☆私の目指す生殖医療:ブログ読者のお便りから | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

メッセージコーナーには嬉しい報告が届きます。
ブログをやってよかったなと思うひとときです。
その中からいくつかご紹介したいと思います。

1 先生のブログで勉強して、妊娠しました!
私は医療の仕事をしております。ある程度の知識はあったせいもあり、健康で産婦人科の検査でどこも異常ないなら、すぐに妊娠できると思っていました。しかし、先生のブログを見て,愕然としました。仕事優先で生きて来て、気がつけば39歳でした。
生活習慣の改善、アルコール、カフェインの摂取、全て変えました。何よりも夜10時就寝、朝6時起床の生活に変えてから間もなく妊娠しました。それまでは夜型で、2時頃就寝の生活でした。そして、年齢別のステップアップの仕方を見て、思い切って主治医に相談しました。流産(8週)後、タイミング3回の後、人工授精に切り替え、人工授精2回目で妊娠することが出来ました。
現在、妊娠15週で今のところ順調です。先生のブログ記事を信じて良かったです。

2 先生のアドバイスで、妊娠判定が陽性になりました(2013.9.28「Q&A94 41歳、第二子希望、原因不明」2014.4.24「Q&A325 なかなか妊娠しません」2014.6.11「Q&A370 子宮筋層を柔らかくする薬剤」の結果報告)
先生のアドバイスで、スクラッチング+完全自然周期で5日目4BAを戻しました。アシステッドハッチングを施行し、移植時には6BAまで成長していました。BT9の判定日、hCG 60で着床しているとの判定をいただきました。BT14には23まで下がってしまい、残念ながら化学流産でした。
担当医曰く「着床できたということは、良い状況になってきている。お休み周期を入れても良いけれど、このまま続けて移植していきましょう」とのこと。残念な結果ではありましたが、産後の移植ではいつもhCGは1程度しか出ない状況が続いていたので、今回久しぶりに着床の数値が出たということは私にとっては大きな一歩だったのではないかと思っています。私にはホルモン補充周期よりも自然周期の方が合っているのかもしれません。
ただ、着床したのにそれ以上育たなかったということ、そしてこれまでの移植がすべて着床もしなかったということで、着床障害の疑いが完全に晴れたわけではないと自分では思っています。不育症専門病院に受診してみたい、という旨を担当医にお話ししたところ「快諾された」といううよりもむしろ勧められたので、キャンセル待ちしながら初診を待ってみようと思っている次第です。
先生にいただいたアドバイス、本当に参考になりました。胚盤胞はあと5個、分割胚は2個あります。主人と話し合って、今年いっぱいは頑張ることにしました。いつか良いご報告が出来ることを信じて・・・。

3 2012.10.5「☆精子は ためた方がよい?」の記事、本当にありがとうございました。
妻と結婚してから4年目になるのですが、双方多忙なこともあり、当初はほぼ毎日から2日に1度はあった性交が最近不定期になってしましました。私のアプローチが悪いという可能性はありますが、何日かないと、だんだんもやもやしてまいります。そこで、時々AVのお世話になるわけですが、何度か見つかりものすごく怒られました。しかし、今回の記事のおかげで、妻が私のその行動に理解を示してくれるようになり、必要以上に我慢しなくてもよくなりました。自分も、心のどこかでだめなのに、と思いながら、自慰していたので、少なくとも、これについても、必要以上に自分を責めなくてすみそうです。そして、何よりも、性についての正しい知識をこれからは求めたいと思うようになれました。本当にありがとうございます。



私の目指す生殖医療は、私が直接関与する医療だけではなく、ブログなどの啓蒙活動を通じて、日本全国あるいは海外にお住まいの皆様に、正しい知識を伝えることで、「一人でも多くの方に赤ちゃんを授かって欲しい」ただそれだけなのです。

1人の医師が1日に診療できる患者さんの数は、どんなにがんばっても60~80名くらいだと思います。ブログならその100倍~1000倍の方に読んでいただけるわけですから、より多くの方が正しい知識(治療)の恩恵を受けることができると考えます。「タダで情報提供してしまって、勿体ないと思いませんか?」とよく言われますが、「知識を自分1人のものにしておく方が勿体ないと思います」。人生には限りがありますから、生きている限り、精一杯勉強して新しい情報を吸収し、正しい情報を皆様に提供し続けたいと思っています。これが、私の目指す生殖医療です。