ニュージーランドにいるフィンクルの趣味はアロマテラピーとリフレクソロジーだ。
頼まれていた和精油をいくつか送ることにした。
どんな効果があるのか知らないが、シソの和精油を嗅いでみたら、かなり鮮烈で、ミントのような効果がありそうな気がした。
パッキングをして、郵便局に行き「航空便だといくら?」と聞くと、3200円だという。
「じゃあ、SAL便(航空便と一部船便)は?」と聞くと、2600円だというので、少し悩んだ。
その後半分冗談で「じゃあEMS(航空便だが、国際郵便のなかで最優先の取扱いになる)は?」と聞いたら2400円なのだという。
「本当に?なんで?」
重さや相手国の関係で、たまにこういう逆転現象が起きるらしい。
当然、EMSにしてもらった。
水曜日に、「月光の夏」という朗読劇を観に行った。
「朗読劇って何?」
いろんな人に聞いたけれどよくわからなかった。
「台本持ったまま演じるの?それってまだ練習中ってことじゃないの?」
会場は若里の市民ホールだった。
駅前からタクシーに乗ったら、県民ホールに連れて行かれた。
途中、何度も「こっちの方向でいいのか?」って聞いていたのに、やっぱり勘違いしているみたいだった。
「俺はビックハットの隣の市民ホールって言ったんだよ。」
「ここでいいんです。ホール入り口って書いてありますよ。」
「絶対に違うから。だいたいここ、ビックハットの隣じゃないじゃん。」
話しているうちに、ようやく運転手も目指すところが理解できたらしい。
メーターを止めてもらって市民ホールまで連れて行ってもらった。
会場に着いたのは、そんなわけでギリギリだった。
朗読劇って、初めて観たけれど、ちょっと感動した。
隣の席のおばさんは、すっかり泣いていた。
4人がそれぞれの役を持って、朗読をしていく。
ピアノが一台あり、ピアニストもいて、劇の途中でときどき弾く。
『ある小学校で、1台のピアノが粗大ゴミとして処分されることになった。
1人の女性がそのピアノを捨てないで欲しいという。
戦争中、彼女は音楽の教師をしていて、このピアノを守っていたのだという。
焼夷弾が落ちてきても消せるように、バケツをいっぱい並べて、守っていたそうだ。
そうやってピアノを守っていたら、ある日、特攻隊の青年が2名、基地から10キロの距離を走ってきて「ピアノを弾かせて欲しい。死ぬ前にもう一度、ピアノを弾きたい」と言ったのだという。
彼らが弾いたのは、ベートーベンの月光だった…。』
この劇が、朗読劇だったのは、たぶん実話を再現しようとしているので、固有名詞とかに間違いがないようにするためなのだろう、と僕は勝手に思った。
それから友達と、この劇が成功したのは、特攻隊員がピアニストを目指す学生だったからだよなあ、ということを話した。
「俺達なんかさあ、明日、特攻隊員として選ばれても、何にも人を感動できることできないもんなあ。「死ぬ前にもう一度、エクセルでピボットテーブルを作らせてください」なんて、全然、感動できないもんなあ。」
「いいよなあ。ピアニスト」
そういうわけで、家に帰ってから、早速amazonで「かっこよく弾く簡単ピアノレッスン」というDVDを注文して、職場に届くようにした。
金曜日に職場に到着した。
なぜか、タイトル部分が隠れていて、サブタイトルの「秘密のテクニック教えます」というところだけが見えるようになっている。
「これ、本当にピアノのDVDなんですか?」
同僚に聞かれるので「当たり前。俺みたいな紳士にそんなことを聞くな」と答えておいた。
金曜日には大きな会議があり、僕は司会を担当し、その後いろいろと説明もした。
会議では自分よりも年配の人が多く、いろいろと気を遣った。
そんな気持ちの反動だったのかもしれない。
ちょうど友達が長野に別の会議で来ていたので、仕事のあとで一緒に飲みにいき、ついつい6時から1時30分まで(4次会まで)飲んでしまった。
飲んだ後は例外なく、満腹中枢がいかれているので、家に帰ってきてからラーメンを2人分も作って1人で食べる。
そのせいか翌日はそれほど2日酔いに苦しまずにすんだ。
週末には実家に帰り、メダカの水槽の掃除のほかは、ほとんど寝て過ごした。
おかげで、本格的に太りだしたような気がしてきた。
そして、たぶん気のせいだけじゃない。
実家からの帰りに、リフティング練習用のボールを買って帰ってきた。
明日から、少し練習しようと思う。
そんな感じで日々を過ごしているので、未だに、「秘密のテクニック」を観ることができていない。
中世のヨーロッパでは、足を露出することをいやらしいと考えてたので、ピアノの足にも布を巻いていたという話をふと思い出す。
「秘密ってどんなテクニックなのだろう?」
とても気になる。



















































