Q 第1子:タイミング療法で妊娠。8週と12週に絨毛膜下血腫あり、安静で消失。34週に尿蛋白を主とした妊娠高血圧症候群で入院(無塩食、安静)。40週0日経膣分娩で2400gの女児出産。出産時27歳。
第2子:29歳でクロミッド+プレドニン服用、タイミング療法で妊娠するも、胎嚢のみで心拍確認できず、2回続けて自然流産。内1回は絨毛膜下血腫あり2週間安静後の流産。
検査にて夫:男性不妊(左静脈瘤の手術するも1年後も改善せず体外受精が必要と診断あり))
妻:多嚢胞性卵巣あり。甲状腺機能低下症にてチラーヂン服用。軽度血液凝固数値異常あり移植前よりバイアスピリン服用。
夫リンパ球免疫療法実施後、体外受精実施。
30歳で採卵、顕微授精→分割期胚2つ、胚盤胞7つ凍結。ホルモン補充周期にて5AA胚盤胞移植→妊娠。7週で大きな(胎嚢の3倍程度)絨毛膜下血腫で入院(バイアスピリン中止、止血剤内服+点滴)、2ヶ月安静にて消失。その後も小さな血腫はできたが1~2週間で消失。26週胎児の発育が悪いとのことでバイアスピリン服用開始。小さめながら少しずつ発育認める。後期に入り徐々に血圧上昇、34週尿蛋白+になり入院(減塩食、安静、へパリン24時間点滴)。入院中血圧維持、尿蛋白増加し重症の基準になる。36週3日、経膣分娩にて1700gの女児出産。出産時30歳。
第1子出産後、担当医師から「胎盤が普通の人の半分くらい」、第2子出産後は「胎盤の重さが360gで小さめ、へその緒も細め」と言われました。
現在第2子出産後1ヶ月、31歳。凍結胚移植にて第3子希望ですが、今までの経過を見て不安が強いです。
①移植前には今後どのような検査が必要でしょうか。
②絨毛膜下血腫は繰り返す可能性が高いでしょうか。対策はありますでしょうか。また、バイアスピリンでリスクは高まりますか。
③妊娠高血圧症候群も繰り返す可能性が高いでしょうか。対策はありますでしょうか。
④次の移植のタイミングはいつが望ましいでしょうか。一定期間体を休めた方がいいのか。妊娠高血圧症候群のリスクを減らすためにできるだけ若い方がいいのか。
⑤胎盤の大きさやへその緒の太さは遺伝や体質でしょうか。胎児の大きさにも関係するのでしょうか。
A
①③妊娠高血圧症候群を2回繰り返していますので、抗リン脂質抗体と血液凝固の検査を全て実施してください。
②絨毛膜下血腫を繰り返す方がおられますが、その予防策は明らかにされていません。バイアスピリンを服用中に絨毛膜下血腫になった場合には、バイアスピリンを中止すると良くなりますので、リスク因子と言えるでしょう。
④お休みしても妊娠高血圧症候群のリスクは減りませんので、いつでも可能です。
⑤妊娠高血圧症候群があることで、胎盤は小さくなりますので、抗リン脂質抗体と血液凝固の検査をしっかり行って、出来うる対策を講じることで、改善が期待できます。
妊娠高血圧症候群については、下記の記事を参照してください。
2018.4.4「☆妊娠高血圧症候群の予防におけるアスピリン服用開始時期と服用量 その2」
2018.4.3「☆妊娠高血圧症候群の予防におけるアスピリン服用開始時期と服用量 その1」
2018.2.5「Q&A1727 妊娠高血圧症候群の予防は?」
2017.3.1「Q&A1381 前回妊娠で妊娠高血圧症候群の対策は?」
2016.8.1「Q&A1169 ☆妊娠高血圧症候群の予防策は?」
2013.6.26「☆妊娠高血圧症候群の予防にはアスピリン」
絨毛膜下血腫については、下記の記事を参照してください。
2016.5.21「☆絨毛膜下血腫はアスピリンで増加する」
なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。