赤ちゃんは抱っこすればするほど遺伝子がよい方に変わる | おかあさんとこどものための自然療法ホメオパシー「一粒で笑顔に」

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クラシカルホメオパシーのホメオパス・今井美香子のブログ。英国、米国、シンガポールで暮らし、三人の子どもを育てて来た豊富な育児経験から、
家庭で手軽に使える自然療法をご紹介します。健やかな時も病気の時も、笑顔で我が子を見守りたいおかあさんのために!

最近、赤ちゃんや小さい子どもを虐待するニュースをよく耳にしますが、

 

実際、児童虐待件数はこの十年間でうなぎ登りに増えています。

 

 

 

子どもが虐待されたニュースを聞くたびに、亡くなった子どもたちが気の毒で、痛ましい思いでいっぱいになります。

 

 

けれども、亡くなった子どもだけでなく、虐待した大人たちも子どもの頃につらい思いをしていたのではないだろうかとも思うのです。

 

 

 

十分愛され、しっかり可愛がられて幸せな子ども時代を送った人なら、子どもにそう酷いことはできないはず。

 

 

 

自分自身のつらかった子ども時代を自分の(あるいは他人の)子どもに繰り返しているケースがほとんどではないでしょうか。

 

 

 

幼児虐待事件が報道されるたびに、児童相談所や保育園、学校などの教育機関の対応が問題視されますが、

 

そういう行政面での対応だけでなく、本当は子どもを虐待してしまう大人の心のケアが必要ではないのかなぁ。

 

 

 

 

 

さて、ブリティッシュ・コロンビア大学医学部 ニュースリリースに掲載されていた記事に

 

 

「赤ちゃんの一生の健康は、人生の最初の時の『親との肉体的接触』で決まる」

 

とありました。

 

 

 

その記事を要約すると、

 

「赤ちゃんをたくさん抱っこするのとしないのとでは(肉体的接触が多いか少ないかで)、赤ちゃんの遺伝子に大きな差が出ることがわかった」

 

 

特に、「体の免疫と代謝に関係する DNA 」に明らかな差異が出たそうです。

 

 

 

その記事をご紹介します。


Holding infants – or not – can leave traces on their genes
ブリティッシュ・コロンビア大学医学部 ニュースリリース 2017/11/27

「乳幼児を抱っこするかしないか」は、その赤ちゃんたちの遺伝子に影響する

ブリティッシュ・コロンビア大学と、その小児病院研究所の新しい研究によると、乳児と親との密接な接触が、分子レベルで子どもに影響を与えている力を持つことがわかり、子どものその生物学的な影響は 4年後には出現していることも明らかになった。

 

この研究では、乳幼児の時期に、親(あるいは世話をしている大人)との肉体的な接触が少なかった幼児たちの細胞の分子プロフィールが実年齢より未熟であり、生物学的に遅れている可能性を示した。

 

幼児期のこれらの発達の違いが、成人になってからの健康に影響するかどうかは今のところ明らかになっていないが、この変化は、遺伝子発現に影響を及ぼすエピゲノム(生化学的変化)に深く根づき、生涯にわたって影響を及ぼす可能性を示している。

 

この発見は、げっ歯類の同様の研究に基づいているが、生命の早い段階での肉体的接触という単純な行為がその生体の一生全体に影響を及ぼすかもしれないということが、ヒトにおいても示された最初の研究である。

 

ブリティッシュ・コロンビア大学病院の小児研究所で、子どもたちが健康に人生をスタートさせられるためのプロジェクト「ヘルシー・スターツ(Healthy Starts)」を指導している遺伝学教授であるマイケル・コボー(Michael Kobor)博士は「小さな子どもでは、エピジェネティックな老化が遅いと、あまり好ましくない発達の進展が反映されると考えられます」と述べる。

 

医学誌『デベロップメント・アンド・サイコパソロジー(Development and Psychopathology / 発達と精神病理学)』に掲載された論文によれば、今回の研究には、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州の 94人の健康な乳幼児たちが参加した。

 

ブリティッシュ・コロンビア大学の研究者たちは、5週齢の乳児の両親に、幼児の行動(睡眠、騒ぐ、泣く、摂食など)の日記を保管しておくように依頼した。その中には、親と子の身体的接触を伴う世話の時間も含まれていた。

 

そして、その子どもたちが 4歳半になった時に、彼ら彼女らの DNA を頬の内側から提供してもらい、それをサンプリングした。

 

チームは、 DNA メチル化と呼ばれる DNA の生化学的変化を調べた。そこでは染色体の一部に炭素と水素でできた小さな分子が関連付けされる。これらの分子は、各遺伝子の活性化を制御し、細胞の機能に影響を与えるのを助ける「調光スイッチ」として働く。

 

メチル化の程度、およびメチル化が DNA 上のどこで特異的に起こるかは、特に小児期における外的条件に影響を与える可能性がある。 これらのエピジェネティックなパターンは、私たちが年をとるにつれて予測可能な状態に変化する。

 

研究者たちは、5つの特定の DNA 部位で、親との肉体的接触が高い場合と、肉体的接触が低い場合とのメチル化の「差異」が一貫して存在していることを見出した。

 

これらの部位のうち2 つは遺伝子内にあり、免疫系において役割を果たすもので、もう 1つは代謝に関与している。

 

しかし、これらのエピジェネティックな変化が子どもの発達と健康に及ぼす場合の、それ以上の影響の具体的な部分はまだ分かっていない。

 

乳幼児の時により高い苦痛を経験し、親との肉体的な接触が少なかった小児は、「後成的年齢」を有し、彼らの実際の年齢( 4歳半)を考えると、予測よりも低かった。いくつかの最近の研究では、後成的年齢は小児の不良な健康状態に結びつく。

 

研究者たちは、今後これら「生物学的な未熟さ」が見出される子どもたちの健康、特に心理的発達に大きな影響を及ぼすかどうかを研究していくつもりだとしている。

 

主任医師のサラ・ムーア(Sarah Moore)氏は以下のように述べた。

「さらなる研究で今回の発見が確認された場合、体の弱い乳幼児たちのために、積極的な肉体的接触を提供することの重要性が強調されることになると思います」

 

 

育児法にも流行り廃りがあって、私が赤ちゃんの頃は『スポック博士の育児書』の全盛期でした。

 

 

それによると、

 

・抱き癖がつくので赤ちゃんが泣いてもあまり抱っこしないほうがいい

・赤ちゃんとお母さん(+お父さん)は別室で寝た方がいい

 

という主張で、それが当時の育児法の主流だったようです。

 

 

あと、スポック博士とは関係ないかもしれませんが、母乳よりも人工ミルクの方が栄養豊富ということで推奨されていましたね。

 

 

 

 

今では、いずれも逆のことが勧められています。

・できるだけ抱っこした方がいい

・赤ちゃんの情緒の安定のために添い寝はいい

・(出るならば)人工ミルクより母乳の方がいい

 

 

 

時代が変わると育児法が真逆になるのってどうよ⁉︎と思いますが、

 

「乳幼児期の肉体的接触と遺伝子の関係」に話を戻すと、

 

抱っこの有無(または多寡)が遺伝子に影響するというのは、心身両方に影響が出るということ。

 

 

なので、やはり乳幼児期に親から抱っこしてもらえなかった子どもは、後々の人生が心身共にハードになってくるのでしょう。

 

そう考えると、乳幼児虐待の問題の根は深いですね。

 

 

ただただ、一人でも多くの赤ちゃんや子どもが幸せな乳幼児期を送って欲しいと願うばかりです。

 

 

 

 

♪これからの予定♪

 

 

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