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二転三転

噂には聞いていたけどNYの舞台現場というのは、目まぐるしく変わる。
僕が演じる「主役・エドワードの回想シーン」は、他のシーンに比べ、演じ方、立ち位置、台詞のテンポ等等、どんどん変わって行く。演出家の指示通りに練習しても、次のリハーサルでは、全く違う演出になっているのだ。

前回のリハーサルでは、エドワードが回想するとき、予め部分的に収めた映像がスクリーンで流れると舞台にいる俳優達は、全員ストップモーションになる演出だったが、今日はステージから見て2回の映像用スクリーンの位置で、独り芝居をすることになった。

だが・・・・明日、再度変更になるかも知れないのだ。演出が変更される度に、僕のアクティング方法もシリアスな演技からエキセントリックな演技にまで、既に10パターン以上、同じ台詞でありながら違った言い回しでの感情移入が求められ、限界を超えた演技力が要求されている。

かなり煮詰まった状況に追い込まれるが、自分の表現法、台詞の言い回し、感情移入等、俳優としての力量が試されると朋にダイナミックレンジの幅を広げて貰っていると考えれば、ワークショップ等では、決して得られない貴重な経験を積ませて貰っているので「俳優修行」と前向きに捉えている。

何時の間にか幾つもの「長台詞」、夢にまで出てきて完璧に覚えてしまった。(笑)

通しリハーサル


舞果-Kのブログ-エドワード役のアレックスと

舞果-Kのブログ-リハーサル風景

舞果-Kのブログ-大道具の準備風景



先程、第1回目の通しリハーサルを無事に終える事が出来た。

昨日のリハの状態がまるで嘘のように、自然に台詞と動きが絡み合い出したのだ。

「これで行ける!」と手応えを得られたら、妙に心が落ち着き平常心を取り戻せた。

この長い台詞を貰ってから、初めて「楽しい」と感じることが出来た。一昨日の自分は「演じる者として最低だ!」と気分が滅入ってしまう程だったので、このシーンの完成度を上げる為に、一体何か必要か?自分の問題点は何かを考え、再度、一から深く掘り下げ見直す機会に繋がったことが良い結果になったように思う。

この後、監督が一度英国に戻り、来週末からリハーサルは再スタートする。

通しリハーサルは一段落したので、数日間だけOFFを取れそうだ。来週、OFFの合間をみて、次回作品の映画出演の件と別件のため、クライアントとのミーティングのアポが取れればロスアンジェルスに行く予定。 全ては時間の有効活用だ。

50歳からの俳優人生、これまでは準備段階だったが、これからは攻めの姿勢で僕という「俳優」がどこまでUSで通用するか!いや、世界に通用するか!チャレンジの波を起こしたい。

主役エドワードのアレックスと僕
写真は舞台「シザースハンズ」リハーサル風景、
大道具の準備、

通しリハーサル

一対一

 1対1

5月最後の月曜日はアメリカのメモリアルデー。
国のため戦い、戦死した兵士達を供養する「戦没者追悼祈念日」である。

つまり31日の今日、USは休日なのだ。ほとんどの俳優たちは家族と一緒に過ごすようだが、メモリアルDayと直接関係のない僕は、その間、監督のリチャードと1対1のリハーサルに充てることになった。

通常のリハとは全く違う、別の緊張感が全身を走る。

英国貴族のTea Roomのシーン、貴族社会の正式な立ち振る舞いを求められる役なので、所作や作法、例えばナプキンのセンターの折り目の向きひとつをはじめ上流階級の作法等、知らないことが多く、それらを自然の流れに添って優雅に動き、演技しながら台詞を発するにするのが、非常に難しい。

改めて心のイメージが重要で、その延長上に指先ひとつでの細やかな動きが演技に繋がる事を思い知らされた。

台詞を完璧に覚えた分、演技が漠然と流れてしまっている、とも指摘されてしまった。
数日前、まだ台詞が完全に覚えていない時の方が、言葉を追いながら発音し、それに対比して動いていて良かったとのこと。

特にリチャードが拘る一番難しい部分は、穏やかでインテレクチャルな高貴な英国訛の台詞の中に、この発明家のエキセントリックなまでの自己表現愛を求めており、作法の話の中に、このエキセントリックさを感じさせる演技を挿入させるのが本当に難しい。

今日のリハでは自己の宿題が沢山残った。

水曜日に行われる全体の通しリハーサルまでに、何とか今日の課題であるリチャードの拘りの部分が、上手く表現出来きるような演技に到達しないといけない。

Micah-K