橋下徹知事(大阪府)が、財政再建プロジェクト試案を発表した。その中でも捨てておけないのは、「大阪府労働情報総合プラザを7月末で廃止する」案である。

 現代日本は、過労天国とまで言われ、労災絡みの事件が増える一方だ。にもかかわらず、国民の「知る権利」を奪うとは、いかなる魂胆下心なのだ。労働者を理不尽に酷使している事実を隠さんがためであると勘ぐられてもしかたあるまい。

 財政再建、経費節減が目的ならば、まず官僚どもが当然の役得としている諸々の着服を取り締まるがいい。そうしたことには、牛の涎のごとくに手ぬるいではないか。私腹を肥やしきった官僚どもを甘やかしている現状を、納得のいくように説明してみるがいい。


 以下のコピペの転載、配布を大歓迎します。報告の必要もありません。ご賛同いただける方は、ご署名をお願いします。自分も致しました。


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みなさま
 お世話になっております、龍谷大学の岸政彦です。橋下知事の「改革」 路線のなかで、大阪府労働情報総合プラザ、大阪社会運動協会、大阪社会運動資料センターなど、労働運動の第一級の一次資料を多数所蔵する機関が閉鎖・廃止されようとしています。これに対する抗議署名を募集しているそうです。くわしくはこちらをご覧ください。
http://rodoshomei.web.fc2.com/



 時間があまりありません。至急、ご存知の研究者や市民の皆様に転送・告知していただけないでしょうか。
 お忙しいところ恐れ入ります。ご協力をおねがいいたします。


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(前回の続き)


 このような外道企業は枚挙に暇がないが、外道家族というのもまた、ひそかに多数存在する。

 失踪から戻ってきた者を慰め労わるどころか、ボロ切れのごとくに踏みつけ、再起不能なまでにぶちのめした。それが妻とその父親だというのだ。


 そもそもなぜ伸一さんが責めを負わねばならぬのか。過労で鬱病となった伸一さんは、ただでさえ被害者である。傷を負った身にさらなる屈辱、打撃を与える家族など、犯罪者に他ならない。

 この舅は一方的に伸一さんを罵りたおし、一切の話し合いにも応じようとしない。この異常なまでの高圧的な言動は、狂気じみてさえいる。自分側の非が暴かれ、指摘されるのを避けるため、徹底的に相手を罵倒し、声高に決めつけ、悪者に仕立て上げる。そうして自己正当化を図るわけだ。


 相手の言い分はいっさい聞く耳持たず、質問にも応じないのは、己側の非が発覚するのを恐れるゆえであろう。やましい点がなければ、堂々と陽の下に現れることができるはずだ。妻とその父親による伸一さん虐待が、日常化していたと見られてしかるべきである。少なくとも、娘婿に対する情がまるでないというだけでも、まともな人間とは言えまい。


 事件後に関してだけでも、この妻と舅による伸一さん側に対する仕打ちは、とても人間とは思えない。せっかく自殺を思い留まり、生還したというのに、この外道どもがなぶり殺しにしたのだ。

 この外道どもを、法がけっして許さないことを願ってやまない。



                  《了》


 本田技研栃木研究所(芳賀町)の研究員が自殺した。

 亡くなった西村伸一さん(2004年6月当時29歳)は、入社以来、法定労働時間を超える長時間労働を続けていた。2004年6月には鬱状態となり、同月23日に初めて無断欠勤のうえ失踪した。

 同社の勤怠簿には、毎日午後9時終業と記録されているが、

「午後9時以降も仕事をしていた」

という同僚の証言があった。


 失踪から6日後、思いとどまった伸一さんが自宅に戻る途中、捜索願を受けた警察が東京都日野市内で発見、保護した。

 伸一さんの妻とその父親が引き取りに来たが、この父親は、

「娘と離婚させる。2人きりにはさせられない」

などと罵り、伸一さんとその母悦子さん(当時60歳)を土下座させた。

 翌29日未明、伸一さんは滞在先の埼玉県旧大宮市(現さいたま市)内のホテルから投身自殺を遂げた。


 伸一さんの父淳さん(当時61歳)と母悦子さんは、息子の自殺後、その労働実態について会社や労働組合に伸一さんの調査を依頼した。しかし、遺書がないからという理由で、取り合ってもらえなかったという。

 さらに、ことの真相を聞こうと、伸一さんの妻にも接触を試みたが、なぜかその義父が頑として許さず、自殺前の伸一さんの様子を聞くことすら出来なかったという。


 伸一さんの「法定労働時間を超える長時間労働」について、当然会社側は厳しく追及されるべきである。何もやましい点がなければ、堂々と協力できるはずだし、そうすることが義務でもある。

 しかるに、「遺書がないから」という理由で、勤務実態調査を拒否した会社と労働組合は、後ろ暗い隠し事があるに違いない。勤怠簿(毎日午後9時終業と記録)と同僚の証言(午後9時以降も仕事をしていた)との食い違いからして、えげつない資料の捏造、隠蔽工作が丸見えだ。

 まず、遺書がなければなぜ調査できないというのがおかしい。遺書がないから、自殺扱いにはしないというつもりか。そうすることによって、会社は何をどうしたいのだ。なんのための労組なのだ。胡散臭さが紛々と漂う。



                  (続く)



(前回の続き)

 2007年1月22日、熊本地裁の亀川裁判長は、会社側の主張を退け、遺族の主張を認めた。

「自殺直前の時間外労働時間、月80~108時間で労使協定(最長月61時間)を著しく超えており、健康の悪化は容易に認識し得た」

という点を踏まえ、昭友さんの勤務時間や健康状態に関しては、

「会社が何ら留意することがなく、その注意義務を怠り漫然と放置した」

と指摘し、同社に約7,430万円の支払いを命じた。

 過労死弁護団全国連絡会議によると、過労死や過労自殺で企業に賠償責任を認めた判決は、九州では初めてだという。


 原告代理人で同連絡会議代表幹事の松丸正弁護士(大阪)は、

「日本の企業では、労働基準法を逸脱した従業員の長時間労働が常態化している。今回の判決は、他の企業にも警鐘を鳴らす判決だ」

と評価した。

 実にその通りで、労働基準法の逸脱が常態化し、それが当然、常識にさえなっている。九州にも、過労死や過労自殺で亡くなった人、企業を提訴した人は多かろう。しかるに、賠償責任を認めた判決は、今回が「初めて」だというのだ。いかにこれまで、企業側の言うことだけを鵜呑みにし、労働者側の立場を踏みつけてきたか、というわけだ。


 そればかりではない。現行の労働基準法の中身を知らない労働者がほとんどである、というのも悲惨な現実である。そうした人々は、会社が押しつけて寄こす劣悪な労働条件を、労基法でそう決められているのだからしかたがない、と思い込み諦めているのだ。

 山田製作所総務部は、

「判決文を見ていないので、コメントできない」

としている。


《了》


 オートバイ部品などを製造する山田製作所(群馬県桐生市)の熊本事業部(菊池市)で、24歳(2002年当時)の男性が死亡した。過労による自殺と見られている。

 この男性(山田昭友さん)は、2002年4月に塗装班リーダーに昇進し、生産量の増加や不合格品対策(品質管理)などに当たっていた。昇格の負荷と、細微な神経を遣う業務に加え、自殺の3カ月前から常軌を逸した長時間労働(働時間外労働は月80~108時間)も強いられていた。心身ともに重なる疲労のため鬱病を発症し、同年5月に自殺した。

 菊池労働基準監督署は2004年3月、山田さんの自殺を労災と認定した。


 昭友さんの遺族は、会社が安全配慮義務を怠ったせいであるとして、同社に約9,250万円の損害賠償を求める訴訟も起していた。

 過労死者が出たとき、会社だの経営者だのは、まずこぞって判を捺したように同じことを言う。

山田製作所も然り、訴訟の場(熊本地裁)にて、

「山田さんの過労や自殺は予見できなかった」

と主張した。

 しかし、自殺直前における昭友さんの時間外労働が月80~108時間という事実は、労使協定(最長月61時間)を著しく超えた数値である。この現状がありながら、「予見できなかった」とは、言い訳にすらなっていない。


 そもそも品質管理は、細かい神経と手間のかかる業務である。工場と顧客との狭間で、特有の苦労を抱え込みがちだ。長時間労働というだけでも心身負荷なのだから、神経を病むことの予想ぐらい、容易につくはずだ。本当に「予見できなかった」のならば、よほどの鈍感かバカであろう。実のところこれは、それほどまでに恥知らずなセリフなのだ。


 しかるに、この恥知らずなセリフを言いさえすれば、一切の責任を逃れられるとでも思っている経営者があまりにも多い。過酷な労働状況という現実がしかと存在するのだから、会社側がいかにシラをきろうが、鈍感自慢、バカ自慢をしようが、責任逃れはできない。にもかかわらず、

「だって、そんなに働いてる社員がいるなんて、知らんかったんだもーん。知らなかったんだから、オレ悪くないもーん」

なぞとぬかすクソボケ社長さえいるのだから呆れる。

 労働者がどんな待遇を受けているのか、総責任者が「知らない」ということじたい、労働者をないがしろにしている証拠である。世の経営者はそれを弁えているのか。そんな無責任にして杜撰な会社だからこそ、このような惨事が起きるのだ。



(続く)