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お米がありません!75歳のおひとり様女性、8月15日に「年金15万円」が振り込まれたはずが…残金2,000円の地獄「どう生きていけばいいのか」

米不足が世間を賑わすなか、あちらこちらから「家から米が消えました!」と悲痛の声が聞こえてきます。なかでも、「米さえあれば……」と生活苦に耐えてきた年金世代は大問題。「何を食べて生きていけばいいのか」と、生きるか死ぬかの死活問題に直面しています。

どこに行っても「米がない!」

――スーパーからお米が消えた

令和の米騒動などといわれる米不足問題。スーパーの米売り場からは、その姿・カタチがなくなり、代わりに餅や缶詰を置くようなところも。2023年の猛暑による不作の影響や訪日外国人の急増によって米の需要が拡大したなどが理由といわれますが……。

――まさか、ここまで米がなくなると思ってもみなかった

空の米売り場をみて、口をあんぐりさせる75歳の吉村知子さん(仮名)。「最近、お米の値段が上がっているなと思っていたけど、空になるとは思ってもみなかった」と話します。

総務省統計局 小売物価統計調査によると、米5キロの値段は2024年6月、全国平均2,322円。昨年8月が2,043円で、じわりじわりと価格は上昇。この10ヵ月で13%の値上がりとなりました。

 

主要81都市の米価格をみていくと、最も高いのは「沖縄県那覇市」で2,759円。全国平均よりも2割弱も高くなっています。以下「和歌山県和歌山県」「東京都府中市」「滋賀県大津市」「大阪府西宮市」と続きます。一方で、最も米価格が安いのは「鳥取県鳥取市で1,975円。「佐賀県佐賀市」「大分県大分市」「島根県松江市」「千葉県佐倉市」と続きます。

スーパーで売っていないならネットで。そうアマゾンをみていくと、「あった! 買える」と思ってポチッとしてみると、配送時期は2024年10月1日以降……よくよく見てみると、2024年の新米で今すぐ買えるものを探してみると、タイ米やカリフォルニア米など、ちょっとためらうものだけ。日本産の米は壊滅状態です(2024年8月20日時点)。

この米不足、新米が出回る9月中旬くらいはこの状態が続き、安定的に供給されるようになるのは10月に入ってから……というのが専門家の声。しかも、米不足が解消されたといっても、価格が収まるかは別の話のようで、需要高の状態が続けば、当然、価格は高止まりのまま。とりあえず、米不足に対しては、パックご飯やパン、麺で代替するしかないようです

何を食っていきていけばいいのか…年金世代の悲鳴

――パックご飯であれば、これ。5つ(1つ120グラム)で598円

「お米はないの?」の吉村さんに対し、店員はパックご飯を勧めます。「仕方がないわね」とすぐに応えられない吉村さん。

「だって、普通であればお茶わん1杯で20円から30円くらいでしょ。そんな贅沢……できないわ」

そう諦めて、米売り場を後にします。近くのアパートでひとり暮らしだという吉村さん。最近の苦しい台所事情を聞きました。

――この前、年金の振込日だったじゃない

吉村さんの場合、月8万円。先日の8月15日には、2ヵ月分の16万円が振り込まれました。吉村さんが年金を受け取った後、用途別に封筒にお金をいれておきます。

――家賃が月5万2,000円

――光熱費は月8,000円。でも今はその倍。

――食費は月1万円

……こうして分けていき、残った金額はわずか2,000円。まさにギリギリの状況。まったく余裕がなく、不測の事態があったらあっという間に赤字転落です。

――あと、2,000円しかないの。何を食べていけばいいのか

危機に直面する吉村さんですが、「最近、これ始めたの」と教えてくれました。スキマバイトアプリ。それで自宅近くのアパートの清掃バイトしたり、飲食店の皿洗いをしたり、チラシ配りをしたり……それで月2万~3万円くらいを稼いでいるそうです。

――便利よ。すぐに働けるところが見つかるから

厚生労働省『令和5年国民生活基礎調査』によると、公的年金を受給する高齢者世帯における、年金の総所得に対する割合は、「100%」が41.7%、「80~100%」が17.9%で、8割超えが6割に迫ります。

そのようななか、令和6年度の年金受給額は国民年金(満額)で2.7%の引き上げに。ただ引き上げ率は賃金の伸びよりも0.4%低く抑えられ、実質的には目減りとなっています。

暮らしていくためには年金が頼りなのに、実質目減り。結果、高齢者の生活は苦しく、同調査でも「生活が苦しい」と回答したのは59.0%。1年前から10ポイント以上も増加しました。

――お米さえあれば、何とか生きていける

生活苦の高齢者にとって、お米は私たちが思っている以上に、生きていくのに重要なもの。安定供給はもちろん、価格引き下げが待たれます。

[参照]

総務省統計局『小売物価統計調査』

厚生労働省『令和5年国民生活基礎調査』

日本年金機構『令和6年4月分からの年金額等について』