15日、日テレがドラマ「セクシー田中さん事件」に対して何とも奇妙なコメントを出しました。

 

コメントは、お悔やみの言葉の後に「『セクシー田中さん』の漫画・ドラマを愛していただいている読者・視聴者の皆様、ドラマの出演者、関係者の皆様に多大なるご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」と、世間からの厳しい意見や指摘や突っ込みに関しては一切触れず全てを「心配をかけております」=「みんなが自分達(日テレを)を心配してくれている」に都合よく変換しています。

 

続いて「日本テレビは今回の事態を極めて厳粛に受け止め」とありますが、訃報の知らせの直後には「最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。」と、「オッケー貰ったんだから問題ないわけで、こっち(日本テレビ)に文句言ってくるのはお門違い」と言わんばかりのコメントで大炎上したからなのか、この後に続く「これまで独自に社内調査を行っておりました」だから「極めて厳粛に受け止め」ってところを察してほしいということなのか…

 

ま、どちらにしろ悪い印象をどうにかしたくて出した苦しいコメントがまた自分たちの首を絞める事になっている状態ということです。

 

コメントは続いて…

 

原作漫画『セクシー田中さん』の出版社であり、ドラマ化にあたって窓口となっていただいた小学館にもご協力いただき、新たに外部有識者の方々にも協力を依頼した上、ドラマ制作部門から独立した社内特別調査チームを設置することにいたしました」と報告。

続けて「早急に調査を進め、真摯に検証し、全ての原作者、脚本家、番組制作者等の皆様が、より一層安心 して制作に臨める体制の構築に努めてまいります」と綴られています。

 

コメントには「これまで独自に社内調査を行っておりました」とありニュアンス的には、訃報が届いてから直ぐに社内調査をはじめた」ように読めますが「それはいつ立ち上げ、メンバーは誰で、どういう調査をしていたのか」という疑問が出て来ますし、訃報直後からの調査なら、なぜこんなに時間がかかっても解明できないのか、小学館を入れなければ解明出来ない問題とは何なのか、今後この部分は問われる事になるでしょう。

 

私的には、自分のところ(日テレ自身)で言い出した事とは言え、まぁ~随分と説明責任のハードルを上げたものだなと思いました。

 

しかも、コメントの最後には

新たに外部有識者の方々にも協力を依頼した上、ドラマ制作部門から独立した社内特別調査チームを設置することにいたしました。 早急に調査を進め、真摯に検証し、全ての原作者、脚本家、番組制作者等の皆様が、より一層安心して制作に臨める体制の構築に努めてまいります。

 

と、書かれており調査への意気込みより「何が何でも第三者委員会は置きたくないビックリマーク」という強い意気込みだけは伝わる墓穴…汗

 

誰が考えた文章なのか知りませんが「社内特別調査チームを設置することにいたしました。」と、宣言した事で「第三者委員会以上の調査内容の報告が出来る期待値」を上げたわけです。

 

直近の第三者委員会の報告で各局も報道し印象的だったのは、日大の第三者委員会の報告でしょう。

 

日大の第三者委員会の報告では下記のようにコメントが出されました。

 

日大の組織風土について第三者委員会が出したコメント

下矢印

不都合な情報には目をつぶり、自己を正当化するという姿勢はコンプライアンスの欠如を如実に表すものといえよう。

危機管理についての知見、認識も大きく欠けている。

 

どうでしょうはてなマークこのどこにも忖度しないどストレートな評価コメント。

 

つまり日テレは、この日大の第三者委員会が出したコメント以上のものを出す自信があるのという事なのでしょう…というか、これ以上のものを出さないと批判は今以上になるでしょうし、夏の「24時間テレビ」は放送できたとしても、放送歴史上類を見ない大失態になるか最悪、放送中止になるのではないかと思うのです。

 

第三者委員会を置かず、自前の調査チームでどこまで世間が納得する調査報告が出来るかを一番気にしているのはスポンサーだと思うのですが、私が思うにかなり危ない賭けではないかと思うのです。

 

そもそもこれだけの事件で第三者委員会を置かない時点で、保身感が強く、そういう所も一般視聴者に見抜かれていて「ではこういう局にどういうスポンサーがついているのか」とスポンサーに目が行くようになっても自分達の調査チームに拘るところをスポンサーはどう思っているのかというところもまた人の興味を引いてしまい結局はスポンサーのイメージに繋がるのですが…さて、自前チームに拘る日テレはどこまで考えているのか…

 

クローバー 第三者委員会を置かなかった宝塚の今 クローバー

 

第三者委員会を置かない決断をして今また動きを見せているのが「宝塚問題」です。

 

宝塚問題は「セクシー田中さん事件」よりも前に起こった事件ですが、事件の内容もさることながら、会見の失敗、第三者委員会を置かない大企業の対応の仕方という点でもとてもよく似ていて、事件が起きたのが「セクシー田中さん」よりも少し早かったという点で、ある意味「今後日テレが通るであろう道を示しているように思います。

 

最初の自信満々な会見で最初の炎上をして、そこから次々と発覚する「嘘」や「隠蔽」…

 

物事を何とかしたい時ほど誠実に向き合わなければならないものですが、そういう時に優先してしまうのが「プライドや見栄、見返りのための忖度」という、他人にはどうでもいいものが邪魔をします。

 

また、宝塚では卒業するトップの会見で新理事長・村上氏(最初の炎上会見で「証拠となるものをお見せいただけるよう提案したい」と言い放ったあの人物)が、あろう事か卒業するトップのために用意された金屏風の前で事件について話すという前代未聞な行動をした事で「規律やマナーをどうこう言う人の行動かはてなマーク被害者にも卒業生にも失礼」と、これまた話題になりました汗

 

上に立つ人間の行動で世間はその組織をある程度判断するので今その下にいる誠実な人たちにはただただお気の毒としか言えません汗

 

結局、問題発覚から数か月経った現状は、当初の高圧的で「何事も無かった」と言い切っていた事が災いして今は難しい舵取りを迫られています。

 

報道では、当初パワハラやいじめはなかったとしていたものを一転し認め阪急阪神ホールディングスの角会長らが直接謝罪する意向を示しているという事のようで、こうなって来ると問題になるのはパワハラといじめの首謀者とされている人物たちの処遇です。

 

正直、運営側としては角会長が直接謝罪する前に首謀者達には自発的に退団して欲しいところでしょう。

 

運営がパワハラやいじめを認めてグループの会長が謝罪するのに首謀者にいつまでも居座られては宙組自体の存続に関わりますし、それは他の組にも影響し、引いてはグループ企業の収益にも大きく影響するからです。

 

グループ企業としては「ドル箱エンタメのこれ以上のイメージダウンと利益損失は避けたい」と舵を切ったわけです。

 

つまり、企業として何を切り捨てるかを考えた結果って事です。

 

これは、宝塚の問題を書きはじめた当初から言っていた事ですが、宝塚の運営や親会社である阪急阪神ホールディングスが「コンコルド効果」に嵌って、尚且つ「~はず」「~べき」「~だろう」という思い込みの判断で先を見誤った結果、利益も評判も落としたという経営者には身につまされるお話しです。

 

で、これに続きそうなのがどうやら日テレではないかという事なわけですね。

 

既に、次のドラマとして上がっていた「たーたん」は撮影が中止されたという情報は多くの人が知るところですが、時間が経つにつれその酷い改変内容(劇中で自死する女性の職業を意味なく女優から漫画家に変更)に、これは「セクシー田中さん」の原作者への嫌がらせのためではと言われています。

 

制作が中止になったので真相は分かりませんが、問題はこういう内容があっさり外に漏れるほど内部に不信感を持っている人が多数いるという事で、それを未だに権力や恐怖で完全にコントロールし支配出来ると思っているところでしょう。

 

コメントは既に二回炎上しているので「仏の顔も三度」で後がない状態ですからもう下手は出来ない上に日大の第三者委員会のコメント以上のものを出さないと今後は色々とかなり厳しくなるのではないかと思います。

 

※「仏の顔も三度まで」は、三度までは許されると思われがちですが「三度目で怒られる事」を意味しています。

「仏の顔も三度撫ずれば腹立つ」が「仏の顔も三度」と短く変化した時に「まで」が付いたとされ、三度までセーフではなく三度目でアウトって事です。野球のルールと同じだと覚えればいいでしょう。

 

さて、自分から「調査はしてた」とハードルを上げた上に小学館も道連れにして社内調査チーム…つまり身内チームでどれだけの報告が出来るのか…

 

「調査していた」と言うくらいですから時間はかからず発表されるのでしょう。

 

問題はコメントではなく会見報告で質疑応答で答えられるか、誰が出て来るのかです。

 

間違ってもホームページで報告なんて事をしてはいけませんよ。

 

そんな事をしたら翌日のSNSは日テレやドラマ関係のワードがトレンド入りして大騒ぎになるでしょうから汗

 

 

このお話が誰かの心のヒントになれば幸いです音譜

 

 

 

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