インプラントの手術も、歯の歯列矯正もほぼ終わって、今は3か月に1度の検査に行くだけになっている。月曜日が、その日だった。検査の結果、歯には特に問題がないけれど、上の歯の奥歯の内側に磨き残しがあることを指摘された。
デンタルフロスで、歯間を掃除してもらったが、その間、フロスからどぶ川の匂いが拡がり、自分でも「うっひゃあ。」と思った。
「歯間ブラシやデンタルフロス、毎日、使っていますか?」
「いえ。歯ブラシだけです。」
「歯間ブラシやデンタルフロスも使ってくださいね。」
「はい。」
まじで使おうと決意した。
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ところが、その日の夜は飲みに行ってしまった。さんざん、飲み食いして、記憶がまだらだ。
朝、起きたとき、軽い2日酔いだという認識だった。ぼんやりとした頭のままでパソコンを立ち上げたとき、少し、背筋が寒くなった。「俺、昨日、帰ってきたときに、メール書いていなかったか?」
見込み通り、俺はビジネスメールを、それぞれ別の人に2通も送っていた。「支離滅裂な文章を書いているに違いない。」
恐る恐る「送信済みメール」を開けてみると、それなりにまともな文章で書かれている。多少、フォローが必要なところはあるが、失礼というほどではなかった。用件を伝えるメールとしては、上出来な方だった。
「酔った俺は、さっさと眠ればいいのに。」
ほっとしたけれど、不安を感じさせられた分、腹が立った。
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火曜日は、今の職場に自己評価を提出しなければならず(今さら何のためなんだか全く理解ができないが、優秀な方々(自称)が作られたルールなんだってさ。)、それから、あといろんな問い合わせに対応をした。めんどくさいが、仕方がない。
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前の職場から去年の春に、「永年勤続」とかで、数万円分の旅行券をもらった。有効期限は1年間。1年間のうちに旅行に行けるとは思っていなかったので、有効期間が長いJTB等の通常の旅行会社の旅行券に交換しようと思ったのだが、旅行会社に断られた。この職場がくれた旅行券は、旅行会社で手配した旅行でないと使えず、普通の旅行会社の旅行券には変えられないのだという。
おまけに、その旅行会社は、同じJTBでも、長野県内のJTBでなければならないそうで、わざわざ旅行の予約のためだけに、長野県に行かなくてはならなかった。
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予約したのは和歌山の白浜温泉にある一泊だけで数万円もするホテルだった。当然、一泊二日の手配をする。
水曜日は9時頃から、和歌山県に向かった。午後3時過ぎには白浜温泉のホテルに着いた。
エステの予約をしていたので、エステに行き、それから岩盤浴もした。
夕食は豪華だったが、今回は、親しい友達もいないので、酎ハイを1杯飲んだだけだった。
お客も大勢いたが、平日のせいなのか、お年寄りばかりが目についた。
大浴場も豪華だった。俺はホテルに着いたとき、最初に説明を受けたのに、浴場にバスタオルとタオルを持って行った。
浴場には、バスタオルとタオルが山のように積んであった。そういえば、「タオルは浴場にあるので、手ぶらで行ってください」って言われたなあ、と思い出した。
浴場にはタオルだけでなく、カミソリも普通に用意されていた。ドライヤーももちろん完備されているし、水や無料のアイスキャンディも用意されていた。本当に豪華だった。
11時前には寝てしまった。
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翌朝も大浴場に行った。備え付けのカミソリでひげを剃った。カミソリを使って、ひげを剃るのも久しぶりだった。それから朝食を食べた。豪華な朝食で、朝からすき焼きを食べた。
そして、また午後3時には名古屋に戻ってきた。きっと旅行に行ったら、飲み過ぎて、二日酔いになるんだろうなあ、と思っていたが、結局、旅行の間に飲んだのは、酎ハイ1杯だけだった。
そして、夕方には、翌日のための仕事の電話を、あちこちにした。いつまで俺は、前の仕事をしているんだろう。
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もう年休の消化に入っているので、本来であれば、しなくていい仕事をしているのはわかってはいるのだが、「俺がやった方が早い。」というのもわかる。直属の上司なら無視するが、お世話になった人から頼まれると、嫌とはなかなか言えない。
それで、職場に行って仕事をした。決裁を上司に回したら、「もっと体裁を整えろ。」などと無駄なことを言う。自分でやれ、と突き放したいところだったが、「わかりました。」と言って作り直した。何の意味があるかわからないが、そういう上司だから仕方がない。
それで、すぐ決裁をもらったので、施行した。そして、午後2時には前の職場を出た。上司は「もう帰るのか」という顔をしていたが、年休中なんだから、当たり前だ。
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それから、次の仕事に関わる会社に出かけて行った。次の仕事の契約内容に関する説明を聞くためだった。なんだか、想像以上に金がかかる。でも、争う立場にはないので、お礼を言って帰ってきた。
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土曜日は朝からジムに行った。ここしばらくしていなかった「下半身トレーニング」だった。
最初のスクワットでかなりダメージが残り、その後の、ブルガリアンスクワットでヘロヘロになった。最後のレバレッジマシーンでのスクワットを終えると、もう、まともに歩けない状態になった。
膝を立てているときは、歩けるのだが、膝を曲げると力が抜けてしまう。生まれたばかりの小鹿になった感じがした。
そういえば、エステを受けたとき、腿をマッサージしていたおばさんに、「筋肉量は多いのに、柔らかいいい筋肉をしていますね。」と言われた。その話をトレーナーにしたら「いい話じゃないですか。トレーナーが優秀だからですよ。」という。
俺が「うん。」とうなずいて流していたら、「ちゃんと否定してください!」と言われた。いいトレーナーだ。
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午後は、買い物をして、帰ってきた。帰ってきた後は、俺が、かつて、しでかした様々な問題を(例えば、楽天市場へのアクセス権限が2つもある、とか)処理したり、次の職場のメアドを作ったり、しなければならないことは多かった。
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そして、今日の日曜日は、朝から病院に行った。そして、診察を受けて帰ってきた。特にそれだけだったのだが、なんだかとても疲れて、帰ってきてから昼寝をしていた。
なんだか、退職にしても、次の職場の準備にしても、いろいろとやらなければならないことが、多いんだよなあ。
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で、客観的には、この毎日が日曜日という恵まれた環境にいるにも関わらず、今週も大学の勉強は全くしていない。
俺は本当に来年、卒業する気があるのだろうか?自分のことながら、呆れかえるような気持ちでいっぱいだ。
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宮島未奈の「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)と「成瀬は信じた道をいく」(新潮社)を読み終わった。
中高生に圧倒的に支持されていることは知っていた。で、本屋でパラパラと読んでみたら、面白くて、買った。白浜温泉に行くときは「成瀬は天下を取りにいく」を一冊持っていけばいいや、と思って、旅行鞄に詰め込んでいた。
まさか、行きの特急「くろしお」に乗っている間に読み切っちゃうとはなあ。続編の「成瀬は信じた道をいく」を読みたくて、白浜温泉のホテルの人に「この近くに本屋はありますか?」と聞いたら、「本屋は別の市に行かないとありません。」と言われてがっかりした。
それで、続編の「成瀬は信じた道をいく」は、和歌山からの帰り、特急「くろしお」の終点、「新大阪」で買った。
全編読んで、圧倒的に面白かったのは、「成瀬は天下を取りにいく」の「ありがとう西武大津店」と「膳所から来ました」の2編だった。
「ありがとう西武大津店」は、閉店が決まった西武大津店に、毎日、テレビ局が来ることを見越して、毎日、テレビに映るために、西武大津店に西武ライオンズのユニフォームを着て通う中学生の話だ。
そして、「膳所から来ました」はM1を目指す中学生(どっちも同じ成瀬あかりがメイン)の話だ。
なんだか、湊かなえと奥田秀朗が合体したような文体や手法で、読みやすく、また様々な視点から立体的に事象を捉えている。
でも、俺は、ホームズにおけるワトソンのように、「島崎みゆき」だけに「成瀬あかり」の活躍を描いてほしかったなあ。いいんだよ。こういうヒーローが活躍する話は身近な1人の一方的な視点だけで。
作者自身が京都大学出身だから、主人公と似た生活経験があるのだろう。朝、5時に起きて走り込みをして、その後、朝食。それから勉強をはじめて1時間ごとに体力づくりをする、というルーチンは、俺のなかでもとても合理的で、よいシステムだと思った。
面白いし、学べる。中高生にはとてもいい本だ。
俺は、これからの仕事で、中高生に声掛けをする機会が増える。いつか、この本を読んでいる中高生に「お。成瀬あかりかあ。いい本だよな。」と声をかけたいと思う。