算数における交換法則 | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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たし算、ひき算、かけ算、わり算の4つを四則演算といいます。

この4つの性質を意識することで、
いろいろなことが見えてきます。

たし算では、

3+5=5+3

が成り立ちます。


「こんなの当たり前じゃないか!?」


という声が聞こえてきそうですが、
果たしてそうでしょうか?

5-3=2
3-5=-2

ですから、

 

5-3 と 3-5 は等しくありません。

ひき算では成り立たない、
ということが分かりました。
 


かけ算では、

2×3=3×2

なので成り立ちます。


6÷2=3
2÷6=1/3

 

なので、6÷2 と 2÷6 は等しくありません。

 

わり算では成り立たない

ことが分かります。

 

このようなことから、


+, -, ×, ÷

によって、性質が異なることが分かります。


一般に、

a+b=b+a

のように、数を逆にしても成り立つ規則性を

交換法則といいます。
可換という言葉も使います。 )

 


ですから、

たし算、かけ算は交換法則が成り立ち、
ひき算、わり算は交換法則が成り立たない。


ということが分かりました。

 


このことを理解するだけで、
随分と数の見方が広がると思います。

なぜなら、

どうして、ひき算とわり算は交換法則が成り立たないのだろうか?

と疑問が浮かぶからです。

 


実は、

成り立たないというより、

ひき算は、たし算で表され、
わり算は、かけ算で表される

と考えるのが自然なのです。

このことは、式で考えるとハッキリします。

5-3=5+(-3)

つまり、5 と -3 のたし算とみなすことができます。

同じように、

6÷2=6×1/2

つまり、6 と 1/2 のかけ算とみなすことができます。


これらのことから

たし算とかけ算が本質的である

といえるのです。

そして、

本質的な演算であるたし算とかけ算では、交換法則が成り立つ

というのが数学的な解釈なのです。

 


このことから、

算数は可換の世界の数学である

 

といえます。

 


高校や大学になると交換法則が成り立たないこともあり、
これを非可換性といいます。

 


このように、算数は可換性の数学といえるので、

2×3 と 3×2 の違いにこだわる指導方法は、
あまり好ましくないことが分かります。

 

 

 

 

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