との幸せは、生きてこそ、なんですよね。
薄星がジャハルに毒でやられたところから、もう陰の者としてでも亜王のそばにいる未来はなかったしね。
やっぱり夢か死後の世界しかない。
死ぬときは一番迎えに来て欲しい人が迎えに来てくれるから、死ぬときは怖くない。
最愛の夫を亡くした親戚の言葉です。
まだまだ当時若かった私だったけど、強烈に印象が残っている言葉です。
愛した人がいるから言えること。
その人も亡くなり、自分の中で悔いが残る中、月日はめぐり、えらいとしにもなってきてしまったのに、私には迎えに来てくれる人がいないことが、深刻かも。
人生でそういう人を得られなかったら、相当な寂しさだよな、と我ながら思います。
が、得られるものと得られないものがあるし、かんがえてもしかたないのかも。
女王の花、また最初から読み返したいです。