Flow 81点(ネタバレ)

テーマ:

 

監督:ギンツ・ジルバロディス

 

洪水に呑まれゆく世界を舞台に、1匹の猫の旅路を描いたラトビア発のアニメーション映画。

世界が大洪水に見舞われ街が消えていくなか、1匹の猫が旅立つことを決意する。流れてきたボートに乗り込んだ猫は、一緒に乗りあわせた動物たちとともに、想像を超える出来事や危機に襲われる。時に運命に抗い、時には流され漂ううちに、動物たちの間には少しずつ友情が芽生えはじめる。

監督・製作・編集・音楽を1人で手がけた長編デビュー作「Away」で世界的に注目されたラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督が、5年の年月をかけて多くのスタッフとともに完成させた長編第2作。
第97回アカデミー賞でも長編アニメーション賞と国際長編映画賞の2部門にノミネートされ、長編アニメーション賞を受賞した。(映画.com)

 

2024年製作/85分/G/ラトビア・フランス・ベルギー合作
原題または英題:Straume
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2025年3月14日

 

 

猫版:ワンダと巨像 

 

圧巻のアニメーションだった。

 

変わりゆく自然環境の中で、

それに流されながらも生きようとする動物たちの姿に鳥肌が立った。

 

 

  グッときた点

 

①美し過ぎるアニメーション

 

冒頭の大自然からのスタートで、

すでに心を掴まれた

 

動物は動きが多いので、

そこはアニメっぽい描写だが、

大自然の表現は圧巻。

 

飲み込まれそうになるほど美しい自然表現だった。

 

 

②感情表現

 

クルーとなる動物たちの感じていることが、

仕草や表情から読み取れるのが素晴らしかった。

 

人間の文明を感じされるものの、

そこに人間は登場しない。

なので、人間の言葉は一つも出てこない。

 

言葉は一つも発されないのに、

彼らのやりたいことは伝わってくる。

 

このチャレンジは高く評価すべきポイントだった。

 

特にカピバラの行動が一番仲間想いで、

この船の船長のようにみんなを引っ張っていき、

自然とカピバラにリーダーシップと魅力を感じていた。

 

異なる種類の動物たちが、

力を合わせて自然に挑んでいく様子を感じるには、

十分な感情表現だった。

 

 

  惜しい点

 

①不明確な着地

 

後半になるにつれて、

これどうやって終わらせるのか?

が、気になって仕方がなかった。

 

最後は、大洪水が引いて、

クジラのような生き物が地上に取り残さている所を猫が発見する。

 

そして、それを憂うように、

猫と仲間たちが寄り添い終わっていく。

 

うーん、、、、

何か惜しい!

 

この物語の終わらせ方は相当難しいが、

もう少し、分かりやすい終わり方で絞めて欲しかった。

 

 

②山の上の奇跡

 

クルーの鳥と共に、

めちゃめちゃ高い山の上で奇跡のような体験をする。

 

そこで、鳥が天に召されてしまうのだが、

これが何なのかよく分からなかった。

 

結構この山が象徴的に序盤から映し出されていたので、

最後にこの山で何かが起こるのかと思ったら、

とんだアンビリーバボー体験が起こるだけで、

それが何なのかもわからないまま、、、

 

僕自身の想像力の敗北を感じた。

 

 

  感想

 

アニメ制作者の意見が聞きたくなる作品だった。

 

こんな映画を作られると、

クリエーターは黙ってられないんじゃないかな。

 

これはやられた!

 

なのか、

 

いやいや、こんなの全然普通でしょ!

 

なのか、

専門的な意見も聞いてみたいところ。

 

パンピーの僕からすると、

プレステのゲームの中に放り込まれた感覚だった。

 

PSの名作「ワンダと巨像」のような世界観の中で、

猫と動物が織りなす大冒険。

 

人間も、言葉も無い世界で、

良くここまでの物語を作れたものだ。

 

ちなみに、この作品は、

万人におススメできる作品ではないと思う。

 

僕的には満足だったが、

観る人は選びそう。

 

アニメーションの表現を楽しむ作品なので、

物語にこだわるような方は退屈してしまうかもしれない。

 

とはいえ、

アカデミー賞を取ったのは納得だったし、

アニメーション表現のさらなる可能性を感じさせる1本だった。

 

 

 

宣伝】本を出版しています。アマゾンkindleで購入可能です。

▼「当たり前の事」への「感謝」の大切さをテーマにした親子小説

 

 

▼「仕事と家族」の間で揺れるサラリーマンの答え探し小説

 

 

▼「金持ちって何?」という疑問から始まる中学生の行動物語

 

 

▼「コミュ力」に対する僕の考えをまとめた本

 

 

▼「スナック」の素晴らしさを伝えたい思いで書いた本