「なぁ、副井。TCGの世界には賞金制の大会があるよな?」
「ありますね。意外と国産のTCG、とくにデジタルカードゲームにおいてはシャドウバースなんかが賞金制の大会を開いています。」
「eスポーツがある程度一般認知されたおかげか、賞金制の大会を出せる会社も出てきたってことだな。とはいえ、やっぱりプロリーグはMTGくらいしかないけどな。」
「そうですね。実際にプロとしてやっている人の多くが動画や配信に力を入れています。大会で勝てなくてもインフルエンサーとして頑張っている人も多いですよ。」
「元晴れる屋社員で現カードショップポンポコの店長、ポンポコ宮本とかだよな。彼は経営自体は仲間に任せるものの、店長として、そしてプロカードゲーマーとして活動するんだったよな。」
「「経営辞めます」なんていう動画作っちゃったもんだから、みんなから心配されていましたね。動画を見ればわかりますが、しっかりと「ただの店長になります」って言っています。」
「まぁ、動画のサムネはインパクトが大事だもんな。で、気になったんだが、カードで食べていくって、やっぱり厳しいか?なんか、カードゲーマーとしてやっていけていたらなんとなーく食べていけるような気もするんだが?」
「数えるほどしかいませんね。」
「・・・・・やっぱりそうか・・・。」
「実際、プロカードゲーマーと考えた際、カードでお金を稼ぐ人のことになると思います。しかし、実際にそれで稼いで行けている人って、本当に一握りです。」
「確かに、10名答えろとか言われても答えられないよな。」
「また、例えばポンポコ宮本はカードゲーマーと同時にカードショップの店長です。見た目はカード一本ですが、実際は店舗経営をしているのです。」
「全権をゆだねたとしても、店長であることには変わりないってことか。」
「そうです。ところで、他に例を出そうとしたんですが、カードで食べていけている人がまったく思い浮かびません。」
「賭博騒ぎを起こした斎藤友晴も、カードゲーマーというよりは敏腕経営者だもんなぁ。プロとしてやっていたことがあるとはいえ。」
「あの人、本当に商才があるので、新規カードショップもしっかりと運営しているそうですよ。」
「さて、実際にプロカードゲーマーとしてやるとしたら、かなり厳しいか?」
「生半可なやつは生き残れない世界です。」
「eスポーツプレイヤーの話とほぼ同じか?」
「そうです。TCGはゲームなので世界中の人間が遊べるのです。また、デジタルカードゲームの場合、基本マウス操作だけでいいので、本気で手足がなくても遊べてしまいます。で、世界には必ず天才と努力家、そしてその両方を持った人がいるのです。そんな世界で頂点を目指さないといけないのが現実です。」
「TCGの漫画、エピソード・ライ太の作中でも、やべー思考回路のやつはバンバンいるからな。」
「龍堂さんのマルチな才能、野良さんのフルバーンとループバーンの同時進行、月ノ輪さんのキメラサイクル、クラマさんのアルカトラズ。そしてそれに食らいつくニュージェネレーション。面白いけど、こいつらなかなかの化け物やねってなります。」
「どういう思考回路しているんだろうな?」
「とまぁ、そいつらに勝たないといけないのです。」
「まともな思考では勝てないな。」
「とはいえ、ゲームはやれば強くなる遊び。いっぱい遊べば自然と強くなっていきます。一定の強さを超えるには突破力が必要になりますが。」
「子供のころは楽しくてずっと遊んでいたよな。で、いつのまにかかなり強くなっちまって、誰も対戦してくれなくなったりな。」
「で、そんなすごい人は意外と動画制作もしています。」
「お金になるから?」
「TCG人口を増やしたいからです。」
「お金が目的じゃないのか・・・。」
「TCG人口が増えれば、既存のTCGも盛り上がるし、新規のTCGがお目見えするのです。それは望んでもできないことなので、TCG人口を増やすために本気で動画制作してきます。」
「プロが動画を作っているとなると、若輩者は肩身が狭いな。」
「あと、動画で成功する人もいます。」
「動画で成功する?」
「動画は別に顔出ししなくてもいいし、なんなら強いデッキを配信しなくても良いのです。なので、それなりに勉強してきたカードゲーマーが、クソデッキや面白デッキを紹介して、対戦していくっていう動画も人気なのです。」
「例えば?」
「クソデッカー茜は相手が台パンしたくなるようなデッキを作っています。きりたんアリーナでは思いついたデッキを複数作り、投票によって使用デッキを変えています。シーホースの人こと地雷さんに至っては、ゲーム内で拾ったカードだけで戦ったり、公式のクソデッキで戦ったりしています。」
「個性的すぎるなぁ・・・。」
「なので、ただ対戦動画を流していても面白くないのです。実際、MTGの大会は視聴者が意外と少ないのです。何をやっているかわからないし、見逃すと理解が出来なくなります。」
「難しい世界だなぁ・・・。」
「とまぁ、カードで食べていける人は一握りって話です。」
「どこの世界も厳しい現実があるんだな。」
「ゲームなんかは特にその傾向が強いです。誰でもできるというのはどんな人間も存在するということ。そこには悪魔もいますし、天使もいます。なんなら妖怪もいれば神様仏様もいるのです。」
「むしろ、そんな連中と肩を並べて遊べるゲームってすごいんだよな。」
「ゲームの中では誰もがプレイヤーですもん。」
「・・・・・ところで、まだインストールは終わらないのか?」
「さすがに4GBのデータは予想していなかった。」
デジタルカードゲームをインストールするときは、時間があるときにしないといけないぞ。筆者も今、デュエルマスターズプレイスをインストールしてしまい、アップデートに時間がかかっているんだ。寝る時間が削られていっているよ。