小さいの私! -6ページ目

無我夢中

女の子は夢を見た。
いつか母が話した
あの頃の夢を。


大好きな
おじいちゃんが死んだ。

おじいちゃんを
囲む人は皆
涙をながしていた。


女の子は
涙を流すこともできなかった。

その側で母も涙を流していた。

女の子は
自分は冷たい人間だと思った。

『人の死は意味が
あるものでなければならないの。

独りで死ぬことは、
不幸なことなのだよ。

でも、おじいちゃんは、
今幸せかもしれないね。

だって、
みんなが
おじいちゃんのために
涙を流してくれているんだもの。』



女の子は胸が痛かった。

涙を流していない
女の子は
大好きなおじいちゃんの
幸せを邪魔していると思った。

切なかった。


悲しいのに。
大好きだったのに。

涙が流せない
自分に苛立った。


母は優しい顔で
側にいてくれた。

ただ、
側にいてくれた。

空虚拿室

疲れていると
いつも母が
ホットココアをいれてくれた。

それが
女の子にとっての
幸せだった。


今は、
ホットココアを
いれてくれる母もいない。



自分でいれた
ホットココアは
いつもより苦く感じた。


ただひたすらに
ホットココアを飲みほした。

嬉々嫌々

毎日好きなことをして。
自分のやりたい事をして。

大切にしていた
自分だけの時間を

永遠に過ごせて
幸せだった女の子。


何をやるにも自分で。

料理をするのも自分で。
食材集めも自分の力で。
水を汲むのも自分だけで。


自分だけの時間は、
好きなことだけ。

そんな風にはいかなかった。


女の子は、
そんな日々に疲れてしまった。