経営者の姿勢
《未来に対して自分なりの見通しを持つ》
堀紘一氏の言葉
ビジネスの世界は、問題そのものを自分自身で設定しなければならず、解答についても幾通りのかのパターンを考えなくてはならない。
こうした問題や解答を考える際、この先30年の社会の変化について、自分なりの見通しを持つことが大事である。今の枠組みが未来永劫続くことはないからだ。JALだって、数年前までは人気が高かった。入社した人たちの多くは、まさか会社が破綻するとは思わなかっただろう。
誰も未来のことは分からないが、自分なりの感覚は持っていてほしい。少なくとも「世の中は移り変わるもの」という前提で周囲を眺めることだ。
《動機善なりや 私心なかりしか》
稲盛和夫氏の言葉
ビジネスを成し遂げようとするとき、必要なものは「大義」です。
何かをしようとする場合は、自問自答して、自分の動機の善悪を判断するのです。
「善」とは、誰から見ても良きものということです。自分の利益、都合、栄誉などだけでものごとは全うできるものではありません。その動機が自他ともに受け入れられるものでなければならないのです。
経営者は、その会社をどうしていくのか、10年先、20年先までを視野に入れた明確なビジョンを示さなければなりません。どんなに優秀な人材を集めたとしても、みなが一つの方針に向かってベクトルを揃えることができなければ、成功は収められないのです。
各部門のリーダーも同様です。リーダーがまず最初にすべきことは、部下に「リーダーの言うとおりだ。私たちも協力していこう」と思ってくれるように「大義」を語り全員のベクトルを揃えることです。
(プレジデント2011.1.31号)
正攻法でROE追求~コマツ
正攻法の経営~コマツの経営を一言で表すならこうなるだろう。
・主要部品は国内で作る(野路社長)
・顧客とともに改善する(坂根会長)
・借金に頼らず経営効率を高める(藤塚常務)
つまり、国産にこだわり、現場の改善活動を大事にし、財務の安定を重視するのがコマツ流だ。
コマツは、2011年3月期に14%を見込むROEを13年3月期に20%へ引き上げる目標を掲げている。
ROEは、売上高純利益率×総資産回転率×負債依存度に分解されるため、負債依存度を据え置いたまま、ROEを引き上げるには、売上高純利益率と総資産回転率を高めるしかない。
《高精度の需要予測と柔軟な生産ラインがROE向上に貢献》
この2項目の改善に、同社の強みである高精度の需要予測と機動力が貢献している。
高精度の需要予測で設備を絞り込めば資産効率は向上し、柔軟な生産ラインで顧客のニーズに応じた供給を行えば、利益率が向上するからだ。
既に成果は出ている。
総資産回転率は、世界首位の米キャタピラー社の0.7を上回る0.9、売上高純利益率は、キャタピラー社の6%前後に対し、6.8%前後を見込んでいる。
財務レバレッジを弄することなく、地道に取り組む大切さを再認識させられます。
負債評価益
自己の信用リスクの悪化がもたらす負債評価益
負債評価益とは、金融負債を公正価値などによって評価することにより計上される評価益のこと。
社債など企業の負債の市場価値(時価)が下落した場合に、企業から債権者への支払い義務も同時に減少したとみなしてその分を利益に計上するもの。
2007年2月に発行されたFAS 159(財務会計基準書第159号-金融資産及び金融負債に関する公正価値オプション)で、負債の時価評価が認められていることに伴い発生することとなった。
もちろん、市場価格が下落しても、償還時に発行体が実際に返済する金額が減免されるわけではない。
これは、自己の発行している債券等を市場等で直ちに買い戻すことができるという前提に立っているが、例えば、自己の信用リスクが高まっている状況で、買い戻すだけの流動性が確保できるのかといった疑問が呈されている。
負債評価益は債権者から有限責任の株主への富の移転
「会社の財政状態悪化→利益計上」という流れには一見矛盾を覚えるところであるが、株式会社における株主の有限責任制下においては、極めて自然な流れである。
例えば、債務超過の状態にある場合、繰越損失の一部は債権者に負担させ、債務の切り捨て等を行うが、これは有限責任の株主が債権者にリスクを転嫁したわけであり、転嫁したリスク分だけ負債の評価益が発生し、株主資本が増加するのは、パラドクスでも何でもない。
事態がパラドクスのように見えるのは、会社の負債の市場価格が信用度の低下により大きく下落するような事態が発生している以上、会社の資産内容に対する市場価値が大きく損なわれているはずなのに、その点を無視して負債の時価減少の効果だけを議論しているからである。
簡単に話が続く「オウム返し」
会話は言葉のキャッチボールで成り立っていますが、いちばん簡単なキャッチボールのやり方は、「相手の言葉を繰り返す」、つまり「オウム返し」をするというものです。
しかも次のことをちょっと意識するだけで、会話が魅力的なものとなります。
《相手の気持ちをあらわす言葉を繰り返す》
以下の例を見てみましょう
「昨日、トラブルがあって大変だったよ」
「大変だったんだね」
「昨日、トラブルがあって大変だったんだよ」という相手に対しては、「トラブルがあったんだね」というよりも、「大変だった」という相手の気持ちを繰り返してあげることが効果的です。
これで話し手は、「大変だった」という感情を受け止めてもらったと感じることができます。
《相手の言葉を要約して繰り返す》
相手の言葉をわかりやすく言い換えて繰り返すことができれば、「自分の話をちゃんと理解してくれている」という印象を相手に与えることができ、大いにプラスになります。
《相手に優越感をもたせる質問をする》
これは、「オウム返し」とはやや異なりますが、繰り返しばかりでは、話が弾まないこともあるため、応用編です
人は、「相手の知らないことを話す」「相手に何かを教えてあげる」というのは、とても嬉しいものです。
そこで、素直に「それはどういうことですか?」「もう少し詳しく教えてもらえますか?」と質問してみれば、相手はちょっとした優越感のようなものを感じて、気持ちよく話してくれます。
ここでのポイントは、「質問しなきゃ」と必要以上に身構えないということです。次の質問を考えながら相手の話を聞いていると、相手の話がまったく頭の中に入ってこなくなってしまうものです。
あくまでも、相手との話を楽しんで、「もう少し知りたいな」とか「今のところはよくわからなかったな」と思ったところについて、素直に聞いてみましょう。
無駄なプライドは捨ててモノマネしよう
《創造性を掲げる前にやることがあるだろう》
株式会社武蔵野の小山昇社長の言葉
「創意工夫が必要だと言いますが、誰でも最初はマネから入ります。・・・3年もマネを続ければ、オリジナルに達します。これが成長するときの原理原則じゃないですか?」
「なぜ赤字なのかというと、社員が変なプライドを持っていたからです。俺は人のマネはしたくない、独自のものを作るんだと考えていた。つまり低いレベルのプライドですよ」
(プレジデント2010.11.1号)
潜在的ニーズをつかむには
《マーケットはあるものではなく、自ら創るもの》
消費者の潜在的ニーズを事前に察知し、それが顕在化する前に、商品を市場に投入すれば、かならずメガヒットを生み出すことができる。しかし、消費者自身も自分の潜在的ニーズについてはよくわかっておらず、これを探るのは容易ではない。
ではどうすればよいか?
そのために必要なのは「マーケットはあるものではなく、自ら創るもの」という発想である。
つまり、こちらから新しいニーズをぶつけて、消費者を刺激してみることが、大切となる。
ファーストリテイリングの柳井社長も「『これはお客さんにとって絶対に価値がある』と自分が信じた商品こそが売れる」という。
このためには、「どんな市場があるのか?」をリサーチするのではなく、「この仮説どおりやって、そこに市場はあるのか」というクローズな問いかけをするのが効率的である。
《仮説は、情報から次の展開を予想する習慣から生まれる》
では、その「仮説」をどんどん創造するにはどうすればよいか?
そこで心がけたいのが、「So what?(で、何?)」である
つまり、ある情報に接したときに、そのまま受け入れるのではなく、「で、何なの?」と一歩踏み込んで、次の展開を予想することが重要なのである。
ワーテルローの戦いで、ナポレオンが英蘭連合軍に敗れたニュースを知り、普通のイギリス人は、単に喜ぶだけだったが、ロスチャイルドは、頭を働かせ、連合軍が負けたという偽の情報を流し、国債が暴落したところで、買占め、巨万の富を得た、これが「次の展開を予想する」ということなのである。
ただし、次の展開を予想したとしても、上記のように、的確なアクションを選択しなければ、せっかくの予想も台無しになってしまう。
ここで必要なのは、「自分たちは何屋さんなのか」さらにその中でも「コア・コンピタンスは何なのか」を突き詰め、とりうるアクションプランに軸がぶれないようにしておくことである。
効果的な人脈づくりの築き方
《他人の手助けをすれば、後でお返しをしてくれる》
多くの人と名刺交換をしたり、パーティーに顔を出すことで、「自分は豊富な人脈を持っている」と勘違いする人がいますが、彼らが将来力になってくれる可能性は極めて低いというのが実感ではないでしょうか?
人脈をうまく役立てたいのであれば、「自分が他人に手助けを申し出れば、後でお返しをしてくれる」ということを肝に銘じておくことです。
双日の元社長西村英俊氏は、著書「会社は毎日つぶれている」の中で、業界団体の会合に出席する際のこととして次のように書いています。
「会場に入ったら、初参加の会員に声をかけてあげ、旧来からのメンバーに紹介するなど引き回してあげることです。あなたの人脈は豊かになります。」
《あの人に聞いてみようと思わせるイメージが豊かな人脈を築く》
人の役に立ちたいと思ったら、何かの専門家であるだけでは不十分です。誰もあなたのことをよく知らず、何かあった時に電話してみようと思わなければ、どれほど立派な専門家であったとしても意味がありません。
「あの人に聞いてみよう」という気を起させるイメージを築くことが、取引や仕事の機会につながります。
そのためには、新しい知人ができたら直接会う努力をすることが重要です。そして、「何かお困りのことはありませんか?」と聞いてみましょう。
どんなヴァーチャルコミュニケーションも直接的なつながりにはかないません。
相手の話を「聴く」3つのステップ
皆さんは「きく」ことが大事と言われても、何を「訊け」ばよいか分からず、困った経験はないでしょうか?
これはもっともな話で、日頃意識していないことは、できなくて当たり前なのです。
逆に言うと、日頃から、ほんの少し「聴くこと」を意識していれば、仕事の様々な場面で「特効薬」になります。
《相手の話を聴くための3つのステップ》
ここまで何気なく「聴く」と書いてきましたが、「聞く」あるいは「訊く」とどう違うのでしょうか?
「聴く」 とは、意識的に相手の話を聞こうとすることです。傾聴(リスニング)と呼ぶこともあります。
「聴く」ための手順は、以下の図に示した通り3つあります。
《聴いていることが相手に伝わらないと意味がない》
普段、私たちは相手の話を聞きながら、「自分が次に話すこと」を考えてしまいがちです。
しかし、「相手の話を聴こう」という「姿勢」がないと、内容が耳に入ってきません。
また、興味なさそうな態度をとっていると、相手も話す気にはなりません。
まずなによりも相手に気持ちよく話してもらうには、「聴く態度」を意識的に取ることが大切です。
例えば、あなたの席に誰かが話しかけてきたら、「PCを打つ手を止めて」 「相手に体を向け」 「『よかったどうぞ』と椅子に座ってもらう」ようにしてみましょう。
つまり、聴いているかいないかは、自分ではなく、相手が判断するものなのです。
《クローズ質問で相手の伝えたい内容を確認する》
2番目は相手の話しを正しく、より深く聴くコツです。
相手の話を正しく聴くために必要なことは、自分の理解が正しいかどうかを、話し手自身に直接確認することです。
このときのポイントは、相手の話した内容を「言い換えて」、相手の答えがYES/NOで返ってくる「クローズ質問」にすることです。
これにより、双方の解釈・認識のズレを確認できるため、話し手も安心して話を進めることができます。
また、相手のあいまいな点や抽象的な部分には、意識的に相手が自由に答えられる「オープン質問」をして、より深く掘り下げて聴くことが必要となります。
オープン質問はやりすぎると、“尋問”のようになってしまうため、まずは、相手の話した事を言い換えてから、質問することに注意しましょう。
《私たちは、話すとき「内容」だけでなく「感情」も分かってもらいたい》
最後は、相手の気持ちや感情に配慮した、より良いコミュニケーションをとるためのポイントです。
ビジネスの現場では、話の内容だけに注目してしまいがちですが、実は、私たちは話すとき、内容と感情の両方を伝えようとしています。
したがって、内容だけにしか理解を示されないと、「気持ちが分かってもらえていない」と感じ、感情にだけ理解を示されないと、「内容が理解されていない」と不安になるのです。
感情面への理解には、
具体的には、「それはつらいですね」「よかったですね」などと、相手の話の感情気の部分を、言葉や表情で返すのが効果的です。
「あなたの気持ちを理解しました」ということを、共感的に示すことが大切です。意識的に聴いている態度が相手に伝わると、相手はもっと話したくなり、話を聴いてくれるあなたに好意をもってくれます。挨拶は「味方であることをアピールする場」
たかがあいさつ、されどあいさつ。「人」の基本はあいさつから、といっても過言ではありません。
挨拶の目的とは、いったい何なのでしょうか?
それは、私はあなたと仲良くなりたいと望んでいる。「味方であることをアピールする場」ということです。
そのためには、あなたからの素敵な挨拶を受け取った相手が、それをきっかけにいい仕事ができるような気分になる挨拶を心掛けましょう。
ただし、相手にうまく取り入って何かを得ようと画策する人や、自分の利益を優先に考えているような人は、すぐにぼろが出ます。
挨拶には、本音が出るのです。
ディスカウントTOBには誰が応募するのか
《市場価格よりも安い値段で買い付けるディスカウントTOB》
ディスカウントTOBとは、市場価格を下回る価格で実施する株式公開買い付けのこと。
市場で売却する方が得なため、機関投資家や個人株主は通常、応募しないが、なぜこのような取引が成立するのだろうか?
《大株主は、一般株主の応募を排除して確実に株式を売却したい》
金商法上、会社の大株主が、何らかの理由で希望する買い手に株式を譲渡しようとする場合、買付け後の所有割合が3分の1を超える場合は、公開買付が義務付けられている。
これは、一般の投資家に売却の機会が与えられぬまま、新たな大株主に支配権が移動することによって、一般投資家が不当な扱いを受けるような事態を防ぐためである。
大株主にしてみれば、買い手も決まっているにもかかわらず、わざわざ形式上はTOBを通じて売却しなければならないわけであるが、TOBの買収株式の上限が定められているとき、上限を超える応募があった場合は按分比例で買い付けられるため、大株主は全部売却しきれず、手残り株が生じる可能性がある。
確実に売却するためには、一般株主が応募しないような価格設定にすればいいわけで、これがディスカントTOBが行われる背景である。
最近では、2010年8月に若者向け衣料品専門大手、ユナイテッド・アローズ(UA)が自己株式のTOBを実施した事例がある。
靴専門店大手のエービーシー・マートが、同社の発行済株式の24.3%を保有し、一部業務の共通化など連携を模索したが、UAの抵抗が強く資本関係を解消するため、UA側に株式を引き取らせた構図である。
UAの公開買付価格は1株1000円で、実施前日の終値1132円を11.66%下回っていた。
