前日のエスケリータ68に続き、昨夜9月14日(土)は名古屋の【得三】にて、友部正人さんのライブを観て来ました。2連チャン、友部2Days、無事終了です。ああ疲れた楽しかった。
この日はお客さんのリクエストで演目が決まる、オールリクエストライブ。東京や仙台で開催されているリクエスト大会が、ようやく名古屋で観れるとあって、二日連チャンだけどこれは行くしかない、とチケット取りました。金曜土曜という日程も都合良かった。
二日続けて同じ人のライブなんて酔狂な、と思われるでしょうが、リクエストライブってのが楽しいんです。二年前の谷山浩子さんの時もそうでしたが、客がどんな曲を言うかわからないから、とんでもないマニアックな曲が出て、演者が困ったりして。とにかく、ファンとしたらめったに聴けない歌を聴けるチャンスなのです。
(リクエスト大会って大抵、演者があらかじめ準備したリストの中から客に選ばせることが主流のようで、友部正人と谷山浩子のように、いきなりの客の声に即座に応える、いわばガチの大喜利をやれる人って少ないですよ)

開場時間の18時前から、お店の前には入場を待つお客さんの列が出来ていました。僕は列には並ばず、隣にある中古レコード屋【ワイルドハニー】で時間を潰して、列が消えた頃にゆるゆると入場しました。

入口にて、いきなりユミさんと遭遇。目が合うなり《昨日もいたでしょ!二日続けて?》とのお言葉。顔を覚えててくださって嬉しい。
入口で料金を払うと同時に紙を渡され、そこにリクエスト曲を書くのです。

「おしゃべりがたくさん聞こえる夜に」はアルバム『読みかけの本』に収録された一曲で、なぜこれを演奏してくれないのかとずっと思ってる佳曲。「マリーナとウーライ」と迷ったけど、演ってくれたら嬉しいので、僕のリクエストはコレにしました。
ゆっくり入場したけど、空いてる前の席に滑り込み、良席確保ラッキー。当日券も出てたようですが、開演時間には会場がお客さんでいっぱいになって、なかなかの人口密度でした。年配の方に混じって若い人も多く来ていました。
定刻より10分ほど過ぎて、友部さん登場。客は歓声で迎えます。
友部さん《今日は、、リクエストを歌うので、少し緊張しています(拍手)、、途中、ズルするかもしれませんが(笑)、よろしくお願いします(歓声拍手)》

テーブルに置かれた紙袋に手を突っ込んで、中からお客さんがリクエストを書いた紙を抜き出し、歌うのです。谷山浩子の時とだいたい同じ方法です。誰のが選ばれるかはくじ運次第で、うらみっこなし。
友部《歌詞を探すのに、時間がかかるかもしれないので、(紙袋から)一回に二曲、引きます》

ステージに譜面台が七つ置いてあって、リクエストを見て後ろを振り向き、歌詞カードを探しに行きます。おそらく、左から古い順に歌詞が準備してあったようで、年代を目安に探してました。
そして、名古屋初のリクエストライブ、記念すべき一曲目は、
「乾杯」!
タイトルを読み上げた瞬間、客から小さな歓声があがりました。そりゃそうでしょう。友部作品の中で最も感動的な一曲。「乾杯」は僕は毎回だって聴きたいよ。これが聴けただけで来た甲斐があった。いきなり一曲目からもう昇天。
二曲目は「地獄のレストラン」。わりと新しめの作品です。前日のエスケリータでも演った歌だけど、エンディングにハミングを入れて、別の歌い方してました。
再び紙袋から選んだ二曲は、「中道商店街」。そして「少年とライオン」。僕も大好きな二曲です。ランダムなリクエストのはずなのに、まるで用意したかのように流れが良いと思いました。
この日は一曲ごとに友部さんがその歌のエピソードをポソッと喋って、それもちょっと珍しい光景。
友部《子供の頃、名古屋に住んでて、、今もあるかな、○○て映画館で、「猿の惑星」を学校帰りに観ました。あと、西部劇とか。おっきいスクリーンで観るのが楽しかったんです》
「少年とライオン」はその頃の、名古屋での少年時代を歌った歌なのだそうです。
ここで友部さん、《二曲ずつ選ぶって、、やりにくいな(笑)》と、ここから一曲選んでは(歌詞カード)探して歌って、と進行していきます。
「弟の墓」
友部《実は、弟の墓って、名古屋にあるんです。これをリクエストしてくれたのは、それを知ってて書いてくれたのかな》
「私の踊り子」
これは大好き。僕もリクエストしたかったくらい。本当にジーンとしました。
「Don't Think Twice It's Allright」
お客さんが嬉しそうに聴いてました。ボブ・ディランのカバーだけど、みんな好きなのですね。僕は初めてライブで聴けました。
友部《この歌は30周年の鎌倉でのライブの時、客席の通路で歌ったんです》
「長崎慕情」
これも初めて聴けた一曲。僕の反対側にいたご夫婦が、選ばれたわよ、と喜んでました。
友部《(長崎慕情を歌うと)旅行でも行ったような気分になりますね(客席がウンウンとうなずいてた)》
友部《アルバム『にんじん』は、もうCDという形では製造されてなくて、配信のみみたいなのですが、どこか(のレコード会社)でレコードで出してくれないかなって、思ってるんですけど》
友部《では、同じく『にんじん』ってアルバムから、「にんじん」(歓声)》
「にんじん」
そして、一部最後に歌われたのは、
「どうして旅に出なかったんだ」
でした。「にんじん」と「どうして旅に~」は歌詞カードなしで歌われました。
15分ほどに休憩後、第二部の一曲目は「ガーディナーさん」で再開。これも実は生で聴くのは初めて。可愛らしい歌です。
で、次のリクエストを見て、友部さんの様子が変わった。おもむろにギターのコードを確認しだして、たどたどしく何回か弾いた後、黙ってマイクから離れ、紙袋に再び手を突っ込んだ(お客さん爆笑)。
友部《(笑いながら)何の曲だったかって?三宅(伸治)くんと作った「曇り空」だけど、今日は、3KINGSは外してきたんだよな、、、》
歌詞カードがなかったようです。
友部《今日は、、長いステージになります(歓声)。ああ、良かった。反対の反応されたら困った(笑)》
「OUR FRIEND SHOKO」これも初めて聴けた。アルバム『ポカラ』から。
「こわれてしまった一日」歌い出したとたんに拍手が起こりました。人気曲です。
「もうずっと長い間」これもお初。ずっと長い間聴きたくて聴けなかった一曲。
ここで再びアクシデント。次のリクエストの歌詞が見つからず、譜面台をウロウロ。《あるはずなんです。「絵はがき」って、年代いつだっけな、、》結局見つからず、後回しに。
気を取り直して、次のリクエストを見た友部さん、《ああ、これはまさに名古屋のリクエストって曲ですね》と、「フーテンのノリ」。これは嬉しい!僕個人としてもずっと聴きたかった名曲です。あまりにも長い長いこの大曲を、途中咳払いしながらも見事歌ってくれました。
後方の譜面台が、左から古い順に歌詞が並んでる、とお客さんも気付きます。だから友部さんが左側に探しに行くと、あ、古い歌だ、と、ちょっとお客さんが嬉しそうなざわつきがあって、面白かった。
次の歌は、この日ではもっとも右寄りの譜面台に歌詞が置いてあったと思われる曲、「マリーナとウーライ」。これはもう、僕もリクエスト候補だったので、よくぞ書いてくれたとリクエストしてくれた誰かに感謝。
この時点で、時刻は21時を回ってました。友部《(紙袋を振りながら)まだ三分の一しか演ってない、、あ、全部はやりませんよ(笑)》
「水門」を感動的に歌った後、ステージにユミさんが駆け寄ってきて、友部さんに歌詞を渡しました。どうやら、さきほどの歌詞のなかったリクエストをプリントアウトしてきたようです。
友部《「絵はがき」は、春一番のライブにしか入ってない歌で、あと、『展覧会の絵』ってライブアルバムにも入ってる。毎回、リクエストライブをやると必ず書いてもらう曲なんです》
と、「絵はがき」。これは良かった。素晴らしい歌、素晴らしい演奏でした。個人的にこの日のハイライト。帰ったら『展覧会の絵』を聞き直そうと思いました。
そして、友部さんしきりに《不安だな》と言いながら、「曇り空」。これも改めて聴いてとっても良い歌じゃんと思った。途中で友部さん、歌い回しがわからくなって、何度も歌い直して、絶句。《わかんない。ここ、三宅くんが歌ってるパートだから(爆笑)》でもギターは止まらず、完走しました。
そして、本編最後に選ばれたリクエストは
「大道芸人」
でした。会場に見事な余韻を残しながら、一旦ここで友部さん退場。アンコールの盛大な拍手に呼ばれて、再登場。ここからアンコール。
「スカーフ」は、今のところ一番新しい音源『王さまのノイズ』(/3KINGS)より。こんな新しい歌にリクエストがあるとは。最近の作品のファンが来ているってことでしょう。歌詞カードなしで熱唱。
そして、友部さん《さっき歌詞を持ってきてくれた、ユミからもリクエストがあったので、歌わせてください。11日に亡くなったダニエル・ジョンストンのナンバーで、日本語歌詞はふちがみとふなとの渕上純子さん~》と、「歌う人」。タイミングとしても、これはおそらく友部さんがいま一番歌いたい歌でもあるのでしょう。前日のエスケリータでの演奏とは、エンディングを変えてきました。ラララを抜かして、新しい言葉を一言加えた。流石。
すでに時刻は22時を過ぎてる。さすがに終わりかと思ったら友部さん、《もう一曲だけ、リクエストを選んで、終わりにしたいと思います。(選んだ紙を見て)ああ、これは(最後に歌うのに)ピッタリの曲ですね》
本当に最後に選ばれたのは、
「すばらしいさよなら」
でした。
友部さんのオールリクエストライブ、とても楽しかったです。また機会があったら観てみたい。この日のリクエスト大会は、いわゆる往年のファンの人気曲や、普段歌われてないマニアックな曲に偏らず、友部さんが今でもステージで歌われてる新しい歌にもリクエストも多くて、ちょっと驚きました。
友部さんいわく《名古屋のリクエストは、本当に今聴きたいって歌を素直に書いてくださってる》とのこと。なんだこれなら友部さんしょっちゅう歌ってるじゃん、て思うより、これだってこの会場に来てる方が聴きたくってリクエストしたんだな、と、素直に楽しみました。
僕のリクエスト「おしゃべりがたくさん聞こえる夜に」は残念ながら選ばれなかったけど、それでも聴けて嬉しい歌をいっぱい演ってくれて、楽しかったですよ。
公演後、友部さんおそらく全てのリクエストをチェックしたと思うけど、そこで僕のリクエストも目を通してくれたら、いつかレパートリーに加えてくれるかもしれないものね(他の選ばれなかった曲が何だったか知りたい。気になりますね)。
リクエストライブは特別なもので、一度絶対観ておきたかったし、また行きたいけど、あえて比べていうなら、友部さんはいつものライブの方が、リクエストライブよりも断然僕は好きだな、と思いました。
二日間の一人夜遊びはたいへん充実したものとなったのです。友部さんお疲れ様でした。
2019年9月14日(土)
友部正人オールリクエストライブ at 得三
【一部】
乾杯
地獄のレストラン
中道商店街
少年とライオン
弟の墓
私の踊り子
Don't Think Twice It's Allright
長崎慕情
にんじん
どうして旅に出なかったんだ
【二部】
ガーディナーさん
OUR FRIEND SHOKO
こわれてしまった一日
もうずっと長い間
フーテンのノリ
マリーナとウーライ
水門
絵はがき
曇り空
大道芸人
【encore】
スカーフ
歌う人
すばらしいさよなら

終演後に得三のキーマカレーを食べました。美味しかったです。

この日の自分へのお土産。ワイルドハニーにてロイ・ウッドのベスト。
マシス