月曜日から水曜日まで、家に帰ってから寝る前までの間に、何日もかけて「CANDY」というオーストラリアの映画を観た。
薬物中毒の男が、CANDYというとてもかわいい女性と出会い、天国にいるかのような生活をする話しだ。
ところがCANDYも薬物を始めるようになり、天国のようだった生活は、通常の生活になり、最終的には地獄のような生活になる。
「やめられるときにはやめたくなく、やめたいときにはやめられない」
薬物中毒の有機化学の教授(彼は、教授なので純粋なモルヒネなど簡単に合成してしまう。)が言う台詞だが、薬物中毒の魅力と怖さをこれほど簡潔に表現した言葉もないように思う。
映画のなかで、薬のせいで崩壊していく生活と体は、途中から歯止めが効かなくなる。
あれほど美しかったCANDYがボロボロになっていくのを見て、「俺があんなきれいな子の彼氏だったら絶対に幸せにするのになあ」と悔しい思いがした。
木曜日の夜には、「春、忍び難きを」という劇団俳優座の松本が舞台の演劇を観た。
3時間もかかる演劇だが、役者の力(演出の力?)で締まった感じに出来上がっている。
舞台美術がとても美しい。
途中で挟まれる安曇野の映像は、もうちょっと何とかならなかったのか?って感じだったけれど。
もし僕が自由に芝居が作れるとしたら、映像と現実の舞台を組み合わせたものにしたいなあ、と思っていたんだけど、そうしたらこんな感じになるのか、と少し勉強になった。
土曜日の昼には、松本で全県の担当者が集まってする研修会があって、僕は講師をした。
ミスが多い事例についての研修だったので、厳しい態度で臨もうと思っていたのだが、会場はどことなく緩い感じで「なに1人でテンパってんだよ」って1人だけ浮いているような気がした。
高度なことでも、できるだけわかりやすく、間違いがないように、と思いながら、30ページにもなる資料をまとめたのに、実際に研修する段になって、暴走して台無しにしたような気がした。
厳しい態度で臨む必要がいったいどこにあったのか?もっと優しくフレンドリーに、よりわかりやすく教えることができなかったのか?
研修の最中に、他の人が発表しているのを聞きながら、急速に自己嫌悪にかられ、失敗したなあって思っていた。
案の定、恐れをなしたのかひとつも質問はなく、皆、緊張の面持ちのまま帰って行くのを見て、疑念が確信に変わった。本当に失敗した、と思った。
それから、友達と飲む約束をしていたので、年休を取って、インターネット・カフェで時間をつぶした。
生年月日など、でたらめに記入して提出したら、「免許証と確認させてください」と言われて笑ってしまった。
何やってもダメなときは本当に何をやってもダメだ。
友達が迎えに来たので、車に乗り、ホテルにチェックインした。
その友達と飲むのも久しぶりだった。
遅くまで飲もうと思っていたので泊まることにしたのだ。
彼も家が遠いからと同じホテルに泊まることになっていた。
1軒目の居酒屋では沢ガニを食べ、2軒目のおしゃれな店では松本弁バリバリのきれいなママと話をし、3軒目からは松本の西堀に行って飲んだ。
結局5~6軒ほどはしごして飲み歩き、最後はラーメンを食べてホテルに帰ってきた。
帰ってきたのは3時30分頃だった。
目覚まし時計をセットしようとして、携帯電話を落としたことに気づいた。
自分の携帯に電話をしたら、最初は繋がったけれど、電源を切られたのか2度と繋がらず、もう一度探しに松本の夜の街に行ったんだけど、もう見つからなかった。
何やってもダメなときは本当に何をやってもダメだ。
昔、酔って眼鏡と携帯電話を紛失した友人を知っているが、彼の気持ちが少しわかったような気がした。
翌朝、警察に行って届け出をしてから友達と別れ、電車でまた長野に戻ってきた。
電話機がどこにあるか追跡してもらったが、電源が切られているためにできず、回線を止めてもらうことしかできなかった。
ソフトバンクに行き、同一機種の買い換え手続きをしたら5万5千円ほどもかかり、本気で凹んだ。
一応、サーバ上にバックアップを取っていたので、電話番号やメアドとかはだいたい復活させることができたけれど、金額が大きかったせいもあり、ショックがいつまでも尾を引きそうだった。
それから部屋にこもってDVDでウィル・スミスの映画「エネミー・オブ・アメリカ」を観た。
当然、ウィル・スミスの映画なのでアクション映画なんだけれど、「プライバシーを制限できる法律ができ、それを訓練の名目で独自に操る行政マンが現れ、彼が暴走したらどうなるのか」という設定だったので、なかなか面白く観ることができた。
昔、司法試験の勉強をしていた頃、僕が憲法で一番好きだった論点がプライバシー権だったので、この手の話しはかなり好きだ。
それから、日曜日には朝から「シー・ビスケット」も観た。
こちらは馬の映画で、シー・ビスケットという伝説の馬の物語だ。
不幸な生い立ちのジョッキーと、シービスケットが運命的な出会いをし、馬主と調教師の元で大きく羽ばたく物語になっている。
ジョッキーの父は、別れるときに袋いっぱいの本を息子に与えるのだが、そのせいでシー・ビスケットのジョッキーはインタビューにシェークスピアを引用するなど、ちょっと変わったところを見せる。
映画を見終わって、昼寝をした後、洗濯や買い物をした。
ガソリンを満タンにしたら8000円以上も取られて、また凹んだ。
家に帰ってからソーセージを炒める。
ちょっと目を離していたら、ソーセージが半分炭に変わっていた。
それでも大量にハバネロをかけ、「ソーセージ風味の炭もなかなかうまいな」などと言いながら全部食べたら気分が悪くなってきた。脂汗なんかも出てくる。
気分が悪いなか、風呂に入って体重を量ったら、金曜日の朝よりも2.8キロも太っていた。
何やってもダメなときは本当に何をやってもダメだ。
明日の朝、起きたら、髪の毛の先から足の先まで、すっかり自分が生まれ変わっていたらいいのになあ、などと思った。










































