地元の飲み会の最中に勧誘されて、僕は夜間ソフトボールチームに加入することになった。あんまり覚えていなかったけれど、入会金も支払ったらしい。郵便ポストに、メンバー表と試合スケジュールが投げ込まれていた。


月曜日の夜、7時30分から試合があった。今まで、地元のチームは開幕から2連勝しているということだったので、僕が加入していきなり負けてしまうのは避けたかった。それで、試合会場に行くまでに相当の葛藤があった。月曜日の朝の段階では、今日の試合は避けて、バッティングセンターに行ってせめてバッティングの感覚を取り戻してから行こうと思っていた。


月曜日の日は仕事で腹立たしいことが重なって起きた。いつまでもイライラしていたので、それを忘れてしまいたかった。それから最近、すっかりジムに行くのをサボっているので、きっと試合に出れば、たるんだ体を鍛えようというモチベーションが湧くのではないかということも考えた。結局、試合に行くことにした。


小学校のグランドまで歩いて行くと、あちこちでキャッチボールをしていた。久しぶりに見たせいか、誰もがとても上手に見えた。会場はAとBの2面あり、僕はB会場のはずだったが、どちらがB会場なのかわからなかった。それで塁上で雑談をしている人を見つけて、どちらがB会場か聞いた。


B会場の1塁側で、ようやく、知り合いの顔を見つけることができた。監督にどこのポジションがいいか聞かれたので、正直にベンチを希望した。


望み通り、ベンチで試合は始まった。試合の間、同じチームの人とキャッチボールをしていた。6点差をつけて圧勝気味に試合が進んでいた。


5回くらいに突然、監督に呼ばれて試合に出ることになった。守備位置はセカンド。緊張感で足が震えていた。


俺の所にボールが来ませんように、と祈っていたら、ポップフライが上がって、誰がどう考えてもセカンドフライだった。落ちてくるまで、アホみたいにグローブをあげて待っていた。フライを捕るのが苦手なので、捕れたときは嬉しかった。この回の守備では、ショートゴロの時にカバーに入って、ファーストランナーもアウトにもした。何とかできたという安心感があった。


打席でも緊張していた。1打席目はゴロでレフト前に運んで、2打席目はピッチャー強襲の内野安打だった。どっちも芯には当たらなかった。でも一応、安打が出てよかった。


その裏の守備で、僕は捕れそうなフライを見殺しにし、それからショートゴロのカバーに入ったのに、落球してチームのリズムをぶちこわしにしてしまった。それから負の連鎖が止まらなくなった。打者は2巡して3巡目まで行きそうな感じだった。


その回だけで15点も入れられた。途中で、永遠にこの守備は終わらないのではないかと思ったほどだ。


結局、試合では4点差で負けた。悔しかったし、情けなかった。


翌日も飲み会だったので、月曜日は飲まないつもりだった。でも、負けた原因は僕にあったし、ピッチャーにも謝りたかったので飲み会に行った。


飲み会の後、いろいろと考えた。俺は仕事で、部下に「簡単なミスを繰り返すな」とか「文章は短く、正確に書け」なんて偉そうに言っているけれど、俺だってソフトボールの試合でショートからのトスを落球してしまった。「周りが見えていないなあ」なんて部下のことを思ったりもするけれど、俺も全く今日は見えていなかった。


チームのみんなが俺を許してくれたように、部下の成長も長い目で見ていきたいと思う。俺も、部下も、このままでいいとは思っていないし、やる気はあるのだから。


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試合翌日の飲み会は、午前2時近くまで部下と飲んでいた。最後は、辛いタイ料理を食べながら、ビールをがぶ飲みしていた。部下に偉そうに何か言っていた気がする。本当に穴があったら、自分を蹴落として埋めてしまいたいところだ。


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木曜日と金曜日は、仕事がものすごかった。木曜日はいったん帰った後、事故で午後11時から呼び出しがあった。金曜日も予想外の事故があって夜までずっと仕事だった。


金曜日の夜、久し振りに1人だけの残業をした。それでも9時過ぎには帰った。昔に比べれば冗談のように少ない残業だが、昼休みもなく働いていたので、かなり疲れた。


ゴールデン・ウィークに入るが、人が少ない状態で、事故が起きることだけは勘弁してほしい。祈るような気持ちでいる。


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相変わらずキンドルで無料のマンガを大量に読んでいる。


梶原一騎の自伝的マンガである「男の星座」(ゴラクコミックス)、ラグビー界のスターが暴力団としてのし上がっていく倉科遼と司敬のマンガ「野望の群れ」(ニチブンコミックス)、キャバ嬢が高校教師をする岡上あいの「きーちゃん先生の事情」(KCデザート)、精神世界に取り込まれて殺されると現実社会でも死んでしまうSFサスペンスのMITAと太田羊羹の「ヒト喰い」(裏サンデー)あたりが印象深かった。「ヒト喰い」の出だしはとてもよく、久し振りに面白いSFを読んだ気がした。



otokonoseiza

yabouno

ki-chan

hitokui
ただ、今週文句なくよかったのは河原和音の「青空エール」(マーガレットコミックス)だった。今11巻くらいまで読んでいるが、もう何回、泣いたことか。マジで泣ける。


aozorae-ru

高校の野球部員と吹奏楽部の女の子の恋を描いているんだけれど、野球部の男の子が人生何回目?というくらい真っ当な男で優しく強い。理想の男だと思う。


そしてまた吹奏楽部の女の子が、素直で純粋でいい。あんまり関係ないかもしれないけれど、さすが北海道という気がする。


もちろん、そういった自立した前向きな彼らを妨害するどうしようもない奴らもいるんだけど、彼らがすごいのは、自分を否定する人ともいっしょに頑張りたいと心から思っているところだ。


読んでいて飽きない。あんなに勉強をしなくて、将来、社会に出たときに後悔するのかしないのか、多少の心配はあるけれど。でも、あつい思いにさせられる。力のある、ずるさのない、いいマンガだと思う。


俺もこういう生き方ができたはずなのに、残念でならない。