会社のキャビネットの上に、木と針金で組んだ模型が置いてある。何の模型なのかわからなかったのだが、ふと、思いついて聞いてみた。
「これ、もしかして、ウシ?」
「よくわかりましたね。」ベテランの作業員がほめてくれる。
(会社にあったウシの模型はもっと背が高く、複雑な作りだった。)
近くを通りかかった女性が「これ、ウシっていうんですか?」と声をかけてくる。
「そう。昔、武田信玄が川が氾濫したときに、このウシを沈めて堤防の決壊を防いだんだよ。」
「どうして、これを沈めると川の氾濫が抑えられるんですか?」
「川の神様はウシが大好きなんだよ。昔は、生きたウシを川に放り込んで川の神様のお怒りを収めていたんだ。でも、ウシがかわいそうじゃん。それでこのウシを作って、ウシをウシの身代わりに川に沈めることにしたんだ。そうすると、あ、ウシだって川の神様が勘違いして、氾濫を抑えてくれるんだ。」
「本当ですか?」
「なぜか、川の神様はウシ好きなんだよ。豚とかヤギじゃだめなんだ。でも、こんなものをウシと勘違いしちゃうなんて、川の神様、近眼なのかな?」
「本当ですか?」
「うーん。本当は知らない。」
俺も、どうして、大きな三角錐を沈めると川の氾濫が抑えられるのかさっぱりわからない。調べてみたら、三角錐の形がウシの顔の形に似ているから、ウシと言うらしい。でも、どうして川の氾濫が抑えられるのかは謎のままだ。
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親戚の叔父が亡くなり、金曜日の夜に通夜。土曜日には葬儀があった。
金曜日は会議のせいで通夜に出席できたのは8時過ぎだった。朝、車のなかに喪服を入れたのだが、職場のロッカーまで運ぶのを忘れていたので、暗い車のなかで喪服に着替えた。
久し振りにいとこ達と会う。「こんな時じゃないと会わないな。」と声をかけた。
土曜日も朝から、葬儀の準備があった。
叔父が火葬場で骨になってしまったとき、とても残念な気がした。
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ネルソン・デミルの「王者のゲーム」上巻を読み終わった。
航空機に乗った乗員全員を毒殺したリビアからのテロリストがニューヨークに潜入する。それをニューヨーク市警あがりの中年のおっさんが、FBIやCIAに毒舌を吐きながら追い詰めていく。
思わず追い詰めるなんて書いちゃったけど、上巻の間はまだ追い詰めるにはほど遠く、テロリストは殺したい相手を殺し続けている。
傑作の呼び声が高い作品だが、最初はストーリーの運びが緩慢で、何度も挫折しそうになった。挫折しそうになるほど、この話しは長いのだ。上下巻を合わせると1500ページにもなる。
こういう本を読みたびに、俺は世界のことを何も知らないんだという気にさせられる。早く英語もマスターして、きちんとしゃべれるようになりたいものだと思う。
今は下巻に突入している。ちょうど今、口の悪い中年のおっさんが、同僚の美しい女性に誘われてベッドインしたところだ。
服を脱がしてみたら、筋肉質で美しい肉体が待っているあたりが、アメリカの小説だと思う。ドイツなら、もっとリアリティがありそうな話しを書きそうな気がする。俺ならたるんだしまりのない体が現れても、まあ、そうだろうな、と納得するのに。
「奥さんとはどこで知り合ったの?」ベッドで同僚の美しい女性に聞かれて、「通販。」なんて答えるこのおっさんが俺は好きだ。残りはまだまだ数100ページも残っている。ゆっくりと読みすすめていきたい。
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相変わらずkindleで無料のマンガを大量に読んでいる。今週は東村アキコの「海月姫」(KC KISS)1~2巻がとても面白かった。
マンガを読んで久し振りに笑った。こういうタイプの面白さは「ちびまる子ちゃん」登場以来だな、と思った。何よりも、作者が楽しんで描いているような気がして、嬉しい。
田舎に住んでいるので、おしゃれな若者を見なくなって久しいが、おしゃれな若者が苦手な気持ちはよくわかる。それから、何かに夢中になっている女の子というのはかわいいということを改めて認識した。
海月姫は、健気で、本当に好感が持てる。ただ、映画化したときに、この主人公に能年玲奈を起用しちゃうなんて、やり過ぎだと思った。このキャストには、べらぼうにかわいい子ではなく、よく見るとかわいい、くらいの女の子でちょうどいいんだと思った。























































