1月1日に起きた能登半島地震は少しずつではありますが支援も届くようになり、また孤立地域では自衛隊のヘリで安全な避難場所へ住民を移送したという事で安心した方も多かったのではないでしょうか。
しかし、まだまだ道路状況は悪く土地勘の無いものが行くにはリスクも高いようなので、道路が確保され安全に物が運べるまで私たちは寄付などで継続的に支援する事が大切ですね。
さて、そんな被災地に政治家がいち早く行った事で騒動が起こっていますね。
という事で、今回はこういった国の一大事にトップが取るべき行動と保たなければいけない心理、大衆をどう誘導すべきかなどについてお話ししていきましょう。
まず、組織の中で何か大きな事が起こった場合に大切なのは「情報」です。
「何が、いつ、どこで、どのように起こり、今は発生から何分(何時間)経ち、どのような状態か」を把握する事です。
そして次に大切なのは混乱する大衆を落ち着かせる事です。
(午前と午後など1日に数回、1~2分のメッセージを現地に向けて発するだけでも被災者の心持はちがいます。)
ここでやってはいけない事は、状況も分からず、情報も無く国のトップがおいそれと動く事です。
これは、ただ危ないからではなく「国のトップとして足をすくわれないため」です。
国のトップにいるという事は、国内だけでなく国の外にも注意を払わなければなりません。
特に注意しなければならない国が近くにあるのならば尚更です。
「まさか~ そんな大げさな~」と思うかも知れませんが、侵攻し占領しようとするような国が今から侵攻する相手国の事情など考慮したりはしません。
ターゲットになっている国の一大事は
侵攻する国にとっては好機となるからです。
う~んでもね…
そんな事は起こらないでしょ
と思う方もいるでしょう。
しかし、相手の隙をついて侵攻を開始するのは戦争のセオリーで、ウクライナ侵略戦争を仕掛けたロシアも、湾岸戦争の引き金になったイラクのクウェート侵攻も多くの人がまさかと思っていたのです。
因みにイラクのクウェート侵攻では侵攻開始6時間でクウェートの全域を占領しました。
(「お休み」を言って「おはよう」と言う間に一つの国が占領されてたって事です)
平和な国にいると国の危機なんて考えられないかも知れまでんが世界を見ればそう珍しい事ではないのです。
それでもまだ考えられないという事でしたら…
では、あなたが占領する側だとしたらどうでしょう。
占領出来なければ、あなたは失脚し次の権力者に暗殺される可能性が非常に高い(勿論、一族もろともです)としたらどうでしょう
自分を引き摺り下ろそうと狙っている人物たちに自分は国民に人気があり支持されている事を示し、国民には侵攻し占領する正当性を説きお祭り騒ぎにして必死に侵攻し占領し功績を残し身の安全を確保するのではないでしょうか
(それを今やっているのがプーチンですね)
そして侵攻し占領するからには無駄なく迅速に制圧する事を目的とするでしょう。
国の司令塔が動く(移動する)という事はそれだけ「隙」が出来るという事です。
ただ、間違えて欲しくないのは、被災地に行くなと言っているわけではないという事です。
現地を視察する事も大切な仕事ですが、現地の状況が分からないまま司令塔が動いて、万が一帰って来られないような状況になると、ただでさえ災害で右往左往している地域だけでなく日本中がパニックになるのです。
勿論、そうならないために側近から移動を任される自衛隊の方々まで多くの人が万全の態勢で現地に行くのです。
東日本大震災の時に、当時総理大臣だった管直人議員が震災翌日に福島原発へヘリで視察に行き現場を大混乱させた事があり、原発の被害もどの程度かもまだ分からない状態で総理とは言え現地に行って何が出来るわけでもないのに行きたがる、見たがるのは国のトップとしてあまりにも軽率な行動と当時も非難された事を思い出した方もいるでしょう。
一大事が起こった時に何が出来るわけでもないのに乗り込んで(自称)励ましたって事をSNSでアピールするのは、本人の中では「俺が行くだけで被災者は喜ぶ現状を多くの人に知らせている
ヒーローな俺、カッケー
」と脳内変換されているのでしょうが、国の危機管理の観点から見れば「軽率で危ない奴」となるのです
話しは少し変わりますが、今から270年ほど前のロシアにエカテリーナ2世という女帝がいました。
彼女は北ドイツのあまり裕福でない貴族の出身でしたが親族がロシア女帝エリザヴェータ・ペトロヴナと縁があり、その関係で後のピョートル3世に嫁ぐ事になりました。
後のピョートル3世もドイツ出身でロシア語は話せませんでした。
結婚したのはいいものの、嫁のエカテリーナはロシア語勉強のし過ぎで熱を出すほど努力していたのに夫である工程はロシア語を学ぶ事はせず人形の兵隊ごっこやドイツ人を雇って兵隊の訓練ごっこをするような幼稚な人物で夫婦ははじめから上手く行っていませんでした。
そしてこのピョートル3世、とにかく火事が大好きで、火事が起きると野次馬根性が我慢できずに見に行くほどの人物でした。
彼が皇帝になってからは「政治」ではなく彼の好き嫌いで物事が決められたため勝てそうな戦争でも土壇場であっさり和解したりとあっちこっちに不満の種を撒き散らして、教会国民からも嫌われ、最後は嫁(エカテリーナ二世)にクーデターを起こされあっさり政権を奪われ投獄され暗殺されました。
クーデターが起こる前から夫婦の関係は破綻しギスギスしていたのですが、クーデター直前エカテリーナは妊娠しており出産間近で(この妊娠は側近との間の子と言われています。その後も夫との間の子ではない子を妊娠したと言われていますが、これは姑である女帝エリザヴェータ※皇帝の叔母も承知していたとも言われています)直ぐに動けなかったので、夫の目を火事に向けさせ出産を乗り切りクーデターの準備をして成功させた事が知られています。
古いお話しですが、国を預かる者として自覚が無ければ軽率な行動をするという事がよくわかるお話しです。
つまり、災害などでインフラがどうなっているのか分からない状態でたいした支援物資を持ち込むわけでもなく「来るな行くな
」と言われているのにただただ「自分が行く事で喜ぶ『はず』」「元気づけられる『だろう』」という思いで現地に乗り込むのは「感動ポルノ」と同じです。
現地に真っ先に乗り込んだ事をSNSでアピールしても、地元で唯一綺麗なトイレでして話を聞くだけなら行かない方がマシですしケガしているなら尚更手がかかるわけで迷惑でしかない事です
地元にだって議員はいるわけですし、近隣の議員や知事だって連携して国に働き掛けるわけですから…
「俺が俺が
俺が
」lって手のかかる人がしゃしゃり出なくていいんですがね
ま、災害時に現地で何が出来るわけでもないのに本人だけが満足するうっとおしいヒーローコンプレック全開な人は国のトップには向かないという事がお分かりいただけたのではないでしょうか
このお話が誰かの心のヒントになれば幸いです
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