2013.9.28「Q&A94 41歳、第二子希望、原因不明」
2014.4.24「Q&A325 なかなか妊娠しません」
2014.6.11「Q&A370 子宮筋層を柔らかくする薬剤」
2014.6.18「☆私の目指す生殖医療：ブログ読者のお便りから」の２番
2014.10.21「Q&A487 抗リン脂質抗体候群、潰瘍性大腸炎、橋本病」
2015.05.20「☆嬉しい報告」
2015.12.10 「嬉しい報告」
以上で大変お世話になりました。抗リン脂質抗体症候群、橋本病、高齢、反復帝王切開後の者です。あれから残った凍結胚を移植し、45歳にて健康な第三子を出産致しましたのでご報告致します。
松林先生に貴重なアドバイスを頂き、お陰様で元気な子を二人も授かったので、もうすっかり不妊治療からは足を洗ったつもりでおりましたが、凍結胚を廃棄する気持ちになれず、残った胚はそのまま凍結延長しておりました。第二子が間もなく2歳を迎えるという頃になって、「やはり凍結胚をお腹に戻したい。もう一人子供が欲しい」と思うようになり、夫婦で熟考を重ね、しっかりとライフプランを練ることが出来たので、移植に踏み切りました。方法は第二子の時と同様ホルモン補充周期で、排卵抑制の為に点鼻薬併用。移植周期に子宮鏡検査も行い、着床障害に対してはユベラとアスピリンを内服して万全の状態で臨みました。移植した胚は第二子の時の胚と同じ時期に凍結した、42歳採卵の胚盤胞４AAで、AHA施行し、移植時には５AAになっておりました。第二子の時は胚盤胞を5日目と6日目に移植するという二段階移植をしたのですが、今回は双胎の可能性が高くなり反復帝王切開後の為危険だということで、5日目に一つだけを移植しました。
BT８日目の判定日にはhCG200を超えており、順調な滑り出しではあったのですが、1週間後の胎嚢確認予定日の朝になって突然大量出血。胎嚢は確認できたのですが絨毛膜下血腫と切迫流産の診断を受け、第二子の時にお世話になった不育症専門クリニックの医師からは、出血が多いので落ち着くまではヘパリンが開始できないと言われ、もうだめかもしれないと落胆する日々を過ごしました。その後もジワジワと出血が続いていたのですが、体の外へとドレナージされていたのが功を奏したのか結果的に血腫は縮小した為6w0dで心拍確認と同時にヘパリン開始、8wになる頃にはすっかり血腫が消失しました。超高齢であった為不安もあり、第二子の時と同様、NIPTと、専門医にて中期胎児ドックを受けましたが特に問題なし。妊娠中は血圧正常、浮腫や尿たんぱくも陰性。チラージン内服にて甲状腺ホルモンの数値も安定しており、とても順調な経過でした。過去に帝王切開にて出産している為、陣痛が来る前にということで37wにて予定帝王切開、健康な男児を出産することが出来ました。
胚移植後は毎回ソワソワと落ち着かない日々を過ごすことばかりだったのですが、今回は胚移植の時期が長男の夏休みと重なっていた為、家族で賑やかに過ごすうちに判定日を迎えたような形になり、結果的に松林先生のおっしゃる「ニュートラルな気持ち」で過ごすことが出来ました。また、第二子治療中は何度移植しても上手く着床しない、着床しても継続できない、ということが続いていたのですが、松林先生のおっしゃる通りに「上手くいった方法を試す」ということで、今回は第二子妊娠の時の方法を踏襲する形で移植し、そしてそれら全てが功を奏した形となりました。高齢で第三子というのは、当初は無謀な挑戦だと思っていたのですが、現在生後５ヶ月になった第三子を、上二人がとても可愛がってくれていて、三人でくっ付いて楽しそうに過ごしている姿を見ると、思い切って挑戦してみて良かったと心から思います。苦労して貯めた胚を簡単に廃棄する気持ちになれず、現在も胚盤胞４個と分割胚１個、すべてハイグレードのものを凍結保管中です。私たち夫婦にとって凍結胚は、今傍にいる子供たちと同様、あかちゃんのようなものなのですが、年齢的にこれ以上出産して育てることは現実的に不可能なので、凍結更新せず、これからの生殖医療発展の為の研究にお役立て頂くつもりでおります。
松林先生にはご多忙な中何度も貴重なアドバイスを頂き、心よりの感謝の気持ちでいっぱいです。お陰様で大切な三人の子宝に恵まれましたので、もうこれで完全に不妊治療からは引退致しますが、頂いた御恩は一生忘れません。ご多忙な日々かとは思いますが、どうかくれぐれも御身体ご自愛くださいませ。松林先生の今後ますますのご活躍を祈ってやみません。本当に、ありがとうございました。
コメント：私たちのプランが奏功して嬉しい限りです。