アドラー心理学における「早期回想」とは何だろう? | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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【アドラー心理学における 「早期回想」 とは何だろう?】

 

 

1.早期回想とは?

 

アドラー心理学では、子どもの頃の思い出を読み取ることで、

その人の現在の様子や課題を浮き彫りにする技法があり、

 

「早期回想」

 

と呼ばれています。 

 

早期回想というのは、

分かりやすくいうと、子ども時代の思い出のこと。 

 

ただし、

「いつも父親とよく公園で遊んでいた」 

というような漠然としたものではなく、

 

「あの日、父親と公園でキャッチボールをしていたところ、

ボールが草むらに入ってしまい ・ ・ ・ 」

 

というような具体的なストーリーのことを言います。 

 

つまり、

 

ある日、ある時に起こった1回だけの出来事 (ストーリー) 

 

のこと。

 

このような、

ある日、ある時に起こった1回だけの出来事のことを

心理学ではエピソードといいます。

 

一方、

 

「いつもよく ・ ・ ・ していた」 

というような話のことをレポートといいます。 

 

この言葉を使うと、

早期回想とは、 

 

その人の子ども時代のエピソード 

 

のことです。

 

しかも、 

 

・ できれば10歳くらいまでのエピソード 

・ なんらかの感情がともなっている 

・ その状況をありありと思い出せる 

 

ことが望ましいとされています。

 

 

 

 

 

2.早期回想から何が読み取れるの?

 

アドラー心理学では、

その人の 「性格や価値観、信念など」 を総称して 「ライフスタイル」  

という言葉を用います。  

 

そして、「人はその人のライフスタイルにもとづいて行動している」 と考えます。 

 

性格という言葉を使うと、

なんだか生まれ持って変えられないようなイメージがありますが、

 

ライフスタイルという言葉を使えば、

変えられるように感じます。 

 

ライフ (生活、人生) のスタイル (様式)  

 

なわけですから、

今のスタイルが気に入らなければ、

新しいスタイルに変えればいいのです。  

 

用語としては、「性格」 というより柔軟な言葉ですね。  

 

とはいえ、

実際にライフスタイルを変えるのは難しいものなのです。  

 

変えるかどうかはともかく、

自分自身のライフスタイルを知っておくことは大切です。  

 

自分自身の内面や行動パターンを

冷静に見つめることができるわけですから。  

 

それでアドラー心理学では、

ライフスタイルを読み取るために、早期回想を用いるのです。

 

 

 

 

 

3.マリーナ流の早期回想

 

実は、ライフスタイルを読み取るというのは

専門的な領域に入るので、簡単なことではありません。  

 

そこで、もう少し早期回想を

それほど手間をかけずに有効に活用できる方法を紹介します。

 

それはマリーナ流の早期回想の活用法。 

 

マリーナ・ブルヴシュタイン博士 (以下、親しみを込めてマリーナと呼びます) は、 

シカゴ・アドラー心理学大学院の教授。 

 

北米を中心に、世界中で活躍されています。

 

そんなマリーナが、日本に来られたとき、

私 (松岡) は東京で開催された講座に参加しました。  

 

そこで、マリーナの見事な早期回想の

デモンストレーションに感銘を受けました!  

 

翌年、今度はオンライン

マリーナの講座が開催されました。  

 

そこでも、彼女は早期回想の技法を、

惜しみなく披露してくれました!  

 

マリーナは、相手の早期回想からストレンクスとストラテジーを

見事に読み取っていました。 

 

ストレンクスとは、「強み」 

ストラテジーとは、「物事へのアプローチの方法や戦略」 

 

のことを言います。 

 

人って意外と自分自身の長所 (強み) に、

気づいているようで気づいていないものなんですね。 

 

アドラー心理学では、

ないものねだりをするのではなく、

 

本人の持っている 「強み」 を生かして、

物事にあたることが有効であると考えます。 

 

その際、ストラテジー (戦略) を知っておくことで、

自分がどのようにアプローチすればいいかの指針になります。 

 

ですから、

ストレンクスと (強み) とストラテジー (戦略) 

を知を知っておくことは大切なのです。  

 

また、アドラー心理学の特徴として、

 

「(その人の) ポジティブな側面に光を当てる」

 

というのがあります。  

 

相手が前向きに行動できるように、勇気づけをするのです。  

 

アドラー心理学は、勇気づけの心理学とも言われています。  

 

それに、ネガティブな言葉をかけられると

勇気がくじかれますが、

 

ポジティブな言葉をかけられると、

純粋にうれしいですね。  

 

というわけで、マリーナ流の方法では、

早期回想からストレンクス(強み)とストラテジー(戦略)を読み取ります。  

 

松岡も、マリーナ流の早期回想の手法を

自分なりに解釈・アレンジして、取り入れるようにしています。

 

 

< マリーナ (右) と松岡 (左) : 東京にて >

 

 

 

4.具体的にどうすればいいのか?

 

それでは、具体的にどうすればいいのでしょうか?

 

次回、ちかみつさんの早期回想を、

マリーナ流の方法で具体的に読み取ってみましょう。

 

ちかみつさんは四国の鑑定士の方です。 

本業の傍ら、様々な分野における鑑定をしています。 

 

空間と繋がり、探求をすることで、 

ご依頼者の問題に対して、指標や対処方法を

具体的にお伝えしています。

 

ホームページはこちらです。

CHIKAMITSU LAB

 

< 左がちかみつさん、右が私 >

 

 

 

そんなちかみつさんが早期回想のエッセイに、

オープンにご協力していただけることになりました! 

 

ちかみつさんは、そよかぜ ちかみつチャンネルの動画 No.7 に、

小学校1年生のときの思い出をアップされています。  

 

この思い出をもとに、

次回は具体的に読み取っていきますので、

それまでにぜひ動画 No.7 をご覧ください。 

 

 それでは、今回はここまでとなります。

 

 

ちかみつさんの動画はこちら。

 

< No.7 タートルカンパニー 山口敏太郎氏の 「アトラスラジオ」 に取材いただいて >

 

 

 

 

こちらの記事へ続く

ちかみつさんの早期回想

 

 

 

■ 執筆者

 

松岡 学

 

数学者、数学教育学者

高知工科大学 准教授、博士 (学術)

 

大学で研究や教育に携わる傍ら、

一般向けの講座を行っている。

 

アドラー心理学の造詣も深く、

数学の教育や一般向け講座に取り入れている。

 

音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。

ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。

 
 

 

■ 恋愛・結婚生活の本

 

大切なパートナーと幸せになれるような、 

アドラー心理学のエッセンスを詰め込んだ本となります。

 

電子書籍ペーパーバックでお届けします。

 

 

キララな恋愛や結婚生活を送るエッセンス

~ 大切な人と幸せになるアドラー心理学 ~

  (出版社:CLAP)

 

 

 

■ 関連コラムやエッセイ

 

マリーナから受けた対照的な2つの講座

 

私がアドラー心理学を伝えるときに大切にしたいこと

 

ちかみつさんのイベントに初めて参加して、考察したこと

 

 

 

■ コラム・エッセイ集 

 

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