"MEMORANDUM" -2ページ目

1分間でポイントを相手に理解してもらう習慣をつけよう

《短時間でポイントを相手に伝えるエレベータートーク》
「エレベータートーク」とは、エレベーターに乗っている程度の短い時間(30秒~1分間)で、自分が伝えたいことの要旨をまとめるショートプレゼンテーションのことです。
シリコンバレーの起業家が、投資家と同じエレベーターに偶然乗り合わせたフリをして、そのエレベーターが目的階につくまでの短時間に自らの事業内容の魅力を伝えることに成功し、資金調達にこぎつけたところに由来した言葉です。

《エレベータートークの基本形PREP法》
エレベータートークを実現するということは、自分の話したいことを「整理し要約する」ことに他なりません。
そのフレームワークとして有効なのがPREP法です。
PREPP法(プレップ法)とは下記の言葉の頭文字です
 POINT=ポイント、結論
 REASON=理由
 EXAMPLE=事例、具体例
 POINT=ポイント、結論を繰り返す

つまり、
①自分の言いたい結論をストレートに述べる
②その理由を述べる
③具体例や実例を挙げて詳細に説明する
④最後にもう一度自分の言いたい結論を念押しする
というステップで話を展開すれば、エレベータートークが実現しやすくなるというわけです。

《論理のピラミッドでPREPを組み立てる》
では、どのようにPREPを組み立てればいいのでしょうか?
PREPの構築に役立つ(というかそのものである)フレームワークが「論理のピラミッド」です。
結論(POINT)を頂点に、その理由を第2階層、さらに、その理由を導きだした事実を第3階層に配置します。
あとは、下の階層の要素を仲間別に分類し、分類したものに「要は~ということ」と名前をつければ、それが上の階層の要素となります。
それを繰り返すと、最上層部に残ったのが結論となります



その時にいくつかの注意点があります。
・下から考える(事実→理由→結論)
分かっていることから積み上げるため、結論が現実と乖離することを防止できます。上から考えていくと、結論にとって都合のいい情報だけを揃えてしまいがちになり、机上の空論となってしまいます。
・下位層の要素は複数(2~3個)で
上位層の要素に対し、下位層の要素は2~3個となるようにします。1個だと上位層を理由づけが弱くなりますし、多すぎると何をまとめているのか分からなくなります。
・結論にはコンセプトを盛り込む
単に結論を述べるより、「~だから結論は××です」とした方が、聞き手は~に引きつけられますし、~の部分が下位層と整合がとれているかのチェックにも役立ちます。
・キーマンが聞きたいことに絞り込む
相手が複数の場合は、聞きたいことも異なる場合があります。その時は、キーマンが聞きたい話の「広さ」「深さ」に絞り込む必要があります。

《日ごろから意識して使わないと鍛えられない》
PREP法も論理のピラミッドも所詮は手段であり、これを日ごろから意識して使わないと、エレベータートークは身につきません。
新聞記事やニュースの内容を自分なりに30秒で語れるようにしたり、意見を述べるときは(結論が決まっていなくても)、「結論は~です。理由は3つあります!」と切り出してから理由は考えるとか、自分をシビアな環境に置くことが何よりも上達の近道です

議決権の3分の1超を握っていれば重要事項の決議を拒否できる

政府は、東日本大震災の復興財源に充当するため、JT株式を売却する方針です。
政府は、現在、法律改正によって政府保有比率を「2分の1」から「3分の1超」まで引き下げる案を検討しています。
なぜ「3分の1超」をメドとしているかといえば、会社の重要事項に対する拒否権を保持することができるからです。
会社の重要事項の決議には、株主総会での「3分の2以上の賛成(特別決議)」が必要であり、逆に言えば、3分の1超を握っていれば、それらの特別決議を阻止することができるわけです。
特別決議を要する事項については、会社法第309条第2項の各号に記載されていますが、主な項目は以下の通りです
・他企業との合併・会社の分割(十五号)
・定款変更(十四号)
・事業譲渡(十四号)
・株式の募集(五号)
・取締役の途中解任(七号)

消費者6割がお店に来ていない~低成長と嘆く前に

備忘録です
“少子高齢で成長の限界を感じ、成長性の高い海外に目を向ける日本企業。一方、日本市場の深掘りを進め鉱脈を見つける外資系。彼らの目には日本はまだジパング(黄金の国)に見える。
「消費者の6割がお店に来ていない」。日本1号店から40年を迎えたマクドナルド。業界最大手となった同社の店には年約15億人がやってくるが、原田泳幸会長兼社長にはまだ未開の地が広かっている。同社によると1ヵ月に1度でも店舗に立ち寄る消費者は約4割。残り6割は1度も来てくれないという。
6割の中には中高年、外出が難しい人、日ごろ車で移動する人などが含まれる。原田氏自身も「おいしくない」と認めていたコーヒーの品質向上に努めて中高年を誘引。一部店舗で宅配も始めた。車から降りずに商品を受け取るドライブスルー型の積極出店にも乗り出している。消費者との接点作りに余念がない。
24時間営業、店舗の大型化による商品数拡充は多様なニーズを取りこぼさないためだ。同社の2011年12月期決算は経常最高益 (282億円)を見込む。そんなマクドナルドでも外食市場に占める比率は2%強。伸びしろは大きい。”

(10/24 日本経済新聞 経営の視点)

株主の権利の行使に関する利益供与の罪

2011年10月24日付日本経済新聞「法務インサイド」より
大王製紙は9月16日、創業家出身の井川意高前会長が引責辞任したと突如発表した。グループ会社から総額84億円を個人的に借り入れたことがコーポレートガバナンス(企業統治)上、問題になるというのが理由だ。

2011年3月期の同社の有価証券報告書の関連当事者との取引の注記には、連結子会社が井川会長に対して、2,350百万円を貸し付けていた旨が記載されています。井川氏は大王製紙の大株主であり、1.0%の議決権を保有しています。

筑波大学の弥永真生教授は貸し付けが無担保だったことから「相応の金利を課さなかったとすれば、株主権の行使に対する利益供与の推定が働くか、実質的な役員報酬に該当する疑念がある」と指摘する。

「株主の権利の行使に関する利益供与の罪」は、「株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したとき」(会社法970条)に成立します。
利益の供与を受け、又は要求した側も処罰されます。

本罪は総会屋の排除を目的として昭和56年の商法改正により設けられた罰則であり、その適用範囲はかなり広いものになっています。

さらに、株主の権利の行使は、利益の供与を受けた株主自身の株主権の行使に限られず、第三者たる株主の権利の行使に関する場合でもかまわないので、この場合、利益を受ける者は株主である必要さえありません。

法定刑は、「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」です。
供与を受け、又は要求する時に、威迫の行為があった時には、「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」になります(第4項)。

なお、株主の権利の行使に関する利益の供与は、会社法120条でも禁止されています。こちらは民事上の責任として、利益を受けた側の返還義務や、取締役の損害賠償義務を定めています。

 

 

のれんの減損

《IFRSではのれんは非償却であるため減損時のインパクトが大きい》
オリンパスは、19日、2006~2008年にかけて実施した国内3社の買収総額が734億円であったことを公表しました。2009年3月期にはのれんの減損処理で762億円の特別損失を計上していますが、約7割が3社分だったことも判明しました。
3社ののれんの減損額が557億円ということは、すくなくともそれだけののれんが計上されていたことになりますが、2011年3月期の3社合計の売上が17億円、営業利益が▲20億円超とあり、買収金額がいかにプレミアムが乗っていたかがよく分かります。

M&Aでは、必ずのれんが発生します。現在の日本基準ではのれんを償却・減損することを通じてM&Aの成否が測定されます。ところが、国際会計基準では、のれんの償却は行われず、減損テストのみしかありません。
のれん償却を行わないということは、のれん残高が高く維持されるので、中長期的には減損リスクが高まります。一方、償却する場合は、毎期決算の利益は押し下げられますが、減損リスクは相対的に低くなります。
のれん

《のれんの帰属する事業で事業資産+のれんを上回るDCFが必要》
「のれん」の減損については、「固定資産の減損に係る会計基準」(以下「減損会計基準」)および企業会計基準適用指針第6 号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(以下「減損適用指針」)において規定されています。
「のれん」の減損は、原則として、 「のれん」が帰属する事業に関連する資産グループに「のれん」を加えた、より大きな単位で判定を行います。減損適用指針によ
れば,当該単位において,①減損の兆候を把握し,②減損損失の認識の判定を行い③減損損失を測定します
減損損失の測定については、「のれん」が帰属する事業に関連する資産グループの帳簿価額に「のれん」の帳簿価額を加えた金額を、より大きな単位の回収可能価額まで減額します。「のれん」を加えることによって算定される減損損失の増加額は,原則として「のれん」に配分します。
のれん+のれん帰属事業資産グループ<回収可能価額

なお、「のれん」の帳簿価額を当該「のれん」が帰属する事業に関連する資産グループに合理的な基準で配分することができる場合には、のれんの帳簿価額を各資産グループに配分する方法も認められます。


大小織り交ぜたプロジェクトの投資判断はNPV法よりIRR法

《儲けの大きさはNPV、儲けの効率はIRRで投資判断する》


 

NPV法とIRR法、この2つの手法は、見る角度が違うだけです。(NPV>0,IRR>ハードルレートは同じ意味)

NPV>0,IRR>ハードルレートなら、投資はOKとなります

なお割引率はNPVで用いる割引率=IRRで用いるハードルレートとしないと正しく使うことはできません。

複数のプロジェクトから投資案を選択する必要のある企業では、NPV法(正味現在価値法)を使いにくい事情があります。

NPV法は「投資とリターンを比較して引き算」して、その差額としての「儲けの金額」でプロジェクトを評価するため、どうしても「規模の大きい」プロジェクトが選ばれてしまいます。

大きなプロジェクトと小さなプロジェクトを同一のモノサシで評価するためには、利回りで結論を出すIRR法が使いやすいというわけです。

設備投資もM&Aもせずに成長するビジネスモデル

本日の日経に「IPOも増資もしない」ことをHP上で宣言している株式会社コロプラの記事が掲載されていました。
記事では以下のように分析されています。
”最近の起業はゲーム開発のような知識集約型の事業が中心になっている現実もある。資本集約型の産業を想定するリスクマネー供給の考え方は必ずしも実情に沿うものではない”
これまで私の頭の中では、ベンチャー企業というのは、リスクマネー調達→先行投資→成長というフローが当たり前だと思い込んでいたで、「リスクマネーなき成長」というのは正直新鮮でした。
一般的に、成長段階では内部留保を厚くして再投資というのが、セオリーで、配当性向を配当政策に掲げている日本の企業でも50%を超えるところはほとんどありません(利益を下方修正して、結果として高配当性向だったというのはたくさんあります)。
つまり、事業継続及び事業拡大には、利益の半分+減価償却費程度の設備投資やM&A資金が必要ということですが、コロプラはそれを必要とせず成長するわけですから、いかに卓越したビジネスモデル及び人的資源を保有しているかが分かります。

備忘録として、配当性向50%超を目標に掲げている会社をいくつか記載します
もしもしホットライン
極東証券
インボイス
サイボウズ
大東建託
任天堂
サーティーワンアイスクリーム
キョーリン
SHOEI




プレゼン資料は徹底的に人間の通常の感覚に合わせよう

《徹底的に人間の一般的な感覚に合わせた構図にする》
読み手が違和感を感じるような、図形の使い方や位置関係は、心に入ってきません。
また、日本人は上→下、左→右に見る習慣ができているので、それにあわせた配置にすることも重要です。

《見せたいこと、話したいこと、聞かれたら答えることは事前に決めておく》
プレゼン資料はできるだけ「シンプル」であることが大切です。プレゼン資料には「見せたい」ことだけに絞って記載し、あとは口頭で説明すればよいのです。そのためにも、「資料に記載すること」「説明すること」「質問されたら答えること」はしっかりと決めておきましょう。

《ページタイトルを見ただけで言いたいことが分かるようにする》
そのページで言いたいことはタイトルに凝縮させましょう


ROEが高い企業はPERも高い!?

《ROEは株主資本の収益率、益回りは、時価総額に対する収益率》

ROEとは、企業の株主資本に対する当期純利益の割合のことです。

投資家側から見れば、「投下した資本に対し、企業がどれだけの株主に帰属する利益を上げられるのか」を示したものといえます(当期純利益は利息支払後の利益であるため、すべて株主に帰属します)。

一方、PER(price earning ratio)とは、1株当たり当期純利益に比べて株価が何倍になっているかを示します。

また、PERの逆数は、「株式益回り」と称され、投資家が株式投資に求める利回りを表します。したがって、PERが20倍であれば投資家が求める利回りは5%、PER50倍であれば2%ということになります。

長期金利+リスクプレミアムを考えた場合、通常株式の利回りは7~8%程度は必要なわけで、PER50倍というのが、いかに株価が高騰した状態かというのが分かるでしょう(それだけ成長を期待している裏返しでもありますが)


《ROEが高い企業は株価もPERも高い》


さて、株主資本=時価総額という前提に立つと、漠然とROE=益回りが成立するように思えますが、実際には、ROEが高い企業は株価もPERも高くなる傾向があります。これは一定の前提のもと理論的に証明されています。


この証明にあたっては、配当割引モデルという考え方を用います。これは、株式投資で得られるCFは配当であるため、株式の価値は将来支払われる配当現在価値の合計であるというものです。

一定成長を前提とした配当割引モデルを用いると、株式の価値は次のように表されます。

P= D/r-g

ただし、

P=理論株価
D=配当
r=株主の期待収益率(株主資本コスト)
g=配当の期待成長率


ここで、配当額や株主の期待収益率は、既に決まっているため、株価を決定するのは、配当の期待成長率(g)と考えることができます。

配当の期待成長率g(=企業の成長率)は、配当の支払後、企業に残る内部留保(=1-配当性向(d))を再投資することで得られる利益率ととらえます。

つまり、

g=ROE・(1-d)

となり、配当性向が大きく変動しないと仮定すれば、ROEが高いほど、配当の期待成長率も上昇し、株価は高くなることが証明できます。


さらに、P= D/r-g の両辺を一株あたり利益で割ると、

PER=d/(r-ROE・(1-d))

となり、配当性向の変動を考慮しなければ、ROEが高いほど、PERも高いことが証明できます。


《今のROEを超える将来の投資機会がなければ株価は上がらない》

しかし、これには大きな留意点があります。

g=ROE・(1-d)

この算式は、毎期発生する内部留保がROEの利益率で事業に再投資されることを前提していることです。
つまり、将来、現在のROEに匹敵する投資機会がなければ、現在のROEをどんなに高めても成長率は高くならず、株価も上昇しないのです。

高いROEを誇りながら、株価が低迷している会社は、投資家から将来の投資機会について見透かされているということかもしれません。

投資利回りがWACCを上回れば何でもGOというわけではない

《WACCは「将来」に対する期待収益率》

投資判断などによく用いられるWACCですが、WACCを上回るCFを生み出す投資案件は、必ずGO!なのでしょうか?


WACCとは、企業が「将来」創出するキャッシュに対する金融市場の期待収益率です。つまり、WACCを構成するすべての要素は企業の未来の状況に基づいて考えなければなりません。

しかし、未来の状況は誰も分からないため、過去や現在のデータをもとに未来を予測しているにすぎません。

そのため、WACCは以下の前提があってはじめて成立しています

・株主資本コストの構成要素となるβやリスクプレミアムは将来も過去と同様のトレンドが続く

・資本構成(負債と株主資本(時価)の割合)が将来にわたって一定である

したがって、会社のβや資本構成を大きく変えるようなビックプロジェクトを判断する場合、できるだけ未来の状態に近いと思われるβや資本構成に基づくWACCを用いる必要があるということです。


《投資判断のCFは税引後を用いる》

たまに、投資判断で用いるCFって、「税引前」?「税引後」?と忘れてしまうことがあります。減損会計の割引率として用いるWACCは税引前を用いますが、一般的に投資判断時のWACCは「税引後」を用います。

というのも、通常の企業評価では、借入資本コスト(利息)が税務上損金に算入され、節税効果が働くため、これを考慮して税引後のWACCが用いられることが多いためです。


"ADVERSARIA"

したがって、DCF法に基づく投資判断を行う場合も税引後CFを用います


《WACCのリスクと個別のプロジェクトのリスクは異なる》

WACCに織り込まれているリスクは、会社全体(または会社の主たる事業)のリスクであり、個別のプロジェクトのリスクとは異なります。

例えば、自動車メーカーが生産ラインの拡充をする際のリスクは、会社全体のリスクと同程度と推測されるため、WACCを用いて投資判断するのは適切ですが、多角化のために住宅メーカーを買収する場合は、住宅メーカーのCFに織り込まれているリスクは、自動車メーカーのそれとは異なるため、WACCを用いることは不適切となります。

不慣れな事業に進出するわけですから、失敗する可能性も高いわけで、当然そのリスク分だけ投資家は本業より高いリターンを求めることになります。