まえ、ブログ仲間のさらりさんに

カニグズバーグがおススメ!!って書いていながら、

何がどうおススメなのか

記事にできていなかったので、

書いてみようと思います。

 

 

カニグズバーグさんはアメリカの児童文学作家で、

元科学教師。

 

 

1967年デビュー。1968年、『クローディアの秘密』で初の、1997年『ティーパーティーの謎』で二度目のニューベリー賞を受賞。デビューから晩年までウィットに富んだ洗練された作風で、子供に限らず幅広い年齢の読者から支持を受け続けていた。ハンガリー系のユダヤ教徒。(ウィキペディア参照)

 

 

科学の先生をしていた理系な彼女は

「こどもたちのまなざし」の先に興味を持ち、

作家に転身します。

無駄に文章を飾ったり、

抒情的に書くということをしない方で、

そこが大きな魅力です。

 

 

子供をとても子供らしく書き、

大人の滑稽な部分も

そのままに描写します。

 

好きな本がありすぎるけど、

今日はコチラについて語ろうと思います。

 

 

(読んだのが20年くらいまえなので、

記憶があいまいなまま書いてみます)

 

 

 

かつて誘拐された娘が帰ってくる。

彼女はホンモノのキャロラインなのか?

というストーリーです。

 

 

 

 

主人公は少年。

妹は障がい者です。

障がい者の妹が母によじ登るシーンのあとで、

健常者の兄が、

「がまんするのは終わったの」と母親に聞くシーンが冒頭にあり、

印象に残っています。

 

 

この家のお母さんは自分のオシャレに夢中で

子供たちにまったく向き合っていない。

ムスメのことは面倒なので甘やかしているだけです。

父は影が薄い。

 

 

スカスカの家庭がそこにはあります。

 

 

 

かつて誘拐された娘が帰ってきても、

後妻は面白くないだけ。正体を暴こうとします。

 

 

このホンモノかどうかわからないキャロラインは、

スカスカな家族を見渡し、

そして兄妹に向き合うのです。

 

妹の存在から自分の生活を犠牲にしていた兄と対話し、

障害者でまったくしつけをされていなかった妹の教育にも着手します。

 

 

この子供が、ある映画を見たときに

 

「大人たちが自分についていたウソと不誠実」に気づいて

ボロボロに泣くシーンがあるのですが、

ヘレンケラーの「water」に匹敵する場面だと思っています。

 

 

彼女は自分で気づき、学習し、

やりての実業家に。

兄は小説家になります。

 

そしてキャロラインの秘密について、

ふたりは対照的な方法で

謎の答えを手に入れることになります。

 

 

 

兄は封のされた手紙(キャロラインが宛てた)を。

 

妹は開封されたファイル(自分が調査した)を。

 

どちらが欲しいと思うかは

人それぞれですよね。

 

 

キャロラインの正体がなんであったか?

 

 

 

それは最終的に重要ではなく、

 

 

キャロラインはたしかに、

ふたりの姉であった。

 

 

そう、言えるのではないでしょうか。

 

 

 

キャロライン側に立って物語をみると

なかなか複雑なものがあるのですが、

子供たちが見えない困難や偏見とどう戦っていくのか。

大人はどう手を貸していくのか。

 

カニグズバーグさんはそういうことを

老人の域になってからも描き続けました。

世界中に多くのファンを持つ作家さんです。

 

 

 

 

 

 

 

カニグズバーグ

■クローディアの秘密 
■謎の娘キャロライン


ちょっとした知恵とサバイバルがある児童文学

■ペリーヌ物語☆紺色のすてきな服 
あの子が息を止めたわけ

■クラスの高嶺の花と、千畝と、ベラルーシと、
本に出たことがあるよ!

■小説に出演した(なまえ)

好きなイギリス児童文学といえば・・・

【猫・少年・犬】居場所を探す長い旅

和製の傑作ファンタジー

■だれも知らないちいさな国

好きな詩集

哲学のらいおん

ホラーじゃないスティーブン・キング
■スティーブン・キング恐怖の四季の思い出