【アドラー心理学】 マリーナから受けた対照的な2つの講座 ~ プライベートなエッセイ ~
私がマリナーナから受けた2つの講座
2019年2月3日~4日 東京
2020年11月7日~8日 オンライン
が思い出深く、
気づきや学びがありましたので、
個人的に感じたことを ここにまとめておきます。
私にとって、マリーナからの2つの講座は、
とても対照的な内容にうつりました。
講座のテーマは、
最初の講座が、運動の法則
翌年は、所属
どちらもアドラー心理学では重要な考え方ですが、
意外と、
この2つを中心に据えた講座というのは、
日本ではあまりありません。
そのような意味でとても貴重な講座でした。
運動の法則と言うと、私にとっては、
ニュートンの運動方程式が思い浮びます。
物体の運動を記述するのが、ニュートンの運動方程式。
方程式を解くことで、物体の運動を知ることができます。
人の精神活動にはアドラーの運動の法則があります。
似ているところもありますが、決定的な違いがあります。
物体の方程式は、客観的に解くことができますが、
人の心は主観的だということ。
精神活動は客観的に読み解くことが難しいため、
マリーナは、メタファーが有効だといいます。
マリーナによるメタファーの使い方は絶品でした。
職人技というべきでしょうか。
一方、所属といえば、
私にとっては数学の集合のイメージ。
数学では、ものの集まりを集合といい、
それぞれの要素が集合に属しているというからです。
ただ、数学の集合の場合は客観的な所属ですが、
人の所属は主観的です。
マリーナはそのあたりを明確に説明していました。
客観と主観
ニュートンの運動の法則とアドラーの運動の法則
数学の集合と共同体
これらを対比することで、
アドラー心理学の特徴が浮き彫りになってきました。
私にとっては数学的な感性が刺激される講座でした。
最初に東京で受けた講座は冬でした。
2019年2月3日~4日 : テーマは運動の法則
この年、
2月3日が節分で、
2月4日が立春でした。
つまり、暦の上では春の始まり。
春が始まり、人々が動き出す時期。
まさに 「運動の法則」 です。
講座の中で、マリーナは京都の桂離宮を
見学したときの様子を話してくださいました。
桂離宮の庭園を散策したとき、
地面に石が敷き詰められていて、
マリーナはその上を歩いていたそうです。
大きさや形が異なる石の上を歩いているうちに、
これはアドラー心理学だと感じたといいます。
大きさや形が異なる石が次々現れて、
それに対応して歩いていかなければいけません。
人生でも、予測不可能な出来事が次々に起きるので、
それに対応して進んでいかなければなりません。
そんなときに、アドラー心理学が役立つのです。
桂離宮の敷地の石の上を歩きながら、
マリーナはそんなことを思ったそうです。
< 桂離宮 >
一方、
翌年オンラインで受けたのは秋でした。
2020年11月7日~8日 : テーマは所属
この年、
11月7日が立冬でした。
暦の上では冬の始まり。
冬が始まり、
家でゆっくりと過ごしたい時期。
まさに 「所属」 です。
マリーナは言います。
「所属とは宇宙 (ユニバース) の中で自分の居場所を見つけること」
私たちはユニバースという宇宙に所属しているのです。
だから、人間だけでなく、自然との一体感も大切です。
そのような広い視点で所属を捉えると、
本質が見えてきます。
ここで、
嫌いな相手を好きになることはできるのか?
という疑問がわいてきます。
無理やり好きになる必要はありませんが、
もしかしたら、相手のことを誤解しているだけかもしれません。
そんなとき、マリーナは、
第3の目で見なければなりません。
第3の目はハートの中にあります、
といいます。
そのためのヒントが、
小説 『星の王子さま』 (サン=テグジュペリ) にあります。
砂漠でのキツネと王子さまの会話で、
キツネが王子さまに言った
「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは目に見えないんだよ」
という有名なセリフがあります。
目に見えないものは、
心の目で見なければいけないということです。
所属について、考えをめぐらせた2日間でした。
東京講座とオンライン講座、
2つの講座を受けた時期を比べると、
日本では、
季節の上では、
冬と秋
暦の上では、ちょうど
立春と立冬
の日に開催されました。
不思議なめぐりあわせです。
< マリーナ博士 >
最初に東京講座を受けたとき、
私自身、仕事でもプライベートでも
忙しい日々を過ごしていました。
1日目、マリーナの講座を受講した日の夜、
赤坂で別の節分イベントに参加する予定が入っていて、
東京でせわしく移動して、
まさに運動をしているような気持ちでした。
節分イベントでは、
タレントや芸人たちが鬼役の人に
「鬼は~外! 福は~内!」
といいながら、豆をぶつけていました。
日本文化を感じるイベントでした。
この頃の私の状況を物で表すとすると、
ペン
です。
字を書くとき、ペンはせわしく動いています。
当時の私も、何かを生み出そうとして、
せわしく動いていました。
それが私のメタファーです。
一方、
翌年の講座はオンライン講座。
私は、京都で受講しました。
コロナの影響もあり、
余裕を持った日々を過ごしていました。
メタファー的に、、、
この頃の私の状況を物で表すとすると、
綿
です。
フワフワしていて、柔らかくて優しい綿。
秋の深まりの中、
そのようなゆったりした気持ちでした。
オンライン講座が終わり、
御射山公園 (みさやまこうえん) に行くと、
木々が色づき始めていました。
講座のテーマが 「所属」 だったこともあり、
「私の居場所はどこだろう?」
そんなことを、
秋の御射山公園で考えていました。
最近、何かあると御射山公園のベンチに座って、
ゆったりと考え事をしています。
私の好きな公園。
そんな場所で、自分の居場所について考えていました。
< 御射山公園 >
その後、近くのカフェにこもって、
その日の内容を復習していました。
マリーナの貴重な講義内容をしっかり吸収したいと思い、
ホットコーヒーを飲みながら
4時間近くカフェにこもって復習しました。
オンライン講座はリアル講座と違い、
受けっぱなしだと頭に入りにくいのですが、
しっかり復習して、体に落とし込むことで、
理解が深まり、吸収できるのだと思う。
ゆったり過ごした秋の京都でした。
どちらも気づきにあふれた素敵な講座でした。
マリーナ博士、ありがとうございます!
< 最初の講座の後、帰り際、夜の東京駅にて >
< 翌年の講座の前、朝の御射山公園にて >
最後にこの2つの講座について、
講座の内容や開催方法から
私の個人的な状況まで含め、
10項目で対比をしておきます。
テーマ : 運動の法則 ↔ 所属
私のイメージ : (物理の)運動方程式 ↔ (数学の)集合
形式 : 対面 ↔ オンライン
場所 : 東京 ↔ 京都 (ミネソタ)
季節 : 冬 ↔ 秋
暦 : 立春 ↔ 立冬
時間 : 1日 ↔ 午前 (ミネソタは夕方)
私の状況 : 忙しい ↔ ゆとり
撮った(上の)写真 : 夜 ↔ 朝
メタファー : ペン ↔ 綿
【エッセイの執筆者】
松岡 学
数学者、博士 (学術)
高知工科大学 准教授
大学で研究や教育に携わる傍ら、
一般向けの講座を行っている。
アドラー心理学の造詣も深く、
数学の教育や一般向け講座に取り入れている。
音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。
ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。
出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。
『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。
『キララな恋愛や結婚生活を送るエッセンス』CLAP。
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