一対一 | 舞果-Kのブログ

一対一

 1対1

5月最後の月曜日はアメリカのメモリアルデー。
国のため戦い、戦死した兵士達を供養する「戦没者追悼祈念日」である。

つまり31日の今日、USは休日なのだ。ほとんどの俳優たちは家族と一緒に過ごすようだが、メモリアルDayと直接関係のない僕は、その間、監督のリチャードと1対1のリハーサルに充てることになった。

通常のリハとは全く違う、別の緊張感が全身を走る。

英国貴族のTea Roomのシーン、貴族社会の正式な立ち振る舞いを求められる役なので、所作や作法、例えばナプキンのセンターの折り目の向きひとつをはじめ上流階級の作法等、知らないことが多く、それらを自然の流れに添って優雅に動き、演技しながら台詞を発するにするのが、非常に難しい。

改めて心のイメージが重要で、その延長上に指先ひとつでの細やかな動きが演技に繋がる事を思い知らされた。

台詞を完璧に覚えた分、演技が漠然と流れてしまっている、とも指摘されてしまった。
数日前、まだ台詞が完全に覚えていない時の方が、言葉を追いながら発音し、それに対比して動いていて良かったとのこと。

特にリチャードが拘る一番難しい部分は、穏やかでインテレクチャルな高貴な英国訛の台詞の中に、この発明家のエキセントリックなまでの自己表現愛を求めており、作法の話の中に、このエキセントリックさを感じさせる演技を挿入させるのが本当に難しい。

今日のリハでは自己の宿題が沢山残った。

水曜日に行われる全体の通しリハーサルまでに、何とか今日の課題であるリチャードの拘りの部分が、上手く表現出来きるような演技に到達しないといけない。

Micah-K