「なぁ、副井。投資はギャンブルじゃないってのは前に言っていたけど、実際はどうするのがいいんだ?」

「そうですねぇ・・・。基本的には長期投資になりますかね。10年20年持っていて、増えていたらラッキーって感じです。」

「そんなに長く持つ必要があるのか。しかも、上がるか下がるかわからないんだよな?」

 

「長期投資は地獄の道です。」

 

「地獄の道?」

「そうです。ここ10年で日経平均株価は約4倍になりました。」

「10年で4倍ってすごいな。10年前に1万円投資していたら4万円になったんだろうなぁ。」

 

「しかし、それは必ずしも平たんな道のりではなかったのです。」

 

「株価が下落するイベントがあったのか?」

「教科書に載るレベルの暴落イベントが40年の間にいくつもあります。リーマンショックやコロナウィルス蔓延とかですね。」

「そっか、株価って世界情勢と密接な関係があるのか。世界で事件が起こったり、世界中で大変なことがあると株価が下落する。」

「実際、とある優良株は下落し、現在では一部上場取りやめになり、株価がなくなったと言います。当時の人たちは株価がなくなるなんて思っておらず、配当のある預金と呼ぶ人もいました。」

「まさにご愁傷様ってやつだな・・・。」

 

「暴落イベントを超えての今の日経平均株価なのです。」

 

「確かに地獄の道だな。」

「ちなみに世界のいろんな株も同じように上昇していたりしますが、同じように暴落イベントを超えての株価なのです。リスクが比較的軽い株も、同じように暴落イベントを乗り越えているのです。」

「いくら未来で上がると言われても、今暴落すると理性が保てないな。」

 

「ちなみに未来が同じようにあがるとは限りません。」

 

「・・・未来は確定していないもんな。」

「実際、平成にはパーツやらなんやらの中間素材で栄華を誇った中国が今は国が崩壊する寸前です。若者の失業率も50%を超えています。」

「まじか!?そんなにひどいのか?」

「負債が日本円にして兆の千倍、京という額になっているそうです。日本のバブルがはじけた時代でも負債はそこまでありません。噂では自警団が組織され、クーデターが起こるかもしれないと言われています。」

「昔はメイドインチャイナが多かったが、確かに今はまったくみないもんな。」

「百均の商品がメイドインジャパンになっているのは、相対的に人件費が安いからですけどね。とまぁ、未来は誰にもわからないことなのです。日本だって、いつデフォルト(経営破綻)を起こすかわかりません。ただ、日本に限って言えば予想以上に国民が強く、現在でもデフォルトしていませんけど。」

「欧州の人間が言うには、「日本人のできませんは信じるな」っていうのもあるしな。」

「あと、ちゃんとしている日本人は本当にちゃんとしていて、ちゃんとした就職先で、ちゃんとした生活を送っているのです。」

「そのちゃんとした日本人が増えればいいのになぁ・・・。」

「無能な昭和世代がいなくならない限りは無理ですね。仕事は根性だけではできないし、やりがいだけでは責任は持てない。金のもらえない仕事に責任は感じないのが人間です。それは日本人も同じです。」

「これからの時代、ブラック企業は消えていくって言われているよな。」

「そうですね。人手が足りていない現代日本において、待遇面は一種の判断基準。金利が良い方に金が流れるように、人手も待遇面が良い方に流れるのです。」

「で、その企業の株価が暴落すると?」

 

「まぁ、そうなります。」

 

「そして倒産?」

「はい。株価も0円になります。いくら日経平均株価が上がっても、観測内外では株価暴落や倒産している企業もあるのです。」

「それを踏まえたうえで10年20年の長期投資か・・・。普通の人間は正気が保てないな。」

「特に動画やインフルエンサーを信じる人は本気で発狂します。そういう人はそもそも投資なんてしてはダメです。動画やインフルエンサーは責任を持たないので、言いたい放題です。」

「そういえば、地獄の沙汰も金次第って言うが、投資のほうもそうだったりするのか?」

 

「富を持っている人はそれだけで大暴落を乗り越えられますし、余剰資金が多いので利益も多いです。」

 

「・・・地獄の道でさえ金次第か・・・。」

「そういうことになりますね。」