ここ数日SNSではウクライナに折り鶴を贈る事に関して何やら騒がしいようです。

 

この問題には ”メサイア(ヤ)コンプレックス” という心理コンプレックスが大きく関わっています。

 

このブログでは何度となくこのメサイアコンプレックスについてお話ししているので ”あ~はいはい” と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが今回も気長にお付き合いください。

 

メサイアコンプレックスについては色々な回でお話ししていますが特に下記の回の記事がおススメです。下矢印

”メサイアコンプレックスってなにはてなマーク” と、おっしゃる方から ”なんとなく知っているけどよく知らない” 方まですぐに分かるメサコンについて書いておりますのでぜひ。

 

 

 

さて、メサイアコンプレックスの詳しいお話しについては上記をお読みいただくとして、今回の騒ぎを見ていきましょう。

 

クローバークローバークローバークローバークローバークローバー

 

事の発端はとある団体が ”ウクライナの人々に応援している事や頑張ってほしい事” などの証として千羽鶴を送る行動をしているという取材記事が出た事でした。

 

この記事が出た事で著名人の方々が強い言い方で反対している事もあって感情的に反応してしまう人もいるようですね。

 

どの方も質問に対して要点をポンポンポンと答えていくタイプなので内容よりも言い方に引っ掛かってしまって内容を聴く前に拒絶して ”耳をかたむけない、かたむけたくない” という状態になっているのでははてなマークと、思うところがあります。

 

”メサイヤコンプレックスが最も生まれやすい環境の一つはボランティア活動の現場” というのは心理学ではお馴染みのお話しで、このブログでも何度となくお話ししてきました。

 

今回のように悲しく残酷なニュースが日々入ってくると人は ”何とかしたいビックリマークしてあげたいビックリマーク” と思いますが自分が望むように状況が遅い事、動かない事に ”ジレンマ” を感じ ”心の居心地の悪さ” を感じます。

 

このジレンマを毎日、毎日、感じていると心は疲弊します。

 

つまり ”何とかしてあげたい” と思えば思うほど自分の心が擦り減ってしまうという状態になるわけです。

 

これについてはこちら下矢印の記事で ”サバイバーズギルト” という罪悪感の一種として説明していますのでご参照いただけるとわかりやすいかと思います。

 

”何とかしたいのに何ともならない” という状態が続き心が疲弊すると心の奥底で何が起こるかというと ”先ずはこの苦しい自分の心を何とかしたいあせる” という防衛に傾きます。

 

”この苦しい心を元気にするには心が満足する事、希望になるような事をしようビックリマーク” と思うわけです。

 

この考え方は決して悪い事ではなく、弱った心を回復させようとする考え方としてはいたって健全です。

 

しかしそれが ”自分たちのジレンマの緩和のためにより苦しい立場の人に善意と言いながら何かを押し付けてはいけない” という事です。

 

今回の事で言えば緊急支援でない物を送ると支援どころか相手の足を引っ張る事にもなるのです。

 

緊急支援とは命に繋がる今すぐ必要な物資の支援という事です。

赤ちゃんのミルクやおむつ、薬や医療、衛生用品、飲み物、食べ物などです。

 

今回の騒動では ”大使館に送る” という話だったので ”現地に送るわけじゃないからいいのでははてなマーク” と思う方もいるかもしれませんが、いえいえ大変な事になるんですよ汗

 

今回の事で言えば ”感動的な事” として取材され紹介され拡散した事で我も我もと次々に千羽鶴の束を送ろうと考える人が出てくるでしょう汗

 

そんな事をしたら大使館の部屋はあっという間に満杯になるでしょうあせる

 

大使館の部屋を占領するのが困るので・・・と倉庫を借りたとしたら、その賃料は誰が払うのでしょうはてなマーク本国に送るとしたらその送料は誰が払うのでしょうはてなマーク各国の緊急支援物資やウクライナの人々の数少ない生活物資を差し置いて物資を運ぶトラックや飛行機のスペースを占領して送ったとしてウクライナの人たちは喜んでくれるでしょうかはてなマーク

 

メサイアコンプレックスは自分以外の誰かがヒーローになる事を許しません。

 

”誰かが注目されればそれ以上のインパクトで注目されたいビックリマーク” と思うので後になるほど数も増え過激になって行く事がよくあります。

 

こうなってくると善意を建前に誰も把握できない、コントロール出来ないメサイアコンプレックスたちが ”承認欲求” を求めて雨後の筍のように現れ ”自分たちが満足し、ウクライナの人が喜び、感動し、感謝する だ・ろ・う、と思う物” を勝手に設定し送り付ける事もあちこちで発生する可能性も出てきます汗

 

中にはしばらくたって ”以前送った千羽鶴はどうなっていますかはてなマーク” と、余計な仕事を増やすような事を言ったり ”心を込めて作ったのでぜひ現地のメディアで紹介してくださいビックリマーク” という人も現われる可能性だってあるのです。

 

はじめは見返りを求めない善意だったものが ”~してあげた” ”少しぐらい・・・” と言う思いが本人も気づかず心に浮かべばそれはメサイアコンプレックスに繋がります。

 

先にも話したように大災害や戦争などの未曾有の大惨事の時には、見ていて、聞いて何も出来ないこちら側もかなり心が疲弊していますから ”感動や優しさ、癒しや奇跡や希望” を求めるようになります。

 

災害時に ”癒しや希望” を求める事はいたって普通なのですが、メサイアコンプレックスはこういった癒しや希望を求める、心が弱った人が大好きです。

 

なんせコントロール(利用)しやすく心が弱っているのに自己犠牲をいとわない何なら魅力さえ感じてくれる都合のいい存在だからです。

 

もしかしたら取材した人も自分では気づかず心が疲弊していて ”辛いニュースばかりだから感動や優しさが伝わるニュースで素敵じゃないかキラキラ” と思い報道し、その先の事までは考えていなかったのかもしれませんね。

 

報道する人が全て正しい事をするとは限らない事を私たちはロシアのメディアを見て学習しているんですがね・・・汗

 

クローバークローバークローバークローバークローバークローバー

 

人はもの凄く浮かれていたり、反対に疲弊したりすると先の事が想像できなくなります。

 

もの凄く浮かれているというのは、恋をしてウキウキしていたり、浮気でドキドキしていたり、仕事がうまくいっていてイケイケだったりと物事がうまくいっていて一言でいうなら ”調子に乗っている状態” の事。

 

これは興奮しているためで以前こちら下矢印で説明しておりますのでぜひご一読ください。

 

さて、では心が疲弊しているとどうなるのか・・・

実はこれも上記のブログに書いてはいるのですが、ここでは少し細かく説明しましょう。

 

”心が疲弊している” という状態はつまり ”思考停止状態” という事です。

 

日常で私たちは何気なく物を選んだり考えたりしますが、これは脳にとってかなりのエネルギーを使う作業です。

 

洗濯物をする時にお天気情報を気にしたり、夕食のメニューを決めたり、子供の習い事の時間を気にしたり・・・と、段取りと工程を頭の中でシミュレーションして日常を送っているのですが、心が疲弊しているとあまり先の事が考えられなくなります汗

 

自分が行動することで何が起きるのか・・・

どんな事が起きるかの可能性(もしも)は無限にありますから脳にはかなりの負担です。

 

これを ”いい事しか起きないビックリマーク” と思っていたらそれはかなり危険な事です。

 

カウンセリングには 「あなたの為は自分の為」 という言葉があります。

 

これは、人の為を装いながら自分の気持ちを満たすメサイアコンプレックスの事を現した言葉です。

 

コロナや戦争などで心が疲弊していて誰がメサイアコンプレックスになってもおかしくない時代です。

 

先ずは自分の行動が及ぼす少し先の影響について最高の場合、最悪の場合、自分はどうしたいのか、それは”なぜはてなマーク””どうしてはてなマーク” をじっくり考えてみましょう。

 

 

プレゼント 相手に負担をかけない贈り物 プレゼント

 

私は基本、結婚のお祝いなど特別な時を除いて贈り物には消え物を贈ります。

これは相手の趣味嗜好に合わない物を贈って相手の負担にならないようにするためです。

消え物であれば賞味期限があり相手が処分する理由が出来るからです。

相手の事を分かっているつもりでもその人でない限りチョイスミスはあり得ます。

つまり ”はず” ”べき” ”だろう” で判断したくないのです。下矢印

 

ずっと残る望まないものを貰って処分に困るような事がないように私は期限のあるものを選ぶようにしています。

 

 

神社 貰って困る贈り物 神社

 

貰って困る贈り物というのは裏を返せば ”処分に困るもの” という事です。

 

昔からよく言われるのが手編みのセーターやマフラーなどの手作り品や旅行先などの地名などが入った置物や神社仏閣のお守り・・・汗

 

とかく人の気持ちを具現化したような物は処分しにくいものです。

 

もし差し上げるなら ”3か月したら処分してください” や ”処分はいつでも結構です” などこちらが期限を大まかに決める事は今の時代にはあっているのではと思います。

 

クローバークローバークローバークローバークローバークローバー

 

贈り物をするときは最低限 

 

相手のニーズに合っている物か

独りよがりな物になっていないか 

相手の負担になっていないか

誰かの迷惑になっていないか

 

は確認した方が賢明ですね。

 

今回の騒動では ”送る” という行為がどうかという話なので、SNSにウクライナ応援アカウントを自分で作って応援コメントと共に作品を定期的にアップしたりする事でも応援は出来ますからネットを上手に使うといいと思います。

 

”自分の思いを拗らせる人ほど拘りを見せる” ので、もし身近に ”SNSで配信するよりやっぱり実物よビックリマーク” という人がいたら ”今は、製作工程とかも動画で紹介出来てそれでバズる事もよくあるし見た人から直接コメントが届くこともあるから送るより拡散力があるよキラキラ” と承認欲求心をくすぐって上手に誘導してあげましょう。

 

 

 

 

このお話が誰かの心のヒントになれば幸いですラブラブ